妖精達と歩む大空   作:グリーン

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今回は短いです。


天馬VS.仔犬、ラミアVS.人魚

-闘技場

 

大魔闘演武四日目のバトルパート、タッグバトルが始まろうとしていた。

 

第一試合

 

ブルーペガサス 一夜&ウサギVS.クワトロパピー バッカス&ロッカー。

 

「バッカスさん、ワイルドにやっちゃいましょう。このままじゃ俺ら最下位っすよ」

 

「なーに俺は魂が震えりゃそれでいい」

 

気合充分のロッカーとマイペースなバッカスだが相手の一夜は自信に満ちあふれている顔でウサギに語りかける。

 

「さて…ついに君を解放するときが来たよ」

 

ブルーペガサスの他のメンバーすら知らないウサギの正体とは……会場にいる全員が注目する中、ついにウサギがその被り物を取る……

 

「見せてやるがいい…そのイケメンフェイスを……」

 

 

-フェアリーテイル観覧席

 

「ついに正体が分かるね……」

 

「おお~いったいどんな奴なんだろ?」

 

「ギヒッ!たいしたことねぇんじゃねえか?」

 

「もったいつけやがって…」

 

「そう言うな。一夜という男、性格に難があるがその実力は確かだ…恐らくあの中身は天馬の秘密兵器だ……」

 

そしていよいよウサギのマスクが外される。そして出てきたのは……一夜と同じ顔をしたエクシードのニチヤだった……観客達は驚きのあまりポカンとしていた。一夜と同じ顔が着ぐるみから飛び出し着地する。

 

「あれ、もしかしてエクシード?」

 

「あいつ!エクスタリアの……」

 

フェアリーテイル応援席のハッピーとリリーは他の誰よりも驚いていた。特にリリーは一応かつての同僚でもあったニチヤの登場に衝撃を受けている。

 

「一夜が二人とか……」

 

「しっかりしねえか!」

 

エルザが目の前の光景に耐えきれずにフラフラと倒れそうになったのを近くにいたガジルが支えている。

 

「……とりあえずエルザには効果があったみたいだね」

 

「しょうもないけどな……」

 

「アイツ…そんなに強い奴だったっけ?」

 

3人は闘技場に注目することにした。

 

 

-闘技場

 

闘技場では一夜とニチヤがキメ顔でポーズを取っていた。

 

「ダボルイケメンアタック」

 

「危険な香り(パルファム)だぜ」

 

その気持ち悪さに観客から悲鳴と鳴き声があがる。バッカス達はその光景に呆然としていた。そして一夜達はそのまま語りだした……

 

「私と私の出会い…それは正に運命だった……」

 

「ウム…あれはある晴れた昼下がり……」

 

だがそんなのを待つ必要もないとばかりにバッカスがニチヤに対して攻撃を加える。

 

「だっはぁー!!」

 

「メェーン!」

 

「何をするか!?」

 

一撃で吹き飛ばされたニチヤを見てブルーペガサス観覧席のレンが大声で叫ぶ。

 

「一夜さん!ソイツ戦えるのかよ!?」

 

「当たり前だ!私と同じ顔をしている!つまり私と同じ戦闘力!!」

 

ニチヤは地面に倒れこんでそのまま意識を失った……

 

「くたばってるじゃねーか!?」

 

「うそーん!?」

 

 

 

-フェアリーテイル観覧席

 

「同じ顔だからって強さまで同じわけがないのに…どうしてブルーペガサスの人はこう……独特の価値感を持ってるんだろう?」

 

「あそこは変わってるからな……」

 

ツナとラクサスが溜め息を吐いていると闘技場では二対一になってバッカスとロッカーに猛攻を加えられている一夜の姿があった……

 

「一夜!やり返せ!!」

 

「なんでナツは一夜さんを応援してるの?」

 

「そりゃ一緒に戦ったこともあるからな!」

 

「まあ一夜もこのままでは終わらんさ」

 

「エルザのダーリンだしね」

 

「全力で否定する!!」

 

「お、なんか流れが変わりそうだぜ」

 

闘技場では一夜が筋肉モリモリになり、筋肉の隆起で服を破ってパンツ一丁になった姿があった。

 

 

 

-闘技場

 

「君に捧げよう…勝利と言う名の香り(パルファム)を……」

 

「なんでぇ!?急にワイルドに!」

 

「こいつは力の香り(パルファム)だ!!」

 

「食らうがいい!これが私のビューティフルドリーマー…微笑み…スマーッシュ!!!」

 

「「どわあああぁっ!!」」

 

至上の微笑みで相手が止まった所を思いっきり殴り飛ばした。だがその至上の微笑みを見た観客は気分が悪くなり嘔吐している者もいる。

 

この一撃でバッカスとロッカーは戦闘不能になり、ブルーペガサスの勝利となった。

 

 

-フェアリーテイル観覧席

 

「あのバッカスを……」

 

「二対一で勝つ……か」

 

「やっぱすげぇ!!」

 

「何でバッカスさん避けれなかったんだろ?」

 

「あの微笑みを間近で見て体が固まったんだろ」

 

「意外な酔・劈掛掌の破り方だね……」

 

 

-闘技場

 

第二試合

 

ラミアスケイル リオン&ユウカVS.マーメイドヒール カグラ&ミリアーナ

 

序盤はミリアーナが一人でラミアを翻弄していたが女性を傷付けるのを良しとしないリオンが策を弄してミリアーナを戦闘不能にした。

 

カグラはその圧倒的な実力で瞬く間にユウカを戦闘不能にしてリオンと一対一で戦っていたが、遂にリオンも本気を出して三頭の氷獣で攻める。

 

だがカグラの重力魔法により氷獣の動きを止められてしまう。カグラの一撃がリオンに炸裂する直前にタイムアップとなり、引き分けという結果になった。

 

 

「やっぱ強ぇなカグラ……」

 

「まだ本気を出してるとも思えん……」

 

「毎年そうさ。カグラが本気になったとこなんて誰も見たことねーんだ」

 

ユウカは悔しそうに体を震わせている。

 

「カグラちゃん大丈夫?」

 

「問題ない…あのリオンという男スジがよいな。これが試合でなく殺し合いであったならば…死んでいたぞミリアーナ」

 

「う……」

 

「もっと強くなれ……」

 

「……うん」

 

 

-フェアリーテイル観覧席

 

「ミリアーナもがんばったね」

 

「ああ…だがカグラの本気は見れずか……」

 

「相当な腕なのは分かるけどね……」

 

「切るべき相手のみに抜く刀か……」

 

「その切るべき相手がジェラール……」

 

「ふう……今はナツとガジルの応援をするとしよう」

 

「そうだね……俺ちょっとナツの所に行ってくるよ」

 

「激励か?」

 

「そんなところ」

 

ツナは会場に出る前のナツと会うとすぐに観覧席に戻ってきた。そしていよいよセイバートゥースとのバトルが幕を上げる。

 

 

 

-闘技場

 

『興奮冷めやらぬ会場ですが次のバトルも目が離せないぞー!!今…両ギルドの紋章が闘技場に掲げられたー!!』

 

両ギルドの紋章が交差するように掲げられると観客から大歓声が巻き起こった。

 

『7年前最強と呼ばれていたギルドと現最強ギルドの因縁の対決!!フェアリーテイル ナツ&ガジルVS.セイバートゥース スティング&ローグ!!』

 

選手の紹介と共に歓声がさらに大きくなる。先程のナバルバトルでの因縁から観客達もこの対決を待ち望んでいた。

 

『しかもこの四人は全員が滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)!!全員が竜迎撃用の魔法を持っているー!!』

 

「待っていたぜこの瞬間を」

 

スティングが嬉しそうに言うがナツもガジルも相手を睨み付けるだけで言葉は発さない。ただ倒すべき相手を見ていた……

 

『遂に激突の時ー!!勝つのは妖精か虎か!?戦場に四頭の(ドラゴン)が放たれたぁ!!!』

 

 

 

-???

 

 

どことも知れぬ場所……辺り一面が溶岩に囲まれた場所に一頭の竜が鎮座している。

 

白竜(バイスロギア)……影竜(スキアドラム)……貴様等の作り上げた滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がいかなるものか…見せてもらうぞ」

 

その竜はこれから起こる戦いをこの場所から見物するようだ。

 

「人は竜を超えたのか…それは儚き夢なのか……我等が動く時は近い……竜王祭は間もなく訪れる」

 

その竜……炎竜王の名を冠するイグニールは預言するかのように言葉を残した……

 

 




今回は幕間回なので短いです。次回激突!!

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