―X791年 天狼島
「よいギルドになりましたね、三代目。」
フェアリーテイル初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの言葉に、つい先程まで
しかし、みんなの凍結封印を解除するのに7年もの月日が経っていた。彼らの生存を信じ、捜索に来た居残り組は当然7年の月日を過ごしており、天狼組はその変化に衝撃を受けた。
捜索組が船の準備をしてる間に天狼組は傷の手当てや、帰る支度などをしていた。
「よーし!じゃあギルドに帰ろうぜ!」
桜色の髪にマフラーを巻いた少年―ナツ・ドラグニルが元気に叫ぶ。
「オイラ魚たくさん食べたいよ。」
「しかし、あたしたちにとってはほんの少しなのに7年も経ってるなんて昔読んだ童話みたいな話ね。」
「けど捜索に来てくれたみんなの姿を見れば納得するしかねぇな。特にドロイ…」
「ああ…随分とたるんでいたとみえる。帰ったら風紀を引き締めねばな…」
「まぁまぁエルザさん。みんな元気そうでいいじゃありませんか。」
エクシードのハッピー、ルーシィ・ハートフィリア、グレイ・フルバスター、エルザ・スカーレット、ウェンディ・マーベルが雑談する中、
「よろしい。ではフェアリーテイルへ帰るぞ…なんじゃあ!!!」
三代目ギルドマスター、マカロフ・ドレアーが帰還のために声をかけたとき、強い光が天狼島の森の中に現れた。みんなが怪訝な顔をしていると、
「あの光のもとに何者かがいます。」
メイビスがそう告げる。
「まさか
「マジかよ!!」
「ギヒッ!ならぶっ倒すしかねーな!」
「それが
ナツ、グレイ、ガジル・レッドフォックス、エルフマン・ストラウスの4人は競うように光のもとへ走り出す。
「あっ!ナツ!」
「グレイ様!!」
「ガジル!!」
「エルフマン!待ちなさい!」
ルーシィ、ジュビア・ロクサー、レビィ・マクガーデン、そしてエルフマンの姉のミラジェーン・ストラウスが止めるも、4人はすでに森の中へ走って行った。
「まったく…敵かどうかも分かってねえってのに…」
ギルド最強の魔導士ギルダーツ・クライヴがぼやく。
「けどよ、この天狼島に無断で侵入したってことはフェアリーテイルに敵対する奴じゃあねえのか?…俺には関係ねえけど。」
マカロフの孫、ラクサス・ドレアーが顔を反らしながらつぶやく。この男、現在絶賛破門中である。
「ツンデレだね…」
「カワイイとこあるじゃん。」
「うっせ!」
「カナはやらんぞ!」
「オッサン!なんでそうなんだよ!」
リサーナ・ストラウスとカナ・アルベローナが茶々を入れるとラクサスは顔を赤くする。ちなみにギルダーツは先程カナが娘と知らされて、親バカとなった。
マカロフはその光景を見ながら密かに笑みを浮かべた。ラクサスが昔のようにみんなと交流し、それがみんなに受け入れられている状況が嬉しいのだ。
―破門を解く日もそう遠くないかもしれん―
「初代、いかがいたしますか?」
浮かんだ心情を隠し、初代に問いかける。
「この気配…ジョットによく似ていますね。」
「ジョット?それは確か…」
「どわぁぁぁぁっ!!!」
マカロフが答えようとしたとき、情けない叫びとともにナツが森の中から飛んできて地面に激突した。…だけでなく、
「ギヒィィィィィッ!!」
「うわぁぁぁっ!!」
ナツに重なるようにガジル、グレイも飛んできた。…なぜかグレイは服が脱げている。それを見てジュビアが顔を真っ赤にしているのもいつも通りだ。
「
最後にエルフマンが訳のわからないセリフとともに飛んできてその重量に下の3人は、気絶した。
「おい!ガジル!」
「ちょっと!この4人がまとめてやられるなんて…」
「いったいどんな人が…」
エクシードのパンサーリリーが相棒のガジルに声をかけ、リリーと同じエクシードのシャルルとその相棒であるウェンディが怖がるなか、森から足音が聞こえる。
「誰だっ!!」
その足音に対し、ラクサス親衛隊『雷神衆』の一人であるフリード・ジャスティーンが叫び、残りの雷神衆であるビッグスローとエバーグリーンが脇を固める。エルザも剣を換装し、みんな緊張しながらその人物が出てくるのを待つ。
森の陰から姿を現したその人物は高級感あるスーツを着こなし、額と両手に色鮮やかなオレンジの炎を灯し、悠然と歩いてくる。その姿は正に王者の行進と呼んでも差し支えなく、誰もが見とれていた。
「初めまして。沢田綱吉といいます。」
笑顔で挨拶をするツナの額の炎を瞬きせずに凝視していたメイビスは誰にも聞こえない声でつぶやく。
「死ぬ気の炎…」
こうして大空と妖精たちは邂逅を果たした。
森の中で何があったかは次回!てか天狼組全員出たよね?