妖精達と歩む大空   作:グリーン

24 / 90
ちょこちょこ書いてたらけっこう長くなりました。


女の魅力バトル!

-医務室

 

「私はエルフマンという漢を少々見くびっていたようだな。その打たれ強さと強靭な精神力は我がギルド一かもしれん。エルフマン掴み取った勝利は必ず私達が次に繋ごう」

 

治療を終えたエルフマンが寝ているベッドの周りにはAチームの全員が揃っていた。エルザの言葉を皮切りにみんなが次々に大金星をあげたエルフマンを讃える。

 

だがとてもこれ以上参加することは不可能との診断が出たのでリザーブ枠を使い、ウェンディが参戦することになった。

 

「情けねえが俺はこのザマだ。後は任せたぞ、ウェンディ……」

 

「はいっ!!」

 

先程誘拐事件が起こりかけたので雷神衆が守りをかって出た。特にフリードの術式で部外者の出入りを禁じることで堅固な守りを施すことにした。

 

 

-通路

 

リサーナとシャルル、Aチームの面々は途中まで一緒に行くことにした。通路を歩きながら誘拐犯について話している。シャルルに対しグレイが疑問を尋ねる。

 

「結局レイヴンテイルじゃなかったってことか?」

 

「ええ、ツナの尋問でハッキリしたわ。誰の差し金か言う直前に兵士達が来て連れていったのよ」

 

「間が悪かったな……」

 

「レイヴンの奴等以外にも俺達にちょっかいをかける奴等がいるってことか……」

 

「狙われたのはおそらくルーシィだと思うからレイヴンとはあまり関係なさそうね…」

 

「ツナは何か言ってた?」

 

「何か考えてたみたいですけど特には何も…」

 

「ちくしょ~!兵士が来るのが後ほんのちょっと遅ければハッキリしたのによ!!」

 

「マジで残念だな…にしても嘘をアッサリ見破って黒幕を吐かせるってさすがツナだな」

 

「何か頼りっぱなしだね~」

 

「ルーシィ、あまり一人にはならないようにな」

 

「うん。なるべくツナと一緒にいるわ」

 

「ツナさんじゃなくてもいいんですよ?」

 

「……」

 

「……」

 

「ちょっと二人とも……」

 

「ヤレヤレ……困った二人だ」

 

「でも今一番ツナの近くにいるのってミラ姉だよね~。同じ年だし、同じチームだし、撮影一緒にしたし」

 

「「うっ!」」

 

リサーナの嬉しそうな言葉が二人の胸に突き刺さった。ほどなくしてリサーナとシャルルは応援席へ、Aチームは自分達の観覧席へとそれぞれ向かい出した。

 

-応援席

 

第三試合はフェアリーテイルB ミラジェーン・ストラウスVS.ブルーペガサス ジェニー・リアライトだった。

 

「うえー、エルフ兄ちゃんの次はミラ姉!?」

 

リサーナとシャルルが応援席へ戻るとすでに試合は始まっていた。カナがリサーナにエルフマンの容態を聞いてきたのでボロボロだけど大丈夫と答えておいた。

 

ハッピーがシャルルに飛び付き無事を喜ぶ。それをスルリと躱したシャルルはルーシィが狙われたことと自身が見た予知夢が繋がっているのでは…と考えていた。

 

「(考えても仕方ない。今は私達のギルドを応援する時!)ミラジェーン!頑張りなさいよ!…て何…これ……?」

 

「それが……」

 

「ウム……」

 

シャルルが見たものとは……?

 

 

 

Aチーム観覧席

 

「「どうなってんだコリャー!?」」

 

「む」

 

「ミラさん……」

 

「と週ソラ彼女にしたい魔導士1位のジェニー」

 

戻ってきたAチームもシャルル同様に驚愕している。観客(男性)は異様な盛り上がりを見せている。その盛り上がりの中心である闘技場では……

 

 

-闘技場

 

「こんな感じ?」

 

「こう?」

 

ミラとジェニーがそれぞれ水着姿で魅惑的なポーズを取っている。共に変身系の魔法を使い、さらに元グラビアモデルということで実現した変則ルールのグラビア対決が行われていた。

 

「こっち?」

 

「は~い♡」

 

ポーズと水着を変える度に観客はおろかフェアリーテイルの男性陣も盛り上がっていた。その中でもマカロフ、マカオ、ワカバなどのフェアリーテイル年配組の盛り上がりは凄まじい……

 

ウェンディなどは自分がしてる訳じゃないのにものすごく恥ずかしそうだ。ちなみにジェニーは一夜の代わりにリザーブ枠で出場している。

 

「さすがにやるわねミラ。まさかグラビア対決、のってくれるとは思わなかったわ」

 

「ジェニーこそ。だって殴り合うのとかあんまり好きじゃないし平和的に決着がつくならその方がいいじゃない」

 

ちなみにここまでの点数は両者ともほぼ互角だ。

 

『ジャッジは我々実況席の三人が行います』

 

『責任重大だねぇ』

 

『どっちもCOOL&ビューティ!!』

 

『では次のお題は……』

 

「お待ちっ!!」

 

チャパテイが次のお題を発表しようとした時、闘技場に飛び込む3つの影。

 

「小娘ばかりにいいカッコさせる訳にはいかないからね~」

 

「強さだけでなく美しさでもマーメイドヒールが最強なのさ!!」

 

「なんでアチキまで……」

 

ほっそり体型のリズリー、アラーニャ、ベスが乱入してきた。ベスはあまり乗り気ではないようだが…ちなみにリーダーのカグラは参加していない。驚く観客達。さらには、

 

「お待ちなさい!あなた達には愛が足りませんわ!水着でポーズを取れば殿方が喜んでくれると思ったら大間違いですわ!やはり愛……愛がなくては!」

 

「私も負けてられないもんね!」

 

続けてラミアスケイルのシェリーとシェリアまでもが乱入し、観客は大興奮している。

 

 

-応援席

 

「うわぁ~みんなすごいな~」

 

レビィの感嘆の声に反応したのは幽体である初代マスターであるメイビスだ。

 

「感心してる場合ではありませんよ!他のギルドにだけいいカッコさせていいんですか?」

 

「まさか私達も!?」

 

「でも水着なんて持ってきてないし……」

 

リサーナは驚愕し、カナは反論するがメイビスは余裕を崩さない。…ちなみにみんなはカナにその服はほぼ水着だろうという目線を送っていた。

 

「心配ご無用!こんなこともあろうかと……全員分の水着を持って来ちゃいましたー!!」

 

笑顔で大量の水着を放り投げるメイビス。逃げ道を塞がれたフェアリーテイル女子メンバーは参加することになった。その様子をマカロフは読みが我々とは違うと感嘆していたが、ロメオは単に遊びたかっただけなんじゃ…と思っていた。

 

ちなみにメイビスはAチームの方にも現れて参加を促す。エルザはノリノリで、ルーシィとウェンディは渋々と参加することになった。

 

 

-Bチーム観覧席

 

一方そのころBチームサイドでは既に水着に着替えたジュビアが準備万端でスタンバイしていた。

 

「水着が一番似合うのは水を操るこのジュビア」

 

「なんだ?お前も行くのか?」

 

「恋する女はこういう時に戦わなきゃ!」

 

ジュビアのテンションに辟易しているガジルとラクサスに対して、ツナは笑顔でジュビアを送り出す。

 

「すごくよく似合ってるよジュビア。グレイにしっかりといいとこ見せるんだよ」

 

「ツナさん…はいっ!ジュビア行きます!」

 

ジュビアは闘技場へと走っていった。

 

 

-闘技場

 

ミラとジェニーの周りには多くの女性達が水着姿で様々なポーズをとって会場を盛り上げている。会場の男性客の歓声はもはや天元突破だ。

 

『こ…これはものすごいことになりましたー!!しかしこのまま続行させていただきます!』

 

『これだけ盛り上がっているのに止めたら暴動がおこるからね~』

 

『グゥレイトCOOL!!』

 

実況席もかなりの盛り上がりだ。ちなみに勝敗はあくまでミラとジェニーに委ねられるとのことだ。レビィがなら出る意味ないと突っこみをしたがノリノリの初代に宥められていた。そして様々なお題が続く……

 

『お題-スク水』

 

「ウェンディは違和感ないね」

 

「嬉しくないです!!!」

 

リサーナの言葉にウェンディが心から叫ぶ。やはりスタイルがいいミラやリサーナは少し違和感がある。レビィもあまり違和感が……

 

 

『お題-ビキニにニーソ』

 

「何か…水着だけより恥ずかしいような……」

 

ルーシィが恥ずかしがっている横ではジュビアがグレイの方を見ながらノリノリでポーズをとっている。

 

 

『お題-メガネっ娘』

 

「私は元からね」

 

ラキやエバーグリーンは元々メガネをしているので変化はない。マーメイドヒールのベスはビン底眼鏡とやる気が感じられない。

 

 

『お題-ネコ耳』

 

「私がしても意味なくない?」

 

元々の耳をたたんで猫耳バンドをつけるシャルルは自分の姿に疑問を感じていた。その後ろではビスカとアスカが親子でネコ耳をしている。

 

 

『お題-ボンテージ』

 

「これも一つの……愛!」

 

「はまり過ぎ……」

 

シェリーがムチを振るう姿にシェリアがちょっと引いている。エルザに張り合うエバーグリーンはエルザの格好と眼光に即土下座をしていた。

 

 

『次のお題はウェディングドレスです。パートナーを用意して着替えて下さい!』

 

周りの者達も各々パートナーを選んでいる。リサーナはナツに突撃して小さい頃の約束を言い出してウブな反応を楽しんでいる。

 

リオンはジュビアを狙うがグレイによって奪い返され、ジュビアは感激している。ハッピーはツンデレな反応を見せるシャルルとペアを組む。

 

その他にも天馬のレンとラミアのシェリーの婚約者カップルやまったくやる気のないガジルに視線を送るレビィの姿がある。

 

ロキが勝手に出てきてルーシィのペアになろうとするが、不機嫌なルーシィに即座に送り返された。

 

そのルーシィの視線は同じように不機嫌なウェンディと共にあるペアに固定されていた。

 

 

 

「ま…手頃なところで……」

 

「その方がはまったりしてね……」

 

ジェニーの相手役はブルーペガサスのヒビキだった。対するミラは、

 

「急に頼んでゴメンね、ツナ」

 

「それはいいんだけど…背中に視線が…」

 

ミラの選んだ相手はもちろんツナ。その背中に鋭い視線が2つ突き刺さっている。美男美女の二組のカップルに会場の女性客も歓声をあげる。

 

「ふっ…ツナヨシ君。これは君と僕というライバルの勝負でもある」

 

「いやいや…何で!?ってかいつから!?」

 

指差してくるヒビキの言葉に本気で訳が分からないという感じで聞き返すツナ。

 

『さあアピールタイムです!二人の仲の良さを存分にアピールして下さい!!』

 

その言葉にヒビキはジェニーをお姫様抱っこする。その姿に会場の女性客が黄色い歓声をあげる。

 

「やるわね…ツナ、こっちもお願い」

 

「いいけど二番煎じなんじゃ……」

 

「考えがあるわ。あのね…………」

 

「…分かった」

 

ツナは額に炎を灯してXグローブをつけるとそのままミラをお姫様抱っこをする。突き刺さった2つの視線がさらに鋭くなる。

 

ミラがツナの首に手を回して右手をフリーにしたツナは炎を使って空を飛んでそのまま観客席に沿ってゆっくりと飛ぶ。ミラは片手で体を支えながら観客に笑顔で手を振っていた。

 

『おっとこれは!ミラを抱き抱えながゆっくりと遊覧飛行するツナヨシ!!会場の視線をくぎ付けにしているーー!!』

 

「くっ…さすがはツナ君ね……」

 

「やはり僕達の永遠のライバルだね…」

 

闘技場にいる参加者達は揃って空を見上げ、会場の女性達は羨ましそうに歓声を送っていた。

 

『この二人、もはやハネムーンと言っても過言ではないね……』

 

ヤジマの言葉に二人の少女の我慢がもはや限界にきていた。一周した後、再び中央に着地するツナとミラ。そこに2つの人影が飛び込んできた。

 

「「ツナ(さん)!!ミラさんばっかりズルい(です)!!」」

 

「え、でも試合だし……」

 

「だからといってやり過ぎです!」

 

「そーよ!ミラさん!なんて羨ましい!」

 

「あらあら…困ったわね、一応私の試合なんだけどね……」

 

「だから我慢してたんですけど限界です!」

 

「だいたいミラさんばっかりいつもズルいですよ!撮影とか同じチームとか!」

 

「あら、それは偶然よ?」

 

「絶対嘘です~!」

 

『おーっと!!ツナヨシを中心に突如恋のバトルが勃発したー!ツナヨシを三人の花嫁が奪い合う!ツナヨシはリア充ハーレム野郎だったのか!?ウェンディたん騙されるなー!!』

 

「ホントにこの実況何言っちゃってんの!?」

 

「じゃあ間をとって私が……」

 

「ジェニーさん!?」

 

「悔しいけど……僕の…負けだ……」

 

「ってヒビキさんまで!!」

 

あんまりな実況、スルリと三人の花嫁の間に入ってきたジェニー、膝をついて泣き崩れるヒビキにそれぞれツッコミをいれる。この場にリボーン(大人版)がいたらきっとカオスだな……と言っていたであろう。

 

…そこへ救世主が現れる。

 

「そろそろアタシの出番のようだね!!」

 

声のした方を全員が見る。そこにいたのはラミアスケイルのマスターであるオーバ・ババサーマだった。

 

「女の魅力を教えてやるよ~!!」

 

闘技場に飛び降りたオーバは来ていたマントを脱ぎさってポーズを決める。

 

「うっふ~~~ん!」

 

その瞬間、会場の時が凍りつく。誰も動かず喋らない完全なる沈黙がそこにあった。

 

『……ただいまの一撃で会場のテンションは一気に冷めきってしまいました。乱入組も引き上げていきます』

 

みんなが肩を落として引き上げて行く中、一人だけオーバに心から感謝している者がいた。

 

-ありがとう!ラミアスケイルのマスターさん!あなたの犠牲は絶対に忘れない!!-

 

意外と腹黒なツナだった……

 

『さあ時間を大幅にオーバーしてしまいましたので次がラストのお題とさせていただきます』

 

その瞬間、ジェニーが今まで暖めていた作戦を発動する。

 

「ねぇミラさっきの試合にちなんで私達も賭けをしない?負けた方が週刊ソーサラーでヌード掲載するの!」

 

「いいわよ♪」

 

オーバによって沈んだ会場が再び盛り上がりを取り返した。男性客のボルテージは最高潮になる。

 

ジェニーがこう言い出したのは訳がある。審査員のチャパテイとヤジマは若い娘が好み。ジェイソンは雑誌の売り上げの為に7年振りに復活して歳はそのままのミラを雑誌に載せたがると見込んでのことだ。

 

最後のお題は戦闘形態。勝ちは決まってると思うジェニーは早速変身する。ミラも変身しながらジェニーに語りかける。

 

「さっきの試合の流れにそって賭けが成立したんだから最後は力のぶつかり合いって事でいいのよね?私は賭けを承諾した。今度はあなたが力を承諾して欲しいわね」

 

ミラが変身したのは魔人ミラジェーン・シュトリ。エルザ曰くエルザの知る限り最強のサタンソウルとのことだ。目論見が外れたジェニーは焦る。

 

「そんなーー!!」

 

「ねえ」

 

次の瞬間、無慈悲な一撃がジェニーを吹き飛ばした。これにより勝者はミラジェーンとなった。元々のルールに沿っているので誰も文句は言えない。

 

「ゴメンね!生まれたままのジェニーの姿、楽しみにしてるからね」

 

「い~や~~!」

 

輝くような笑顔で止めをさすミラと泣きじゃくるジェニー…正に人を呪わば穴2つである。

 

 

-Bチーム観覧席

 

勝利して戻ってきたミラを出迎えるBチーム一同。

 

「お疲れ様です」

 

「何だかはしたない格好をたくさんしちゃった気がするわ……」

 

「一番エグかったのは最後だけどな……」

 

「これで22pt。ナツ達のチームに並んで暫定トップだな」

 

「まったく…勝ったのは良かったけどもうあんな賭けなんてしないでよ」

 

「ゴメンねツナ、でも絶対に負ける気はしなかったから許してね」

 

「ハイハイ……ところでジュビアはちゃんとグレイにアピールできたの?」

 

「はい!バッチリです!グレイ様はリオン様からジュビアを取り返してくれました!その上お姫様抱っこまで……」

 

幸せそうなジュビアにツナとミラは笑顔を浮かべる。ともかくフェアリーテイルの快進撃はこれからも続いていくのだった。

 

 

 

 




時間がかかってすみません

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。