妖精達と歩む大空   作:グリーン

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ちょこちょこ書いてました。


試合後の妖精達

-闘技場

 

未だに鳴りやまない歓声の中ツナはジュラに肩を貸してラミアスケイルの待機所へと向かいながら会話していた。

 

「すまぬな…」

 

「いえ、俺がやったことですし…」

 

「しかしただ者ではないとは思っていたがまさかこれほどの強さとは思っていなかった…見事としか言えん」

 

「「ジュラさん!!」」

 

リオンとシェリアが駆け寄って来る。

 

「おお、二人ともすまぬな。負けてしまったわい」

 

「そんなことはいいですから!シェリア!治療を!」

 

「うん!ジュラさんこっちへ!」

 

「まぁ待て。そこまで心配することはない…ツナヨシ殿ここまでで結構ですぞ。仲間の元へ戻られるがよい」

 

「分かりました。俺が言うのも変ですけどお大事に。リオンと…シェリアちゃんだっけ、あとはよろしくね」

 

「言われるまでもない」

 

「うん!後は任せて!」

 

ツナは二人にジュラを預けると踵を返して去っていった。その背中を見送りながら三人は会話をする。

 

「アイツ…いったい何者だ?」

 

「すごく強かったよね~まさかジュラさんが負けるなんて思わなかったよ」

 

「儂もまだまだということだな…世界は広い。ツナヨシ殿とは腕を磨いてもう一度闘いたいものだ…」

 

 

-セイバートゥース観覧席

 

 

「強い…記憶できないほどだった」

 

「オルガの予想は大外れだったな」

 

「うるせー!あんなの予想できるかよ!」

 

「た…大したことないですよ!スティング君の方が強いに決まってますよ!」

 

「フローもそう思う」

 

「いや…あの男の強さは桁違いだ。恐らく予選1位という結果もあの男の力が大きかったのだろう」

 

「……///」

 

「ユキノはさっきからこんな状態だしな…ほんとに何者なんだ?」

 

優勝を目指すセイバートゥースもツナを警戒していた。

 

 

-マーメイドヒール観覧席

 

 

「かわいいネコネコだったよね~カグラちゃん。しかもマントになったり武器になったりすごいネコネコだね」

 

「だからライオンだと言っているだろう。…確かに可愛らしかったな。…たがそれ以上に警戒するのはあの男だな」

 

「まさか聖十のジュラを倒すなんてね」

 

「アチキこんなのはじめてみたよ」

 

「顔だけじゃなかったみたいね」

 

 

-ブルーペガサス観覧席

 

「まさかこれほどとはね…」

 

「スゴいや」

 

「素晴らしい香り(パルファム)だったよ。やはりただのイケメンではないようだねツナヨシ君」

 

「くそっ!どんだけ強いんだよアイツ…」

 

「諸君!彼に負けないよう我々も頑張ろうではないか!」

 

「「「押忍、先輩!」」」

 

 

-Bチーム観覧席

 

「ツナ~!」

 

自分の陣地へ戻ったツナを出迎えるBチームの面々。ミラは嬉しそうに駆け寄ってくる。

 

「なんというか…凄いとしか言えないです。まさか聖十のジュラさんをあっさり倒すなんて…」

 

「ギヒッ、マジですげえ奴だったんだな」

 

「俺と闘った時は全然本気出してなかったのかよ…」

 

「それにしてもナッツちゃんも凄かったわ…マントになるのは知ってたけど魔法を防いだり武器?になったり」

 

「前に言ったでしょ?ナッツは俺の大切な相棒だって。防御形態のマントと攻撃形態のガントレットに変化するんだ」

 

本当はもうひとつ形態があるが実演しないとよく分からないだろうと思い、その事は黙っていることにした。

 

「それにしても氷も使えたんだな」

 

「うん。零地点突破初代エディションて言って初代…ジョットが奥義として使ってた技なんだ」

 

「なんにしてもこれで10pt獲得ね。凄いわツナ!」

 

そういって腕に抱きついてくるミラ。遠くから鋭い視線が2つ突き刺さっているがいつものことだ。

 

「これで明日以降の闘いにも弾みがつくな」

 

「はい!明日もがんばりましょう!」

 

「ギヒッ、こいつにだけ活躍させるわけにもいかねぇしな」

 

「うん。ツナに負けないように私もがんばるわ」

 

「じゃあ帰ろうか」

 

「あの~」

 

帰ろうとしたBチームの後ろから声がかかる。振り向くとそこには審判のマトー君がいた。

 

「どうしたんですか?」

 

「いえその…あの氷が全然溶けないんで何とかしてくれませんかカボ…」

 

見てみると王国の魔導士達が必死に炎で溶かそうとしているが何人でやっても無理のようだ。何故かナツも参加しているが氷には全然変化がない。

 

「あっ!すみません。あれは俺の炎じゃないと無理だと思います。ミラ先に行っててすぐに溶かしてくるから」

 

そう言ってツナはナツがギャーギャー喚くのを宥めながら氷を溶かすのだった。一日目の総合順位は、

 

1位 セイバートゥース 20pt

2位 ブルーペガサス 14pt

3位 フェアリーテイルB 11pt

4位 フェアリーテイルA 10pt

5位 レイヴンテイル 8pt

6位 ラミアスケイル 6pt

7位 マーメイドヒール 3pt

8位 クワトロケルベロス 2pt

 

やはりバトルパートの得点配分が大きいらしい。フェアリーテイル両チームとも幸先のいいスタートとなった。

 

 

 

-闘技場外

 

最後まで闘技場にいたツナとナツが外に出るとフェアリーテイル全員が集まっていた。マカロフが二人に声をかける。

 

「おおっこれで全員揃ったな!さて今日は皆よくがんばった!酒場は予約してあるので今夜はパーッと騒ぐぞい!」

 

「よっしゃあ!宴だぁ~!」

 

「明日も試合あるんだけど…」

 

「まぁいいじゃないツナ」

 

「ミラさん!自然に腕を組まないで下さい!」

 

「ルーシィさんもですよ!」

 

「ホラ、あんたは今日までは安静にしてな」

 

「ええっ!」

 

「さっさと医務室に戻るよ!多分明日には全快するから」

 

「…分かりました」

 

「ウェンディ、今夜はゆっくり休んで明日は元気な姿を見せてね」

 

「はい!///」

 

ポーリュシカに連れられて医務室に戻るウェンディの頭を撫でるツナにウェンディは元気に返事をする。この調子なら明日は治るだろう。

 

みんなが酒場へと移動を始めた時、ルーシィとミラに両腕をホールドされているツナにマカロフが声をかける。

 

「ツナ、今日はご苦労じゃったな。試合だけでなくレイヴンテイルの妨害も防いでくれて感謝するぞい」

 

「あ!忘れてた!今日は助けてくれてありがとう!試合に勝てたのはツナのおかげだよ!」

 

「気にしないでルーシィ。妨害がなければそのままルーシィが勝ってたはずだしね」

 

「ううん。それでもお礼は言わせて」

 

「どういたしまして…それとマスター、やはりアイツらは単にうちのギルドに恥をかかせるのではなく何かの目的があると思います」

 

「フム…目的か……」

 

マカロフは考え込むがやはり目的については思い浮かばないようだ。ツナは両腕を解いて自分の考えを述べる。

 

「今日かなり脅しておきましたから今後は無意味な妨害はしてこないと思います。それでも奴等が動く時は…」

 

「…その目的を果たす時というわけね」

 

「うん…そしてレイヴンが一番仕掛けてくる可能性が高いのは…」

 

「俺だろ?ツナ?」

 

話を聞いていたのかラクサスがやってきた。ツナはその言葉に頷く。マカロフも納得の表情を見せる。

 

「なぁツナ…もしアイツらが俺に仕掛けてきた時は俺に任せてくれねえか」

 

「ラクサス…」

 

マカロフが心配そうにラクサスの名を呼ぶがラクサスは不敵な笑みを浮かべる。

 

「クソ親父が何を考えてるのかは分からねえがフェアリーテイルに手を出すなら…俺が潰す!」

 

「分かりました。でも他の人に手を出すなら俺が止めますよ」

 

「ああそっちは任せるぜ…つかそろそろ敬語やめろよ」

 

「ふふ…了解」

 

ツナとラクサスが拳を合わせる。その姿を見て3人が笑顔を浮かべて内緒話をする。

 

「なんかあの二人って結構仲がいいですよね?」

 

「そうね。ラクサスは昔から親友って呼べるような人はいなかったから、自分と対等以上のツナがそうなるのかもね」

 

「初代によるとワシの父であるユーリとツナの先祖であるジョットは親友だったというからのう…二人もそうあってほしいものじゃ」

 

「マスター嬉しそうですね♪」

 

「ふん…」

 

「お~いじっちゃん!ツナ達も!早く行こうぜ!」

 

ナツが大声で呼んでいるので5人は酒場へと歩き出す。もちろんツナの両腕はルーシィとミラに再び捕まったのは言うまでもない。

 

 




今回はあまり話は進んでませんがこういう会話は書いてると楽しくなります。ほんとにちょっとずつしか書けません…

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