妖精達と歩む大空   作:グリーン

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合宿編終了です。ミラのツナに対する対応は…


魔女の罪と山合宿

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)

 

今年こそは優勝を狙う為に満を持して聖十の称号を持つ人類最強の魔導士と、氷の造形魔導士が参加を決めた。

 

 

青い天馬(ブルーペガサス)

 

聖十の称号を持つ者の出場に危機感を持ち秘密兵器の投入を決める。新たなイケメンを意識する。

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)

 

白竜と影竜は7年前に消えた火竜と鉄竜を待ちわびる。

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)

 

妖精を黒く塗りつぶす為に動き出す。

 

 

 

主要ギルドの数多くがフェアリーテイルを意識する中、途方に暮れている海合宿メンバー達。ツナやエルザはともかく他のメンバーはこの時代の闘いについていけるとは思えない。だが諦めるわけにはいかない。残り5日間で地獄の特訓を行うと告げたエルザ。そのとき1匹の伝書鳩が希望を持ってきた。

 

「誰もいねーじゃねーか。」

 

「イタズラかよ。」

 

手紙に書いてあった壊れた橋までやってきたが誰もいない。イタズラかと思うメンバーの前で橋が巻き戻るように修復した。驚愕する一同。

 

「やっぱり罠かもしれないよ。」

 

「いや、危険な感じはないな。気配は3つだ。」

 

「なんで危険はないって分かるの?」

 

「…勘だけど。」

 

ツナの超直感の説明とともに橋を渡る。知らなかったシャドウギアとジュビアは大層驚いていた。そこに現れたのは予想どうり3人、ジェラール、ウルティア、メルディの独立ギルド魔女の罪(クリムソルシエール)のメンバーだった。元闇ギルドのメンバーと、脱獄犯の組み合わせにはびっくりしたが、罪を悔い、新たな犠牲を生み出さない為にゼレフと闇ギルドをつぶす為に彼らは、新たな道を歩き出した。

そんな彼らの頼みは、会場に近づけない彼らの代わりに大魔闘演武の最中毎年ゼレフに似た魔力を感じるのでそれを調べて欲しいということだった。エルザは承諾し、全員がそれを受け入れた。報酬は内なる器を成長させ、『第二魔法源(セカンドオリジン)』を使えるようにすること。ただし、想像を絶する痛みに耐えなければならないこと。これには全員飛び上がって喜んだ。ナツが感極まってウルティアに抱きついたところで、鉄拳制裁した。

 

「むやみに女性に抱きつくな!」

 

「ち…違うほんとは男…」

 

「だから女だって…」

 

「どこからどう見ても綺麗な女性にしか見えないだろう。」

 

綺麗と言う言葉に反応する若干二名…

 

「ところで君は…」

 

ジェラールの問いに、そういえば初対面だと思い出し、自己紹介をする。彼らもそれぞれ名乗り、取り敢えずパワーアップはナツから行うことになった。

 

 

想像を絶する痛みとはよく言ったものだ。身体中に模様が広がり、バキバキと体の中から音がして、痛みにのたうち回るナツを見ている者達は顔を青ざめさせていた。ルーシィとウェンディはツナにしがみついている。エルザは先程ジェラールとどこかへ行った。どうもジェラールは迷いを抱えているように見えた。二人の関係は先程メルディやルーシィから詳しく聞いた。

 

「エルザとジェラール…大丈夫かな?喧嘩とかしてないよね。」

 

「どうかな…ジェラールは何か迷いを抱えているように見えたからな…エルザに渇を入れられているんじゃないかな?」

 

「うわ、鋭いね。確かにこのギルドを結成した後も時々ジェラールは考え込んでるからね。」

 

ルーシィ、ツナ、メルディ、ウェンディが会話する。

 

「でもエルザさんはジェラールさんを大事に思ってますよ。以前ジェラールさんが捕まった時も…」

 

「それはジェラールも同じだよ。エルザのことを大切に思ってるよ。」

 

「でもお互いの境遇から絶対に素直にはなれないだろうね…さっきもジェラールはエルザに申し訳ないって顔してたし、エルザは厳しい顔しながらもどう接していいのか分からないって顔してたしね。」

 

溜息を吐きながら言う。グレイにも模様を刻みだした。大切なものほど遠ざけておくという考え方は理解できる。かつての自分もそうだったから…

 

「ふ~ん…よく見てるんだね~」

 

興味深いという視線を向けるメルディを含め雑談しながら時間を潰す。ルーシィもウェンディも自分の番の時はツナの手を握っていたが、模様が刻まれた瞬間には手を離しのたうち回っていた。程なくしてメルディはどうやらジェラールたちを探しに行ったようだ。しばらくしてエルザ達も戻ってきたことにより、エルザとツナにも処置が施された。

 

 

「「「あああああっ!!!」」」

 

小屋の中から絶叫が聞こえる中、クリムソルシエールのメンバーが出発するのを見送るツナとエルザ。

 

「おかげさまでみんな動けそうにない。」

 

「でも本当にありがとうございます。ウルティアさん。」

 

「何であんた達は平気なの?てか私も呼び捨てでいいわよ。」

 

ツナとエルザが平然としているのを信じられないように問う。

 

「謎の魔力の件は確かに了承した。」

 

「マスターやミラ達にも協力を頼みますので…ミラ?」

 

ツナの顔が一瞬で青ざめる。今さらになって約束を思いだした。

 

「しまった!!すぐに行かないと!!エルザ!他のみんなのこと頼むよ!ジェラール、ウルティア、メルディ、それじゃ、ありがとうございました!」

 

「お、おいツナ!」

 

エルザが引き留めるもツナは超死ぬ気モードになると全速力でミラ達のいる山の方へ飛んで行った。残された四人は呆然とツナの飛んで行った方を見る。

 

「凄いスピードだな…俺より速いな。」

 

「本当に凄いね…週ソラにも載ってたんでしょ?今度手に入れてみようかな。」

 

「あら、メルディ彼のこと気に入ったの?」

 

「ウルだって綺麗って言われてまんざらでもないくせに…」

 

「ふふっ、そうね。」

 

「勘弁してくれ…ギルド内でも争奪戦が勃発しているんだ。」

 

ツナがいなくなったことにより、憤慨するであろう二人の少女の機嫌をどう取るか…頭の痛いエルザだった。

 

 

 

全速力で空を飛び、ミラ達がいる山に着いたツナはリサーナとカナを見つけて地上に降りる。二人はいきなり降りて来たツナに驚きながら、

 

「あ、ツナ!やっと来たのね!」

 

「あんた今まで何やってたんだい!?」

 

「ゴメン…不可抗力で…ミラとエルフマンは?」

 

「あっちの広い所で模擬戦してるよ。最近ミラ姉すっごく機嫌が悪いの。ツナが来ないから…」

 

「そんなに…?」

 

「まあね。当たられる私達はたまったもんじゃないよ。とっとと行って一発二発もらっておいで!」

 

「分かった…じゃあ行ってくるよ。」

 

再び飛んで行くツナ。無事に済むように願う二人だった…

 

エルフマンは考える。姉が自分を鍛える…それはいつものことであり、強い姉を尊敬している彼にとっていつか姉を越え、自分が姉と妹を守るのだと常に思っている。だがいつも笑顔を絶やさず優しい姉がこの1ヶ月と少しの間機嫌が悪く、こうして訓練にもそれが表れている。

 

「エルフマンどうしたの?もう終わりなの?!」

 

「うう…姉ちゃん…」

 

「まだやれるわよね?立ちなさい!」

 

サタンソウルとビーストソウルで変身した二人が向かい合っている。ミラは余裕でエルフマンは肩で息をしつつ、片膝を地面につけていた。

 

「ミラ~!」

 

「ツナ!ツナなの?」

 

「遅くなって本当にゴメン…」

 

「ふざけんなぁ!!遅いにもほどがあるだろ!!」

 

「…」

 

ミラの前に着地して、謝罪するツナに対し機嫌が悪いミラに散々しごかれたエルフマンは涙混じりに怒鳴り、ミラは俯いて何も言わない。これは一発くらい殴られるかなと思っていると、ミラは顔をあげ、サタンソウルを解除して抱きついてきた。

 

「ミラ?」

 

「姉ちゃん?!」

 

「すごく心配したんだからぁ!何かあったんじゃないかって!ツナが全然来ないから…うう…」

 

「ホントにゴメン…心配かけたね。」

 

「ううん。いいの…ちゃんと来てくれたから…ねぇ!お腹空いてない?ご飯作ってあるから。」

 

「そういえば何も食べてないな…頂くよ。」

 

「うん!じゃあ行きましょ!」

 

ミラはツナの手を取って歩きだした。先程までの姉との変わりように残されたエルフマンは、しばらくそのまま動けなかった…

 

 

ミラがよそってくれた食事を食べながらツナは海で起きたことを説明する。もちろんミラは終始笑顔で隣に寄り添っている。(エルフマンも肩を落として戻ってきた。)

 

「そんなことがあったの?」

 

「うん3ヶ月が1日で過ぎちゃったからね。クリムソルシエールが来なかったらホントにやばかった…」

 

「じゃあナツ達は今地獄の苦しみの中にいるのね…」

 

「心配かいリサーナ?」

 

「ううん。ナツなら乗り越えられるとおもうから。」

 

「ナツなら…ね。」

 

「あ!ナツだけじゃなく他のみんなもね!」

 

「ふふっ、リサーナったら可愛いんだから。」

 

「ミラ姉には言われたくないよ!」

 

「ねぇ…エルフマン…昨日までのミラとまるで別人なんだけど…」

 

「うう…姉ちゃん…」

 

「あんたもそろそろシスコンは大概にしな。」

 

昨日までとまるで違うミラの様子にカナとエルフマンは愚痴り合う。相当酷かったらしい…そのままニ泊して、フェアリーテイルに帰還する面々だった。

 

フェアリーテイルに帰還した一同。ナツ達は既に帰還しており、大魔闘演武が行われるクロッカスへと出発したらしい。選手は、ナツ、グレイ、エルザ、ルーシィ、ウェンディの5人。選手選考に間に合わなかったとエルフマンは悔しがったが、取り敢えずみんなで応援に行くことになった。余談だが、ラクサス達も帰ってきてたので、合宿前に見捨てたお礼に一発殴ったら本人よりフリードが怒っていた。

 

そろそろ出発と言うときにツナと、一緒にいたミラはマカロフに呼び出された。そこにはガジル、ジュビア、ラクサスもいた。大魔闘演武には2チームまで出場できるらしいのでこの5人でBチームとして、チームを組むようにとのことだ。

 

「ジュビアは出場するよりグレイ様の応援がしたいです。」

 

「冗談じゃねぇ。そんな見世物に出るかよ。」

 

「出るのは構わねぇがBチームってのが気に食わねぇ。」

 

「ツナが出るならいいけど…」

 

「分かりました。俺でよければ。」

 

「じゃあ私も。」

 

消極的な三人にマカロフが勝った方が負けたチームに言うことを一つ聞かせられるという条件を出したのでそれぞれやる気を出したようだ。ミラはぶつぶつとこれで私が正妻になどと呟いている。

 

ここに、ツナ、ミラジェーン、ガジル、ジュビア、ラクサスのBチームが誕生した。取り敢えずBチームのことは内緒にして、クロッカスへと出発した。

 

妖精達の大魔闘演武が始まる…

 

 

 




ということでツナはミストガン(ジェラール)の代わりにBチーム入り。少しオリジナル展開になるので点数計算などで毎日更新は難しくなりますが、頑張ります。

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