妖精達と歩む大空   作:グリーン

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初投稿です!


異世界の妖精達
プロローグ


「本当に行くのか?」

 

黒いスーツに身を包んだ5歳くらいの少年が青年に問いかける。

少年の名はリボーン…かつて世界によって呪われた最強の赤ん坊―アルコバレーノの1人であり、世界最強のヒットマンでもあり、そしてボンゴレ10代目の相談役として青年を教え、導き、支えてきた。

 

「もう決めたことだよリボーン…それに目標を達成した以上もう俺は必要ないだろう?」

 

青年は誰もを魅了する優しげな笑顔を浮かべながら少年の問いに答える。

青年の名は沢田綱吉…ボンゴレ10代目であり、その強さと理念を持って裏社会に平穏をもたらした英雄である。彼が5年前まで「ダメツナ」と呼ばれていたなど誰が信じるだろうか?

身長は180に届かないくらいだが母親に似て女性的な顔をしていて男性、女性を問わずに人気がある。尤も女性的な顔は彼のコンプレックスであり、そのことを指摘されると恐ろしいことになるが…多くは語るまい。

 

「それよりもみんなのことを頼むよ。特に武と了平さんは…」

 

「分かってる。裏社会からはあの二人の記録は完全に消去した。ユニやディーノそれにバミューダまでが協力してくれたからな。あの二人が一般人として表社会で生きていくのに何の心配もないぞ。一応これからも注意しとくしな。」

 

「ありがとう。これで二人は自分の夢に向かって歩き出せるんだね。野球にボクシング、俺のせいで一度は捨てさせてしまったけど二人にはやっぱり光の当たる場所が似合うよ。」

 

本当にうれしそうに答える綱吉にリボーンはため息をこぼしながらも口元に笑みを浮かべる。

 

―まったくコイツは…まさか本当にボンゴレをぶっ壊しちまうとはな。ボスになっても甘ちゃんなところは変わらないが本当に強くなったな。心も体も…俺ももうお役御免だな―

 

口元に浮かべた笑みは嬉しそうでいてどこか寂しげだった。

 

「それでこれからどこに行くんだ?」

 

「しばらくはいろいろなところを回ってみるよ。一人旅ってのも魅力的だしね。ザンザスもうまくやれそうだし隼人も協力してくれるみたいだし、自警団として生まれ変わったボンゴレの門出に俺は不要だよ。」

 

「旅はいいが初代のように神隠しにあうんじゃねーぞ。」

 

「神隠し?プリーモは行方不明になったの?」

 

「ああ…俺も詳しくは知らねーが引退して日本で子供が生まれてからしばらくたって消えてしまったらしい。手がかりは何もなくてな、その生涯はいまだに謎に包まれてるって話だ。ボンゴレギアはユニから返してもらった方がいいんじゃねーか?」

 

「いや…トリニセッテはもう必要ないよ。ナッツはボックスにしてもらったからね。大きすぎる力はまた争いを呼びそうだしユニのもとにあるのが一番いい。」

 

「そうか…お前がそう言うならこれ以上は言わねーが、京子やハルには連絡はいれないのか?」

 

それを聞いた綱吉は一瞬悲しそうな笑顔を浮かべるが、すぐにそれを消し、

 

「もう終わったんだよ。二人は俺にはまぶしすぎる。」

 

「あんなにいい女を泣かせやがって。その辺もネッチョリ指導するべきだったか。」

 

「ハハッ!それは勘弁してくれ!…そろそろ行くよ。元気でねリボーン。ここまで俺を強くしてくれてありがとう。先生…」

 

そしてリボーンに背を向け歩き出す。それを見送るリボーンは帽子のつばを下げ、

 

「お前は最高の生徒だったぞ…ツナ。」

 

と、小さな声でつぶやいた…

 

 

 

 

 

このときは二人とも思ってもみなかった。これが信頼で結ばれた教師と生徒の最後の別れとなるとは…

 

 

 

 

 

 

そしてツナはある山の頂上へ来ていた。それはリボーンたちアルコバレーノの生誕の地でもある山だ。そこで光に包まれたツナはこの世界から姿を消した…なぜここに来たのだろうか。超直感の導きか、何者かの意思かそれは分からない。ツナが戻ることは二度となかった。

 

 

 

 

そして舞台は移り変わる。アースランドX791年天狼島へと…

 

大空と妖精達の冒険譚(フェアリーテイル)が幕を開ける!

 

 




何文字くらいにすればいいんでしょうか?

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