ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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≪第7章 想いと墨染桜≫
第一話 =乳龍帝(おっぱいドラゴン)の鑑賞会=


グレモリー眷属、イリナ、リオ、アザゼルは兵藤家の地下一階にある大広間でとある作品の観賞会が行われていた

 

『ふはははは!遂に貴様の最後だ!乳龍帝よ!』

 

『何を!この乳龍帝が貴様ら闇の軍団に負ける筈がない!行くぞ!禁手化(バランス・ブレイク)!』

 

一誠そっくりのヒーローが変身を遂げた。それは『赤龍帝の鎧』と同じだった。

巨大モニターに映る作品は『乳龍帝おっぱいドラゴン』と言う特撮作品で、冥界で絶賛放送中の子供向けヒーロー番組。

放送開始から視聴率がなんと50%を超えたという

 

「・・・始まってすぐに冥界で大人気みたいです。特撮ヒーロー〈乳龍帝おっぱいドラゴン〉」

 

鋼弥の膝に座っている小猫が尻尾を振りながら言う。

右には朱乃が腕にしがみつき、左にはゼノヴィアが座っている。

 

「グレモリー家が著作権を仕切っているから、財産が潤うだろうね」

 

「見てください。鋼弥先輩も出てます」

 

「なに?」

 

小猫が言うと、画面の中に鋼弥そっくりの男が映っていた。

 

『見事だ、乳龍帝。しかし、女に頼っていては、まだまだ真の強さは得られん』

 

『おまえは銀牙!』

 

「・・・先輩の役は乳龍帝の前に現れるヒーローです。時には立ち塞がったり、時には手助けをします」

 

「・・・そうか」

 

小猫の説明を聞いて、再びモニターの方を見る

 

『銀牙!お前の目的は一体何だ!?』

 

『私の目的はただ一つ。お前が成長し強くなる事を見届けるまでだ。

 時には、自分一人で戦わなければいけない時もある。己自身、強くならなければいけない事を忘れるな』

 

そう言いながら、銀牙は消えて行った。

乳龍帝の隣にはヒロインを思わせる女性が立っていた。

その女性はリアスと酷似していた。

 

『おっぱいドラゴン・・・』

 

『分かっている、スイッチ姫。彼とも戦う事になるだろう・・・。

 しかし俺は負けない!!世界中のおっぱいのために!!』

 

主人公の決め台詞と共にそのアニメは終了した。鋼弥は感想を述べた。

 

「しかし、何故、俺までテレビに・・・?」

 

「鋼弥は女性悪魔に人気があるんだ。結構凄いぜ、グッズなんかは完売状態だぜ」

 

「喜ぶべきなのか悲しむべきなのか、複雑だ・・・。リアス、どうした?」

 

鋼弥はリアスを呼び掛けるが、リアスは顔を真っ赤にしてため息混じりに呟いていた

 

「・・・・・・もう、冥界を歩けないじゃない」

 

「・・・心中お察しするよ」

 

「でも、イッセーさんが有名になるなんて自慢です」

 

「そうだな。私達眷属の良い宣伝になる」

 

アーシアとゼノヴィアは楽しそうにしており、イリナもはしゃいで変身ポーズを取りながら言ってくる

 

「幼馴染みがこうやって有名になるって鼻高々でもあるわよね。

 そういえばイッセーくんって小さい頃は特撮ヒーローが大好きだったよね。

 私も付き合ってヒーローごっこしたわ~」

 

「確かにやったなぁ。

 あの頃のイリナは男の子っぽくて、やんちゃばかりしてた記憶があるよ。

 それが今じゃあ、美少女の天使さまなんだから、人間の成長って分からないな」

 

一誠の言葉を受けたイリナは顔を真っ赤にした。

 

「もう!イッセーくんったら、そんな風に口説くんだから!

 そ、そういう風にリアスさんやアーシアさんを口説いていったの?怖い潜在能力だわ!

 堕ちちゃう!私、堕天使に堕ちちゃうぅぅぅっ!!」

 

すると、イリナの翼が白と黒に点滅し始めた。

これが天使が堕天使になる前兆と聞いた。

それを見たアザゼルは豪快に笑う。

 

「ハハハハ、安心しろ。堕天歓迎だぜ。ミカエル直属の部下だ。VIP待遇で席を用意してやる」

 

「いやぁぁぁぁぁっ!堕天使のボスが私を勧誘してくるぅぅぅぅっ!

 ミカエル様ーーーーー!!お助けくださぁぁぁぁいっ!」

 

イリナが涙目で天に祈りを捧げている。

すると、朱乃は後ろから鋼弥を抱きしめる。

 

「鋼弥さん、約束を果たしてもらわないと困りますわ。色々と心配をかけましたからね?」

 

「・・・ああ、色々と迷惑をかけたからね。休日にデートをしよう」

 

鋼弥の答えに朱乃はより一層強く抱き締める。

 

「嬉しい!じゃあ、今度の休日にデートね。うふふ、デート♪デート♪」

 

喜んでいる朱乃だがゼノヴィア、小猫、リオから鋭い視線が送られていた。

 

 

◇◆◇◆

 

 

放課後の部室にて、下校時間を間近にした新達はお茶をしながら修学旅行の話をしていた。

昼休みに決まった班の構成は男子が鋼弥、一誠、松田、元浜の4名。

女子がアーシア、ゼノヴィア、イリナ、桐生、リオの5名となった。

因みに桐生とはアーシア達と仲が良いメガネ女子で、フルネーム桐生愛華。

元浜の≪女性の身体を数値化≫に似た≪男子の尊厳≫に関わるものを数値化出来ると言うスキルを持っている。

彼女の調査によると、鋼弥の数値は測定不能。

 

「そういえば二年生は修学旅行の時期だったわね」

 

「部長と朱乃さんは去年何処に行ったんですか?」

 

「私達も京都ですわよ。部長と一緒に金閣寺、銀閣寺と名所を回ったものですわ」

 

リアスが頷きながら続ける

 

「そうね。けれど、意外に三泊四日でも行ける場所は限られてしまうわ。

 あなた達も高望みせず、詳細な時間設定を先に決めてから行動した方が良いわよ?

 日程に見学内容と食事の時間をキチンと入れておかないと痛い目に遭うわね」

 

「その言葉から察するに、リアスは時間を計算せずに闇雲に見て回ってたか?」

 

「そうですわね。

 色々と見て回ったら、二条城に行く時間が無くなってしまって、

 駅のホームで悔しそうに地団駄踏んでいましたわ」

 

朱乃と鋼弥が小さく笑うとリアスは頬を赤らめた。

 

「も、もう!!それは言わない約束でしょう!?」

 

「紅髪の滅殺姫という異名を持つリアスでも間が抜けている所があるんだね」

 

「・・・言い返せないわね」

 

リアスが苦笑したところで全員の携帯が同時に鳴った。

全員はそれが何を意味しているのか知っているため、顔を見合わせる。

リアスが息を整えた後、真剣な声音で言った。

 

「――――行きましょう」


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