ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~ 作:Mr.エメト
最後の黙示録の騎士を倒し、鋼弥は両膝を地に付く。
すると、倒した四騎士たちが姿を現した。
【見事だ、涼刀鋼弥よ。我ら四騎士を全て倒すとは、天晴れである】
【お主もまた、父と同じ試練を乗り越えた。いやはや、長く生きるものじゃの】
【・・・我ら四騎士、汝の力を認め、契約せん・・・】
【貴様が力を使いこなせるか、しかと見届けてやろう】
ホワイトライダー、レッドライダー、ブラックライダー、ペイルライダーの順に口を開く
四騎士たちが球体となり、鋼弥の身体へと入る。
黙示録の騎士は四つにして一つの存在。鋼弥のキャパシティは超える事は無く、契約を結ぶ事が出来た。
鋼弥は試練を乗り越えて、仰向けになってそのまま、両眼を閉じたのだ。
◇◆◇◆
目を開けると、白い天井が視界に入る。
ゆっくりと身を起こして、状況を確認する。
「・・・ここは、中央の病院か」
患者服に着替えらており、両腕、両足、額には包帯が巻かれていた。
朱乃とリオがスヤスヤと寝ていた。ずっと看病していた事を知り、頭を優しく撫でた。
扉が開かれると、シンディが部屋に入って来たのだ。
「目を覚ましたようですね」
「師匠・・・。俺は四騎士たちと契約を結んだあと、意識が無くなって・・・」
「ええ、元の世界に戻り、貴方を病院へと運びました。
貴方は父と同じ様に四騎士を打ち破りその力をものにした。
父と同じ秘めていた技を使いこなすとは私も予想外の事でした」
「あの技は全て、父さんの・・・?」
「貴方の父も、成長につれ自分が隠されている能力を開花し、技を使いこなしていたのです。
その技を操るには強大な魔力のコントロールが必要です。
ですが、試練を乗り越えた今、オーバードライブを使いこなせる事も出来るでしょう」
「・・・師匠。俺一人では、この試練は乗り越える事は出来なかったかも知れません」
鋼弥の視線は朱乃とリオに向ける。
微笑んで、二人の頭を撫でる。
「俺の帰りを待ってくれた人の為に強くなれたと思います」
鋼弥の答えを聞いて、シンディは微笑む
「その心を忘れないように強くなりなさい」
(鋼弥。貴方の強さは誰かを護りたい気持ちがあるほど、大きく成長するでしょう)
その数日後に、鋼弥は完治し朱乃とリオと共に地上世界へと戻っていた。
◇◆◇◆
~魔界・火山と温泉の国~
硫黄の臭いが溢れ、溶岩河が流れている奥地。
その場に似合わない銀色の男――涼刀嶺爾だ。
この地は、龍族にとっては居心地よい環境で、より一層凶暴な性格をしている者達が多い。
嶺爾は襲い来る者たちを薙ぎ払ったりとしていたが、彼の目的はこの奥地に居るドラゴンを倒し契約する事だ。
奥の方へと進むと切り開いた広場へと辿り着き、奥の方に紫色の三つ首を持った竜が居座っていた。
【誰ダ・・・。オレ様ノ縄張リニ入ッテ来タ者ハ・・・】
「ようやく、見つけたよ。お前を探していたからな」
【人間風情ガ、オレ様ヲ探シテイタ?何ノ用ダ?】
「愚問だな。貴様を倒せる自信があって、ここに来たのだよ」
その言葉に、竜は喉笛を鳴らし、6つの黄色い眼で嶺爾を睨む
【身ノ程知ラズノ人間メ・・・。良イダロウ、其処マデ大キク言ウノナラバ相手ニシテヤロウ】
三つの首と身体を起こし、翼を大きく広げ、口から火が漏れている。
その姿は威圧感と殺意が溢れだし、見る者を圧倒させる。
【アジ・ダハーカ様ニ喧嘩ヲ売ッタ事ヲ後悔スルガヨイ!!!!】
「・・・勝負だ。悪神から生まれ落ちた竜よ」
灼熱の大地にて、アジ・ダハーカと嶺爾との戦いが始まったのだ。
短めですが、鋼弥の試練は終了し、新しい仲魔と契約して、全て埋まりました。
もしかすれば、仲魔をチェンジしたりするかもしれませんが、それは後ほどの展開に。
さて、次は原作の第七巻≪放課後のラグナロク≫で、お会いしましょう。