ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第五話 =想いを剣に乗せて=

広大な神殿の中を進み、新しい神殿を目指す。

それを何度か繰り返していると、前方からフードを深く被ったローブ姿の小柄な人影が10人程現れた

 

『やー、リアス・グレモリーとその眷属の皆』

 

神殿の中にディオドラの声が響き、一誠は辺り一面を見渡した。

だが、声はするが姿は見えずだ。

 

『無駄だよ赤龍帝。僕は最奥の神殿にいる。

 それまでヒマだから、少し遊ぼう。中止になったレーティングゲームの代わりだ』

 

ディオドラがルールを説明した。

 

『お互いの駒を出し合って試合をしていくんだ。

 一度使った駒は僕達の所へ来るまで使えないのがルール。後は好きにして良いんじゃないかな。

 第1試合は≪兵士≫八名と≪戦車≫二名を出す。

 因みにその≪兵士≫逹は皆既に≪女王≫に昇格しているよ。

 いきなり≪女王≫八名だけれど、それでも良いよね?

 何せリアス・グレモリーは強力な眷属を持っている事で有名な若手なのだから』

 

「・・・良いわ。あなた達の戯れ事に付き合ってあげる。私の眷属がどれ程のものか、刻み込んであげるわ」

 

リアスはディオドラの提案に快諾した。

一誠が敵の提案を呑んで大丈夫なのか相談する。

 

「でも、相手の提案を呑んで良いのか?」

 

「アーシアが人質に取られている以上、呑まなければいかん。下手に断ったら、どうなってしまうのか解らない」

 

「こちらは、イッセー、鋼弥、ギャスパー、小猫、ゼノヴィアを出すわ。呼ばれたメンバーは集合よ」

 

リアスが言い渡される作戦を聞く。

ゼノヴィアは二人の戦車を相手にし、小猫と鋼弥で敵を倒し、ギャスパーは一誠の血を飲んでサポートに回る。

 

「それから、イッセーは・・・」

 

ゴニョゴニョと耳打ちをして、作戦の内容を伝えた。

驚愕の顔をして最後の確認をとり、リアスは了承した。

表情を見るからに勝てる!!という顔だった。

 

『じゃあ、始めようか』

 

ディオドラの合図と共にディオドラの眷属が一斉に構える。

一誠は悠斗の魔剣で指を軽く切り、ギャスパーに血を与えた。

ギャスパーから異様なオーラが包まれ、赤い双眸も妖しく輝き始めた。

ディオドラの≪戦車≫2人は紙を取り出し地面に投げるとトゥルダク6体を呼び出した。

だが、ゼノヴィアは臆する事なく鋭い眼光を敵に向ける。

 

「アーシアを返してもらう。

 私は・・・友と呼べる者を持っていなかった。

 そんなものが無くても生きていけると思っていたからだ。

 神の愛さえあれば生きていける、と」

 

ゼノヴィアは頷きデュランダルを解放し、アスカロンと二刀流の構えをしてディオドラの『戦車』2人とトゥルダク達と対峙する。

 

「そんな私にも分け隔て無く接してくれる者達が出来た。

 特にアーシアはいつも私にも微笑んでくれていた。

 この私と・・・『友達』だと言ってくれたんだ!」

 

『戦車』2人とトゥルダク達の攻撃をかわしながら、ゼノヴィアは憂いに満ちた瞳を見せる。

 

「私は最初に出会った時、アーシアに酷い事を言った。魔女だ、異端だと。

 でも、それでも、アーシアは何事も無かった様に私に話し掛けてくれた。

 それでも『友達』だと言ってくれたんだ!だから助ける!私の親友を!アーシアを!私は助けるんだ!」

 

デュランダルから吐き出される波動が『戦車』2人とトゥルダク達を薙ぎ払い弾き飛ばす。

ゼノヴィアはデュランダルを天高く振り上げて涙混じりに叫んだ。

 

「だから!だから頼む!デュランダル!私に応えてくれ!

 アーシアがいなくなったら、私は嫌だ!アーシアを失ったら私は・・・!

 お願いだ!私に!私に友達を救う力を貸してくれッ!デュランダァァァァァァァルッ!」

 

ゼノヴィアに応える様にデュランダルは聖なるオーラを何杯にも膨れ上がらせた。

ゼノヴィアの周囲はデュランダルの聖なるオーラだけでヒビ割れていく。

 

「私はデュランダルをうまく抑える事なんて出来ないと最近になって理解した。

 木場の様に静寂な波動を漂わせる様になるには長期間かかるかもしれない。

 ならば、今は突き進めば良い。デュランダルの凄まじい切れ味と破壊力を増大させる事にしたんだ」

 

ゼノヴィアが宙でデュランダルとアスカロンをクロスさせる。、

デュランダルの波動がアスカロンにも流れ、二本の聖剣は莫大なオーラを発生させる。

 

「さあ、いこう!デュランダル!アスカロン!私の親友を助けるために!私の想いに応えてくれぇぇぇぇぇっ!」

 

デュランダルとアスカロンが光の柱を迸らせ、ゼノヴィア光の大刀と化し振り下ろした。

2つの聖なる波動が津波と化し、『戦車』2人とトゥルダクを全て飲み込む。

神殿が大きく揺れ、収まると柱や壁は丸ごと崩壊しており、ゼノヴィアと対峙していた敵全て消滅していた。

 

「ゼノヴィア、よくやった!後は俺達に任せろ!プロモーション発動!」

 

一誠は女王へと昇格し、小猫は猫又モードへとなる。

 

『Boost!!Explosion!!』

 

更にブーステッド・ギアで倍加した魔力を脳に集中させる

 

「煩悩解放!イメージマックス!広がれ!俺の夢空間ッ!『""乳語翻訳"("パイリンガル")"』!」

 

一誠はソーナ戦で使った""乳語翻訳"("パイリンガル")"を発動する。

 

「ヘイ!『兵士』のおっぱいさん達、右から順にこれから何をしようか教えてちょうだい!」

 

一誠は目を閉じて≪兵士≫のおっぱいに話し掛ける。

 

『邪魔なヴァンパイアを倒しちゃおう♪』

 

『4人がかりで一気にたたんじゃえ!』

 

『ヴァンパイア倒す倒す!』

 

『ボコボコにして、やんよ!』

 

兵士たちがこれから起す行動を読みとる一誠は頷き、ギャスパーに指示を出す。

 

「ギャスパー!お前を狙っているぞ!今、俺が指さした奴らを停止させろ!」

 

「は、はいぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

ギャスパーは神器を発動させて、兵士の四人を停止させた。

一誠はその隙を逃さず、洋服破壊+ドラゴンショットで敵を沈める。

残りの四人と対峙する、小猫&鋼弥。

鋼弥はダブルチョップと回し蹴りで叩きのめしたり、相手を掴み、ボディスラムで叩き付ける

小猫は両手に気を纏いながら、撃ち込んで倒す戦法をしている。

あっという間に勝負は片付き、ディオドラの兵士達は縄で絞りあげて、奥へと進んだ。


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