ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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≪第3章 目覚める力≫
第一話 =ソーナ・シトリー=


=お菓子屋フェアリー&涼刀事務所・鋼弥の寝室=

 

 

「・・・・・・・」

 

さて、突然だが俺は物凄く困惑している。何故かって・・・?

 

「スー・・・スー・・・」

 

朝、起きたら何故かベットに朱乃が寝ていた。

一体何がどうなっているんだ・・・?

 

「スー・・・スー・・・」

 

こっちは混乱しているのに可愛らしい寝息をして、少しムカついたので、頬をプニプニと突く。

 

プニッ。

 

柔らかい、女性の肌ってこんなに柔らかいのか。

感触としてはマシュマロみたいだ。

・・・ちょっと、楽しいので更に突く

 

プニプニ、プニプニ。

 

・・・ハッ!?遂々、堪能してしまった。

全く何をしてんだ俺は、寝ている女性に頬をつつくのはダメな事なのに・・・

猛省している最中に、肩がチョンチョンと突かれる

振り向くと、俺の頬がプニッとされる。

 

「うふふふ♪お返しですわ。」

 

「・・・いつから起きてた?」

 

「最初に頬を突かれた時ですわ。あまりにも楽しそうでしたし」

 

ウフフッと笑う朱乃、鋼弥はカァと顔が赤くなった。

 

「そ、それよりも・・・なんでここにいるんだ?昨日は戸締りはしていたのに。」

 

朱乃は指をさす、その方向を見ると窓だった。

もしやと思って、調べると窓に鍵をかけ忘れていた。

しかし、窓からの侵入に気が付かなかったとは・・・まだまだ修行が足りない

まぁ・・・そこから侵入した朱乃の行動にも驚くけど・・・

 

「それから、私もここに住みますからよろしくお願いしますね」

 

「・・・」

 

前途多難な事になりそうだな・・・

ちなみにリアスはライザー戦後、一誠の家に住みこんでいると朱乃から聞いた

 

 

◇◆◇◆

 

 

学園の昼の時間。

リアスは球技大会が近いのでミーティングをするという。

一誠の友人である坊主頭の松田とメガネの元浜と会話していた。

 

「ああ、球技大会に向けて練習中ですよ、俺ら~」

 

「面倒だけど、やるからには本気でやらないとね」

 

「はー、オカルト研究部がボールかよ。お前らんとこの部って、全員身体のスペック高いよな」

 

「イッセー、涼刀。二人とも、変な噂が流れているから気をつけろよ」

 

「噂って?」

 

「美少女を取っ替え引っ替えしている野獣イッセーとムッツリ涼刀。

 イッセーはリアス先輩を、涼刀は姫島先輩の秘密を握り、裏で鬼畜三昧のエロプレイを強制し、

 『ふふふ、普段は気品溢れるお嬢様が、俺の前では卑しい顔をしやがって!このメス◯◯がっ!』と罵るイッセー、

 『大和撫子も調教に掛かれば立派な犬だね、もっと卑しく尻を突き出すがいい・・・!』と冷笑する涼刀」

 

「な、な、なんじゃそりゃあああああああああああ!!?」

 

あまりにも酷い噂に一誠は叫び、鋼弥は訝しんでいる表情だ

 

「まだ続きはあるぞ。

 涼刀は、学園のマスコットアイドルの塔城小猫ちゃんにまで毒牙を向けた。

 小さな体を壊しかねない激しい性行為は天井知らずの鰻登り、

 『先輩・・・もう、やめてください・・・』と切ない涙声も耳には届かない。

 そして、イッセーの性衝動の矛先はアーシアちゃんへ襲い掛かり、

 『日本語と日本の文化、俺が放課後の特別補習で教え込んでやろう』と黄昏の時間に天使を堕落させていく・・・

 と、まあ、こんな感じか?」

 

「マ、マジか?お、俺は周囲にそんな風に見られているの?」

 

「・・・一つ聞くが、噂を流したのは、君たちだろ?」

 

「ああ、その通りだぜ」

 

「うんうん」

 

鋼弥は笑顔で二人に問答無用の顔面パンチを喰らわす。

プロボクサー顔負けの見事なストレートパンチだった。

二人が気絶しているのにも関わらず、更に追撃しようとするが一誠は鋼弥を抑える

 

「ストップ!!ストップ!!お前がこれ以上殴ったらマジで死ぬって!!」

 

「フフフッ、心配するな。二人には生まれてきた事を後悔させるほど殴り続けるだけだ」

 

「それはマジで殺す気満々だから、やめろってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ここには語られないが、流した噂を揉み消す事に成功した。

ちなみに・・・一誠×祐斗×鋼弥という女性陣が喜びそうな関係もこの二人が流したとか(無論、これも解いておいた)

 

◇◆◇◆

 

あの後、アーシアと一緒に鋼弥の怒りをなんとか鎮めて、松田と元浜を保健室へ運んだ。

一誠、アーシア、鋼弥は部室の扉を開けると其処には部室メンバー以外にもある人物がいた。

 

「せ、生徒会長?」

 

「でも、生徒会長さんがどうして、ここに?」

 

メガネをかけた女生徒は、駒王学園・生徒会長―支取蒼奈(しとりそうな)。

日本人離れの美貌を持ち、知的でスレンダーな女性だ。

そんな人物が何故、ここに居るのか?

 

「解らないのか?生徒会長と生徒会の人達も悪魔だと言う事だ」

 

「えええっ!?そうなのかよ!?」

 

「俺がこの学園に入った時に感じたからな。生徒会長とその役員も悪魔だってことは、な」

 

鋼弥がシレっと喋る。生徒会のメンバーも会長も驚いていた。

悪趣味だけど、人が驚かすのは好きな方でね。

 

「リアス、もしかして彼が?」

 

「ええ、私の頼もしい助っ人の涼刀鋼弥よ」

 

シトリーは鋼弥と向き合って自己紹介をする。

 

「初めまして、私は駒王学園の生徒会長の支取蒼那です。真実のお名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主です」

 

「涼刀鋼弥だ。よろしく」

 

それにしてもソーナ・シトリー=支取蒼那。

なんというか名前が安着過ぎる気がするが、失礼なので言わないでおこう。

 

「会長の家も72柱の一つということか?」

 

「シトリー家もグレモリー家やフェニックス家と同様、大昔で生き残った七十二柱の一つ。

 この学校は実質グレモリー家が実権を握っていますが、『表』の生活では生徒会、シトリー家に支配を一任しております。

 昼と夜で学園での分担を分けたのです。」

 

学園はシトリーチームが監視し夜はグレモリーチームと役割をしていたと言う訳か。

 

「会長と俺達シトリー眷属が日中動き回ってるからこそ、平和な学園生活を送れてるんだ。

 それだけは覚えておいてくれてもバチは当たらないぜ?

 ちなみに俺の名前は匙元士郎(さじげんしろう)。二年生で会長の『兵士』だ」

 

「イッセーと同じ学年で"兵士"か。」

 

すると匙はため息をし嫌な顔をしてこちらに言ってくる

 

「俺としては、変態三人組の一人であるお前と同じ何てのが酷くプライドが傷つくんだけどな・・・」

 

「な、なんだと!」

 

「やはり、問題になっているのか?」

 

「そりゃあ、女子更衣室を覗くという事をしているから生徒会でも悩んでいるだよな~」

 

「うるさいやい!!」

 

「おっ?やるのか?こう見えても俺は駒4つ消費の『兵士』だぜ?

 最近、悪魔になったばかりだが、兵藤や涼刀なんぞに負けるかよ」

 

ヘヘーンっと挑発するサジ。

 

「サジ、お止めなさい」

 

「し、しかし、会長!」

 

「今日ここに来たのは、この学園を根城にする上級悪魔同士、最近下僕にした悪魔を紹介し合うためです。

 つまり、あなたとリアスのところの兵藤くん、アルジェントさん、そして涼刀くんを会わせるための会合です。

 私の眷属なら、私に恥をかかせないこと。それに―――――」

 

ソーナ・シトリーの視線が鋼弥と一誠に向けられる

 

「サジ、今のあなたでは兵藤くんや涼刀くんに勝てません。

 フェニックス家の三男を倒したのは兵藤くんと鋼弥くんなのだから。

 "兵士(ポーン)"の駒を8つ消費したのは伊達ではないと言う事です。それに涼刀くんは、そのまま状態でも強く、更には契約した者たちに変身しその力を使うという能力を持ってます」

 

「"兵士(ポーン)"8つ!?ていうか、ライザー・フェニックスをこいつらが倒したなんて!?

 それに・・・悪魔と契約してその姿になるなんて、聞いたこと無いですよ!?」

 

まぁ・・・無理もないか。

契約した悪魔に変身してその力を使いこなす、なんて聞いたこともないだろう。

 

「ごめんなさい、兵藤一誠くん、アーシア・アルジェントさん、涼刀鋼弥くん。

 うちの眷属はあなた逹よりも実績が無いので、失礼な部分が多いのです。

 よろしければ同じ新人悪魔同士、仲良くしてあげてください」

 

薄く微笑みながらソーナ会長はそう言う。

氷の微笑と言うべきかか。ソーナ会長は麗人、淑女、そういうイメージがある。

それともこういう笑いしかできないのかな

 

「サジ」

 

「は、はい!・・・よろしく」

 

不満がある様で渋々と一誠と握手をする。

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「アーシアさんなら、大歓迎だよ!!」

 

さっきの様子とは打って変わった匙。

一誠は怒り、匙の手を引き離して力を込めて握手している。

その後は互いに暴言を言いあう兵士(バカ)二人、似た者同士だな・・・

スッとソーナは手を差し伸べて、握手を求める。

 

「魔界から来た悪魔の貴方にも興味があります。是非とも教えてくれないかしら?」

 

「時間があれば、教える」

 

鋼弥はソーナの手を優しく握る

 

「あ、この野郎!会長にペタペタ触るな!」

 

「ただ、握手をしただけなのに怒る事はあるのかい?

 それとも・・・女の事手を握った事が無いから嫉妬をしているのか?」

 

「な、なんだと!?会長から離れろッ!!」

 

サジが拳を打ってくるが、ソーナを引き寄せてダンスのターンで避けて、サジの足を引っ掛けて転ばした。

 

「鋼弥!!おまえ、なんという羨ましい事を!!」

 

「すまん、条件反射でね」

 

ソーナは突然の事でポーッとしてしまったが、自分は鋼弥に抱かれていると言う現実に我にかえり、頬を少しだけ赤くし直ぐに離れる。コホンッと咳払いをする。

 

「私はこの学園を愛しています。生徒会の仕事もやりがいのある物だと思っています。

 ですから、この学園の平和を乱す者は人間であろうと悪魔であろうとゆるしません。

 それはあなたでもこの場にいる者逹でも、リアスでも同様の事です」

 

「・・・この学園を愛しているか。良い目標を掲げているな」

 

「ありがとうございます。お互いのルーキー紹介はこれで充分でしょうね。

 では、私達はこれで失礼します。お昼休みに片付けたい書類がありますから。

 それと、涼刀くん。突然とはいえ、いきなり女性を抱き寄せるのは失礼ですよ?」

 

「ごめん」

 

ソーナとサジはオカルト研究部から出て行った。

 

 

◇◆◇◆

 

 

(・・・突然とはいえ、男の人と抱き付いてしまった)

 

先程の鋼弥の事を思い出すソーナ。

彼の温もりと匂いを考えただけで、ドキドキしてしまう。

 

「会長、大丈夫ですか?」

 

「え、ええっ、大丈夫ですよ。私達も球技大会に向けて準備しますわよ」

 

やや、早歩きながら生徒会室へ行くソーナ。

胸のドキドキが何なのか今は解らぬが、彼女は後に知るだろう


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