ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第十四話 =安息=

次の日のオカルト研究部。

其処にはイッセーと鋼弥の姿があった。

昨日のレイナーレの件で改めて話をしていた。

 

「どうして、レイナーレを助けようとしたんだ?」

 

「確かにアイツを殺すという考えはあった。しかし、それでイッセーの心が晴れるのかと思ってね。」

 

「俺の心が・・・?」

 

「君にとっては憎い敵だけど、それでも短い間でも彼女の事が好きだったんだろうと思ってね。

 レイナーレもただ盲目的に愛に囚われすぎたんだと思う。それに・・・」

 

「それに・・・?」

 

「あのレイナーレは犬っぽいからな」

 

ガクリッとイッセーはソファーから転げ落ちそうになった

 

「そ、それだけの事で助けたのかよ。」

 

「レイナーレは魔界の店でウェイトレス兼用心棒として働いているよ」

 

「魔界って悪魔が住んでいる場所だろ?堕天使が入っても大丈夫なのか?」

 

「魔界は悪魔だけではなく魔獣、妖魔、妖精、堕天使、果ては古き神々ですら受け入れる場所だ。何の問題も無い」

 

「そっか・・・。」

 

でも、本当は夕麻ちゃんが生きていればよかったと思っている。

確かに殺されて悪魔になったけど、それでも・・・後悔はしてない。

 

「・・・グッバイ、俺の初恋・・・。」

 

イッセーが哀愁漂う言葉を呟くとリアスとアーシアが入ってきた。

 

「あら、二人で何を話していたの?」

 

「・・・男同士の秘密の話という奴だ」

 

「ま、まぁ・・・そんな感じだな。ところで、アーシアがどうして俺たちの制服を?」

 

「イッセー、喜びなさい。貴方にも後輩が出来たのよ。」

 

後輩・・・、アーシアを見ると、照れていた。

アーシアは駒王学園の制服を着ていた理由は、リアスの父さんがこの学園に携わってこう言った編入は容易なことらしい。

だが、彼女が悪魔になった理由は・・・

 

「リアス先輩からスカウトされたんです。」

 

「・・・本当にそれだけか?」

 

「悪魔になればイッセーさんと鋼弥さんもっと一緒に居られるとリアス先輩に聞いたのでお受けしました。」

 

(それを利用したという訳か、流石は悪魔の誘惑というわけか・・・。)

 

ハハッと乾いた笑いをする鋼弥は茶を飲む。

この時、リアスが蝙蝠の翼に角が生えたケタケタと笑っている悪魔の姿に見えたとか。

まぁ、悪魔なんだけどね

 

「あ、あの、部長。」

 

「何かしら?イッセー」

 

今度は一誠がリアスに話しかけた。

 

「後、部長のポーンって何人増えるですか?ハーレムの夢もあるのにこれ以上ライバルが増えるのはどうかな・・・なんて」

 

「私のポーンはイッセー、貴方だけよ?」

 

「えっ!?そ、それってどういう事ですか?」

 

「人間を悪魔に転生させるには力に応じた分の『悪魔の駒』が必要になるんだけど、イッセーの場合はポーンの駒を全部を使用しないと駄目だったのよ。」

 

「じゃあ、どうして・・・」

 

「その答えが、ブーステッド・ギアだろう。

 ロンギヌスクラスの所持者を転生させるにはポーンを全て消費させなければいけなかったという事だな。」

 

イッセーの疑問に鋼弥が答える。

ロンギヌスと呼ばれしブーステッド・ギアの所持者であるイッセーをポーンを全て消費させ転生したのなら納得の答えだ。

そう言うとリアスは座っていたソファーから立ち上がると一誠の背後に立ち、首元から腕を絡ませ一誠と向き合った。

それを見ていたアーシアはあたふたしていた。

 

「紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)と赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)。

 紅(あか)と赤(あか)で相性バッチリということね。」

 

ウフフッと笑うリアス、イッセーはドギマギしていた。

 

「そ・・・そうっすね。」

 

「最強のポーンを目指しなさい。貴方にはそれだけの力を備えている。強くおなりなさいイッセー。」

 

そう言うとリアスはイッセーの額にキスをした。それがイッセーのやる気パワーを全開にした。

 

「うおおお!!!部長!!俺、頑張ります!!」

 

「い・・・イッセーさん・・・」

 

アーシアが目に軽く涙を浮かべながらフルフルと震えていた。

それに気付いたイッセーがアタフタと弁解した。

 

「あ、アーシア!!これはその・・・違うんだ!!」

 

「そうですよね・・・。

 リアス部長はお綺麗ですから好きになってしまいますよね・・・。

 ダメダメ!!こんなことを思ってはいけません!!」

 

するとアーシアはその場で祈りを捧げようと両手を組んだ。

 

「ああ・・・主よ。どうか私のこの罪深き心をお許し・・・ぴゃっ!!?」

 

アーシアは突然頭を抱えてしまった。

 

「きゅ・・・急に頭痛が・・・」

 

「当たり前よ。貴女は悪魔になったんだから、神に祈ろうとするとダメージを受けるに決まってるじゃない。」

 

やれやれという表情をするリアス

 

「そ、そうでした。私、悪魔になっちゃったんでした・・・。神様に顔向けできません。」

 

「・・・後悔してる?シスターから悪魔になった事を?」

 

「いいえ、どんな形でも、こうして一緒にいられるのが幸せです。」

 

全く前向きなシスターだな、自然と笑みがこぼれてしまうよ。

 

「あっ!!」

 

「どうしたの?」

 

「今、鋼弥さんが笑っていました!!」

 

「マジで!?」

 

イッセー、こっちみんな。

まぁ・・・全然、笑う事が無いから珍しいだろうね。

そして、木場、子猫、朱乃も来てオカルトメンバーが揃い、ささやかなパーティーが始まった。

悪魔がこう言うのもなんだけど、これからも幸がある事に乾杯


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