ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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VSバアルチーム、注目の第一試合。


第七話 若手最強決定戦.1-騎士VS騎士-

祐斗と鋼弥が魔方陣の上に立って消えた直後、陣地上空に映像風景が幾つも現れる

広大な緑の平原が映され、そこに祐斗と鋼弥。

全身から青白い炎を放つ馬に乗った甲冑騎士がいた。

 

『おおっと!第1試合の出場選手がバトルフィールドに登場です!

 フィールドは見渡す限りの広大な平原!この緑広がる原っぱが第1試合の舞台となります!

 合計数字3によって両陣営から選ばれたのはグレモリー眷属の神速の貴公子!木場祐斗選手です!

 リアス姫のナイトが登場です!』

 

「「「「「「「キャァァァァァァァァァァッ!木場きゅぅぅぅぅぅぅんっ!」」」」」」」

 

『いきなり登場したグレモリー眷属の助っ人、魔界ハンター涼刀鋼弥選手!!

 今回の試合、どんな悪魔を出すのでしょうか!?』

 

「「「「「「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!鋼弥さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」」」」」」

 

女性から黄色い悲鳴が響き渡る。

対するバアル眷属の甲冑騎士が馬を歩かせ、兜のマスクを上げた

 

「私は主君サイラオーグ・バアルさまに仕える"騎士-ナイト-"の1人、ベルーガ・フールカス!」

 

「フールカス。

 20の悪霊軍団を指揮する地獄の騎士と伝えられている。

 なるほど、騎士としてはうってつけの悪魔だな」

 

「僕はリアス・グレモリーさまの"騎士"、木場祐斗です。どうぞ、よろしく」

 

「魔界のハンター、グレモリー眷属の助っ人、涼刀鋼弥」

 

「名高き聖魔剣の木場祐斗殿、魔界の変化自在の拳闘士と戦う機会を主君からいただき、剣士冥利に尽きるばかり」

 

「こちらこそ、貴殿との一戦を楽しみだと思えます」

 

お互い名乗りを終え、アザゼルはフールカスの青白い馬を説明する。

 

「あれは青ざめた馬(ペイル・ホース)

 地獄の最下層ことコキュートスの深部に生息すると言う高位の魔物ですな。

 名だたる悪魔や死神が跨がるものとして語り継がれている。死と破滅を呼ぶ馬とも言われているが……。

 アレを乗りこなすのは容易じゃない。気性が荒く、気に入らない者ならば主でさえ蹴り殺すとされている」

 

「ならば、目には目を戦馬には戦馬を使えばいい話だ」

 

鋼弥の足元に紹介の陣が形成される。

 

「―――アンヴァル!」

 

鋼弥がアンヴァルへと姿になるが、いつもの獣人ではなく白馬の姿だ。

 

『おおーっと!?これは驚きです!!資料によりますとアンヴァルは上半身がヒト、下半身は馬ですが、今の姿は白馬です!!』

 

【これが私の本当の姿だ。ベルーガ・フールカス殿が乗りこなす馬と対等に渡り合うにはこれが一番だと思ってね】

 

「鋼弥くんと訓練したから乗りこなすことだって、できるよ」

 

これが一緒に出場した本当の理由、祐斗はアンヴァルの背に乗り、聖魔剣を構える。

 

『第1試合、開始してください!』

 

審判(アービター)の合図と共に両者が距離を取り、瞬間―――。

フィールドから剣と剣がぶつかり合う金属音が鳴り響き火花が飛び散る。

両者が鍔競り合う形で姿を見せた。

 

「我がアルトブラウの脚を持ってさえも互角が良いところとは……恐るべし、リアス姫のナイトと魔界のハンター!」

 

「そちらこそ、馬とのコンビネーションが抜群ですね。

 馬を斬ろうにもランスが届き、あなたを屠ろうにも馬がそれを許さない」

 

【ならば、足場を無くせばよいことですね】

 

周囲の地面から聖魔剣の刃を幾重にも出現させたが、フールカスの馬が空中に飛び出し刃を回避する。

 

【空でも駆け巡ることもできますか……。ジオダイン!!】

 

アンヴァルは電撃魔法を唱えるフールカスに向かって落ちてくる。

 

「あまいっ!!」

 

フールカスはランスを上空に投げ、避雷針代わりにして雷をやり過ごす

馬の炎のたてがみに手を突っ込み、そこから2本目のランスを取り出す。

 

【瞬時に戦況を見極める術も備わっているのですか……】

 

「聖魔剣がどれだけ悪魔にとって必殺の効果を持っていようと、当たらなければ意味は無いッ!」

 

飛び出すと同時にフールカスとアルトブラウが幾重にも姿を増やした。

複数のフールカスに祐斗とアンヴァルは険しい表情になった―――――どれが本物かを見抜けてない。

無数の幻影フールカスが縦横無尽に動き回り、ランスで攻撃していく。

流石に四方八方からの攻撃にダメージを受けざるを得ない。

祐斗は本めの聖魔剣を創り、オーラを弾けさせ、アンヴァルは電撃波を放つがフールカスは避けて距離を取る。

 

「……初手からあまり勢い良く手の内を見せるのは嫌だったんだけどね……。

 どうやら、出し惜しみしていたら必要以上の体力を失いそうだ。

 ゼノヴィアの事を言えないね」

 

【敵を甘く見てはいませんが……ここで使い時のようですね】

 

祐斗は聖魔剣を消し、聖剣を作り出す。

一誠は身を乗り出し、鋼弥と共に修行して生み出した"アレ"を使うのだろう

 

「僕たちはあなたよりも強い。この勝負、いずれは僕があなたの動きを捉えるだろう。

 けど、そのためにはスタミナをかなり消耗する。

 今後の戦いを考えると短期決戦で仕留めた方が効率が良い」

 

「自信満々のようですな。確かに貴殿たちの才能は私とアルトブラウをいずれ上回る。

 ただではやられませんぞ!後続のため、手足の一本でも切り落とし、体力を奪う!」

 

「そう、だからこそ、あなたが怖い。

 覚悟が完了した使い手ほど、怖いものはありませんから。

 僕は――――もう1つの可能性を見せようと思います」

 

祐斗が聖剣を構え、静かに呟いた。

 

「――――禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

祐斗自身が聖なるオーラに包まれ、地面から聖剣が生え、同時にドラゴンの兜を持つ甲冑騎士が創り出された。

ドラゴンの甲冑騎士達は祐斗とアンヴァルを囲み、それを見たフールカスが驚愕した。

 

「……バ、バカな!?禁手化(バランス・ブレイク)だと!?

 貴殿の禁手化(バランス・ブレイク)双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)のはず!

 何故違う禁手化(バランス・ブレイク)となれる!?」

 

【その答えはコカビエル襲来事件。

 元同胞の魂から聖剣使いの因子を譲り受けたと同時に聖剣を生み出す神器能力も得た。

 つまり……魔剣創造と聖剣創造の二つを持つ剣士となったのです】

 

アンヴァルが説明し、祐斗は聖剣を構える。

 

「それが、聖覇の龍騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)

 聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)の禁手にして亜種です

 これに至るために自前の聖剣のみで赤龍帝と銀流星戦ったけど……死さえ覚悟した。

 だって、イッセーくんと鋼弥くんは本気で殺しに来てくれたからね。

 そのお陰で二度めの禁手になれたんだけど」

 

聖剣創造の亜種禁手に至るまで厳しい特訓をし、遂に得ることができた。

実況席にいたアザゼルは面白そうに顎に手をやりながら実況を行う

 

『本来、聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)の禁手は聖剣を携えた甲冑騎士を複数創り出す聖輝の騎士団(ブレード・ナイトマス)と言うものだ。

 しかし、木場選手は独自アレンジをして生み出したのか。しかも龍騎士団ってイッセーとか鋼弥の影響受け過ぎだろ!!

 大きなお姉さんたちが喜ぶ展開だな!!』

 

二人に何やら悪寒が奔ったような気がしたが、試合に集中する。

祐斗とアンヴァルは騎士団を従えてフールカスの前に立つ。

 

「フールカス殿!いざ参ります!」

 

「まだここで終わる訳にはいかん!」

 

祐斗とアンヴァルは騎士団を引き連れ、フールカスも前に飛び出し、騎士団と幻影がぶつかる

 

――――――ギィィィィィンッ!!!!

 

鈍い金属音が響き渡り、お互いが生み出した幻影と騎士団は消滅――――。

 

「……フ、フフフフ、見事だ……」

 

フールカスとアルトブラウが光に包まれて消えていく

 

『サイラオーグ・バアル選手の"騎士-ナイト-"、一名リタイヤです!』

 

第1試合、グレモリーチームが勝利を得た。


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