ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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修行時代の同期組、最後の一人、現る。


第十話 突入!!機要塞クレサレ

「さて、突入するメンバーだがグレモリー眷属、鋼弥、リオ、機械娘三人は必要だな」

 

「ドルキーはまだ本調子じゃないから防衛組になりますね」

 

他の防衛組はフィーナをリーダーに珠樹、彗華、タオ、リーザ、紫、望紅。

すると、シェリルが手を上げる。

 

「どうしたの?シェリル?」

 

スッと指さすと突入班の方を指す―――。

 

「もしかして、突入班に行きたいの?」

 

リーザの問いにコクコクッと頷く。

 

「確かにシェリルの攻撃力なら突入しやすいけど……」

 

「同時に最高の盾ですから、防衛にも置いて欲しい所ですわ……」

 

編成に悩まされる一行。

 

「では、防衛は我々三人も加われば問題ないだろう」

 

声がするを方を見ると、シンディ、レイハ、ミランダが立っていた。

 

「師匠!!」

 

「レイハさん!!」

 

「ミランダさんも!!」

 

「事情はノアから聞いて魔界を捜索していたが、想像以上に大変な事が起きているようだ」

 

「龍女帝ノアさまの所に?」

 

「我々はだけではない。お前たちの同期を連れて来た」

 

シンディがそういうと後から男女が入ってきた。

銀色の短髪、雪の様な白い肌の女性と黒を基調、赤のラインが入っている軍服を着こなした金色の瞳の持つ青年だ。

 

「カナン、アルス!!二人も来ていたのか!!」

 

「……ああ」

 

「久々ね、鋼弥。変わらず元気のようね」

 

アルスとカナンは返事を返す

 

「この二人も鋼弥たちと同じ……?」

 

「うん、こっちはカナン・ケシェット。龍女帝ノア様の娘だ」

 

「よろしくね」

 

「こっちはアルス・ヴァレンタイン。魔王マーラ様の下で働いている軍人だ」

 

「……よろしく」

 

軍の挨拶式の敬礼をするアルス。

 

「しっかし、これで修行同期組が揃ったな~。懐かしいもんだぜ」

 

ドルキーの言う通り、シンディ、レイハ、ミランダのもとで修業した同期組が勢揃いしたのだ。

懐かしく思い出話に花が咲きそうだが、今はそれどころではない。

 

「…突入班に俺も加わる」

 

「私も行くわ」

 

「それでは師匠たちは調査を兼ねてカナンとダンテと合流したと」

 

「ええ、今度のはこの二人も必要だと感じて招集しました」

 

「なんにせよ、人数は多い方がいいぜ。編成はこうなるな」

 

突入部隊はグレモリー眷属、鋼弥、リオ、アルス、カナン、シェリル、機械娘三人。

アザゼルとメルアはクレサレのシステム制御の為に加わる。

守備隊はフィーナ、シンディ、レイハ、ミランダ、珠樹、彗華、リーザ、タオ、紫。

ドルキーと望紅は怪我が治るまで守備隊に待機。

いよいよ、ディープホールへ向かい機要塞クレサレへ――――。

 

 

◇◆◇◆

 

 

=闇黒界ディープホール ゲートポイント=

 

フィーナの特殊ゲートから通って、ディープホールへとたどり着く突撃部隊。

 

「ここが、ディープホールね。なんだか寂しい世界ね……」

 

リアスの言う通り、荒れ地で植物は生えて無い。

空には星々が輝いており大きな赤い満月が浮かんでいる。

遠くには荒廃した建物が幾つかある。

 

「安全な街はあるが、それでも危険なのは変わりない」

 

一行は、クレサレが見える位置まで、歩く

 

「あれが機要塞クレサレか……」

 

敵に見つからない様に岩陰に隠れる。

機械の兵士たちが敵に備えて、厳重にガードを固めている。

 

「内部に入る者たちは、鋼弥、リオ、グレモリー眷属、機械娘と博士だ。

 我々、三人が先行して敵の注意を引き付ける、おそらく残った機械娘も我々を始末にくるはずだ」

 

作戦の内容を確認して、いざ開始。

スカルバイクを呼び出したアルスは乗りエンジンをかける。

 

「征くぞ」

 

背中から白い翼を広げるカナン。

 

「いつでもいいわよ」

 

大刀を構えるシェリル。

コクリっと頷き準備万端というサインをする。

 

「GO!!」

 

いざ敵陣へ向かうアルス、カナン、シェリル。

機械兵士たちは侵入者を発見し、構えるが――――。

 

「退いて貰おう」

 

アルスはサーベルを抜き、バイクに乗りながら次々と斬り捨てる。

カナンは飛びつつ、回し蹴り、チョップで粉砕、シェリルは大刀を振り回して吹き飛ばす。

道ができ、内部の潜入メンバーは入口へと入り込む。

 

「三人とも、気を付けろよ」

 

アルス、カナン、シェリルは強く頷く。

鋼弥は三人の無事を信じて最後に入り込む。

アルスはバイクから降りて、サーベルを構え、雑魚兵士を次々と斬る。

カナンもシェリルも負けずに兵士を叩き伏せる

そこに光機コウカと闇機トコヨが姿を現す

 

「正面から来るとは思ってなかったけど、仕方ないわね。無駄な争い事は嫌いだけど……」

 

コウカのマシンアームが展開、背中から二つの大剣が繋がっている。

 

「私のマシンアーム・ホーリーブレイドで切り裂いてあげるわ」

 

トコヨも冷たい目で三人を見る。

 

「白い龍の男を切り裂きたかったけど……」

 

トコヨのマシンアーム・デスサイズを展開し、背中から鎌、両籠手の爪が装着される。

 

「今は貴方達で切り裂いてあげるわ」

 

トコヨは両腕を広げて、カナンとアルスを掻っ攫う。

シェリルは後を追おうとしたが、コウカが立ちふさがる。

 

「何処に行こうというのかしら?わたしとお相手するのが嫌なのかし、ら!!」

 

大剣を振りかざすが、シェリルは大刀で受け止めはじき返す。

 

「あらあら、野蛮な姿に武器ね。実に不愉快。死になさい!!」

 

両肩からビームマシンガンを展開を連射する。

シェリルはなんとか、避けて反撃の機会を待つ。

 

「甘い!!」

 

二つの大剣を取り外し、投擲する。

防御するが、大刀は弾かれ弧を描き地面に突き刺さる。

ならばと、ボクサーの構えをして、コウカへ向かいストレートを放つ。

だが、コウカは避けて腕を掴んで地面に叩き付けたのだ。

 

「醜い、醜い、醜い、醜い、醜い、醜い、醜い、醜い、醜い!!」

 

ホーリーブレードを構えて、シェリルを滅多斬りにする。

度重なる攻撃でフラフラとなるシェリル。

コウカは二本の大剣でシェリルの両肩を突き刺し、身動きを封じる。

 

「ここまでのようね」

 

背中に鋏の尾が出現し、コウカはフフッと笑う

 

「その首を貰い受けるわ!!」

 

シザーステイルでシェリルの首を切断しにかかるが――――兜だけ切った。

 

「はっ!?」

 

兜と鎧を脱ぎ捨てたシェリルは脱出していたのだ。

そう、コウカは鎧を刺しただけで中身は貫いてはいないのだ。

 

「おのれ……!?」

 

抜こうにも抜けない、シェリルの鎧があまりにも重すぎるからだ。

機械だからこそ、計算外の事や予想外の事に弱い。

シェリルは大刀を拾い上げて、振り回す。

 

「結構恥ずかしいからね、全身見せるの」

 

大刀を頭上に掲げる。

 

「アトミックザンバー!!」

 

シンプルだが強烈な一撃を込めた縦一文字斬りをコウカ目掛けて切り裂いた。

その衝撃に地面が陥没し幾つものひびが入るほどの威力だ。

切り裂かれた部分から肌は露出し、傷口に機械の部品が見えていた

 

「こんな……醜い奴に……」

 

ドサリと地面に倒れ機能停止するコウカ。

すると、白い音符が飛び出し、シェリルはそれを優しくつかむ。

 

「……寒」

 

今のシェリルの姿はスポーツブラにスパッツ。

鎧は少々、壊れているので直すのは戦いが終わってからになる。

 

 

―――――

 

 

《カナン&アルスVSトコヨ》

 

シェリルが勝った一方。

カナンとアルスはトコヨと戦っている、しかし…2対1とトコヨが不利だというのにそれすらも余裕である。

 

「無駄。闇を知らない貴方達では私を捕らえることは不可能」

 

「そんなことッ!!」

 

カナンは飛び蹴りを仕掛けるが、トコヨは影に沈んでいく。

アルスの影から出現し籠手の爪で串刺しにかかろうとするが、アルスはその場で飛び突き刺そうとするがトコヨは猫の如く、軽やかに避ける。

 

「なるほど、拠点を任されているだけの実力が備わっているか」

 

トコヨは目を輝かせると、機械兵士たちが次々とカナンとアルスに襲い掛かり身動きを封じる。

すると、両肩の棘がエネルギーを収束し始める。

 

「全ては美しき滅びと死のために!!」

 

闇のエネルギー波が全方位に照射して敵味方諸共、薙ぎ払う。

 

「感情もない、死を恐れない、命令に忠実、だから機械の兵士はこういう点が役に立つわけね……」

 

カナンとアルスはダメージが残っているが、なんとか立ち上がる

だが、トコヨは次なる攻撃を仕掛ける

 

「受け入れるがいい。死と闇の恐怖を」

 

グワッと飛び掛り、カナンとアルスを爪と鎌で次々と切り裂いていく。

更に闇でできた輪を作り出し、カナンとアルスに向けて、拘束する。

 

「ほら……死は直ぐそこに!!」

 

爪と鎌を輝かせて切り裂きにかかろうとするが、カナンは口を開けて―――

 

「ドラゴンブレス!!」

 

青白い炎を吐き、トコヨの顔面に直撃する

突然の攻撃に後退りするトコヨ、その隙に二人は拘束を解いて離れる。

 

「口を塞がなかったのが、大きなミスね」

 

トコヨは直ぐに両の鎌を振り下ろすがカナンは避けて両手に気を集める

 

「ドラゴンインパルス!!」

 

懐に入り両の掌底から気を炸裂させトコヨを吹き飛ばす。

"く"の字に曲がるトコヨはふんばり、前を見据える。

今度はアルスはサーベルを抜き追撃をする。

放たれた剣戟は迷いのない高速突きを放ち、トコヨは防ぎきれずに直撃し大ダメージを負う。

 

「損傷率85%‥‥レッドゾーン‥‥!!」

 

「これで終わらせる」

 

アルスはサーベルを頭上に掲げると、切っ先が紅く輝く。

 

「ロッソ・スパーダ!!」

 

すれ違いざまにトコヨを切り裂き、サーベルを納め―――。

 

―――――ズババババンッ!!

 

トコヨに無数の赤い斬撃が生まれた。

 

「機能…停止…」

 

グラリッと前のめりに倒れたトコヨ。

彼女から紫色の音符が飛び出し、アルスはそれを手にする。

これで8体のマシンナリードライバーが持っている音符を揃えた。

シェリルと合流し、三人は奥へと進む。




いよいよ、マシンナリードライバーのリーダー格との対決。

そして、8つの音が揃った意味は・・・?

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