ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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続けて第二の投稿、超パワーアップ回!!


第十話 闇夜と光明と三又

女性の声の正体は歴代赤龍帝の所有者の一人であるエルシャだ

 

「――――エルシャさん?」

 

『ええ、そうよ。どうして泣いているの?』

 

「・・・俺は力がなくて、悔しいんです。皆を護れる力がなくて・・・」

 

『あなた達は絶望的な現状に何も出来ない、悔しいから今泣いていたのね。

 けれど、現赤龍帝と銀流星は可能性の塊。

 だから、自分の可能性を信じなさい。赤の他人の可能性を見たの初めてだわ。

 あなた達は似た者同士なのかもしれないわ』

 

取り出してみると、宝玉が強く赤く光り輝いていた。

 

「こ、これは・・・」

 

『その宝玉を天にかざして呼びましょう!』

 

「よ、呼ぶ?」

 

『そう、呼ぶのよ!現赤龍帝だけのおっぱいをッ!』

 

その直後、宝玉はより強い輝きを放って闇夜の世界全体を照らし出した

 

『準備は整ったわ。――――呼びましょう。

 あなただけのおっぱいを!さあ、叫んで!召喚(サモン)、おっぱい!』

 

アホな呪文だが今の状況を打破するにはそれしか方法がない。

一誠は思いっきり叫んだ。

 

「――――召喚(サモン)ッ!おっぱいぃぃぃぃぃッ!」

 

パァァァァァァアアアアアッ!

 

魔方陣が強い輝きを放ち、紋様には「おっぱい」が書かれていた。

足下にあるそれぞれの魔方陣から何かが出現した

一瞬の閃光が止んで出てきたのは――――――。

 

「ぶ、部長ぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉっ!?」

 

なんと、一誠の魔方陣からは下着姿のリアスが出できたのだ

いきなり風景が変わった事に気付いたリアスは仰天し、周囲を見渡す

 

「な、何事!?ここは何処?ほ、本丸御殿ということは京都?

 あ、あら、イッセーじゃないの?

 どうしてここにって、私がどうしてこんなところに!?」

 

突然の意味不明な出来事に英雄派もゾロアスターも呆気に取られていた

 

『――――つつきなさい』

 

「は・・・?」

 

『赤龍帝はリアス・グレモリーの乳首をつつきなさい。ポチッと』

 

「ポチッと!?いやいや、つついてどうするの!?」

 

『あなたの可能性を開く最後の決め手。それが彼女達の乳首なの。

 あれはスイッチ――――あなたの可能性と言う名の扉を開くためのスイッチよ』

 

―――――ダメだ。頭がおかしいとしか言えない

 

そんことを考えているうちに突然リアス体が金色に輝き出す

 

「な、何なの!?光が私を包んで!?」

 

リアスの乳房が神々しい輝きを出し始めた

 

『彼女のおっぱいはあなたの可能性に触れ、次のステージに突入したわ。

 あれをつつく事であなた達は変わる。劇的な変化を遂げるわ。

 さあ、つつきなさい!!』

 

エルシャはハッキリそう言った

最早、何を言っても無駄だろうと諦めた

 

「――――部長、乳をつつかせてください」

 

「―――――ッ!」

 

赤龍帝の告白にリアス達は絶句、無理もない

だが、暫く考えた後に――――――

 

「・・・よく分からないわ。よく分からないけれど・・・分かったわ!」

 

なんと、この状況でリアスは承諾した。

この状況でなんだかコウリュウは色々と疲れているような感じだった

 

【・・・・・・これは酷い】

 

『うおおおおおおんっ!うわぁぁぁぁぁああんっ!うおおおおおおおおおおおおんっ!』

 

ドライグも大号泣してる・・・この状況ではもう泣くしかないだろう。

一誠は意を決して、リアスの乳首をつつく!!

 

『・・・ぁふんっ・・・』

 

桃色吐息が鳴った刹那、リアスの胸がまばゆい閃光を放って天高く昇っていき、空間全体を桃色に照らして消えていった

リアスの姿が見えない。エルシャが説明した

 

『元の場所に帰っていきました』

 

「マジで!?このためだけに京都に呼ばれたの!?」

 

ドクンッ・・・!ドクンッ・・・!

 

胸が脈打ち、力が湧き上がる音が響く。

 

「いくぜぇぇぇぇぇええっ!ブーステッド・ギアァァァアアアッ!」

 

一誠の神器から力が溢れ、宝玉から今までとは違う音声を発生させた

 

『Desire!』

『Diabolos!』

『Determination!』

『Dragon!』

『Disaster!』

『Desecration!』

『Discharge!』

 

『DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD!!!!!!!!』

 

各宝玉から、Dの文字が鳴り響く

 

「モードチェンジッ!『龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)』ッ!」

 

一誠が高らかに叫んで『僧侶』にプロモーションする

ただし、それは普通の『僧侶』でなく、背中にバックパックと両肩に大口径のキャノンが装着された『僧侶』だ

 

「コウリュウさん!!」

 

コウリュウは一誠が攻撃することを読み、アカ・マナフから離れる

一誠のキャノンに膨大な量のエネルギーが溜まった

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

「吹っ飛べェェェェェェェェェッ!ドラゴンブラスタァァァアアアアアッ!」

 

ズバァァァアアアアアアアアアアッ!

 

両肩のキャノンから極大の砲撃が発射され、アカ・マナフのいる方へ突き進んでいく。

アカ・マナフは両手で砲撃を抑え込むが徐々に力負けし―――。

 

【おおおおおおおおおおっ!!?】

 

飲みこまれ、吹き飛ばされた。

 

【ま、まさか!?】

 

驚くドゥルジだが、銀色の閃光が走り九重を捕らえていた触手が切断された。

其処には・・・九重をお姫様抱っこで抱えている嶺爾の姿だ

九重をアーシアのところへ置いて、アカ・マナフが持っていた常闇の珠を拾う

 

【嶺爾!!何故、貴様がここに!?】

 

「アメノサギリを強くさせる闇の宝玉――常闇の珠を回収するためだ」

 

嶺爾はそう言ってアメノサギリとなり、常闇の珠を手に持ち空へと掲げる。

 

【ああ・・・闇の力が溢れてくる。私の力が目覚める・・・】

 

闇のオーラが溢れ出し、空には暗雲ができる。

アメノサギリが闇に包まれると、心臓の鼓動が不気味に響き渡る。

闇のドームがガラスのように崩れる。

黒い半球が左右にあり、闇でできた巨大な鉤爪状の手が生えている。

その間に、黒髪、薄黒い着物を身に纏い、顔には青い隈取がついている女性。

 

【我は、魔王トコヤミノスメラギ。この世に闇を覆いつくさん】

 

エコーがかかった声で重々しく言葉を発するトコヤミノスメラギ。

その恐ろしい気配が発せられる。

封印の岩山に三つの光、護国の三種神器である勾玉、鏡、剣があった。

コウリュウは最初に驚くが、後で考えるとしよう。

姿を鋼弥へと戻りコノハナサクヤとなり、三種の神器に触れる。

覆っていた暗雲に一筋の光がコノハナサクヤの身を包み込む。

 

【・・・この力があれば!!】

 

白い球状がサラサラと崩れる。

一切の汚れもない真白な神衣を身に纏った黒髪の女性。

太陽を模した冠を被っており、後光が差し込んでいる。

 

【私は、女神アマテラス。この世に光を照らさん】

 

慈母溢れる優しい言葉が響く。

アマテラスの光は不思議と力が湧いてくる。

 

【常世の祈り】

 

アマテラスが天に向けて祈ると、佑斗たちの傷と体力が完全に治る。

 

「すごい・・・傷と体力がもとに・・・」

 

「力が元に戻っていく・・・」

 

「酔いが治りましたわ!!」

 

九尾にも温かな光が当たると、ドゥルジが放った矢の邪気が抜け落ち、元の姿へと戻った。

 

「母上!!」

 

九重は八坂の下へ走り、抱きしめる。

アカ・マナフとドゥルジが起き上がる

トコヤミノスメラギがアマテラスの隣に立つ。

 

【お前と決着をしたいが、まずは今の状況を打破するまでだ】

 

【珍しく意見が合うわね】

 

光と闇の女神はゾロアスターの悪魔と対峙する。

 

――――――――

 

「モードチェンジ!『龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)ッ!」

 

一誠はドラゴンの翼を羽ばたかせて曹操に向かっていった

 

「装甲パージッ!」

 

一誠が叫んだ瞬間、赤い鎧の胴体、腕、足、頭部の厚い装甲が外れ、

流線形フォルムの全身鎧(プレート・アーマー)と化した

誰にも捉えきれない様な速度で飛んでいき、曹操に体当たりしようとする

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

「速い――!!」

 

ドゴンッ!

 

神速体当たりが曹操の腹に炸裂し、曹操は軽く吐瀉した。

 

「君は、正面から突っ込んでくるとは・・・!!だが、その薄い装甲では俺の槍には耐えられないだろう!?」

 

「モードチェンジッ!龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)ッ!」

 

赤いオーラが一誠を包み込み、外した分の装甲を修復強化させていく。

分厚い鎧に覆われ、通常の5倍〜6倍はあるぐらいの様相となった。

曹操の一撃は貫くことなく、途中で止まった。

 

「なっ!?貫けないだと!?」

 

「おっぱいドラゴン舐めんなッ!このクソ野郎ォォォォォォォォォォォォォッ!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

 

「こんにゃろォォォォォォォォォォォォォッ!」

 

ドンッ!

 

籠手の肘部分に新しく生まれた撃鉄が作動し、膨大なオーラが吹き出して拳の強さと勢いが爆発的に膨れ上がった。

 

ドォォォォォォォンッ!

 

凄まじき一撃で曹操は地面に叩き付けられた。

それぞれの能力に特化した形態に連続で変更出来るが、故に消耗が激しい

 

「ベルゼブブさまにいただいた『鍵』と、赤龍帝――――ドライグが本来持っていた力を蘇らせて、

 そこに『悪魔の駒』への一工夫が合わさって目覚めた――――俺だけの力なんだ」

 

曹操はヨロヨロと立ち上がり、血を拭う

 

「十分な強さを土壇場で得るなんて、槍で守らなければ死んでいたところだよ。

 その逸脱したキミだけの力・・・イリーガル・ムーブだな」

 

「イリーガル・ムーブ?」

 

一誠の口からから出た疑問の言葉に曹操は続ける

 

「不正な手と言う意味を持つチェス用語だ。

 "王"の承認無しで出来るプロモーションなんて明らかに反則だろ?」

 

『俺としては「トリアイナ」だと感じだ。

 ギリシャの海神ポセイドンが持つ三ツ又の矛で、トライデントとも呼ばれている。

 あの三つの強力な力は鋭さがあった』

 

「イリーガル・ムーブにトリアイナか。良いね。

 こいつは『赤龍帝の三又成駒(イリーガル・ムーブ・トリアイナ)』とでも名付けようかな」

 

 

――――――――

 

 

【まさか・・・光明の女神アマテラスと・・・】

 

【常闇の女神トコヤミノスメラギに覚醒するなんてね・・・】

 

アカ・マナフとドゥルジは驚き戸惑う。

 

【おそらく、あの赤龍帝が可能性に触れたんだろう。・・・釈然としないけどね】

 

【おっぱいというのは奇跡以上のものを生み出すのでしょうか・・・】

 

今は目の前の悪魔を倒すことだけに集中する。

トコヤミノスメラギは左右半球をくっつけて完全球体する。

球体が怪しい緑の妖気を噴き出す。

 

【妖禍月球(ようかげっきゅう)!!】

 

ドゥルジ目掛けて隕石の如く勢いよく落とすが、ドゥルジはこれを避けるが足元から出現し直撃する

アマテラスはアカ・マナフが放つ魔力弾幕を避けつつ、呪文を唱える

 

【マハラギダイン×3!!】

 

火炎最大魔法を三つ生み出し、合成する

 

【トリスアギオン!!】

 

極炎の柱がアカ・マナフを呑みこみ、大爆発が巻き起こる。

ランクアップしたことにより、ダメージが格段に上がっていた。

二柱の神は一気に畳み掛ける。

 

【前と同じだか、二度目の協力だな】

 

【そうね。でも・・・一気に滅ぼすわよ】

 

二人は両手を前にかざす。

 

【【メギドラオン×3】】

 

6つのメギドラオンが生み出され、一つに合わさる。

 

【【メギド・クロスフレア!!!!】】

 

メギドの炎が巨大十字架となり、アカ・マナフとドゥルジ目掛けて撃つ。

その時、ボロボロとなっていたタローマティが現れて、転移魔法をして戦線を離脱する。

凄まじき、大爆発が巻き起こり光の柱が出来上がる。

 

【逃げられたわね・・・】

 

トコヤミノスメラギは姿を解除して、嶺爾となり直ぐにゾロアスターの後を追った。

アマテラスの姿を解除して鋼弥となり、タローマティを追いかけていたレイハとミランダと合流する。

 

「鋼弥。今のは、嶺爾か」

 

「・・・ええ、ですが、まだ曹操たちが残っています。一誠たちを助けに行きませんと」


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