ハイスクールD×D~アルギュロス・ディアボロス~   作:Mr.エメト

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第九話 激戦②

結界を出ていく、小猫たち。

倒すことができなく、残念な顔をしていた。

 

「ごめん、仕留めることができなくて・・・」

 

「いいんだ。無事に帰ってきてくれただけでも、十分だ」

 

タオたちに労いの言葉を贈る鋼弥。

 

「それにしても、嶺爾の悪魔も相当な実力を持っているわね・・・」

 

「これまで見た悪魔はヴァスキ、ネラプシ、グランガチ、ダッキ、セト、アメノサギリ、タナトス、アガートラーム。

 俺が知る限り、その先の悪魔は出したことはない」

 

「確認されている悪魔を出すのか、全く新しい悪魔を出すのか。先が読めない戦いになりそうね」

 

リアスは腕を組んで警戒をしている。

結界内にいる嶺爾は表情を変えずに待っている。

 

「どうした、次の相手は誰か決めてないのか?」

 

祐斗が前に出る。

 

「部長、今度は僕が行きます」

 

ゼノヴィア、イリナ、珠樹も前に出る。

 

「私も行くとしよう」

 

「私も!!」

 

「私も、行くわ」

 

「なら、男手はもう一人必要だろ?俺も行くぜ」

 

ドルキーは帽子をクイッと被りなおして、祐斗たちと共に行く

彗花も前に出るが、珠樹に止められた。

 

「彗花は、リアスさんたちと一緒に出て。貴方の防御陣が役に立つわ」

 

「わかりました。気を付けてください」

 

佑斗たちは結界内に入り、それぞれの得物を構える。

 

「なるほど、今度は武器を使った者たちか。だが、貴様は武器持ちではないが?」

 

ドルキーは帽子をかぶりなおして、フンッと笑う。

 

「戦ってたら、出すかもしんねぇな」

 

「……そうか、では」

 

足元に陣を描くと、紫色の妖気が立ち込んでくる。

 

「―――アマツミカボシ」

 

天から稲妻が落ちると、煙がもうもうと立ち込む。

突風が発生し煙が吹き飛ぶ。

そこには、古代の日本の神々が身に纏う神衣だが紫色に染まっている。

黒髪、星の冠を被っており、肌の色がやや黒い男性。

体から紫色の炎が噴き出ている。

 

【我は凶星の神アマツミカボシ。

 死の輝きを恐れぬ逆光となるのか、屈して滅ぼされるのか。

 どちらになるのか、見定めてやろう】

 

外にいる、鋼弥はアマツミカボシを見て驚く

 

「あれは、邪神アマツミカボシ!!あれほどの高位悪魔と契約していたのか!!」

 

「知っている悪魔ですの?」

 

リーザが説明に入る。

 

「アマツミカボシは、鋼弥が契約しているフツヌシや雷神タケミカズチをもってしても服従することなかった悪神。

 星や月を神格化した神は主祭神とされていることもあるけど、日本神話においては星神は服従させるべき"まつろわぬ神"。更に金星を神格化されており、魔王ルシファー様と同格の存在とも言われているわ」

 

「それでは、祐斗先輩たちは・・・!!」

 

「厳しい戦いになると思いますわ。相手は悪魔の星そのものと戦うようなものです」

 

フィーナはもう一度、アマツミカボシを見る。

とにかく、結界内に入ったメンバーが生きてに帰ってくることを祈るしかない。

祐斗たちはそれぞれの武器を構えて、アマツミカボシと距離をとる

 

【では、小手調べだ。アギダイン】

 

右手を上げてから、ゆっくりと降ろすと巨大な炎球が生み出され祐斗に落ちてくる。

すかさず、氷の聖魔剣を作り、アギダインを両断する。

 

【ほぉ、アギダインを切り捨てるとは、中々の腕だ】

 

「たりゃあああああ!!」

 

珠樹は刀を抜いて、高速の剣劇を繰り出すが、アマツミカボシは避ける。

次の攻撃を繰り出そうとしたが、珠樹はアマツミカボシから離れる。

その時、後ろから聖なる波動がアマツミカボシを飲みこむ。

ゼノヴィアが不意打ちで飛ばしたようだ。

 

【なるほど、聖剣デュランダルの使い手がいたのか。実に面白い】

 

しかし、アマツミカボシはそれほどのダメージは受けていない。

 

「あたしが言うのも、なんだけど……不意打ちは汚くない?」

 

「勝つためには仕方のないことだ。相手が相手だからな」

 

珠樹はゼノヴィアの不意打ち攻撃を指摘するが、ゼノヴィアは仕方のないということで片づけた。

 

【なるほど、力で攻めるのがお好きなのか。では・・・】

 

アマツミカボシは両手をバンッと合わせると、黒い薙刀が出現し振り回す。

そして、二、三回払うとゼノヴィアに向かい薙刀を振り下ろす。

デュランダルで受け止めるが、ドンドン地面にめり込んでいく。

 

「ぬ・・・!!ぐ・・・!!」

 

【ふふふ、どうした?このまま土葬になるぞ】

 

「このっ!!」

 

イリナは光の剣を投げるが、アマツミカボシは瞬時に消えてイリナの眼前に近づく。

 

「は、速い!?」

 

胸ぐらを掴まれ、振り回されて放り投げられるが天使の翼を展開させて、体勢を立て直す。

だが、アマツミカボシはザンダインを放ちイリナに当てようとするが、イリナの前に何かが遮断される。

其処には6方の刃が二つ重なった計12刃の巨大手裏剣である。

 

「ふぃー、危なかったぜ」

 

【ほぉ・・・変わった武器だな】

 

ドルキーは地面に刺さった手裏剣を抜いて構える。

 

「こいつが俺の武器、"トゥインクルスライサー"。こいつの切れ味、見せてやるぜ!!」

 

目にも、止まらぬ速さでアマツミカボシの周りを走る。

 

「あのスピード、祐斗よりも速い!!」

 

「驚くことはないわ。ドルキー(スピード狂)は50%の力を出していないもの。

 本気の速度を出した時は、目で追えるようなものじゃないわ」

 

シュ―――!!

 

12刃の手裏剣が飛んできて、アマツミカボシは避けるが、別の所から飛んでくる。

こうすることによって縦横無尽に手裏剣が飛び交う。

アマツミカボシは手裏剣が奔ってない上へと逃げるが、ドルキーはそこを狙っていたのだ。

走るのをやめたドルキーはアマツミカボシを越して、手裏剣を上に掲げる

 

「風刃車!!」

 

手裏剣を頭上に掲げたまま、回転を加えて投擲する。

風を切る音が響き、アマツミカボシに直撃した!!

だが、咄嗟に右手で防御して、弾くが無理なことをしたため右腕が切断された。

アマツミカボシは切断された右腕を見て、フッと笑う。

 

【……星たる我の腕を切り飛ばすとは、見事だ】

 

切り飛ばされた腕を拾い上げて、ディアラハンを唱えると修復した。

 

【では、本気で参らせてもらおう。簡単に死んでくれるなよ】

 

瞬間移動を繰り返し相手を翻弄するアマツミカボシ。

攻撃がどこから来るのかわからない状態だ。

 

【アギダイン!!】

 

ゼノヴィアとイリナを狙って、アギダインを放つがデュランダルですぐに叩き斬る。

 

【ブフダイン!!】

 

今度は、祐斗を狙って、ブフダインを放つが、これをかわす

 

【ザンダイン!!ジオダイン!!】

 

ドルキーと珠樹を狙って風と雷の魔法を放つが、二人はそれぞれの得物で防ぐ。

鋼弥はアマツミカボシの行動を見て、気が付いた。

的確に魔法を撃ち、祐斗たちを一纏めにしている。

となれば、次に出る行動は・・・!!

 

【マハマグダイン!!】

 

アマツミカボシは岩石の雨を呼び出し、祐斗たちに向けて一斉に放つ。

 

「しまった!!奴は俺たちを一纏めにしてから、叩き潰すつもりか!!」

 

「どうしよう!!このままじゃ、潰されちゃう!!」

 

焦るイリナだが、祐斗はこの状況を打破する方法を編み出す。

 

「僕と如月さんで、あの岩の雨を粉々にする。そのあとは・・・」

 

「OK、任せて頂戴!!」

 

祐斗と珠樹は同時に駆け出し、剣から闘気が溢れ出し必殺を叫ぶ

 

「「空間殺法・乱舞ノ太刀!!」」

 

同時に、剣劇を放つと岩石群が細かく刻まれた。

ゼノヴィアはデュランダルを天高く掲げて、聖なる波動を撃つ。

そのまま、アマツミカボシの所まで、向かうが・・・

 

【力任せで我を倒すと思っているのか!!】

 

そのまま、避けて前を向くがイリナは光の槍を投擲してアマツミカボシの左腕を刺す。

更にドルキーの巨大手裏剣も飛んでくるが、右手で払う。

 

【フン、残念だったな】

 

「それはどうかしらね?」

 

背後から声がすると、そこには祐斗と珠樹がいた。

だが、一体どうやって、アマツミカボシの背後をとったのか?

それは、二人の斬撃で粉々にした後、ゼノヴィアとイリナとドルキーが敵の目を欺かせる。

手裏剣を投げた後、ドルキーは風を使い祐斗と珠樹を飛ばしたのだ。

 

「「これで・・・終わらせる!!」」

 

二人の必殺の太刀を放とうとしたが、時間が鳴り響いた。

あと一歩のところで、時間切れとなってしまった・・・。




今回は武器を持つ者たちの戦闘を書いてみました。
何気にドルキーの武器がここで初登場。
しかし、未だに引き分け続き・・・。

次回は魔法が得意とする者たちの戦いです。

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