【勘違い物】性欲を抑えながら頑張るIS学園生活   作:シロガネ11号室

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第五話 ちょろいもんだぜ。そのキレイな顔を(ry

「おおおおおっ!」

 一夏の手の中のブレードはますますエネルギーが増していき、光を放つ!

「セイヤアアアアァァァァッ!!」

 

 そしてセシリアの懐に入り、逆袈裟払いをする! 勝負は決まったかのように思われた

―――だが

 

『試合終了! 勝者、セシリア・オルコット!』

 

 

 

 

 

 

「愚か者が」

「負け犬」

「ばーか」

 

「うぎぎ……」

 

 ピットへ帰ってきた一夏は大層悔しそうな顔をしており、しかも恥ずかしそうにしていた

 

「俺の家族を守る(キリッ」

「世界一の姉さんを持ったよ(キリッ」

「ぶくく……」

 

「千冬姉! 箒! もうやめてくれ心の傷を抉らないでくれ! そして大和! お前そんなキャラじゃないだろ!!」

 

 ああ、コミュ障シスコンを拗らすとこんな恥ずかしい台詞を堂々と言えるようだな(半分合ってる)

 結果、一夏は負けた。彼の唯一の武装『雪片弐型』は自分のシールドエネルギーを消費して相手に攻撃するという代物で、また自分のシールドエネルギーが0になると負ける

 

 即ち、自分の武器で自滅したのだ。バカス

 んん、必然力が足りませんな。論者になってヤチカになる以外ありえない(マジ○チスマイル)

 

「武器の特性を把握しないで使うからそうなる。浮かれすぎだ大馬鹿者」

 

 と、まあ一夏をいじるのは程々にして少しのインターバルを挟んで俺とオルコットの試合が始まる

 

「ジパングは大丈夫だとは思うが、勝利を確信したからといって浮かれるなよ」

「……自分に勝機があるとでも?」

「阿呆。篠ノ之との剣道の一件、私が知らないとでも思っているのか」

 

 なんだか織斑先生に期待されちゃってるぜ! どうしようかナー

 

『大和! アビリティンザムは使うなよ!』

 

 ……

 

 ……ハッ、あれは壮大な前振りだったのか!? 俺は今から全力で戦っていいのか!?

 了解! アビリティンザム!

 

「でも、ジパング君が勝っちゃうと世界中が大騒ぎになりますよ」

「そうだな。IS初心者が代表候補生に勝つ……イギリスの評判がガタ落ちするな。唯でさえそこの馬鹿に負けそうになるのだからな」

「あのー、私たちは教員ですから片方に肩入れってダメなんですけど、出来れば負けてくれませんか?」

 

 そうか、次オルコットが負ければ国の威信に関わってしまうのか

 というか何故に俺が強い前提でお話になられているのですかねぇ

 

「そうですね……だが断ります」

「まあ、お前も全力を出してこい。世界にお前を魅せつけて、記憶を取り戻せ」

「了解しました」

 

 打鉄に体を預ける。触れると同時、適性試験のあの時と同じように情報、感情の奔流が俺に流れ込んでくる

 これが一体何なのか分からない。もしかすると付喪神……?

 

『や、大和さん頑張ってくださいね! 私も精一杯サポートします!』

 

 いよっしゃあああ! やる気出てきたぜ!

 妄想は戦国風美人の女の子が俺を励ましてくれるっていう構図! やれる! 俺と、この、打鉄ちゃんなら!

 

「大和・ジパング。打鉄、出る!」

 

 

 

 

 

 その頃、セシリアは一夏の事を想っていた

(織斑……一夏……)

 彼の鋭い眼差し、意志の強さに心を打たれてしまったのだ。簡単に言うと、惚れてしまったのだ

 

「私は、もっと彼のことを知りたい」

 

 何が、そうさせたのか。何が、彼の決意を作り上げたのか

 たった一度の試合(対話)では分からなかった。だから

 

(同じ男である大和・ジパング、彼と本気で戦って……織斑一夏のあの輝きが彼特有のものなのかかを確かめる!)

 

 そう決意し、再び彼女はブルー・ティアーズを呼び出した。一夏との対戦前とは違い、本気の表情で

 そしてピットから飛び立つ!

 

 対峙するのは超人離れした身体能力を持つという『大和・ジパング』

 剣道の一件はギャラリーの中にいた少女らによって様々な国へ報告された。結果、国籍も急増の身元不明で記憶喪失である大和の確保へと世界は動き出した

 

【ピピッ! 敵反応零時方向】

 索敵アビリティにより大和もセシリアが飛び立ったのに気付く。初めての360度の視界、今までどんなゲームをしてきても体験したことのない視界、だが、それがゲーマー心をくすぐる

 

(攻略してやろうじゃないか……)

 大和は右手にブレードを呼び出し、そしてセシリアに突きつける

(このISって奴を!!)

 

 対するセシリアも銃器、スターライトmkIIIを呼び出し突きつけた

(さあ、いざ)

 

『勝負!!』

 

 

 

【警告 敵ISって射撃体勢へ移行】

【ピピッ! 敵射撃零時方向。以後、高機動戦闘が予測されるためフィールドマップを表示します】

 ISの警告とアビリティが同時に響く。大和の視界右上にアリーナのフィールドマップが表示された。赤が敵、即ちセシリアの機体ブルー・ティアーズとビット『ブルー・ティアーズ』だ

 

 迫り来る射撃を大和は軽々と避ける。ゲームにおいてはホーミングなども普通なのでこの程度余裕だ。また、セシリアは箒とは違い『武人』ではない。その分プレッシャーを感じずに持っているポテンシャルで動くことが出来るのだ!

 

(アビリティというアドバンテージを持っていながら……)

 

 連射される相手の銃撃を時には避け、時には斬り落としながら大和はセシリアへ向かっていく

 

(負けられねェんだよ!!)

「セヤッ!」

 

 一瞬のうちに間合いを詰める『イグニッション・ブースト』を無意識のうちに大和は使い、接近する

 しかし、油断も慢心も無いセシリアにとってそれは可能性として考えられた事、ビット一つを県政に利用しその隙にスライド、そして連射する

 

 超至近距離で撃たれてしまってはさすがの廃ゲーマーと言えども全ては避け切れない。装甲が砕け散り、シールドエネルギーが減少していく

 だが、ゲームで培った空中移動は健在、即座に弾幕から回避していく

 

 互いに牽制し、睨み合う。セシリアは大和から未だかつて感じたことも無かった気迫を肌で感じ、身を震わせる

 

(俺の常時展開スキルは【索敵】【回避】【反撃】【威圧】【耐状態異常】、それ全てを使ってでも互角に持ってくるオルコットとその機体ブルー・ティアーズ)

 

 大和はニヤっと、この世界に来て初めて笑い、そして叫ぶ

 

「やっぱ攻略しがいがあるなァ! ISってのは!!!」

「くっ、初心者とは思えない動き……やはりあなたは常人離れしている!」

 

 大和は左手に銃器を展開し、変幻自在に移動しながらフルオートで射出する。対するセシリアも次々に装甲が欠けながらも大和へ着々とダメージを与え続けていた

 

 

 ピット内、二人の勝負を真剣に見つめている一夏、千冬、箒、真耶。特に一夏はさっきまで自分と戦っていたセシリアとは違い、本気だと直感で判断する

 

(俺は完全に舐められていた……だが!)

 

 拳を握り、モニターを睨みつける

 

(次は絶対に勝つッ!)

 

 その様子を千冬と箒は何か懐かしいものを見るような表情で見つめていた

 

 

 

 

 

 ブルー・ティアーズを動かしている間はセシリアは動けない、というのに気付いたのは一夏がセシリアと戦っている時だったか

 大和は直線軌道でレーザーを撃ってくるビットを回避しながら反撃に出て行く

 

 回避、防御と共に飛んでくるライフルの弾丸。それを見切ってスレスレで回避、遠距離のままではセシリアに分がある

 

(遠くからだけならこっちはジリ貧、玉砕覚悟で接近戦か)

 

 こうやって避けていくだけでもジリジリとシールドエネルギーが減少していく。相手は相手に合わせた世界に1つだけの専用機、こっちは唯の訓練機

 相手はその道のエリートでこっちは素人、でも

 

「機体と、実力が足りないというなら……ッ!」

 

 大和はこちらに狙いをつけているセシリアのライフル、それに向かって突進する

 

「なっ、自分から突っ込んで!?」

 

 慌てて乱射するが大和はブレードで全て弾き返し、そして距離は零になる!

 

「『勇気で補えばいい!!』って先人の言葉があるんだよ!!」

 

 アバターに登録してある剣術スキルで2連撃を放つ。横に切り払い、そして切り返す! 正に電光石火の攻撃だ!

 

(ッ! 早すぎる!!)

 

 セシリアはとっさにライフルを捨てることを選択、瞬間。ライフルが切り捨てられる

 大和は振り向きざまにブレードを投擲した

 

 刹那、一機のビットが破壊され、爆散

 形勢逆転し、大和が有利と思えたが背後からのレーザー攻撃を避けることが出来ず、モロに直撃する

 

(チッ、360の視界って無駄な高性能が仇で反応が鈍る!)

 

 一度体制を立て直し、ブレードを呼び出して構える。今の直撃のせいで次、同じような攻撃を食らえば負けるとこまでダメージが蓄積した

 だが、それはセシリアも同じ。自分の周囲に残ったビット3機を集中させる

 

(六機中半分が落とされましたわ……)

(何を企む、オルコット!)

 

 大和は構えから瞬間、爆発したような速度で突進した

 

「これで、ラストッ!」

「こちらもそのつもりですわッ!」

 

 三機が分散し、大和に照準を合わせる

 それと同時に大和も振りかぶった

 

「インターセプター!」

 

 そして、大和の攻撃はセシリアが呼び出した近接用武器に阻まれ、レーザーで蜂の巣にされる!

 だがその直前に大和が選択した攻撃は―――相手の武装を吹き飛ばし、一撃を与える剣術スキルだった!

 

 

 

『試合終了! 勝者、大和・ジパング!』

 

 

 

 そのアナウンスと共にセシリアのインターセプターは宙を舞い、アリーナの地面に音を立てて落下した

 

 そして

 

 アリーナは大歓声で湧き上がった

 

 

 

 

 

 

 

 なんとか勝てた。ゲーマーとしての直感かしらないけど相手があそこで近接用武器を出してくるとよんで正解だったぜ!

 ピットに戻りながら俺はそう思う、そして妄想

 

『キャー! 大和君カッコいい! 抱いて!』

『あーっはっはっは。どんと来い!』

『素敵ーーーー!』

 

 ふっ、俺のハーレムライフがすぐそこに! 自家発電しているのを見られるのはアレだけどそういう行為ならドヤ顔でやってやんよ!

 

 だが、すぐに思い当たる

 

 あれ? 俺って重要人物で各国が確保に向かってるって先生言ってたよな? クソッ! ハニートラップの可能性があるじゃねーかフ○ック!

 くそう、迂闊に女の子と仲良く出来ないじゃないか!!

 

 何故だ、何故こんなにもこの世界はうまくいかないの? オ○ニーだって2週間くらいやってないしムラムラしてさっきなんか恥ずかしいセリフ叫んだ気もするし

 

「大和! すごかったぜ……って、なんでそんな沈んだ顔をしているんだ?」

「いや、なんでもない」

(まさか……大和、今の試合でも満足しなかったのか!? 流石大和、すごいぜ!)

 

 毎朝夢○してしまった場合でも監視から怪しまれないように服を自分で選択してるからもう我慢しないで夢○してしまおうか

 あぁ、ムラムラする

 

「大和、勝ったか」

 おぉう、篠ノ之の胸がバインバインだ

「カッコ良かったです! ジパング君!」

 山田先生の胸もいいなぁ

 

「ふっ、どっかの愚弟とは違っていい試合だったぞ」

 

 ふふ、下品な話ですけどね。ええ、不覚にも勃○してしまいまして

 だってもうここにいる女性三人スタイル良すぎでしょ! くっ、このままIS解除したら勃○したのがバレてまう! だってスーツピッチピチやん

 

 ここで俺はIS解除しなくていいように必死に脳をフル回転!

―――閃いたぜ!

 

「さあ一夏、試合を始めよう。君の強さを俺に見せてくれ(キリッ」

 

 ふっふっふ、これで俺はISを解除せずにすむし、試合で勃○も収まる! 完璧! 正に完璧な計画だ!

 

(勝利に奢らず次の戦いに挑む姿……正に武人だな。勝って兜の緒を締めよとは言ったものだ。私も見習わねば)

(ジパング君試合が楽しそうでした! もっと楽しみたいんでしょうね!)

(こいつ、さっきのような滅多に見られない激戦の後にこの余裕、何者なんだ? 記憶を失う前のこいつは!)

 

 さあ、一夏。試合をしようぜ!

 

「え、いいよ。お前も疲れただろ? インターバルを挟んでやろうぜ!」

 

 ……ああ、こいつ、生粋の内面イケメンコミュ障だったっけ(違います)

 俺の完璧な計画が崩れ落ちていく音が聞こえた




続きはよ



寝起きのテンションと夜中のテンション、どっちでこの作品を書けばより下品で馬鹿らしくなるのだろう
そう思いながらガンダムで戦闘シーンの勉強をする俺氏であった

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