【勘違い物】性欲を抑えながら頑張るIS学園生活   作:シロガネ11号室

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続くよ


席順の中の人はアニメ版から。しかし私は小説版しか読んだことないです


第二話 ざわ・・・ざわ・・・

 入学式、それは桜にふさわしい行事

 

 入学式、それは友達百人出来るかドキドキする行事

 

 入学式、それは……それは……

 

 

 だめだ、思いつかない。そもそも『○○の秘密』とかそういうのが3つって相場が決まってるのがいけないんだ! そうに決まっている。

 まあいい。周りを見渡してみよう

 

 目を、逸らされた。否、逸らされる前に逸らした

 

 何だ、この空気。少なくとも俺の知っている入学式ではない

 ISとは女性にしか使えないもの、という定説は俺と、あと織斑一夏によって覆された。しかし、覆ったと言ってもISを使えるのは俺たち二人だけ。当然周りからは奇異の視線、言うなれば動物園の猿を見るような感じのあんな『ふ、檻の中でいきがっていても外には出られない運命なのよ……』って感じの視線だ。悲しい

 

 それに、おそらくどこぞのお嬢様の手下かなんかの暗殺者の視線も混じっているに決まっている。そうだ、そうに違いない

 もしかするとこの制服にも盗聴器やらその他諸々も付いている可能性もある

 

 くっ、女子校に潜入したら顔とかそういうの抜きにして着替えとかその他諸々prprして自家発電って相場が決まっているだろ!(心のなかで壁ドン)

 それが出来ないだなんて……くそっ。この世界は歪んでいる!

 

 自家発電した途端に『お嬢のいる学校でそういうことをするとは……タヒね!』と云われて人生GAME OVERだなんてテクノブレイク並に最悪な死に方じゃないか!

 

 目標が出来た。俺は、この学園の中で俺を監視する奴を倒し、そして! 快適なオ○ニーライフを満喫する! してやる! 絶対ニダ!!

 

 

 と、心のうちに祈念して目を見開いたれば(平家物語風)入学式は終わりを迎えていた。もう一人の男である織斑一夏とは織斑の『お』と、ジパングの『ジ』のせいでちょっと離れているせいで会話も出来ない

 まあ、隣にいたとして対人恐怖症の俺に会話が出来るかどうかは別だが。でもヤツは俗にいう『イケメン』であり俺の見知ったアバターに似ているような容姿だ

 

 うーん、ここはイケメンに嫉妬したほうがいいのかアバターに似ているおかげで会話しやすいのに喜んだものか……

 そういう風に考えているうちに教室につく。某織斑一夏氏は一番前の真ん中という素晴らしい席だった。ご愁傷さまです

 

 俺の席はと言うと、教室入り直ぐ左折の前から四番目だった。うん、冬場は寒そうな位置だな

 とりあえず座り、担任などが入るまで待機との指示された黒板を見る。机は前時代てきなコンソールではあるが、この時代と比較すると最先端っぽい。操作になれないとなー

 

 と、思っていると左の席の子がトントンと肩を叩いてきた。

「ぁ、なんだ?」

 ビックリしてどもってしまったが聞かれてはいないだろう。というかマイマウス。もう少し柔らかい言葉を使うべきでは無いのかい?

「ねーねー、君、世界で二人しかいない男の人でIS使えるってどういう気持ち?」

 

 その時、俺に電流が走る!

 なんと! その子の! CVが! 原由実だったのだ!!

 何たること、代表作はとしてアイドルマスターの四条貴音役をやっている腹ペコはらみーに似たボイス!

 

 なんだろう、一気にこの学園生活が楽しみになってきたぞー!

 

「そうだな、まあ光栄だと思うが……なんで自分が、とは思ったよ」

 おお、流石マイマウス。CV原由実の子(脳内の渾名確定)にきちんと返答できた

「え?『びっくりした!』とか『女子の園にいけるぜウッシッシー!』みたいなのは無いの?」

 

 更に俺に電流が走る! 後ろの席の子もCV原由実だったのだ!!

 なんという偶然、なんという運命。んん、我にも必然力が備わってきましたかな?(マジ○チスマイル)

 

 これはもしかすると他にもCV田村ゆかりとかCV水樹奈々とかもいるかもしれないな。オラ、ワクワクしてきたぞ!!(←半分当たってる)

 

 CV原由実1、CV原由実2の子と話しながら数分、なんかちっこくて胸だけでかい山田先生がやってきた。山田先生は良い人で、記憶喪失設定の俺にISについて色々教えてくれた素晴らしい先生なのだ! ……傍から見れば両方最初の方はキョドってたけど

 しかし、はるか昔存在したという電話帳と同じ分厚さの参考書なるものはまだ半分くらいしか読み進んでいない

 

 でもだ。リアルの体だったら半分も読めてなかったに違いない。このアバターは知力にも結構振ってたから頭がいいのだろう

 参考書を読み進めているうちに『アバターの能力はそのまま使える』という仮説は信憑性を増してきた

 

 

 

 で、山田先生がキョドりながら様々な説明などが終わっていき自己紹介が始まる。ちなみに先生は副担任だそうだ

 自己紹介は大体出席番号一番の人が流れを作っていく印象がある。俺がリアルで高校生の時は名前、中学の部活、よろしく的な事を言ってた……と思う

 

「えっと、相川清香です。中学校ではハンド部に入ってました。ここでもやろうと思ってます! それと好きな食べ物は……好きなバンドは……行ってみたい観光地は……えっと、それから」

 

 おい

 

 

 

 

 

 

 おい

 

 コミュ障の俺にはハイレベルすぎる流れを作るな相川(既に呼び捨て)。奴もこの世界の歪みか。絶対に駆逐してやる。絶対ニダ!!

 

 そして結構時間を食いながらも織斑一夏の自己紹介が始まる。自己紹介順は席順で別に出席番号順ではなかったようだ。というか『お』の織斑一夏が一番前の真ん中という時点で席順が出席番号順じゃないのは分かるか

 

 ざわ・・・ざわ・・・

            ざわ・・・ざわ・・・

 

 しかし、織斑一夏の奴は自己紹介だというのに立ち上がろうともしない。もしや、奴もコミュ障か!? すこし親近感湧いたぜ!

 山田先生が織斑一夏に声をかけ、それに彼がビックリして先生がキョドるという流れの後に、彼は立ち上がった。なんだ、ただぼーっとしていただけか。俺のやつに対する親近感は0になった

 

「お、織斑一夏です! よろし……く?」

 

 やっぱこいつは俺の仲間だ! コミュ障だ! 親近感マックスだぜヒャッハー!!

 

「……それだけ?」

 

 それは誰の発した言葉だろうか、しかし、それは教室の空気を代弁した言葉であった。

(やめたげてよぉ! コミュ障にはこういうのは耐えられないんだよぉ!)

 俺のその心の声を無視して教室のボルテージは上がっていく

 

      ざわ・・・ざわ・・・

               ざわ・・・ざわ・・・

ざわ・・・ざわ・・・

         ざわ・・・ざわ・・・  

 

「い」

 

 頑張れ一夏!(親近感マックスの呼び捨て)

 

「以上です!」

 

 教室にいる全員がすっ転んだ幻が見えたのは俺だけじゃない、はず

 

 

 

 頑張った……ッ! お前はよく頑張った織斑一夏……ッ! 休めッ! もういい、もういいんだ! 終わったんだ!!!

 

 

 

 そして、ガラッと教室のドアがスライドし、凛とした声が響いた

「お前は満足に自己紹介もできんのか、この愚弟が!」

 

 ジャーンジャーン!!

「ゲェーっ!バーサーカー!!———ひでぶっ!?」

 ズパァァァァァァン!!

 

 

「誰が狂戦士か」

 

 この時、俺達は思ったんだ。彼女を怒らせたら……命がない、と

 

俺達が突然の襲来にビックリして固まっていると織斑千冬は教卓の上に上がり、こう言い放った

 

「今年、貴様らの担任を努める織斑千冬だ。顔は知っているだろう? 知らない奴は正直に手を上げろ……よし、いないな。これから私が担任だ。答えは全て『はい』か『イエス』だ、何が合っても私の言うことを聞くように。いいな?」

 

 お、横暴だーーーーッ!

 しかし、そう思ったのは俺だけのようで

 

「キャーッ! 本物の千冬様よーッ!」

「ハイ! ハイ! ハイ!」

「え、ホント? 担任!? イヤッッホォォォオオォオウ!織斑最高ー!!」

「私、千冬様になら掘られてもいい♂」

 

 

 と、なんとまあ織斑先生は人気者のようだ。あと最後二人おかしい。上は爆発しそうで怖いし下はお前女だろ

 あ、そういえば先ほど撃沈した一夏と織斑先生って姉弟だったっけ。こういうのって良いのかな? 俺の記憶では双子は絶対同じクラスにならなかった気がするから教員と生徒が身内っていかんと思うのです

 

「て、ち、千冬姉!? なんでこんなとこに」

 てあれ? 一夏は織斑先生がここの教師って知らなかったのか?

「織斑先生だ、愚か者めが」

 

 なんかそこらで「あれ、織斑君って千冬様の関係者?」って囁きが聞こえてくるが、おい。織斑って苗字全国にどれくらいいると思ってるんだ、珍しすぎるだろ常識的に考えて

 一発で姉弟ってわかるじゃないの

 

 織斑先生襲撃の衝撃で時計を見るのを忘れていたが、気付けば自己紹介のために取られた時間が結構無くなっていた。大体相川が悪い(断定)時間も奪い去るだなんて流石世界の歪み、俺の敵だ

 まあしかし、俺が自己紹介をしなくてすむとなれば万々歳だ

 

「もう時間がないな、なら自己紹介は休み時間にでもしろ……と、言いたいところだが」

 

 あれ? 先生は一旦言葉を切って俺の方を見た。俺、なにかやったっけ?

 

「貴様らはここの一夏(バカ)ともう一人の男に興味があって授業に集中できないと見える。ジパング、自己紹介をしろ。それでこの時間は終わりだ」

「ぇ、ぁ、ぇぇぇ……」

 

 変な声が出た。幸い聞かれてはいないようだ。何故かというと先ほどの出席簿ブレード(命名、俺)のせいで一夏が未だに呻いているからだ。流石俺の心の友(なんか親近感MAXから昇格)、あとでジュースを奢ってやろう。国の税金でな!

 

※ 大和君は特例で今のところ日本の生活保護っぽいのでお金をもらっています。専用機を使ってくれとの依頼が来ればそこの会社からお金をもらえるため、確実に返済可能です

 

 くっ、ここまでなのか。俺の人生は……

 そう、俺は諦めかけた。だが! そこで脳裏に素晴らしい声が響く!!

 

『諦めるなよ! どうしてそこで諦めるんだよ! 頑張れよ! お前を応援してくれている皆のために頑張れよ!』

 

 ……そうだ、俺は嫁(みんな)のために頑張らないと。俺は目を閉じる。そこには沢山の俺の嫁が励ましてくれている光景が浮かんだ

 そう、俺は……

 

 立ち上がり、周囲を見渡し、そして高らかに宣言する!

 

「大和・ジパングだ」

 

 フッ、頑張ったぜ。俺の嫁たち。帰ったらいっぱいズッコンバッコンしてあげるからなっ!

 

 

 

 

「お前も自己紹介が出来ないのか阿呆」

 

 俺が満足して脳裏に嫁を思い浮かべていると、その声と共に出席簿ブレードが飛んできた。いや、あれは出席簿(投擲武器)だ! 当たると絶対痛いに決まってる!

 当たるっ! そう思った、だが

 

【ピピッ! 敵反応十時方向】

 

 その音声が脳裏に響き、俺の体は勝手に動く

 飛んできた出席簿(投擲武器)を間一髪で避けると同時に掴み、来た方向へ投げ返した

 

 そう、これは俺が相当の時間と課金を使い手に入れたこのアバターが持つスキル、【索敵】、【回避】と【反撃】だ

 

 投げ返された出席簿(投擲武器)は織斑先生の手の中に収まった

 ……いや、俺はゲームのスキルで投げ返せたけどそれを普通にキャッチできるあなたは何者ですか、あ、ハイ。世界最強でしたね

 というかこれで分かった。俺には廃プレイで得たアバターと同等の動きが出来る。ゲームの能力そのままだ!

 

 よっし! 勝った! この世界での栄光は俺がいただくぜっ!

 謎の無敵感が俺の体に満ちた

 

「ほう、今のを反応するか」

 

 気付くと周囲の視線が俺に釘付けになってる。そりゃそうだ、今の俺の動きは常人離れしていた

 やだ……見られてる、濡れるッ!

 

「まあいい、続けろ」

 

 え、有耶無耶にならないの? ならしょうがない、記憶喪失設定を使うしかないな!

 

「色々あって記憶がない。ここでの生活で思い出せたら嬉しいと思う。どうかよろしく頼む」

 

 そう言って俺は頭を下げた。自分でもここまで喋れたのに不思議に思った。だが、なんかこの無敵感のおかげで喋れたんだと思う

 ま、まさか織斑先生は俺が対人恐怖症を持っていて人前で自信がないのを知って……ッ!?(違います)

 

 

 俺、先生に一生付いて行くッス!!

 




続け



原由実さん大好きです。というかお姫ちんも好きです
はらみーの「はやまー」とかいうの聞くだけで胸がキュンキュンします

……これって恋ですか?

*主人公のスキル*
【索敵】
敵を探すよ!結構広く索敵できる。敵意を持った相手にしか反応しないから機械には反応しない
【回避】
攻撃を勝手に避けるよ!必中、不意打ちとか相手の敏捷力によっては避けられない
【反撃】
反撃するよ!怯まなければ相手の攻撃を1/2の威力で反撃する

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