【勘違い物】性欲を抑えながら頑張るIS学園生活   作:シロガネ11号室

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戦闘と主人公君のエロい視点を融合させようと頑張ってみた


第六話 standby ready?

 相手としては不足はないが、やるからには勝ちたい。そういう考えが僕を課金に駆り立てたのでしょうか、地味に僕は負けず嫌いなのですよ

 そう、課金しないと勝てないイベントでトップランカーになり続けるくらいには、うふふ

 

「更識簪、四組の代表候補生。専用機はまだ持っていないようだが……何故だ?」

 

 そうだね、あとで調べておくかそれともオルコッペディアに聞いてみるか

 

「オルコット」

「はい?」

「四組の代表候補生が専用機……」

「それは一夏さんの白色の開発のために倉持技研の研究者が大量に割かれて彼女のIS『打鉄弐式』が完成していないからですわ」

「情報感謝する」

「それと彼女は生徒―――」

 

 なんか面倒な解説まで入り始めたし無視無視。さて、情報も入ったし

 

「フフフフ……アハハハハ」

 

 試合相手に思いを馳せるよりこの子をどうするかを先に考えるべきなのだろうか

 

「おい、篠ノ之?」

「アハハハハ……ん、どうした?」

「!?」

 

 

 

 

 

「かーんちゃん! 次の相手、うちのクラスのひのひの達とだね!」

「……うん」

 

 アリーナ観客席、大和たちと正反対の場所辺りで彼らの次の相手、更識簪と布仏本音ペアは試合を見ながら会話をしていた。ただしほぼ一方的に

 ちなみに本音が言うひのひのとは大和のことだ。名前を日本語にすると『日本・日本』になるからとの事で、呼ばれている本人も首を傾げる有様である

 

「ねえ……本音……」

「んー?」

「どうして……私と組んだの……? やっぱり姉さんから言われて……?」

「ちがうよー。私は、かんちゃんの専属メイドさんだからー、だよー」

 

 のほほんと本音は返す

 

「でもー、さすがはかんちゃんだよね~。訓練機でここまで来れちゃうんだからー」

「他の人より……代表候補生だから……搭乗時間が長いだけ。……アドバンテージがあるから当然……」

「それだけかな~?」

 

 所謂ダウナー系に属する簪と、のほほんとした本音の会話は通常の会話よりとてもテンポが遅く、この二人と一緒にいると時間軸が遅くなるような気がするというのは後々の一夏の言葉

 

「でも……次はそうはいかない……相手はおかしなほど強い……一般人にはとても思えない……」

「そうだねー。強くてカッコイイし、かんちゃんの好みのタイプかな~?」

「少し……冷たい感じがする……もっと熱くて、正義感の強い……」

「ヒーローみたいな?」

「……うん」

 

 残念、大和は好みじゃないようだ

 

「確かにひのひのは不思議な所があるなー、人の『内面だけを見ている』ように思うのだっ!」

「内面、だけ……?」

 

 簪がふと興味を持ったように聞き返す。彼女にはとても優秀な姉がいて、いつも『姉に似て』『姉みたいに』と比べられて育ってきたのだ。確かに姉はすごい、尊敬したいけれど素直に出来ない、なぜなら自分を『自分として見てくれるか』信じられないから

 だから人を内面で見ていると言う大和の事が気になった、のほほんとしていながら本音の勘は結構当てになるのもある

 

「うーん、うまく言えないけど、体をガラスのように見て景色をみているみたいなー?」

「よく、わからない」

「まっ、悪い人じゃあないよ! 私の勘だと彼も、かんちゃんと同じく臆病にみえるけどねー」

「臆病……?」

 

 本音が言っていることは概ね正しい、しかし、そんな崇高な理由ではない。ただ単にアバターを介してネットの向こうの人格を図ろうとしていた名残が残っているだけなのだ

 一日中ダイブできるヒキニートの彼は、ネットでできた友達がリアルでどういう生活をしているのか妄想するのが好きだった、それだけだ

 

「あんまり人と話すの得意じゃないみたいだしー、ちょっと似てるかなーってね」

「……時間」

「おー! がんばろー!」

 

 そして二人はピットに向かうのであった。それとほぼ同時刻、対戦相手である大和、箒ペアも同じくピットに向かっている

 

(更識簪と布仏本音、二人共打鉄……篠ノ之も打鉄だしなんかアウェー感あるわぁ)

 

 大和はそう考えながらも対戦相手についての考察を始める

 

(更識簪―――名前難しいから以下青髪眼鏡―――はオールラウンダーで隙がない。全部知っているわけじゃないがデュノアと同じタイプに見える。そして布仏本音、一夏曰くのほほんさんはよくわからない。全く自分から攻めないし防御型の打鉄の特性を発揮して防御に徹しているわけでもない。でも気付けば相手は彼女のペースに飲まれていく、一番分からない相手だ)

 

 それに、と続ける

 

(彼女、だぼっとした服も似合ってるし絶対隠れきょぬーに決まってる。だって僕見たもん、試合中に揺れる胸!)

 

 大事な所でシリアスになりきれないのが大和の弱点だろうか

 

(それに比べて青髪眼鏡は……子供よりある、くらいか。そっちの戦闘力は無いに等しいがその筋には破壊力抜群だろうなペロペロ)

 

 フッ、と心のなかで鼻で笑った。最低なやつだタヒねばいいのに

 

「大和、布仏は任せてくれ」

「……あいつは(胸囲的な意味でも)お前には勝てないまでも強敵だぞ? 大丈夫か?」

「私とて武人の端くれ、自分で更識簪に勝てないくらいは分かっている。当てにしているぞ、お前と真宵を」

 

 大和と箒は見つめ合う

 

「ペースに巻き込まれるなよ」

「探りあいなら剣道で慣れている」

 

 二人はISを展開してピットに移動する。やっと大和は大観衆に慣れてきたようでその内心も落ち着いているようだ

 

(やっぱ視線バレせずに胸を見れるのはISのおかげだわー眼福眼福)

 

 と考えているくらいには。消えればいいのに

 反対側のピットも準備が出来たようで、アナウンスが流れる

 

『一年生の部、まもなく準決勝が始まります。準決勝第一試合、『布仏本音、更識簪』ペア対『篠ノ之箒、大和・ジパング』です。開始時刻は―――』

 

「さあ勝つぞ、大和」

「ああ!」

 

 勢い良く飛び出してきた大和達とは対照的に、反対側のピットから出てきた簪達はゆるやかに出てきた

 一夏、シャルルは次の試合の準備のために控え室で観戦する事になったために、観客席ではセシリアと鈴二人がいる

 

「大和さんには悪いですが……ここらで負けて頂きたいものですね」

「ホント、なんで優勝した人が一夏と付き合えることになっているんだか」

「一夏さん達が優勝すれば男同士ですしそんな話無くなるのですが」

「うんうん」

 

 二人がブツブツと愚痴りながら開始の時を今か今かと待ち続けていると不意に背後から声がした

 

「どうした色ボケ女共、この程度の大会とも呼べないお遊戯会に出れないことがそんなに不満か?」

 

 ハッ、として二人が振り返るとそこには銀髪眼帯の少女、ラウラ・ボーデヴィッヒが腕を組んで見下ろしていた

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ……ッ!」

 

 キッと二人はラウラを睨むが、ラウラは別に気にもとめずその視線を受け止めていた

 

「そう言えばアンタもエントリーしてなかったじゃない。タッグ組んでくれる相手がいなかったのかしら?」

「慣れ合う気など毛頭ない」

 

 鈴が嫌味を言うがどこ吹く風と言ったようにラウラは返す。それに、と彼女は続ける

 

「私は決勝戦に出ることは決まっているからな」

「なっ……!? どういうことですの!」

「聞いてわからないか、そのままだ。決勝戦は私と勝ち上がってきた二組で戦うことになる」

「そんな特例措置が……」

 

 周りの生徒が始まった試合に集中している中で彼女らはにらみ合いを続ける。周囲が熱気に包まれる中、この空間だけ冷気が流れ込んでいるように感じられる

 ちょうどその時アリーナで激しい激突音が響く

 大和は簪と、箒は本音と基本戦っているが、相手の動きが止まった時に援護射撃などで仲間を助けたり、逆に助けられたりしていた

 

(大和・ジパングの真宵は自動防御のビット『銀月』が厄介……そのせいで物理攻撃はビットが防御してビームは屈折させられる……)

 

 簪は闘いながらもISをつくり上げるために頭に叩きこんできた知識をフル活用して真宵について考察をしていく

 

(でも……ある一定条件に持っていけば……貫通できる……)

 

 ギュッと近接用ブレードを握りそのまま大和に向かって突っ込む。だが、その攻撃は空を切っただけに終わる

 

(ここにきて反応が早くなって……っ!?)

 

 ブレードを振りぬいたままの状態で横から簪はショットガンで攻撃をされる。ガガガガと装甲を削られながらも彼女は一旦体制を立てなおして防御に移る

 

「篠ノ之!」

「助かった!」

 

 ショットガンを連射した本人、大和は二丁を両手に持ち、攻撃と援護射撃を同時にこなしていた

 援護された箒はと言うと、本音が攻勢に出てきて受けるしか出来なかった時に援護が来たため一旦距離を取って仕切り直しをしようとする

 

(布仏本音、普段の言動からは想像も出来ないほど素早く正確に攻撃をしてくる……)

 

 箒がそう思うのも当然で、本音の動きは非専用機でありながらも一夏と同等並の身のこなしをしているのだった

 

 この一連の攻防で一時試合は互いに動かない膠着状態となり、打撃音が無くなる

 

「……ジパングめ、ここまで来て本気を出さないか!」

 

 ラウラは苛立った声でそう言うが、いつも模擬戦をしているセシリアと鈴はそうは思わないので反論をする

 

「あらボーデヴィッヒさん、あなたは偉いことを言う割には実力を図れないのですか?」

「あいつはいっつもこれくらいの動きよ」

 

 だが、逆にその言葉を聞いたラウラは鼻で笑い、馬鹿にしたような表情になった。それをみた二人は訝しむ

 

「どこがおかしいのよ」

「どこまで行ってもお前らは色ボケしているな、それで代表候補になるとは……イギリスと中国も落ちぶれたものだな」

「な、何ですって!!」

 

 セシリアと鈴は思わず立ち上がってラウラに詰め寄る。やれやれ、大声を出して喚くとはますます……などと言いながらもラウラは説明をする

 

「イギリスのお前と戦った時、あいつは恐ろしいことをやってのけていた。気付いていないのか? アレは『自分の視界に入った攻撃を全て避けられる』動体視力とそれについていける体を持っている」

 

 思い当たるフシがあったのかセシリアと鈴は今までの模擬戦、ISを使った訓練を思い出す。そう、確かに避けられることが多かったのは覚えている

 

「いくらハイパーセンサーがあるとは言え、それは異常だった。だが今日の試合はどうだ? 視界に入ったであろう攻撃の半分以上避けていない!」

 

 そうラウラに言われた大和はと言うと、簪の攻撃により減ったシールドエネルギーと、別方向に注意を向けていた

 

(篠ノ之と隠れきょぬーさんの揺れる胸……ッ! ああ、ゲームでは再現しきれなかった生命の神秘がありありと!! 俺、目が離せないんですけど)

 

 ラウラが言ってた避けない理由はそこにあるようだ。だが男の子のそういう事情なんて知らない彼女はドヤ顔で解説を続ける

 

「相手の懐に入る回数も少なく遠くから銃器で攻撃をするだけ、接近戦の得意なあの男が本気ならイグニッションブーストと素早い剣技でもっと優位に試合を進めているはずだ」

 

 ちなみに大和が接近戦をしかけない理由も箒と本音の揺れる胸をもっと観察したいからっていうどーでもいい理由だったりする

 

(接近戦しているとどうしてもそっちに集中力割くし、胸が見れない。が、俺は気付いた! この青髪眼鏡ツルペタを瞬殺すれば俺は二人の胸をガン見しながら試合が出来ると!)

 

 先ほど簪の感じた速さはどうもこれが原因らしい。なにか特別に理由があったりするわけでも無かった

 

( み な ぎ っ て き た ! )

 

 動かない展開から一気に大和は瞬間加速をして簪に接近、二連撃を牽制として放ち、本命の突きを撃つ

 

「速い……!」

 

 突きを簪は回避しながら呟く。回避行動を取った先に大和のブレードが迫る!

 

「くっ!」

 

 点ではなく線の攻撃、軌道を予測してブレードを振るい、2つのブレード同士が鈍い金属音を響かせる

 

「防いだが、でも残念!」

 

 大和はすぐさま再びショットガンを呼び出して発射する。ガン、ガン、ガンと銃弾が当たるたびに簪の打鉄は装甲を砕かれていく

 

「かんちゃん!?」

「隙あり!」

(おい篠ノ之やめろ早まるな攻撃するな試合を長引かせろゴルァ!)

 

 いきなり始まった猛攻に気を取られた本音に大和の思いとは逆に箒は厳しくブレードで切り込んでいく。すぐ防御されるも、ほぼ無防備な状態で受けた攻撃の影響でエネルギーがガッツリ持っていかれたようだった

 

 だが、その事に大和が一瞬気を抜いたせいで攻守逆転されてしまう

 簪もこれ以上攻撃されたらかなわないと思い、今まで以上の速さの攻撃を繰り出す。それに対応する大和も箒が倒す前に簪をダウンさせようとさっきまでなら距離をとっていたようなこの場面で、高速の打ち合いに応じた

 

「い……っけえええええええ!!」

 

 打ち合いが加速していき、ついに打鉄の反応速度を超える。いくら簪が強くても打鉄自身がそこまでの性能を有していないせいで、この試合の明暗がここで分かれた

 

「これで、墜ちろ!!」

 

 真宵の全力で簪のブレードを叩く。打鉄の出せる力を凌駕したその攻撃は簪の手からブレードが弾け飛ぶには充分すぎた

 

「っ!」

 

 一瞬で簪ももう一本のブレードを呼びだそうとしたが、遅かった

 




ダウナー系は好きです。ましろ色の桜乃とか可愛かった、けど話ががが

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