練火(*´・ω・`)bデス
生存報告変わりに投稿です。
3日たった休日の朝、携帯に電話がかかった。
「はい、もしもし」
榊は電話を取ると、とてつもなく低い声で、
『ーーーーー怨みはらさでおくべきか』
プツッツーツーツー
即座に通話を切る榊。
「何て言うモーニングコールですかい?雄二殿」
何でこの発言をしたか、その答えは嫌でも解る。
如月グランドパークの件で間違いないだろう。
「さて、行くか…」
ベッドから降りて、着替え始めた。
▼△▼△▼△▼
優子と霧島、秀吉達が考えに考えて作ったデートプラン。
如月グランドパークのお偉いさんを
遂に今日の本番を迎えたのである。
それなのに……
「これはどういうことだ?」
榊はお化け屋敷の最終チェックをしながら無線で優子に連絡した。
『これは?ってお化け屋敷のこと?』
「それ以外に何がある?」
『えっ?でも、立案時から何も変わってないわよ?』
「見た目はなっ?!だが、なんだ……このぶら下がっている殺傷能力の高い獲物は!?」
『えっ?それは吊り橋効果でくっつける可能性をあげようと思って…』
「そんな吊り橋は何処にもねぇよ。お互いがドキドキになるのだったら解るがな?」
榊は釣り下がっている釘バットを触りながら、続きを話す。
「でもこれ、相手がドクドクと血を流す現場にしかならないだろ」
『で、でも。繋がるかも知れないでしょ!?』
「繋がらねぇよ!?これよくあるゲームなら『貴方を殺したら一生、一緒にいようね……?』って言う
『けど…代表達はもうそっちに言ったわよ?』
「しかも、修正すら出来ねぇじゃねぇか……!!」
どうするかと考えた瞬間、入り口の方から霧島と坂本の声が聞こえてくる。
「もう来ちまった…最悪過ぎる。ーーー南無三!」
榊はせめて無事でありますようにと祈りながら、非常口から外へ逃げた。
「それと、他に問題点は合ったか?」
非常口のドアを閉め、それに寄り掛かりながら優子に問い掛ける。
『あ、言い忘れてたわ。後、写真の時にーーーーー』
<ショウコマテ,ソノクギバットヲドコカラモッテキギヤァァァァァァ‼‼‼
「祈りは通じなかったか……」
『……駄目だった?』
坂本の悲鳴をBGMに二人のため息が重なった。
「で?写真がどうしたんだ?」
『あっ、それでねーーー』
改めて、優子に問い掛けると。優子もあぁそうねっと。話し始めた。
何故、こんなにも仲が良さそうなのか。霧島に言われたから?それもあるが、一番の理由は似た者同士であったからだ。
坂本の為に、無茶でもなんでも通すのが榊。
霧島の為ならば、無茶でもやる優子。
お互いが直感で感じた。『こいつは仲間』だと
二人は確かに似た者同士であるが、
二人からすれば、似た者同士ではあるが全く異なる信条を持っていた。
『ーーーんだけど』
「……それで、そのバカップルは脅したんだよな?」
榊は低い声で問い掛けると馬鹿にしたような返事が返ってきた。
『はぁ?そんなことしたら、ここの経営者に怒られるわよ?』
「そんな事は知った事か。今の内に潰しておけば後々の問題にはならねぇだろうが」
『だから今回のデート企画から外されたのよ?』
人が一番気にしてることを……
「んだとテメェ」
『何?殺るの?』
お互いが電話越しでいがみ合っていると、
『姉上、そろそろ昼時の時間なのじゃ』
『解ったわ。ーーーアンタもさっさとホールに来なさいよ。遅れたら殺すから』
そう言って無理矢理、無線が切られた。
「ホールって……あぁ、クイズのやつか」
榊はクイズは吉井達に任せて、そのバカップルを探すために歩き始めた。
▲▽▲▽▲▽
数十分歩き回って探したが見付からなかった。
もう、退園したのか…?なら良いが……
そのまま榊は最後の見せ場である。疑似結婚の様子を見に、教会へ入ると。
『そんなおままごとよりうちらの方が良いに決まってるでしょ?』
『まさしく、その通りだぜ!』
…………あ゛??