ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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part55 忌まわしき記憶~振り払う一撃~

木綿季「すぅ・・・すぅ・・・」

 

哲也の死後から一睡もせず哲也の側にいた木綿季も 眠気と疲れに負け霊安室変わりの病室で眠っている哲也の側で眠っていた

 

哲也の葬式は3日後 そして火葬はその翌日だ 本来明日にも葬式が行われ 明後日には火葬となるが どうしても場所が取れなくなおかつ せめてもう少しだけ木綿季と哲也を一緒にいさせてあげようと言う荒波家の配慮もあっての事だった それでも木綿季が哲也とこうして一緒にいられるのも後たった48時間だけだった

 

木綿季「哲也・・・・・・Zzz・・・・・・」

 

『ん?なんだ木綿季』

 

木綿季『え・・・・・・?哲也・・・・・・!?』

 

哲也『おう 今日はなにしよっか!デートにでも行くか?』

 

木綿季『・・・・・・うん!!!ボク哲也と服買いに行きたいな!それと一緒にご飯も食べたいし映画も見たいし水族館も行きたいし遊園地にも!!!!!』

 

哲也『こらこら 俺の身体は1つだからそんな一片には行けないぞ?でも今日は木綿季のご要望に合わせて買い物行こっか!』

 

木綿季「うん!!!!い・・・・・・・・・こ・・・・・・・・・」

 

木綿季は夢から目を覚ました 夢の中では楽しそうにデートの話をしてた哲也は 木綿季の目の前で息もせずただ眠っていた

 

木綿季「・・・・・・うっ・・・・・・酷いよ・・・・・・こんな夢見させるなんて・・・・・・あんまりだよ・・・!!!哲也・・・・・・!!!哲也・・・・・・!!!!!!!」

 

そう どれだけ泣こうが死んだ者は生き返らない そんな夢物語は無い 木綿季はそう思うとボロボロと涙がこぼれ始める

 

一方 天国で残り2日経てば生き返れることを約束された哲也も 夢を見ながら寝ていた

 

哲也「Zzz・・・・・・木綿季ぃ・・・・・・」

 

木綿季『哲也!!見て見て!!ボク胸がこんなにおっきくなったんだよ!!!!』

 

哲也『ぬおっ!?どうしたんだ木綿季!?今まではいつものメンツの中じゃシリカに次いで小さかったのに一気にでっかくなったな!?』

 

木綿季『てへへ♪だからこんなことも出来るんだー♪』

 

夢の中の木綿季は哲也を抱きしめ 哲也の顔はそのでかくなった胸に包み込まれた

 

哲也『うぐぅ!?』

 

木綿季『えい♪哲也ったらエッチだからこんなことも大好きそうだもんね♪今ならいーっぱい味わっていいからね♡』

 

哲也『ぐ・・・・・・ぐるじぃ・・・・・・!!!!』

 

哲也「や・・・止めて木綿季・・・・・・って・・・・・・夢か・・・・・・そりゃ木綿季の胸があんなでかくなったらなんか木綿季が木綿季じゃないもんな・・・・・・」

 

俺は呟きながら起きようとした すると 俺の右腕が何かに引きずり込まれ そのまま俺の顔はまた夢の中の木綿季の胸のような感覚が包み込んだ

 

哲也「むぐぅ!?」

 

飛鳥「すぅ・・・哲也ぁ・・・勝手に行くなよぉ・・・・・・Zzz・・・・・・」

 

そうか 俺今飛鳥に世話になってんだっけ 眠ってる間に忘れちまった・・・・・・

 

つ、つうか苦しい・・・さっきの夢の感覚も飛鳥だろうな 木綿季が飛鳥並になったら恐ろしいわ・・・

 

飛鳥「むにゃむにゃ・・・もう離さないぞ・・・・・・♪」

 

俺は力強く抱きしめてくる飛鳥の腕を何とか振りほどき 息を吸えた

 

それにしても飛鳥の服がはだけてて目のやり場に困る・・・・・・こいつこんな寝相悪かったのか・・・・・・これ起こさなきゃちょっと色んな意味でヤバイ 早いとこ起こそう

 

哲也「ぶはぁ!!!お!おい!!飛鳥!!!起きて!!!頼む!!!起きてください!!!!何でもするから!!!!!」

 

飛鳥「むにゅう・・・・・・後5分・・・・・・」

 

哲也「でぇい!!!あー!!!!なんだか飛鳥を急に抱きしめたくなったかもなぁ!?」

 

俺はそう言いながら横目で飛鳥のことを見た すると飛鳥は身体を起こし 目を擦った

 

飛鳥「ほんと・・・?抱きしめてくれるの・・・?」

 

哲也「抱きしめても何でもしてやっから早く服を直してくれ!!!」

 

飛鳥「ふぇ・・・?っな!?/////」

 

飛鳥は胸を隠し 頬を赤らめた

 

飛鳥「ば!馬鹿!!!まさかお前襲おうとしたんじゃないだろうな!?」

 

哲也「んなことするかぁ!!!!いいから直せぇ!!!!」

 

飛鳥「分かってるよこのスケベ!!!!」

 

飛鳥は後ろを向き 服を直し始めた 良かった これで一安心だ・・・・・・

 

飛鳥「その・・・・・・私寝相が悪いからさ・・・・・・ごめん・・・・・・/////」

 

哲也「いや、良いよ 仕方ないさそれなら」

 

飛鳥「あ!あのさ!!!」

 

哲也「ん?」

 

飛鳥「その・・・・・・抱きしめるってのは・・・・・・?/////」

 

哲也「あ・・・・・・そ、それは後で良いかな?絶対にしてやるからさ」

 

今飛鳥に抱きついたら下手したら本当に襲いかねん・・・・・・今だけは駄目だ

 

飛鳥「分かった・・・絶対にしてよね?」

 

哲也「おう 約束だ」

 

俺と飛鳥は指切りをして 約束を交わした

 

哲也「さてと!!!!今日は何すっかな!!!!」

 

飛鳥「うーん・・・・・・ならデー・・・・・・」

 

飛鳥が何かを言おうとした時 どこからとも無く声が聞こえてきた

 

『トは後じゃ 飛鳥 哲也君』

 

飛鳥「えっ!?神様!?」

 

哲也「?どうしたんですか?こんな朝早くに」

 

神様『いやぁ頼みたいことがあってのぉ ちょっとわしのとこまで来てくれんかのぉ』

 

哲也「分かりました それじゃあ今から飛鳥と向かいます」

 

飛鳥「おい 朝ご飯も食べずに行くのか?」

 

哲也「あ、忘れてた」

 

神様『ふぉっふぉっふぉっ よいよい 朝ご飯は全ての源じゃ しっかり食べてから来るんじゃぞ 飛鳥 すまんのぉ おぬしの予定を崩してしもうて』

 

飛鳥「い!いえ!!!とんでもないです!!」

 

哲也「?予定?なんかあったのか?」

 

飛鳥「るせぇ馬鹿!!!!!!!」

 

哲也「はい・・・・・・」

 

神様『それじゃあ待っとるぞ 2人共』

 

そう言い残し 神様の声は聞こえなくなった

 

飛鳥「さて、それじゃあ朝ご飯にすっか!用意するから座っといてね!!」

 

哲也「あいよ~」

 

俺は飛鳥が作ってくれたご飯を頬張った 昨日の夕飯の時もそうだったけども飛鳥の料理は凄く美味しくて 木綿季とも多分競えるくらいの腕だった

 

俺が飛鳥の手作り料理を美味しそうに食べてると そんな飛鳥も俺の事を見ながら微笑んでいた やっぱり女の子の笑顔はいつ見ても癒されるな まぁそれも俺を好きって言ってる飛鳥だから尚更なのかもな

 

そして、朝ご飯を食べ終えると 神様の元へ

 

哲也「うーん なんで呼び出したんだろうな」

 

飛鳥「さぁ?でも私もこうやって呼び出されたの初めてだしな~」

 

哲也「も、もしかして生き返るの取り消し!?」

 

飛鳥「それは無いんじゃない?」

 

哲也「じゃあなんだろうなぁ・・・・・・」

 

こうして話しながら歩いていると 気づいたら神様のいる所に着いた

 

飛鳥「神様 飛鳥と哲也です 今来ました」

 

神様「おぉ 入ってくれ2人共」

 

飛鳥「失礼します」

 

哲也「どうも 今日はなんのご要件でしょうか?」

 

神様「うむ 単刀直入に言おう おぬしたちラフィン・コフィンの名に聞き覚えはあるか?」

 

哲也「へ?ラフィン・コフィンですか?」

 

飛鳥「?何それ?」

 

哲也「SAOの頃にあった殺人ギルド レッドプレイヤー集団だ お前を殺したあの野郎もそこに入るのを目標にお前を殺したんだ 思い出しただけでもイライラするぜ・・・!!!」

 

飛鳥「そ、そんなギルドがあったのか・・・・・・」

 

神様「知っとるなら話は早い おぬし達2人にはその残党の退治を頼みたいんじゃ」

 

哲也「残党?」

 

神様「うむ 実は地獄に行ってもそやつらは悪さを働いてのぉ 困り果てているのじゃよ じゃから殺しても良いから止めてきて欲しいんじゃ 哲也君と飛鳥に」

 

哲也「こ、殺してもいいんですか?」

 

神様「うむ ちなみに一度死んでる状態で再びそのような状況に陥ったら記憶が完璧に洗い流され生きてる間の記憶は無くなり また記憶が0からのスタートとなる じゃから2人も気をつけるのじゃぞ」

 

飛鳥「ふーん それじゃあ早速行こうぜ哲也!!!お前と私なら敵なしだ!!!」

 

哲也「ちょっと待て飛鳥」

 

俺は急いでその場から離れようとする飛鳥の首根っこを掴み止めた

 

飛鳥「ぐぅっ!?」

 

哲也「あのぉ武器とかって無いんですか?やっぱSAOの頃の活躍も武器があってのものなんで・・・・・・」

 

神様「武器か ならこれじゃろ?」

 

そう言って神様の両手に置いてあったのは俺の斬月と飛鳥の使っていた両手剣があった

 

哲也「えっ!?なんで!?」

 

飛鳥「私達の武器を!?」

 

神様「わしを誰だと思っとるんじゃ?全知全能 森羅万象と言われとる神様じゃ 自分で言うのもへんじゃがのぉ ふぉっふぉっふぉっ あ、武器は返却不要じゃぞ」

 

哲也「やっぱ神様って・・・・・・」

 

飛鳥「凄い・・・・・・」

 

神様「さて、哲也君よ この一件を引き起こしとるのは君のようなものじゃから そこの所覚えておくように」

 

哲也「え?俺?」

 

神様「うむ 君が大量に殺したしたラフコフのメンバーじゃからのぉ 暴れとるのは」

 

哲也「・・・ってことはあの野郎もいるって訳か・・・・・・」

 

飛鳥「て、哲也が殺した!?」

 

神様「うむ それはもう鬼神が如き怒りで次々と殺していったらしくてのぉ それも飛鳥の死による怒りじゃ 良かったのぉ飛鳥 哲也君も飛鳥の事を想ってるのかもしれんのぉ」

 

飛鳥「か!神様!!!!!」

 

神様「嘘じゃよ嘘 ほんとに飛鳥は面白いのぉ」

 

飛鳥「うぅ~・・・/////」

 

哲也「んじゃあ行くか飛鳥 神様 そいつらはどこに?」

 

神様「うむ 直接ぬしらの頭に場所までの地図をインプットしておいた そこまでいけば暴れとるそやつらがいるぞ くれぐれも気をつけての 頼んじゃぞ 2人共」

 

哲也「・・・・・・ほんとだ 場所が鮮明に分かる」

 

飛鳥「よし!行くか哲也!!神様!失礼します!」

 

哲也「行ってきます」

 

飛鳥「うむ!」

 

俺と飛鳥は扉を開け 外に出た

 

哲也「さてと とっとと懲らしめに行くか 飛鳥 行くぞ!!」

 

飛鳥「うん!!!」

 

俺と飛鳥は神様が頭に叩き込んでくれた地図を頼りにそこまで向かった すると 確かにそこには着いたんだけども そこは深い谷底になっていた

 

哲也「うーんこの谷を降りろってことかな?」

 

飛鳥「多分・・・・・・?でもこんなとこ降りたら怪我どころじゃ・・・・・・」

 

哲也「だったらこいつだな・・・・・・卍解!!!!!!!」

 

俺は卍解をした 多分これなら浮遊能力があるから行けるはずだ

 

哲也「天鎖斬月」

 

飛鳥「・・・・・・・・・・・・」

 

哲也「ん?飛鳥?なにボーッとしてんだ?」

 

飛鳥「え!?あっ、その・・・・・・な、なんでもない!!!!」

 

哲也「?変な飛鳥」

 

飛鳥(卑怯だろ・・・・・・あんな目をキリッとしやがって・・・・・・見惚れちまったじゃねぇかよ・・・・・・/////)

 

哲也「んじゃあ飛鳥 行くぞ!」

 

俺は飛鳥をお姫様抱っこをして 谷底に飛び込んだ

 

飛鳥「えっ!?ちょっと!?/////」

 

哲也「大丈夫だよ 暴れないでじっとしてないと落ちるぞ?」

 

飛鳥「・・・・・・/////」

 

飛鳥は何も言わず 俺の首に手を回した 俺は安全地帯を探しながらゆっくりと谷底を降りていった

 

飛鳥「ま、まだかな・・・・・・?」

 

哲也「大丈夫だよ 後もう少しだけ我慢してくれよな」

 

飛鳥「う、うん・・・/////」

 

哲也「よし 着いたぞ 飛鳥 降ろすよ」

 

俺は飛鳥をゆっくりと降ろしその場に立たせた

 

飛鳥「あ、ありがと・・・」

 

哲也「おう さてと ここは一体どこなんだ?典獄の雰囲気とは大分変わってるけど・・・・・・」

 

飛鳥「まさかとは思うけど地獄か?」

 

哲也「まぁ地獄で暴れてるって言ってたしな んじゃあちゃちゃっと片付けて帰るか 飛鳥」

 

飛鳥「おう!やるぞ哲也!」

 

俺と飛鳥が拳を合わせた矢先 近くで数人の男の声が聞こえてきた この声は間違いない あの野郎の声だ

 

哲也「早速おでましか よし 行くぞ飛鳥」

 

俺と飛鳥は共に走ってその場まで向かった 現場に到着すると大暴れを続けるあいつらの姿があった

 

「テメェら!!!徹底的にぶっ壊せ!!!こんな所さっさとおさらばするぞ!!!!!」

 

哲也「そいつぁどうかなぁ?」

 

飛鳥「そこまでだ!!!お前ら!!!!」

 

「何っ!?テメェらはあん時の!?」

 

哲也「ったく くたばってまで好き勝手暴れやがって 俺がお灸を据えに来てやったぜ 覚悟しな 頭っから卍解で行かしてもらうからよ」

 

「ちっ!!!まぁ好都合だ!!!!俺らをやった怨みを晴らせテメェら!!!!!!!」

 

哲也「飛鳥 来るぞ!」

 

飛鳥「了解!!」

 

敵の人数はあの時殺した30人程度のメンバーだ まぁもう卍解をマスターした俺の敵ではないな

 

次々と襲いかかってくる敵を確実に急所を狙い斬り 気絶させていく 殺すつもりは無いし殺したところで特に何かが晴れる訳でもないしな 今回に限っては

 

哲也「よし 飛鳥 そっちはどうだ・・・・・・って!?」

 

俺が飛鳥の方を向くと 飛鳥はあのリーダー格の男と戦っていたが 攻撃をしようともせずにただただ防戦一方だった

 

「オラオラどうしたァ!?そんなんで俺らを止められんのかァ!?」

 

飛鳥「くっ・・・!」

 

哲也「ちっ!!!!」

 

俺は男の脇腹を蹴飛ばし 飛鳥から距離を取らせた

 

哲也「何やってんだ飛鳥!!!!お前ならあいつくらい軽く相手を「怖いんだ!!!!!!!」っ!?」

 

飛鳥「アイツに殺された瞬間を思い出すと・・・手が震えて・・・ろくに剣が持てやしない・・・!口では大丈夫だって言えてもやっぱりあの時の記憶が蘇ってくると怖くて・・・!」

 

哲也「飛鳥・・・・・・なら今は見学してな 残りの奴は俺が片付けてやるからさ」

 

飛鳥「ごめん・・・」

 

哲也「さぁかかってこい 俺がテメェら全員叩きのめしてやるからよ!!」

 

「やれるもんならやってみやがれ!!!!!!」

 

男は俺に何の変哲もない攻撃を仕掛けてくる こんなので俺に勝とうなんざ百年早い

 

哲也「甘い!!!」

 

俺は月牙天衝で男の武器を吹き飛ばした やはりどうってことないな 朝飯前だったなこんなの

 

「ちぃ・・・!」

 

哲也「チェックメイトだ 観念しろ 俺がくたばったのがテメェの運の尽きだったな」

 

「観念するのはテメェだ!!!おい!!!!!!!」

 

男がそう言うと 俺の身体に1本の弓矢が突き刺さった

 

哲也「んだよ こんくら・・・っ!?か、身体が・・・・・・!!!!」

 

その弓矢を抜こうと腕を伸ばそうとした時 俺の腕は伸ばせずに体全体が痺れだした 俺は痺れに耐えきれずその場で倒れた

 

飛鳥「哲也!?」

 

哲也「て、テメェ・・・まさか弓矢に毒を・・・・・・!!!!!」

 

「ざまぁみろってんだよ!!!!俺様達を殺した罪・・・・・・もう一度死んで償えや!!!!!!!」

 

男は拾った武器で俺の事を攻撃してきた 2度 3度 5度と 大した攻撃じゃないけど塵も積もればだ このまま攻撃を喰らい続けたらヤバイ・・・!

 

「テメェら!!!寝てねぇで起きろ!!!この男ここで殺すぞ!!!!」

 

男のその声で 気絶していた部下達は次々と立ち上がっていった

 

流石にこの人数の攻撃を喰らい続けたら・・・・・・

 

哲也「ちっ・・・・・・ここまでか・・・・・・」

 

「オラァ!!!!死ねぇ!!!!!!!!!!!!!!」

 

飛鳥「哲也!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺は目を瞑り 記憶が消し飛ばされるその時を待った けれど 数秒経とうと俺の身体が攻撃される気配はなかった

 

目を開けると そこには両手剣を握りしめ 俺の目の前に立っていた飛鳥がいた

 

飛鳥「哲也に指1本触れてみろ・・・・・・お前ら全員殺してやるからな!!!!!!!」

 

哲也「飛鳥!お前!!」

 

飛鳥「お前のピンチだと思うとこんなところで燻ってられないっては思ってさ やっと剣をちゃんと持てるようになったよ」

 

「このアマが・・・・・・調子こいてんじゃねぇぞ!!!!!」

 

男達は集団で飛鳥に襲いかかった いくら腕を信用してる飛鳥でもこの人数じゃ・・・!!!

 

飛鳥「はぁぁぁ!!!!!」

 

しかし 俺の予想とは裏腹に 飛鳥は両手剣の自慢のリーチで次々と何人もの敵を蹴散らしていった 気づいた時には再びあの男だけになっていた

 

飛鳥「あいつらはもうしばらく起きれない・・・・・・!!!後はお前だけだ!!!!」

 

「このクソ女がァ・・・!!!!!」

 

哲也「へっ・・・・・・飛鳥を怒らせたテメェが悪ぃんだよ・・・・・・」

 

麻痺が消えてきた俺は 力を振り絞り立ち上がり 飛鳥の横に立った

 

飛鳥「大丈夫なの?哲也」

 

哲也「あぁ お前のおかげでなんとかな さぁてと・・・・・・」

 

俺は首をバキバキと鳴らしながら歩き出した けれど俺の歩みは飛鳥に止められた

 

哲也「?どうしたんだ?」

 

飛鳥「哲也 ここは私にやらせてくれ あの過去を塗り替えるチャンスなんだ」

 

哲也「飛鳥・・・・・・分かった 無茶すんなよ 飛鳥」

 

飛鳥「うん 任せてよ やってみせるわ」

 

「へっ!テメェをもう一度殺してやらァ!!それともその身体で俺を楽しませてくれんなら殺さねぇでいいぜぇ?」

 

飛鳥「ふんっ!私のこの身体は哲也だけの物だ!!!!!!!お前はここで私が倒してやる!!!!!」

 

哲也「・・・・・・あいつとんでもねぇこと口走ってる・・・・・・」

 

「オラァ!!!!」

 

飛鳥「やぁぁぁ!!!!」

 

飛鳥と男は接近すると共に攻撃を仕掛けた 先に動いたのは男の方だったが 飛鳥はそれを上手くかわした 飛鳥が仕掛けた攻撃は避けることが出来ず 男はそのまま倒れた

 

飛鳥「どうだ!!!私の事を甘く見るからだ!!!」

 

哲也「やったな飛鳥!!!!」

 

飛鳥「哲也 私 これで克服できたかな?」

 

哲也「あぁ お前は過去に打ち勝ったんだ 良くやったよ 飛鳥」

 

俺は飛鳥の元まで歩み 再び拳を合わせた

 

飛鳥「にしてもあの野郎ふざけたこと言いやがって・・・何が身体だよ!ったく!!!」

 

哲也「お前すげぇこと口走ってたもんな」

 

飛鳥「へ?なんて?」

 

哲也「『私の身体は哲也だけの物だ』って」

 

飛鳥「・・・・・・・・・・・・う、嘘・・・・・・・・・?」

 

哲也「ほんと」

 

少しの間の沈黙が流れると 飛鳥は顔を真っ赤にしながら顔を抑えた

 

飛鳥「だぁぁぁぁぁ!!!!!忘れろ忘れろ忘れろ!!!!!!」

 

哲也「ははは 大丈夫だよ 笑いやしないよ 飛鳥」

 

俺は飛鳥の元まで歩み 飛鳥の頭に手をぽんと置いた

 

飛鳥「うぅ・・・・・・私の馬鹿・・・・・・/////」

 

哲也「ほんと 女の子らしくなったな 飛鳥」

 

飛鳥「どういう意味だこの野郎!!!!!!!」

 

哲也「じょ、冗談だよ冗談」

 

飛鳥「全く・・・・・・いくら私が男勝りな性格してるって言ったって・・・・・・私だって恋する乙女なんだからな・・・・・・/////」

 

そう言って飛鳥は恥ずかしさから流れ出る涙目で俺に訴えかける

 

哲也「うっ・・・」

 

ちくしょう こいつのギャップが可愛すぎる 男勝りな時からちょっと照れる時の顔の絵面がぐっと来る ふざけやがって 木綿季もそうだし フィリアもそうだし 姉ちゃんもそうだし 飛鳥もそうだし 何でこうも俺のストライクゾーンに入ってくる子が多いのかな・・・・・・中学とかの時は全くそんな感じにはならなかったのに・・・・・・

 

飛鳥「わ、分かったら謝れ!!」

 

哲也「ご、ごめん・・・」

 

飛鳥「全く・・・・・・いいよ 許したげる」

 

哲也「ありがと んじゃあこいつら縄で縛って置くか」

 

『その必要は無い』

 

脳裏に話しかけてくるその声は神様だった

 

哲也「え?それってどういう?」

 

神様『わしが牢屋にこいつらを閉じ込めるからその必要は無い 早いところそこから出ないと 天国に戻って来れなくなるぞ? それじゃあまた後での ふぉっふぉっふぉっ』

 

哲也「何ぃ!?こうしちゃいられねぇ!!!!飛鳥!!!行くぞ!!!」

 

俺は飛鳥を抱き抱え 再び底から上へと上がっていった

 

飛鳥「て、哲也ぁ!?」

 

哲也「だらぁ!!!!!」

 

俺達はなんとか天国まで戻り 再び天国の地面を踏めた

 

哲也「ふぅ・・・助かったぁ・・・・・・」

 

飛鳥「・・・・・・ありがと・・・・・・/////」

 

哲也「おう んじゃあ降ろすぞ」

 

飛鳥「ま、待て!!」

 

哲也「ん?どした?」

 

飛鳥「も、もうちょっとだけこのまま・・・・・・」

 

哲也「分かった 飛鳥の仰せの通りに」

 

俺は飛鳥をお姫様抱っこしたまま神様の場所まで向かった 道中特に誰にも見られることもなかったからまぁ良かったかな

 

哲也「んじゃあ降ろすぞ飛鳥 して欲しかったらまた後で言ってくれ」

 

飛鳥「うん・・・ありがとね・・・」

 

哲也「どういたしまして 神様 ただ今2人で戻ってきました」

 

神様「おぉ 良いのか?イチャイチャせんでも」

 

哲也「へ?」

 

飛鳥「い、いいんですよ!!!!てゆうか神様覗き見し過ぎです!!!!!」

 

神様「ふぉっふぉっふぉっ これも神様の特権だしのぉ・・・」

 

哲也「ってことは風呂とかも覗いたりして?」

 

神様「バレたか」

 

飛鳥「んなぁ!?」

 

神様「嘘じゃ嘘 流石にそれは出来んわい」

 

哲也「ま・・・そりゃそうか・・・」

 

飛鳥「神様!!!冗談キツすぎです!!!!!!」

 

神様「覗きたいのも山々じゃがのぉ 恋する乙女の裸を覗くのは哲也君にも悪いしのぉ・・・・・・」

 

哲也「え?」

 

飛鳥「だからぁ!!!!!!!」

 

神様「ふぉっふぉっふぉっ 面白いのぉ飛鳥は そう思わんか哲也君」

 

哲也「え?いや、まぁ・・・」

 

飛鳥「2人してなんで私をよってたかって・・・」

 

神様「まぁよい ともかくご苦労さまじゃ 何か褒美をやろうかのぉ 何が欲しいのじゃ?」

 

哲也「え?いや、そんな良いですよ あのくらい」

 

飛鳥「・・・・・・・・・・・・」

 

哲也「飛鳥?」

 

飛鳥「あ!あの!!!私も生き返ることって無理でしょうか!?」

 

神様「・・・・・・・・・・・・」

 

飛鳥「無理なら構いません!!!!それでも可能性があるならば!!!」

 

神様「申し訳ないがそれは無理じゃ と言うのも君の身体は既に焼かれてしまい肉体が無いんじゃ・・・」

 

飛鳥「・・・・・・やっぱりそうですよね・・・・・・」

 

哲也「飛鳥・・・・・・」

 

神様「飛鳥 君の生き返りたい願望は哲也君が原因じゃろ?」

 

飛鳥「・・・・・・はい・・・・・・」

 

神様「それならこうゆうのはどうじゃ?生き返った哲也君の元に 夜だけ夢と言う形で出会う事を許可すると 但し それは哲也君がOKした場合のみじゃ」

 

哲也「それなら俺は一向に構いません つうか飛鳥に生き返っても会えるならこっちがそうしたいくらいです」

 

飛鳥「ほ、本当か!?」

 

哲也「あぁ もちろんだ お前が会いに行きたかったら俺が寝た時にいつでも来い」

 

飛鳥「やったぁ!!!!」

 

神様「でも 会えるのは月に2度程度じゃぞ?」

 

哲也「へ?それは何でですか?」

 

神様「飛鳥とは夢の中でと言う形じゃ 夢で飛鳥と会いすぎるのも 哲也君の現実世界で支障が起こる じゃからそこは勘弁して欲しいのぉ」

 

飛鳥「そう・・・・・・ですか・・・・・・」

 

哲也「なら例えば俺が飛鳥に夢の中で会いたいと念じればいつでも会えるって訳ですか?」

 

神様「まぁそうなるのぉ」

 

哲也「だったら俺から会いにいきゃあいい話じゃねぇか 大丈夫だよ そんな顔すんな飛鳥 木綿季とイチャついてるから疲れるのには慣れてるさ 安心しろ」

 

飛鳥「っ!!!!やったァ!!!!!大好きだ哲也!!!!!!!」

 

飛鳥はそう言って抱きついてきた

 

哲也「ぐっ・・・!でもようやくお前のこれにも慣れてきたぞ・・・・・・」

 

飛鳥「へへへ♪」

 

神様「すまんのぉ飛鳥 哲也君とずっと一緒にいさせたい気持ちもあるのじゃがやはり肉体が無い君を生き返らせるのは厳しいものがあるのじゃ・・・それに恐らく君の功績じゃ生き返らせるのは無理なんじゃ そこは勘弁して欲しいのじゃ」

 

飛鳥「はい・・・」

 

神様「じゃが 夢の中で会えると言う救済処置は許可するから 哲也君を夢の中で寝とったらどうじゃ?そうすれば哲也君は飛鳥にゾッコンじゃぞ?」

 

哲也「飛鳥 お前の挑戦受けてたってやるぞ 木綿季から俺を奪い取れるなら取ってみな」

 

飛鳥「ね、寝とりやしねぇけど望むとこだ!!!!」

 

神様「ふぉっふぉっふぉっ それじゃあお疲れ様じゃ2人とも 明日は2人きりで過ごしてみてはどうじゃ?」

 

飛鳥「そのつもりです!!!!!」

 

哲也「そうなん?」

 

飛鳥「それでは!!失礼します!!!!!」

 

神様「楽しんでのぉ 2人共」

 

俺と飛鳥は神様のいる部屋から出た

 

哲也「良かったな飛鳥 夢の中で会えるんだとよ」

 

飛鳥「あぁ!!お前にまた会えるなんて夢みたいだ!!!!けど・・・・・・」

 

哲也「けど?」

 

飛鳥「出来るなら日中からずっと一緒にいたかったな・・・・・・夢の中でってなると時間の制限が出来ちゃうし・・・・・・」

 

哲也「飛鳥・・・・・・」

 

飛鳥「ううん!悔やんでても仕方ない!!!!また会えるようになるだけ良しだ!!!!!哲也!家に帰ろ!」

 

哲也「あぁ そうだな 戻ろうか まだ昼頃だからたっぷりと時間が取れるな」

 

飛鳥「うん!!!」

 

こうして 飛鳥は過去のトラウマを振り払い そして夢の中でのみ俺と会えるという救済処置を貰い ラフィン・コフィンの残党退治は終了した

 

昼飯を食べ終えた俺達は 普通に話をしたり 散歩したり 身体を動かしたり 色んなことで楽しんだ

 

哲也「かぁ~疲れたなぁ~」

 

飛鳥「あ、あのさ 哲也」

 

哲也「ん?どした?」

 

飛鳥「私の事 どう思う?」

 

哲也「へ?それってどういう?」

 

飛鳥「だ、だから 好きかどうかみたいな・・・・・・」

 

哲也「んー・・・・・・まぁ その変にいる女子なんかよりかは格段に好きだよ」

 

飛鳥「ほ、本当!?」

 

哲也「あぁ 申し訳ないがやっぱり一番は木綿季だけどさ」

 

飛鳥「そ、それでいいんだよ!!!例え哲也が絶剣の次に好きな女子が何人いようともそれで私は大満足だよ!!!」

 

哲也「そ、そうなのか?」

 

飛鳥「そうなの!!!きっと他にお前の事を好きって言う女子が出てきてもそう思う人が多いと思うぞ?」

 

哲也「うーん・・・・・・でもどうせ俺を好きったって外見だけで判断するやつが多いらしいからなぁ・・・・・・」

 

飛鳥「私は違うぞ!?お前の性格とその他もろもろ含めて好きなんだ!!!!その変の女と一緒にすんな!!!!」

 

哲也「あ、ありがとよ・・・・・・やっぱ仲のいい女の子に好きって言われんのは照れんな ははは そういや飛鳥って歳いくつなんだ?」

 

飛鳥「私?私はもし生きてたら今年で専門学校行ってるはずだから18かな?」

 

哲也「へぇ~姉ちゃんと一緒の歳か」

 

飛鳥「ふーん お姉さんいるんだ」

 

哲也「そっ これもまたちょっと男よりでさ お淑やかなんて言葉全く似合わねぇ姉ちゃんだよ」

 

飛鳥「へぇ~ とにかく 私はお前より歳上のお姉さんなんだ♪」

 

そう言って飛鳥は俺の事を撫でてきた

 

哲也「な、なにすんだよ」

 

飛鳥「へへへ♪一度やってみたかったんだ♪」

 

哲也「まぁしたけりゃ好きなだけどうぞ」

 

飛鳥「それじゃあお言葉に甘えて♪」

 

こうして 飛鳥は俺の頭を撫でたり 飛鳥から抱きしめてきたり なんかもう色々とされた まるでおもちゃみたいな扱いをされた まぁ悪い気はしなかったけども・・・

 

そして あっという間に寝る時間だ 今日もまた 飛鳥と密着しながら寝る

 

哲也「やっぱ一晩じゃ慣れねぇか・・・」

 

飛鳥「私さ こうやって哲也と寝れるのがすごい嬉しいんだ」

 

哲也「そうなのか?」

 

飛鳥「うん 今まで人肌恋しいが何度かあったんだけど そんな一緒に寝る機会ってなかったからさ 今こうして哲也の温もりが凄い暖かいんだ」

 

哲也「そっか そりゃ良かったな」

 

飛鳥「うん!!!で、でも抱きしめてもらえればもっと温もりが感じれるかな~?」

 

飛鳥はわざとらしくそう言ってくる 仕方ない 朝の分もあるし今日は俺の番か

 

哲也「わぁったよ もうちょっと近づけ飛鳥」

 

飛鳥「やりぃ♪」

 

俺はモソモソと近づいてきた飛鳥の事を 優しく抱きしめてやった

 

飛鳥「~♪温かい♪」

 

哲也「そりゃ良かったな んじゃあ寝るぞ 飛鳥」

 

飛鳥「うん!あ、服はだけてても襲うなよ!!!」

 

哲也「安心しろ 襲わねぇから」

 

飛鳥「・・・・・・フリなんだからね・・・・・・/////」

 

哲也「へ?なんて?」

 

飛鳥「何でもないよ それじゃあおやすみなさい 哲也 また明日」

 

哲也「あぁ おやすみ 飛鳥」

 

こうして 天国に来て2日目が終わった

 

残り1日で俺は生き返れる けれど それはまた飛鳥の1人の時間が始まるってことだ・・・・・・俺は何か生き返る前に飛鳥に出来ることはないのだろうか・・・・・・




飛鳥に許された夢の中で出会えると言う特権

飛鳥は嬉しいがもっと何か物足りなさそうだが・・・?

さて、この飛鳥の特権 恐らく現実離れ過ぎると思っているとは思いますが これにはちゃんとした訳があるんです これからの物語の構成上絶対に一度飛鳥を出さなければならないので どうかご了承ください

それでは次回もお楽しみに!

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