ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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part53 死後の世界~天国で~

哲也の死後 1日が経った

 

あの後 警察がすぐに駆けつけ 須郷は再び捕まった

 

そして 哲也は病院の医者の人が来て 哲也の死亡確認が取られた

 

警察の人の話によると 最早須郷の死刑は確定だそうだ

 

とにかく 哲也が生き返るなんて夢物語はここにはなくて たった数時間の再開で ボクと君の時間は止まってしまった

 

ボク達は心にポッカリと穴が空いたような気分になり 皆口数が少なくなっていた

 

そしてボク達は 今あの病院の前に待ち合わせをしていた

 

今現在 ボク 翔 渚さん エギル 明日奈 和人がいる

 

後2人来る予定なんだけどちょっと遅いな どうしたんだろ?

 

そう思っていたら走ってくる音が聞こえてきた

 

「ごめん!電車がちょっと遅延してて・・・」

 

「すいません皆さん・・・」

 

エギル「来たな ゛里香゛゛珪子゛」

 

ボク達が呼んだのは SAOの頃一緒に戦った リズとシリカだ 2人の本名はリズが篠崎里香(しのざきりか)シリカが綾野珪子(あやのけいこ)

 

ボクは2人に直接あったことは無かったけど 翔や和人があったことがあったからなんとか連絡ができた

 

明日奈「これで全員?」

 

木綿季「うん・・・・・・」

 

里香「全員って・・・哲也はどうしたの?」

 

木綿季「・・・・・・・・・・・・」

 

エギル「それで今日は何の為にここに?」

 

和人「何かあったのか?」

 

木綿季「・・・・・・皆ボクについてきて・・・・・・」

 

ボクは重い足取りを動かして 病院の中のある病室に向かって歩いた

 

そして ボク達はある病室についた 病室の中からは女の人が泣く声が聞こえる きっと君のお母さんだよね

 

木綿季「・・・・・・皆・・・・・・ここから先は覚悟がある人だけ 入ってきて欲しいんだ ボク達にとって認めたくない現実がここにはあるんだ・・・・・・」

 

和人「なんだかよく分からないがここまで来たら覚悟も何も無いさ 入らせてもらうよ 木綿季」

 

明日奈「わ、私も 木綿季がそんなに深刻そうな顔してみるの久しぶりだから・・・」

 

里香「認めたくない現実って言われると余計気になるしね・・・何かあったとか?」

 

珪子「うーん・・・なんでしょう・・・」

 

エギル「でも ここから聞こえるのは女の人の啜り声だな・・・」

 

翔「木綿季・・・もう開けようか・・・」

 

木綿季「そうだね・・・・・・それじゃあ皆 開けるよ」

 

ボクは病室のドアを開いた するとそこには 哲也のお父さんとお母さんがいた 哲也のお母さんが泣いてるのを 哲也のお父さんが支えてあげていた

 

美咲「どうして・・・・・・どうしてなのよぉ・・・・・・!!!!哲也がこんな目にあう必要なんて無かったのに・・・!!!!」

 

一輝「哲也・・・・・・」

 

和人「哲・・・・・・也?」

 

明日奈「その名前って・・・・・・」

 

一輝「君達は・・・木綿季ちゃんや和人君がいるってことは哲也のお友達だよね 哲也 良かったな お前の為に皆が来てくれたぞ」

 

エギル「ちょ、ちょっと待てよ・・・急展開過ぎて何が何だか・・・」

 

里香「ど、どうして哲也の顔に゛白い布゛が・・・・・・?」

 

木綿季「・・・・・・失礼します・・・・・・」

 

ボクは哲也の側まで歩み 哲也の顔に置かれていた白い布を取った

 

そこには 頬に1つの傷を残す以外は綺麗な顔の哲也がいた ボクが大好きで大好きで仕方無かった哲也だ

 

木綿季「・・・・・・哲也は昨日 ボクを庇って銃弾に撃たれてそのまま・・・・・・」

 

一同「っ!?」

 

和人「う、撃たれてそのままって・・・・・・」

 

明日奈「う、嘘・・・だよね?ねぇ?木綿季 冗談なんでしょ?ねぇ!」

 

木綿季「・・・・・・・・・・・・」

 

エギル「ってことは・・・哲也は・・・・・・」

 

里香「死・・・・・・んじゃった・・・・・・・・・の?」

 

珪子「じょ、冗談ですよ!以前にもこうやって哲也さんが死んでしまったって話になったけど 哲也さんは不死鳥の如く復活したじゃないですか!!!木綿季さんも再開して早々で冗談が・・・・・・・・・」

 

翔「皆・・・確かにあの時はあいつは生きてた・・・でも今回のは冗談でも 夢でもなんでもない 全部事実なんだ・・・・・・俺達の目の前から 俺達を救ってくれた英雄は消えたんだ・・・・・・昨日 3発の銃弾に撃たれたせいで・・・・・・」

 

和人「お、おい!翔!!!事実なのか!?本当に!?冗談だったらお前も哲也も承知しないぞ!!!!」

 

和人は翔に近寄り 翔の肩を掴みながらそう言った すると 翔も凄い剣幕で返した

 

翔「事実だって言ってんだろうが!!!!!!!だから渚さんも!!!!哲也のご両親もここにいて泣いてんだろうが!!!!!!!木綿季だって泣きてぇのをお前らに説明するために一緒懸命に耐えてんだぞ!!!!!!!」

 

和人「っ・・・・・・・・・」

 

渚「ぐすっ・・・哲也・・・・・・哲也・・・・・・!!!!」

 

美咲「あなた・・・何で・・・・・・何でこんなことに・・・・・・!!!!」

 

一輝「・・・・・・これも・・・・・・哲也の運命だったのかもしれないな・・・・・・もしかしたら哲也はSAO事件に巻き込まれた皆 そして木綿季ちゃんを助け出すためにこの世に産まれたのかもな・・・・・・須郷は今頃裁判で死刑の判決待ちだ それまで俺達は何も・・・・・・」

 

木綿季「・・・・・・ボクやっぱりあいつを殺す!!!!!!!殺してやる!!!!!!!哲也を殺しておいて何で裁判何かであいつの判決を下さなきゃいけないの!!!!!!!今すぐにでも殺す!!!!殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ボクは病室から走って出ようとした でもそれは翔の腕に阻まれた

 

翔「落ち着け木綿季!!!!お前が須郷の所に行って何になる!?お前の復讐は法律がきっちり晴らしてくれるからお前は手を汚すんじゃない!!!!!!!」

 

木綿季「法律!?死刑囚って言うのは死刑が下されるまで何年も生きてるんだよ!?哲也を殺したのに!!!!!!!何年も何年も!!!!!!!もしかしたら10年も生きてるかもしれないんだよ!?10年で哲也が生きてたら何が出来ると思ってるの!?哲也の夢だったプロ野球の選手にもなれたかもしれない!!!!!!!例えなれなくても就職してボクと結婚してくれたかもしれない!!!!!!!そしたらまたこのメンバーで集まって色んな話で盛り上がれたかもしれないのに・・・・・・・・・それをあいつは奪い取った!!!!!!!」

 

ボクは流れる涙を流しながら翔に訴えかける そうだ なんであんなやつが生きてて哲也が死んでなきゃいけないんだ 訳が分からない ボクを助けてくれた哲也は死んで ボクを私利私欲に使おうとした須郷は生きてる こんなのってあんまりだよ

 

木綿季「やっぱりボク行く!!!!止めないで!!!!!」

 

ボクは翔の腕を振りほどき 再び病室を出ようとした すると今度はエギルと里香 明日奈達に止められた

 

エギル「止めろ木綿季!!!!お前は哲也の側にいてやれ!!!死んだ哲也が死んでも死にきれねぇだろうが!!!!」

 

里香「止めなさい!!いきなり哲也が死んだって言われて頭がこんがらがってるけども・・・木綿季は哲也と一緒にいなさいよ!!!!哲也の葬式が終わってもし火葬したとなれば2度と哲也の顔も見れないし触れられないのよ!?」

 

明日奈「木綿季 哲也君が木綿季が人を殺して喜ぶと思う?木綿季なら一番わかってるでしょ?優しい哲也君がそんなこと望まないって」

 

木綿季「っ・・・・・・・・・でも!!!!」

 

渚「いい加減にしなさい!!!!!!!」

 

騒ぐボク達の事を渚さんの一喝で止めた

 

渚「本当に不本意なのは哲也なのよ!?これから木綿季ちゃんと幸せな日々を送れるのにこんな形で命を落として・・・!!!!木綿季ちゃんは生きてるんだから哲也の分も生きなさい!!!!復讐も全部に哲也は望んでない!!!!!だから・・・・・・だから・・・・・・!!!!」

 

木綿季「・・・・・・・・・・・・」

 

渚「・・・・・・もう・・・・・・これ以上哲也の事を悲しませないであげて・・・・・・」

 

渚さんはそう言って ボク達の前で泣き出した

 

渚さんのその涙を見て 明日奈や里香 珪子 は声を出して泣き出した

翔達もすすり泣いていた

 

そんな光景を見ていたら 止まりかけてた涙は再び溢れ出した

 

木綿季「うっ・・・・・・ひぐっ・・・・・・ぐすっ・・・・・・ぅっ・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

ねぇ 哲也 知ってる? 死んでる人って その人が死んだ後にどれだけその死で泣かれたかで 死後の幸福が決まるんだって

 

ボク以外にも 沢山の人が哲也の為に泣いてるよ?きっと 哲也は天国でも幸せで過ごしていられるね

 

ねぇ哲也 あなたはちゃんと天国に着けた? ボク決めたからね ボクは頑張って生きるからね

 

でもね ボクこれだけは言う事聞けない 哲也以外の人と付き合いたくない

 

だから ボク一生男の人なんて作らない だからボクが死んじゃった時に また付き合おうね だからその時までサヨナラ 哲也 こんなボクを許してください

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

~???~

 

ここは 見たことが無いくらいに綺麗な花が咲き 嗅いだことのないようないい香りがする場所 その名は゛天国゛だ

 

ここ 天国に今日もまた1人 1人の男が足を踏み入れようとしていた

 

そう 我らが英雄 哲也だ

 

哲也「はぁ~ まじで俺死んでんのか・・・・・・の割には足はあるし 頭に輪っかはねぇし どうやらアニメやらとは全く違うみたいだな」

 

哲也「にしてもいい匂いだ・・・まるで木綿季の匂いだな~・・・・・・」

 

俺の目の前には 大きな川が広がっている 多分これが有名な三途の川だろうな ここまで来るのに随分と歩かされた

 

周りにも俺と同じく死んでる人達が沢山いる 俺のような年齢の人から 小さな子供 ご老人 沢山の死んでる人達がいる

 

さて、俺も今日から死人だ 死んだ時に見た看板に書かれていた事によると 三途の川を渡れば もう二度と木綿季や姉ちゃん達がいる場所にはいけなくなると

 

まぁ 死んだやつが生き返るなんて夢物語だ 俺は木綿季を庇って死んじまったんだ しゃあないさ

 

哲也「さて いつまでもここにいてもしゃあなしだ もう川を渡るか」

 

俺は川に足を踏み入れようとした だけどそれは俺の脳裏にある木綿季の笑顔によって止められた

 

『哲也!』

 

哲也「うっ・・・・・・こほん もう1度・・・・・・」

 

『大好き♡』

 

哲也「っ・・・・・・のわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!死にたくねぇぇぇぇぇ!!!!!!!木綿季に会いてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

俺は川に踏み入れずに その場で寝転びまるで何かを買ってもらえない小さい子のように駄々をこねた

 

他の人から冷たい目で見られようがどうでもいい 木綿季に もう1度木綿季に・・・・・・

 

じたばたしまくる哲也を見かねた 三途の川の案内人の2人がいた

 

「・・・・・・なぁ あの人やばくないか?」

 

「そうですね・・・あのままじたばたされても困るんで私ちょっと行ってきますね」

 

「あぁ 頼んだ」

 

哲也「ぐすっ・・・木綿季・・・・・・」

 

「あのー・・・悲しいのは解るんですけどそこでじたばたされては困るんですがぁ・・・・・・」

 

誰だ?声は女の人っぽいけど だって仕方ないじゃん 木綿季に会いてぇんだもん アンタ分かる?俺の今までの苦労 2年間デスゲームで木綿季を守り続け その後変なヤツに捕まってたからそれを助け やっとのことでイチャイチャ出来ると思ったのに まさかあんな拳銃に撃たれるなんて・・・・・・

 

哲也「だって・・・木綿季が・・・・・・」

 

「木綿季さんですか それはさいな・・・・・・・・・えっ!?ユウキ!?」

 

哲也「うん・・・木綿季・・・可愛い俺の彼女なんだ・・・・・・」

 

「ちょっと君!!!!」

 

俺は頭を下げてたが 女の人に無理やり頭を持ち上げられ 顔を見られた なんなんだこの人?何がしたいの?

 

「っ!!!やっぱり!!!!!やっぱお前だったんだな!!!!!!!」

 

哲也「へ?アンタはだ・・・・・・・・・れ!?」

 

俺は恐る恐る女の人の顔を見た

 

その女の人は SAOの頃 俺と共に戦った゛アスカ゛だった

 

哲也「アスカ!?お前アスカだよな!?」

 

アスカ「そういうお前こそテツヤだよね!?」

 

哲也「あぁ!!俺だよ!!哲也だよ!!!」

 

アスカ「お前ぇ!!!!!」

 

俺の事を確認したアスカは 涙を浮かべながら俺の事を抱きしめてきた

 

哲也「むぐぅ!?」

 

やっぱりお前だよな アスカ こんなことしてくるのお前だけだもんな それに この顔が胸に押し付けられる感覚 今までにお前にしか食らったことねぇからすぐ分かるよ

 

アスカ「会いたかった・・・!!!会いたかったよテツヤ・・・!!!!」

 

哲也「む、むっ!うぅっ!!!(お、俺もだから!一回離して!)」

 

アスカ「へ?何て?ってまたうちの胸か 悪い悪い」

 

アスカは笑いながら俺の事を離した

 

哲也「げほっ!ごほっ!ったくお前は死んでも変わんねぇなぁ・・・」

 

アスカ「へへへ~♪って!!お前なんで死んでんだよ!?おい!!!」

 

アスカは俺の首を絞めながらぶんぶんふってきた

 

哲也「ぐえっ・・・は、話すから・・・話して」

 

アスカ「じゃあ話せ!」

 

哲也「げほっ!ごほっ!ったくこの世界でも息はしてんだから止めろよな・・・・・・」

 

アスカ「悪い悪い♪」

 

哲也「ったく んじゃあ1から説明すんぞ」

 

俺はアスカに今まであったことを全部話した

 

アスカ「そうか・・・そんなことが・・・・・・」

 

哲也「あぁ・・・やっと助け出せたのに・・・はぁ・・・」

 

アスカ「そりゃ残念だな・・・SAOを終わらせたのにこんなのってありかよ・・・」

 

哲也「死んだらしょうがねぇさ 諦めるさもう だからアスカ 俺の事連れてってくれ」

 

アスカ「うーん・・・・・・よしっ!もしかしたらあるかもしれないし行ってみるか!!!テツヤ!!!!」

 

哲也「へ?どこに?」

 

アスカ「いいからついてこい!!!とっておきの人に合わせてやるから!!!!っとその前に自己紹介といこうか では改めまして!!!私の名前は涼風飛鳥(すずかぜあすか)!よくスズとも言われたし名前で飛鳥って言われることも多かったよ!」

 

哲也「涼風飛鳥か いい名前だな 俺の名前は荒波哲也だ 改めてよろしくな」

 

飛鳥「おう!よろしく!」

 

俺と飛鳥は握手を交わした

 

飛鳥「よし!それじゃあ早速行くぞ!!!!」

 

そう言って飛鳥は俺の手を引っ張りだした

 

哲也「ちょおい!?」

 

一体どこに連れていこうとするんだ?俺は飛鳥に引っ張られたままついて行った


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