ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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part52 貰った命~サヨナラは突然に~

ここは 某都内 拘置所

 

「おい 須・・・・・・っ!?いない!?おい!誰か!!須郷がだっそ」

 

ドスッ

 

「うぐっ・・・」

 

「くくく・・・・・・チャカは俺が貰ってくぜ・・・・・・・・・・・・屑共が・・・・・・テメェらにきっちり仕返ししてやる・・・!!!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

ALOでの出来事から1ヶ月が経ち もう3月の上旬だ

 

須郷兄弟に関してはまずユキがナーヴギアに逃げ込んだ時に 須郷が発していた言葉をユキが録音していたらしく それを俺がデータから取り出し警察に渡し なおかつ俺が相手をした兄貴の方には人身売買の疑い そして俺の発言で翔を殺そうとした殺人未遂の2つで今兄弟仲良く拘置所にいる

 

まぁ 悪人らしい最後だ ざまぁみろってんだ

 

そして 俺は 木綿季の退院許可が出たと聞いたから 迎えに行く為に早起きをしていた

 

哲也「んーっ!清々しい朝だな~!ようやく木綿季も退院だし・・・」

 

木綿季『ねぇ・・・ボクもう・・・エッチなことしても大丈夫なんだよ・・・・・・?/////』

 

哲也「なんてななんてななんてな~!!!!!!!かぁ~!!!!」

 

哲也「・・・・・・1人で言ってても馬鹿みたいだしさっさと朝飯作って木綿季の所に行こ・・・・・・」

 

とりあえず俺は朝飯として スクランブルエッグをご飯に乗っけた単純だけど美味しい料理を作り それを味わって食べた

 

ご飯を食べてる時にこんなニュースが流れた

 

『速報です 今日都内の拘置所に捕えられていた犯罪者が拳銃を盗み出し脱走しました 繰り返します 脱走した犯罪者は拳銃を持っています 』

 

脱走して拳銃か 危ねぇなったく まぁ俺には関係ねえかな

 

ちなみにもう大分左手も使えるようになり 生活に不自由は無い 筋トレや野球も出来るしもう完治したと言って良いだろう

 

哲也「ごちこうさま さて 今9時か・・・木綿季の最終検査が終わるのが9時半だから10時くらいに行くか それまでどうすっかな~」

 

うーんと悩んでると インターホンの音が鳴った

 

哲也「?はい どちら様でしょうか」

 

『あ、哲也?私よ』

 

哲也「んだよ姉ちゃんか 学校は?」

 

渚『今日は無しなの だからこうしてここにいるのよ』

 

哲也「ふーん まぁいいや 今開けっから待ってて」

 

俺は玄関まで向かい 扉を開き姉ちゃんを向かい入れた

 

渚「久しぶり 哲也」

 

哲也「久しぶり んで悪いんだけど今日そこまで姉ちゃんの相手はできねぇぞ?」

 

渚「へ?何で?」

 

哲也「木綿季を迎えに行くから」

 

渚「あら それなら私も行くわ!」

 

哲也「えぇ~?くんの~?」

 

渚「なにか悪い?私だって木綿季ちゃんに会いたいし」

 

姉ちゃんと木綿季は出会ってからすぐに仲良くなれた それどころか姉ちゃんは木綿季を気に入ってしまい俺が会いに行ったって言うのにずっと離してくんなかった まぁ木綿季も嬉しそうだったし良いけどさ

 

哲也「別に悪かぁねぇよ んじゃあ1時間暇だしその辺でゴロゴロしててよ」

 

渚「はーい」

 

まぁ木綿季も姉ちゃんの事は好きだって言ってたし 木綿季も喜んでくれるかな

 

後は・・・・・・まぁやっぱりあいつしかいねぇだろ

 

~数十分後~

 

哲也「さぁて 姉ちゃん そろそろ出んぞ」

 

渚「了解~」

 

哲也「んじゃあとりあえず駅まで行こうか」

 

渚「うん 分かったわ」

 

~最寄り駅~

 

哲也「さーてと もういるはずなんだがなぁ」

 

渚「誰が?」

 

哲也「決まってんだろそんなん お いたいた おーい 翔ー」

 

俺は姉ちゃんの他に翔も誘った 俺 翔 木綿季はSAOの頃に1番最初に出会った仲だからやはり翔も呼ばなくちゃと思い誘った

 

ちなみに翔はあの時須郷一派からは何もされてなく 特に後遺症も残っていなく 無傷ですんだ

 

ほんと 俺って神様が傍にいるみてぇに運が良いよな 木綿季は生きてたし 翔も生きていられたし

 

翔「よっ 誘ってくれてありがとな哲也」

 

渚「久しぶり!翔君!」

 

翔「お久しぶりです 渚さん」

 

哲也「さて メンツも揃ったし行こうか 木綿季の所に!」

 

俺達は電車に乗り 電車から入ってくる暖かな春風を感じながら木綿季の病院に向かった

 

そして あっという間に病院のある最寄り駅に着いた

 

哲也「~♪」

 

渚「随分と嬉しそうね」

 

哲也「ったりめぇだろ~♪ようやく木綿季と普通に出かけたりできるんだからさ~♪」

 

翔「それよか木綿季は本当にもう大丈夫なのか?」

 

哲也「おう!昨日電話で聞いた!」

 

渚「さぁさ ノロノロしてないで早く行きましょ!木綿季ちゃんが待ってるわよ!」

 

哲也「んなことわかってらぁ!待ってろよ木綿季~!」

 

俺達は早足に病院に向かい 遂に病院に着いた

 

哲也「さて、待ち合わせは受付あたりなんだけど・・・」

 

渚「あ!あの走ってきてるの木綿季ちゃんじゃない!?」

 

俺は姉ちゃんの指さした方向に目を凝らした そこには確かに俺達の元へ走ってくる少女の姿があった

 

哲也「いたいた!おーい!!木綿季ー!!!」

 

木綿季「哲也ー!!!」

 

木綿季は手を振りながら走ってくる そして 俺は絶対に木綿季がやってくるであろう事を想定し身構えた

 

木綿季「哲也!!!!」

 

木綿季は俺達の元まで来ると 俺に飛びついてきた 俺はそれを想定してたからちゃんと抱きしめてキャッチした

 

満面の笑みで俺に抱きつく木綿季 やっぱり木綿季は可愛い これは何があろうと覆らない事実だ

 

哲也「退院おめでとう!木綿季!」

 

木綿季「長いリハビリもようやく終わりだよ~ これからは哲也といーっぱい遊ぶんだ♪」

 

哲也「おう♪俺もそのつもりさ♪」

 

渚「木綿季ちゃん!やっほー!」

 

翔「久しぶり 木綿季」

 

木綿季「あ!2人も来てくれたんだね!」

 

哲也「あぁ お前もその方が喜ぶと思ってな」

 

木綿季「うん!なんだか本当に帰ってきた!って感じがするよ!」

 

哲也「そりゃ良かったよ ゛高校入学゛する前に退院できて良かったな」

 

今俺が言った高校とは SAO事件に巻き込まれた人達の為の高校だ

 

お偉いさん方がなんとかして事件に巻き込まれた人達の救済処置をしたいと言うことで この高校が誕生した

 

入学費等は免除 3年間で使う学費も普通の公立高校に通うよりもよっぽど安く済む 学力も一切問わない とにかく学生対象に作られた高校だ

 

でも それは他の人達からは反感を買い 『優遇しすぎ』『入学費免除や学力を問わないのはどうなのか』等の意見が出ている

 

まぁ 俺からしたらラッキーだ 今から勉強し直してもとても高校なんか行けそうにないし

 

木綿季「そうだね!それに!゛歳上゛の哲也と一緒に勉強できるなんて幸せだよ!」

 

そう この学校実は年齢はかなりまばらだ 中二の人から高三の人までを入学させようと考えているから結構な年齢差が出る人達もいる

 

ちなみに 今木綿季が歳上と言ったように 俺と木綿季は1歳差で 俺が歳上で木綿季が歳下だ

 

少し幼いと思ってはいたが歳下とは思いもしなかった まさかの俺も歳下の彼女持ちだ

 

つうかまず木綿季と同じ学校に行けること それと木綿季と同じ学年で勉強が出来るってことが何よりの幸せだ

 

勉強教えあったり 弁当を一緒に食べたり 中庭で昼寝したり 想像するだけでニヤケが止まらない幸せだ

 

哲也「だな 俺もだよ」

 

木綿季「えへへ~♪大好き~♪」

 

木綿季はそう言ってほっぺをすりすりしてくる 可愛いんだからこいつは 卑怯だろこの可愛さ

 

渚「こほんっ!一応私達がいるんだけどな~?」

 

翔「相変わらずだな お前らは」

 

哲也「今は仮想じゃなくて れっきとした現実だもんな お前もうんと甘えてこい 全力で答えてやるからな」

 

木綿季「わーい!哲也大好き~!!!」

 

哲也「ふふふ さて、皆 ちょっと行きたい場所があるんだけどついてきてくれないかな? 木綿季は絶対に来て欲しいんだ」

 

木綿季「?どこに行くの?」

 

哲也「なーいしょ」

 

一同「?」

 

俺は皆を連れて受付から病室のある場所へと向かった

 

哲也「えっと・・・この辺りなんだけど・・・」

 

渚「ねぇ 一体何をしたいのよ 壁伝いに歩いて」

 

哲也「うーん・・・・・・お!あった!!!」

 

俺は壁の隠しスイッチを押し 隠し通路を出現させた

 

翔「おぉ こんなとこがあったのか」

 

哲也「あぁ 皆ついて来てくれ」

 

この場所 前は壁に寄りかかってたから転がり落ちたけど 滑って移動する感じだったんだな どうりであん時ゴロゴロ転がり落ちた訳だ

 

俺達は床を滑り 以前行った場所に到着した

 

哲也「さて 到着だな」

 

木綿季「ねぇねぇ ここはどこなの?」

 

哲也「木綿季 ついて来て 会わせたい人がいるんだ 姉ちゃんと翔もついて来て」

 

俺は皆を連れて ある人がいる場所まで向かった

 

そう ここには木綿季のお姉さんの藍子さんがいる

 

木綿季はきっと藍子さんのことは何も知らないはずだ

 

藍子さんにも報告できてないし 丁度いい機会だった

 

哲也「皆 ここで待ってて ちょっと話つけてくる」

 

俺は藍子さんがいる病室のドアを開き 病室に入った

 

哲也「藍子さん?いますか?」

 

藍子「へ?その声は・・・哲也君ね!」

 

声のした方には メディキュボイドを外し普通の状態でいた藍子さんがいた

 

哲也「はい ご無沙汰しています メディキュボイドはどうされたんですか?」

 

藍子「実は蔓延を防ぐ薬の中に奇跡的にHIVウイルスを倒していってくれる薬があってね!今はテスト的だけどメディキュボイド無しの生活をしているの と言ってもまた二、三日すれば元通りだと思うけどね」

 

哲也「ほんとですか!?それは良かったですね!!」

 

藍子「うん!お陰様でもしかしたらもう1度皆・・・・・・そうだ!!!木綿季は!?木綿季はどうなったの!?」

 

哲也「えぇ 無事連れ戻しましたよ」

 

藍子「本当!?良かったぁ・・・!で!?木綿季はどこに!?」

 

哲也「大丈夫ですよ 今ここに連れてきていますよ ちょっと待ってくださいね」

 

俺は病室から出て 頭に?マークを浮かべてる木綿季を呼んだ

 

哲也「木綿季 おいで」

 

木綿季「?何かあるの?」

 

哲也「いいからいいから 2人も入ってきて」

 

俺は木綿季と姉ちゃんと翔を呼び込み 病室に入れた

 

木綿季「ねぇ哲也 ここに何かあるの?」

 

藍子「・・・・・・木綿季・・・・・・?」

 

木綿季「っ!?今の・・・・・・声って・・・・・・!?」

 

藍子「私よ!木綿季!藍子よ!!」

 

木綿季「っ・・・・・・お姉ちゃん!!!!!!!」

 

木綿季は藍子さんの姿を確認すると 俺に飛びつくかのように藍子さんに抱きついた

 

木綿季「お姉ちゃん・・・!!ボク・・・・・・!!ボク・・・・・・!!!!」

 

藍子「木綿季・・・!良かった・・・!もう1度会えて・・・!!」

 

木綿季「ボク頑張ってあの世界で生きたよ・・・!それで今ここにいられるんだ・・・!」

 

藍子「うん・・・!頑張ったね・・・!木綿季・・・!」

 

哲也「木綿季 良かったね お姉ちゃんに会えて」

 

藍子「哲也君 ほんとにありがとう!木綿季も良い彼氏を持てて良かったね!」

 

そう言って藍子さんは木綿季の事を撫でた 流石はお姉さんだ 木綿季が喜ぶ行為と場所を熟知してる

 

渚「あれが木綿季ちゃんの・・・」

 

翔「お姉さん・・・・・・」

 

哲也「藍子さん 2人とも 紹介するよ こちらは木綿季のお姉さんの紺野藍子さん 藍子さん この2人は俺の姉さんの荒波渚と俺の親友の前田翔です」

 

藍子「そうなんだね 初めまして 紺野藍子です いつも木綿季がお世話になってます」

 

渚「は、初めまして 荒波渚です」

 

翔「前田翔です」

 

木綿季「お姉ちゃん・・・大好き・・・!!!!」

 

藍子「木綿季 お姉ちゃんもう少し いや、もしかしたら病気が治るかもしれないの その時はまた 皆で仲良く暮らそうね♪」

 

木綿季「うん!!!哲也とボクとお姉ちゃんの3人で!!」

 

哲也「俺もか?」

 

藍子「哲也君もおいでよ きっと木綿季も喜ぶわ」

 

哲也「それならもしその時が来たら是非」

 

木綿季「哲也!来て来て!」

 

哲也「?なんだ?」

 

俺が木綿季の元まで近づくと 木綿季は首元に抱きついてきて 俺はバランスを崩して藍子さんのいるベッドに倒れてしまった

 

哲也「うぉお!?」

 

木綿季「お姉ちゃんも!2人とも大好き!!!!!!!」

 

木綿季は俺と藍子さんに抱きつき 満面の笑みを浮かべながらそう言った

 

藍子「相変わらず 甘えんぼね木綿季は」

 

哲也「全くだ まぁ そこが可愛いんだけどさ」

 

木綿季「えへへ~♪」

 

こうして 無事に紺野姉妹の再開は果たされた

 

木綿季 良かったね 大好きなお姉さんが生きていて

 

これからは俺以外の心の拠り所もできたんだ 最もっとその笑顔を俺に見せてくれよな 木綿季

 

~~~~~~~~~~~~~

 

それは まだ俺と木綿季がSAOに幽閉されていた時のある晩だった

 

テツヤ『Zzz・・・うぁ・・・?ユウキ・・・・・・?』

 

隣で寝てるはずのユウキがいない 一体どこに?

 

寝ぼけながらユウキを探そうとすると 家のバルコニーからユウキの綺麗な歌声が聞こえてきた

 

テツヤ『外にいんのか?』

 

俺はユウキがいるであろうバルコニーに向かった そこには歌を歌っているユウキの姿があった

 

ユウキ『大切な貴方にはもう二度と会えない そんな事は知っていた それなのに止まらない涙はどうすればいいの?貴方がいないと私は何も出来ないの 最後に伝えたい I Love you forever』

 

大切な貴方には二度と会えない・・・・・・か・・・・・・・・・

 

そんな事にはさせたくない ユウキにはずっと幸せでいて欲しい

 

テツヤ『いい歌だな ユウキ』

 

ユウキ『あ テツヤ 起こしちゃった?』

 

テツヤ『いいや そんなことは無いさ』

 

ユウキ『それなら良かった 今歌ってた歌はね お姉ちゃんが病室になった頃にリリースされた曲なんだ ボク一時期この歌しか聞いてなかったんだ 歌詞がまるでボクの心境みたいだったからね』

 

テツヤ『そっか・・・・・・・・・なぁ ユウキ 俺はお前にとって大事な人か?』

 

ユウキ『うん とっても大事な人だよ』

 

テツヤ『それじゃあ 俺はお前のお姉さんの代わりにはなれるか?』

 

ユウキ『ううん それは無理だよ 絶対に』

 

テツヤ『そっか・・・・・・そりゃ残念だ・・・・・・』

 

ユウキ『だってね?』

 

テツヤ『ん?』

 

ユウキ『ボクのお姉ちゃんも 今ここにいるテツヤも この世界にたった1人しかいない特別な人間なの お姉ちゃんは確かにもう先は危ないって言われてるけど れっきとしたボクの大切な人 でも テツヤは本来赤の他人だけどこんなボクを大好きって言ってくれる ボクにとってできた変えようもない大切な人なんだ だから お姉ちゃんの変わりなんて言わないで テツヤはテツヤとして このボクの事を愛し通して欲しいな♪』

 

テツヤ『ユウキ・・・・・・あぁ 分かった 俺は唯一無二の存在として お前のことを愛すと誓う だから お前も俺のこと 精一杯愛し通してくれ』

 

ユウキ『はい ボクも誓います』

 

俺とユウキは 互いに再び誓いを建てた後に キスを交わした

 

濃厚で 愛情満点で 最高のユウキとのキスだ

 

テツヤ『大好きだよ ユウキ 永遠に一緒にいよう』

 

ユウキ『うん!ずっとずっと一緒だよ!!!』

 

永遠に ずっとずっと これが続けばこんなに嬉しいことは無い

 

ずっとユウキと一緒にいられる ずっとユウキと愛し通せる ずっとユウキを守り続けられる

 

だから 絶対に ずっと一緒にいような ユウキ

 

───けれども 別れは突然に訪れるものだと言うことを この時の俺は知る由もなかった───

 

~~~~~~~~~~~~

 

side 木綿季

 

お姉ちゃんと別れた後は ボク達は一旦別れてまた後で会おうということになっていた

 

哲也「木綿季はきちんとおじいちゃんとおばあちゃんの所に行って退院できたって行ってから俺んちに来るんだぞ」

 

木綿季「むぅ~・・・おじいちゃんもおばあちゃんも遊びに行っていいって・・・」

 

哲也「だーめ 会いに行ってこい」

 

木綿季「ちぇ~・・・・・・」

 

渚「木綿季ちゃん また今度会おうね 私は明日からまた卒業式の予行とかで忙しくなっちゃうから…」

 

木綿季「はい!また遊んでくださいね!」

 

翔「木綿季 また今度皆で遊ぼうな それまでは2人で沢山遊んどけよ」

 

木綿季「うん!ありがとね翔!」

 

渚「さてと 私はお母さん達の所に行ってこようかな」

 

木綿季「ボクは家に帰ったらすぐに哲也の家に行くからね!」

 

哲也「あぁ 駅まで迎えに行ってやるからな」

 

木綿季「それじゃあボクもう」

 

ボクは急いで家に帰ろうとした 早く哲也と遊んで まだしてないキスもしたいし あわよくば・・・・・・

 

哲也『木綿季・・・・・・今からたっぷり犯してやるからな 覚悟しろよ♪』

 

なんてねなんてねなんてね~!!!!!!キャー!!!哲也のエッチ!!!!!

 

・・・・・・・・・ってボクは何考えてんだか・・・・・・哲也から誘われるなんて多分一生無いだろうなぁ・・・・・・哲也ったら超奥手なんだもん・・・・・・・・・

 

ボクから哲也を誘わなきゃ!よぉし!こうなったら今日にでも!!!

 

そう思った直後だった 病院の受付方面から大きな悲鳴が聞こえてきた

 

哲也「なんだ?今の声?」

 

木綿季「悲鳴だったよね・・・」

 

渚「気になるわね 行ってみましょ!」

 

ボク達は走って受付まで向かった そこには人影1人だけを残す受付場だった

 

哲也「誰なんだ?あいつは」

 

翔「・・・・・・っ!?おい!!!哲也!!!!アイツは!?」

 

哲也「あん?・・・・・・っ!?んなっ!?何でお前が!?」

 

木綿季「だ、誰なの?誰がいるの?」

 

哲也「そのまさか・・・・・・゛須郷゛・・・!!!!」

 

須郷・・・・・・っ!?ボクの事を売ろうとした・・・・・・!?

 

そう思った瞬間に 怖くなってきた 背筋が凍る感じが伝わってきた

 

須郷裕「久しぶりだなぁ・・・・・・クズ共がァ!!!!!」

 

哲也「てめぇは今拘置所にいるはずだろうが!!!!なんでここに!!!!」

 

須郷裕「決まってんだろうが・・・・・・てめぇらをぶち殺すために脱走してきたんだよ!!!」

 

哲也「脱走って・・・今日やってたニュースはてめぇだったのか・・・!!!!」

 

須郷裕「ニュースになったのか・・・良いことだ てことは俺が今何持ってるかも分かんだろうなぁ?」

 

哲也「・・・・・・盗んだ拳銃・・・・・・」

 

須郷裕「ご名答ぉ!!!!!!」

 

そう言って須郷は胸ポケットから盗んだって言ってる拳銃を取り出した

 

木綿季「っ!!!」

 

須郷裕「こいつでてめぇらまとめてぶち殺してやる!!!!」

 

哲也「ちっ・・・流石にそれは分が悪いな・・・・・・」

 

翔「哲也 俺が後ろから回り込んでおく だからそれまでなんとか時間を稼いでおけ」

 

哲也「分かった 気をつけろよ翔 頼んだ」

 

須郷裕「コソコソ話してんじゃねぇぞテメェらぁ!!!!!!!」

 

木綿季「哲也・・・ボク怖いよ・・・」

 

哲也「大丈夫だよ お前のことは俺が守るさ」

 

須郷裕「さぁて・・・・・・そろそろまず1人殺ろうかァ・・・・・・!!!!」

 

哲也「抜かせ 殺したらお前は終身刑は愚か確実に死刑だぞ」

 

須郷裕「死刑になろうが知ったこっちゃねぇなぁ!?テメェら殺せれば俺はそれで満足だァ!!!!!!!」

 

そう言って須郷は哲也に向け拳銃を構えた

 

哲也「っ!!」

 

須郷裕「くくく・・・・・・まず1人目は・・・・・・・・・」

 

そう言って須郷は 哲也に向けていた拳銃をボクに向けてきた

 

木綿季「っ!!!!」

 

須郷裕「死ねこの糞女がァァァァァァァ!!!!!!!」

 

どうしよう 避けなきゃ 動かなきゃ撃たれて死んじゃう なのに 怖くて足が竦んで動けない

 

嫌だ 死にたくない やっと哲也に会えたのにこんなところで死にたくない

 

ボクは動けぬまま 拳銃を発砲されてしまった

 

ボクは目を瞑り 何か奇跡が起きるのを待った

 

・・・・・・・・・あれ?何も起きない・・・・・・?本当に起こったの?奇跡が?

 

ボクはゆっくりと目を開けて 目の前の状況を確認した

 

 

 

 

そこには 手を広げてボクの事を庇っていた哲也の姿があった

 

木綿季「っ!?哲・・・・・・・・・也!?」

 

哲也「・・・・・・・・・・・・」

 

哲也の立っているその場所の床を見ると 哲也の身体から血が出て 床に血が滴り落ちてるのが見えた

 

嘘でしょ?哲也 もしかしてボクなんかを庇って撃たれたの・・・・・・?

 

須郷裕「死ね!死ね!!死ね!!!!」

 

須郷はボクの前で仁王立ちする哲也に向け 更に2発3発と発砲した

 

哲也「がはっ・・・・・・!!!!」

 

翔「っ!?哲也!!!!!!!てめぇ!!!!!!!!!!!!!!」

 

翔は上手く後ろ空回り込めていたから 須郷を後ろから殴り飛ばして 床に伏せさせた後 腕を掴み 拘束した

 

哲也「・・・・・・ゆ・・・・・・うき・・・・・・」

 

哲也はボクの目の前で倒れてしまった

 

木綿季「っ!!!哲也!!!!!!!!!!!!!!」

 

ボクはすぐさま哲也の側にいった 哲也が撃たれたのは心臓の近く 3発も撃ち抜かれた影響で哲也の呼吸も荒くなっていた

 

木綿季「哲也!!!哲也!!!!!!」

 

哲也「木綿季・・・・・・無事・・・・・・か?」

 

木綿季「何で・・・・・・!何で!!!!!ボクなんかを庇う必要無かったのに!!!!!!!」

 

哲也「んなの決まってんだろうが・・・・・・俺は・・・・・・お前を命に変えても守るって言っただろ・・・・・・だから・・・・・・お前を守ったまでだ・・・・・」

 

木綿季「馬鹿!!!哲也が死んだらそんなの意味無い!!!!!!命に変えても守るなんて言わないでって言ったじゃん!!!!!」

 

哲也「それと・・・この命は言わばSAOの頃庇われたお前から貰った命なんだ・・・・・・だったらこの命ここで使わないでどこで使えってんだ・・・・・・」

 

木綿季「そんな・・・!その命はボクがあげたものじゃない!!哲也のだよ!!!!!」

 

哲也「へへへ・・・・・・悪ぃな・・・・・・もう・・・・・・無理みてぇだ・・・・・・神様ももう俺を見放したらしい・・・・・・」

 

木綿季「そんな事言わないでよ!!!!ねぇ!!!!しっかりしてよ!!!」

 

もしかしたら もしかしなくても哲也は死んじゃう そう思うと涙が止まらない

 

渚「哲也!!!!!!!あんた勝手に死んだら承知しないわよ!!!!!!!死ぬなんて許さないからね!!!!!!!」

 

哲也「姉ちゃん・・・・・・悪い・・・・・・」

 

渚「悪いなんて言うな!!!死ぬな!!!!死んだら私が殺すわよ!!!!!!!」

 

哲也「へへへ・・・・・・相変わらずだな・・・・・・うっ・・・・・・」

 

哲也は咳き込み始めた 時折唾に血が混じってることもあった

 

木綿季「嫌だ・・・!死んじゃ嫌だ!!!!!!!生きててよ!!!!!!!ねぇ!!!!!!!哲也!!!!!!!」

 

哲也「・・・・・・ご・・・・・・めん・・・・・・・・・ゆ・・・・・・うき・・・・・・・・・」

 

木綿季「哲也!!!!哲也!!!!!!」

 

哲也「ちくしょう・・・・・・お前と・・・学校いって・・・・・・一緒に遊んで・・・・・・デートして・・・・・・結婚もして・・・・・・幸せが待ってたのに・・・・・・こんなのありかよ・・・・・・・・・」

 

哲也の目からは涙が零れだしていた そんな演技止めてよ 哲也が死ぬわけない 死ぬわけ・・・・・・

 

木綿季「・・・・・・・・・・・・」

 

哲也「木綿季・・・・・・俺以外のもっといい相手を見つけて・・・・・・その人と付き合ってその人と結婚しろ・・・・・・・・・もう俺は死ぬんだ・・・・・・・・・だから木綿季も俺のことは忘れるんだ・・・・・・俺以外に良い人なんざ五万といるさ・・・・・・」

 

木綿季「嫌だ!!!!そんなの嫌だ!!!!!!!ボクの彼氏は哲也だけだもん!!!!!!!哲也以外に良い人なんていないもん!!!!!!!」

 

哲也「・・・・・・悔しいなぁ・・・・・・お前を他の人に渡すなんて・・・・・・木綿季は俺のもんなのに・・・・・・」

 

木綿季「だったら生きてボクを愛してよ!!!!死ぬなんて言わないでよ!!!!!」

 

哲也「・・・・・・木綿季・・・・・・俺からの・・・・・・さいご・・・・・の・・・・・・言葉だ・・・・・・・・・うけ・・・・・・・・・とれよ・・・・・・・・・・・・」

 

木綿季「哲也!!!!!!!哲也!!!!!!!!!!!!!!」

 

哲也「木綿季・・・・・・・・・ぁ・・・・・・ぃ・・・・・・し・・・・・・・・・て・・・・・・・・・・・・」

 

哲也は 最後に『愛してる』って言おうとして ボクの頬に手を添えようとした でも 最後の力を振り絞れずに 哲也は目を閉じ 手はボクの頬に触れることなく離れようとした 哲也の腕はボクの膝に力無く置かれた

 

嘘だ 哲也が死んだなんて 絶対に こんなの夢だ 夢に決まってる

 

木綿季「哲也 起きてよ そんな冗談ボクには通用しないよ? ねぇ 早く起きてよ・・・・・・・・・起きてよ哲也!!!!!!!!!!!!!!」

 

渚「そんな・・・・・・哲也が・・・・・・死ん・・・・・・・・・」

 

翔「テメェ・・・・・・よくも・・・・・・よくも哲也を!!!!!!!!!!!!!!」

 

須郷裕「くくく・・・・・・・・・ヒャーハッハッハッハ!!!!!!!!!!!!!!最高だなァ!?おぉ!?屑が死んだ!!!!!!」

 

嫌だよ 起きてよ 早く じゃないと本気で怒るよ? ねぇ 哲也・・・・・・・・・

 

ボクは恐る恐る哲也の心臓部分に触れた すると 動いてるはずの哲也の心臓は止まっていた

 

いや、でもあの時もこうやって哲也は生きてたんだ きっとこれは哲也の偽物だ だから本物がどこかに・・・・・・

 

でも 心のどこかでは 哲也が死んだって事を分かっていた ボクの言ってるのはその事実から逃げるための現実逃避の言葉だった

 

木綿季「嫌・・・・・・いや・・・・・・・・・嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ボクは頭を抱えながら 認めたくない現実に向かって叫んだ

 

死んでない 死んでない でも死んでる そんなの嫌 ボクは哲也と幸せな日々を送るんだ だから哲也は生きてるんだ 死んでる訳が無い

 

渚「馬鹿哲也ぁ!!!!!!!あんたが死んだら・・・・・・木綿季ちゃんも・・・・・・皆皆悲しむに決まってるのに・・・・・・どうして・・・・・・どうしてなのよぉ・・・・・・!!!!!!!」

 

渚さんも顔を手で抑えて泣き出した

 

須郷裕「くくく・・・・・・まぁ一人やれれば充分か・・・・・・」

 

木綿季「っ!!!!!!!」

 

・・・・・・あんなやつが・・・・・・あんなやつがいるから・・・・・・哲也は・・・・・・!!!!!!!

 

良く見たら ボクの足元に須郷が持っていた拳銃があった

 

これさえあれば・・・・・・復讐が・・・・・・・・・

 

ボクは拳銃を手に持ち 須郷に向け狙いを定めた

 

翔「っ!?木綿季!?」

 

木綿季「お前が・・・・・・貴様がいるから・・・・・・!!!!哲也は・・・・・・哲也は!!!!!!!」

 

ボクは溢れ出る涙を堪えながら 須郷の頭に狙いを定めた

 

木綿季「翔!!!!!どいて!!!!!!!でないと翔ごと撃つよ!!!!!!!」

 

翔「木綿季・・・・・・」

 

渚「木綿季ちゃん!!!止めて!!!!そんなことしても哲也は喜ばないわよ!!!!」

 

木綿季「っ・・・・・・・・・」

 

渚「木綿季ちゃんが手を汚して哲也が喜ぶと思う!?確かにアイツは哲也を殺した・・・・・・でも!!!木綿季ちゃんまで手を汚す必要は無い!!!!」

 

木綿季「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ボクは拳銃を手放し 膝から崩れ落ちた

 

木綿季「うっ・・・あっ・・・・・・あぁ・・・・・・・・・ぃ・・・・・・や・・・・・・てつ・・・・・や・・・・・・!!!!!」

 

翔「渚さん 早く警察を!!!大至急!!!俺がこいつを抑えときます!!!」

 

渚「わ・・・かったわ・・・・・・」

 

ボクは 涙を流しながら 死んでしまった哲也に抱きついた

 

木綿季「哲也・・・・・・ぐすっ ひぐっ・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

ボクは微かに冷たくなっていた哲也の身体を抱きしめながら 泣き叫んだ

 

哲也 ボクもう現実を受け止めるよ お休みなさい それとお疲れ様 ちゃんと天国に辿り着いてね 天国でボクのことを見守っててね

 

でも哲也 ボクはこれからどうしていけばいいの・・・・・・・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒波哲也 死す 享年 16歳


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