ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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ここまで来てしまうと ALO編も恐らく後6話たらずで終わると思います

後少しで終わるALO編 最後までお見逃し無く!

では本編です!どうぞ!


part48 哲也と渚~2人の絆~

私達姉弟は世間一般的に見れば かなり仲の良い姉弟に見られることが多いと思う

 

それくらい 話して 笑って 喧嘩して とにかく私も哲也とはなんだかんだ上手くやれてるなとは思ってた

 

だから 哲也がSAO事件に巻き込まれたって知った時は 凄く悲しくて 辛いかった

 

訳が分からなかった ゲームに閉じ込められて 昏睡したまま 一切話さない哲也 病院でも周りの人達がつぎつぎに息を引き取ったと聞いていたから 私は 毎日毎日 胸を締め付けながら眠っていた もし哲也が明日病院に行った時に息をしていなかったら そう考えただけで私の胸は張り裂けそうになった

 

そんな日々が2年間続いたある日 哲也が目覚めたって報告が入った

 

私は一目散に病院の哲也よ病院に向かった

 

そこには 痩せこけはしたけども 確かに動いている哲也の姿があった

 

哲也の姿を見た時には泣きそうになった 抱きしめようともした けれども 私は不器用な人間だ つい素っ気なく 『なんだ 生きてたの?』と言ってしまった

 

私のこの不器用さはお母さんもお父さんも知ってたから 相変わらずとしか思われなかっただろうけど 命懸けで戦って生きて帰ってきた哲也からしてみたら こんなにも酷い言葉は無かったと思う 今でもなんでこんな言葉を言ってしまったのかと猛省してる

 

そして たかがゲーム そう思ってた私もある一つのゲームに触れることになる

 

その名は《アルヴヘイム・オンライン》SAOの後継ゲームとしてアミュスフィアと呼ばれるナーヴギアの後継機とほぼ同時期に誕生したこのゲームを 私は くじ引きの特等と言う形で手に入れた

 

忙しい部活の合間を縫って 少しづつ 少しづつプレイしていき 私は見事に 仮想現実世界にはまっていた

 

そして ある日 私はALOの世界でテツヤと出会った

 

最初あった時は 名前と そのぶきっちょそうな性格から 勝手に哲也を連想して テツヤの手助けをしようと考えた

 

そして テツヤと行動を共にするにつれて 私は少しづつ 彼に惚れていき 気づいた時には もう完全にテツヤに恋をしていた

 

ネットゲームで恋をするなんて 私はそんな馬鹿なことは無いと思っていたのに まさかその私がそのネットゲーム上の恋をすることになるとは思いもしなかった

 

けれども 現実は 非情で 残酷だった

 

テツヤは 私の実の弟である 哲也だった 私は知らず知らずの内に 弟に恋をしてしまっていた

 

姉が弟を・・・ましてや 既に哲也には恋人がいる この恋は実ってはいけない恋だった

 

私の初恋は 失恋も何も無いままに 終わってしまったのだった

 

・・・・・・こんなのってあんまりだよ・・・・・・なんで・・・・・・なんでこんなことに・・・・・・!!!

 

~~~~~~~~~~~~~

 

哲也「はぁ・・・はぁ・・・!!くそっ・・・・・・なんなんだよ・・・!リナが姉ちゃんって!!!」

 

あれから俺の頭はずっと混乱気味だった 俺とずっと一緒に冒険していたリナは実は姉ちゃんだったなんて・・・・・・

 

俺は焦りながら近くの公園に着き 公園内を見渡した すると 公園の真ん中に 1人の少女が立っていた 間違いない あれは俺の姉ちゃんだ

 

俺は背を向く姉ちゃんの後ろに向かった

 

哲也「はぁ・・・はぁ・・・姉ちゃん・・・?」

 

渚「『SAO帰還者にインタビューシリーズで遂に大きな発見!!なんとSAOの世界では1人凶悪な敵に立ち向かい勝利を挙げた英雄がいた!その名はテツヤ!これは本名かハンドルネームか分からないが我々は即刻 国民の英雄を見つけだし インタビューを試みたいと思う!』・・・・・・ですってね 凄いね このテツヤって人 たった1人で凶悪な敵に立ち向かって勝ったなんて ほんとに英雄の名にふさわしいね」

 

哲也「・・・・・・・・・」

 

渚「・・・・・・このテツヤってプレイヤー 今はALOでプレイしてるんだってね ALOでもその腕を奮ってるんだって」

 

哲也「そう・・・なんだ・・・」

 

渚「・・・あんたなんでしょ・・・?このSAOのテツヤも ALOにいるテツヤも・・・・・・」

 

哲也「・・・・・・うん・・・・・・今まで黙ってて悪い・・・・・・」

 

渚「・・・・・・哲也・・・・・・あんたは悪くない・・・・・・でも・・・・・・こんなのってあんまりだよ・・・・・・!!!」

 

哲也「姉ちゃん・・・・・・」

 

渚「私は・・・テツヤを好きになってた・・・!だから・・・テツヤの目的が終わったら告白しようって思った・・・!なのに・・・!なのに・・・!なんでテツヤがあんたなのよ!!!!!」

 

姉ちゃんは後ろを向きながら 肩を震わせ 泣いている 俺は泣いている姉ちゃんをどうにもしようがなかった

 

渚「なんでなのよぉ・・・・・・ぐすっ・・・・・・えぐっ・・・・・・」

 

俺は一体何が出来る?下手に慰めることも 援護することも出来ない 全部俺が悪いのだから・・・・・・出来ることって言ったら・・・・・・アレしかない

 

哲也「・・・姉ちゃん・・・ALOのアルンの町外れに小さな神殿あったろ?・・・俺 そこで待ってるよ」

 

渚「へ・・・?」

 

哲也「・・・じゃあ・・・また後で・・・・・・」

 

俺は 急ぎ足で公園を後にし 家へ向かった

 

絶対来てくれよな・・・・・・姉ちゃん・・・・・・!!!!

 

渚「・・・哲也・・・なんでいきなりALOに・・・?・・・でも・・・ALOでリナとして哲也と会った方が話しやすいかもしれないし・・・町外れの神殿だったわね」

 

渚は 涙を拭い 溢れ出そうになる負の感情を抑えて 家に向かい ALOにログインした

 

渚「リンクスタート・・・」

 

~~~~~~~~~~~~~

 

リナ「テツヤ・・・一体何を・・・」

 

リナは困惑しながら テツヤの示した神殿まで向かった

 

神殿に到着すると そこには凛々しい顔をしたテツヤが立っていた

 

リナ「テツヤ・・・・・・」

 

テツヤ「来たか・・・リナ・・・」

 

リナの方へ振り向くテツヤ それと同時に背中に装備していた斬月を取り出した

 

リナ「へっ?」

 

テツヤ「抜け リナ 俺と勝負だ」

 

リナ「えっ!?な、なんで!?」

 

テツヤ「決まってんだろ 剣を交わして 互いの気持ちをぶつけ合うんだ 本来キャッチボールで終わらせてぇとこだが俺の腕もあるし これはALO内で発覚した問題だ だったらALOの世界でぶつけあおうと思ってな・・・・・・さぁ 剣を抜け リナ・・・・・・いや、姉ちゃん」

 

リナ「・・・・・・ふっ・・・・・・なるほど・・・・・・あんたにしては考えてるじゃない・・・・・・」

 

リナは腰に着けてる剣を抜き 構えた

 

リナ「いい・・・・・・これでも私はリーファちゃんやシグルドと名前を並べる実力者よ・・・・・・甘く見たら負けるわよ!!!!」

 

テツヤ「あぁ 分かってるさ」

 

リナ「それじゃあ行くよ!!!!!!!」

 

こうして 姉弟の互いの気持ちをぶつけ合う戦いが始まった

 

リナ「ほら!!どうしたの!!!さっきから防戦一方じゃない!!防御ばっかりしてたら勝てないわよ!!」

 

リナの素早い攻撃を 先程からテツヤは防いでばっかりだった

 

テツヤ「・・・・・・これは俺が持ち出した話だ・・・・・・女どうこうで手加減なんざ・・・・・・姉ちゃんに悪い!!!!!!!」

 

テツヤはリナの攻撃を防ぎながら 斬月で吹き飛ばした

 

リナ「きゃっ!?」

 

テツヤ「いくぜ・・・これが俺の本気だ!!!卍解!!!!!!!」

 

黒いオーラに包まれるテツヤ オーラが消えると 卍解特有の装備と 天鎖斬月を装備したテツヤがリナの前に現れた

 

リナ「アロンダイト・・・・・・レジェンダリーウェポンの1つ・・・・・・」

 

テツヤ「さぁ こっからが本番だ・・・・・・姉ちゃんの気持ち 俺にぶつけてこい!!!」

 

リナ「言われなくても!!!!」

 

互いに攻撃をしかけ 鍔迫り合いが起こる リナは手練のテツヤの気迫に押し負け 体制を崩した

 

リナ「くっ!」

 

テツヤ「貰ったぁ!」

 

体制を崩したリナに追い打ちを仕掛けようとするテツヤ だが ALOの世界でなおかつ 空中戦においてはリナの方が上手だ

 

リナ「させないわよ!!!」

 

テツヤの攻撃を体を逸らし上手くかわし 背中を向けていたテツヤに一撃食らわした

 

テツヤ「くっ!やるな姉ちゃん・・・でも俺だって!」

 

テツヤは一旦離れ 得意の超高速移動でリナを翻弄する

 

リナ「なっ!速い!?」

 

テツヤ「さぁ!行くぜ!」

 

高速移動を続けるテツヤを一心不乱に見つけようとするリナ しかし 卍解しているテツヤのスピードを肉眼で捉えるのは至難の技 ましてや初めて戦うリナにはそんなこと出来るわけが無かった

 

テツヤは少しづつ 少しづつリナにダメージを与え続けていった

 

リナ「くっ!だったら!」

 

リナはシルフ属の特徴である風の魔法を唱えて 自身に風のバリアを貼った

 

これにはテツヤも攻撃を止めざるをえなかった

 

テツヤ「魔法か 流石だな 新参者の俺にはできねぇ技だな」

 

リナ「・・・・・・・・・・・・」

 

テツヤ「姉ちゃん?どうしたんだよ?」

 

リナ「なんでも無いわよ・・・・・・さぁ!続きよ!!」

 

リナはなんでもないと言ったが 内心なんでもない訳が無かった

 

乙女の失恋 それはリナも今日ドア越しではあるがリーファの泣き声を聞いて知っているはずだ その辛さを

 

その辛さに今真っ向面に直面していたリナ リナはとても大きな精神的ダメージを負っていた

 

リナ(テツヤ・・・やっぱり辛いよ・・・好きだったあんたが・・・実の弟だなんて・・・・・・)

 

飛びながら涙を零すリナ でも今は戦闘の真っ最中だ 今涙で目の前を潰したら良いカモになってしまう

 

リナは空にある小さな足場に着地した

 

リナ「テツヤ・・・次の一撃に私の全てをかける・・・!!!!」

 

テツヤ「あぁ・・・来い!!全部受け止めてやる!!」

 

リナは剣を力強く握り足にも力を入れた

 

そして リナは足場から思い切り飛び出した

 

リナ「やぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

上から剣を振り下ろすリナ テツヤはその攻撃を天鎖斬月で防ぐ

 

テツヤ(なっ!?重い・・・!?)

 

SAOの世界でも ALOの世界でもこんな重い攻撃を受けたことは無い それ程までに リナの一撃にはリナの想いが詰まっていたのだった

 

テツヤは思わず体制を崩してしまった リナにとっては千載一遇のチャンスだった

 

リナ「これで!!!!」

 

天鎖斬月も手放してしまい 丸腰のテツヤに攻撃を仕掛けようとするテツヤ 攻撃が通ればテツヤもタダでは済まない

 

しかし 攻撃しようとするリナを 今までの記憶が邪魔をする

 

『よっ!姉ちゃん!』

 

『バーカ!!ド貧乳!!!』

 

『俺の名前はテツヤ よろしくね』

 

リナ「っ・・・・・・」

 

『ぷっ!可愛いとこあるじゃん!!そんな怒ってないでそうゆうとこ出したらいいのにな』

 

『姉ちゃん!!!』

 

『へぇ~ 結局その人は彼氏なの?』

 

彼氏・・・・・・になって欲しかった・・・・・・なのに・・・・・・なのに・・・・・・

 

リナの中に込み上げていた悲しみが 一気に爆発し 件を握る力も失い リナは涙を流しながら落下していった

 

テツヤ「なっ!?姉ちゃん!!!!」

 

テツヤは急降下していくリナを お姫様抱っこで助けた

 

テツヤ「姉ちゃん!?大丈夫か!?おい!!!」

 

リナ「・・・・・・うっ・・・・・・うぇぇぇぇん!!!!!!!」

 

テツヤ「っ!?姉ちゃん!?」

 

リナ「なんで!!!!なんでなのよぉ!!!!!!!なんであんたはこんなにも優しくて!!!!人想いで!!!!」

 

テツヤ「・・・・・・」

 

リナ「なんで・・・・・・なんでなのよぉ・・・・・・」

 

テツヤ「・・・・・・姉ちゃん・・・・・・1回立ってもらえるか・・・・・・」

 

リナ「ぐすっ・・・・・・えぐっ・・・・・・」

 

リナはテツヤの腕から離れ テツヤの目の前で立った

 

すると テツヤはリナの事を思い切り抱きしめた

 

リナ「っ・・・・・・!?」

 

テツヤ「・・・・・・姉ちゃん・・・・・・ごめん・・・・・・俺のせいで姉ちゃんを泣かせて・・・・・・でも もう泣かないでくれ 俺は泣いてる姉ちゃんなんか見たくない 元気で 可愛いらしくて 笑顔が似合う そんな姉ちゃんが好きなんだ 俺は・・・・・・・・・だから もう俺の目の前で泣くのは止めてくれ・・・・・・姉ちゃんは・・・・・・・・・いや、゛渚゛は 俺にとっては唯一無二の 俺のたった1人の自慢の姉ちゃんだから」

 

リナ「っ!!!今・・・・・・渚・・・・・・・・・って・・・・・・・・・」

 

テツヤ「呼んで欲しけりゃ何度でも呼んでやる・・・・・・だからもう泣くな・・・・・・!!!渚!!!!!!!」

 

テツヤは抱きしめる力を強め 大きな声で叫んだ リナの胸にテツヤの想いが届き リナは先程よりも大きな声でテツヤの胸の中で泣き出した

 

リナ「あっ・・・うっ・・・・・・!!!テツヤぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

テツヤ「・・・・・・今は泣いていい・・・・・・だから 早く姉ちゃんの笑顔を見せてくれよな」

 

リナ「えぐっ・・・・・・うっ・・・・・・な・・・・・・」

 

テツヤ「な?」

 

リナ「ぐすっ・・・・・・渚って・・・・・・呼んで・・・・・・お願い・・・・・・」

 

テツヤ「分かったよ 他にもお願いがあったらなんでも言ってくれ 渚」

 

テツヤはリナの頭を撫でながら そう言った

 

リナ「ぐすっ・・・しばらくこのままがいい・・・・・・」

 

テツヤ「分かった 渚の仰せのとおりに」

 

姉弟としてぶつかりあった2人 気づかぬうちに2人は 姉弟以上であって 恋人未満と言う関係になっていた

 

そして 姉弟2人の時間から 10分が経ち リナもだいぶ落ち着いた

 

テツヤ「落ち着けたか?」

 

リナ「うん・・・ありがとね・・・」

 

テツヤ「いいってことよ 俺なりの罪滅ぼしさ」

 

リナ「ほんと あんたは優しいのね」

 

テツヤ「へへっ まぁね」

 

リナ「・・・・・・決めた!」

 

テツヤ「?何を?」

 

リナ「テツヤ!今からグランドクエスト受けに行くわよ!!」

 

テツヤ「えっ!?いきなり!?」

 

リナ「へへ~実はさっきリーファちゃんから連絡が来てね?キリト君との話もついたから グランドクエストをレコン君も入れて受けるんだけど 2人はどう?って誘いを受けてて 今承諾のメールを送ったの!」

 

テツヤ「成程 んじゃあ行くか!」

 

リナ「うん!あ、それとこれ!」

 

リナはそう言って テツヤの頬にキスをした

 

テツヤ「っ!?」

 

リナ「へへへ♪これから私達の中で隠し事は無し!なんでも相談してなんでも協力すること!今のは私なりの誓いだよ♪その最初がグランドクエスト攻略よ!」

 

テツヤ「姉ちゃん・・・・・・ふっ 分かったよ まずは俺達姉弟でグランドクエスト ぜってぇ攻略すんぞ!」

 

リナ「うん!!」

 

テツヤ「さてっ!いく・・・・・・ん?」

 

テツヤが行こうとした時 テツヤの懐がやけに暖かく感じたのだった

 

リナ「?どうしたの?」

 

テツヤ「・・・・・・悪い 先行っといてくれ 後から絶対に行くから」

 

リナ「?わ、分かった 絶対に来てね!」

 

リナはそう言って グランドクエストの場所まで飛んでいった

 

テツヤ「一体何が・・・・・・」

 

テツヤは懐から その暖かさの正体を取り出した

 

テツヤ「っ!これは・・・・・・!」




姉弟と言う形から一線を越えた2人 きっとこれから先も 素晴らしい姉弟愛を見せてくれることでしょう

実際 恋した相手に告白もできずに終わるって辛いでしょうね でも 渚はきっとこれからも その恋心を持ちながら 哲也に接することでしょう

次回は遂にグランドクエスト攻略です!お楽しみに!

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