ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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part34 決意の誓い~君に会うために~

なぁ 俺はもう二度と君には会えないの?

 

君が死んだと思って 勝手に絶望して 勝手に君を嫌いになって 勝手に変な病気になって もう人生に嫌気がさした

 

でも、君が生きてるって知って その病気も良くなって やっぱり君が好きだって再確認して 俺は藁にもすがる思いで君に会いに行ったよ

 

また君と会いたくて また話したくて また笑いあいたくて また愛し合いたいから

 

でも、俺は君には会えなかった

 

君はレクト社の繁栄のために レクト社の社員が君の人権を握り、君は売られようとしてたんだ

 

勿論そんなの許さない 俺はそいつをぶっ飛ばそうとした

 

けれど、俺が強かったのは所詮あの世界だけの話 俺は為す術も無く 大人の力の前に敗れた

 

そして 俺は結局君の事を助けられないまま また振り出しに戻ってしまった

 

 

俺は一体どうすれば君を助けることが出来て、また君に会うことができるんだろう

 

 

教えてくれよ 誰でもいいから 俺はどうすればいいんだ?

 

~~~~~~~~~~~~

 

俺はあの後 壁沿いにそいながら移動していた

 

腹痛もあるし、何より絶望感が途轍もなく、ろくに移動できる場合じゃない その為そうやって移動していた

 

人の前を通る度に冷たい目で見られた 別にそれはどうってことなかった

 

それよか 木綿季が売られる この事実で俺は少し情緒不安定気味だった

 

胸が苦しくて 押しつぶされそうで 悲しくて、情けなくて、涙が出そうで 下手したらまたあの感じに戻りかねない

 

そうなるのは死んでも御免だ もう1度木綿季を嫌いってゆう自己暗示 もう二度としたくない

 

 

 

とにもかくにも俺はこれからどうすればいいんだ・・・どうやって木綿季を助け出せることができるんだ・・・・・・

 

 

俺がそう言った考えを何度も何度も繰り返してるうちに 俺は病院の端まで来ていた

 

端まで来ても何もない 戻ろう そう思ってた時だった

 

病院の壁から『カチッ』とゆう音が鳴り 肘ついてた壁が埋もれていた

 

何の仕掛けだ? いや、考えすぎか こんな何の変哲もない病院に仕掛けなんか・・・・・・

 

そう思い また歩きだそうとした時だった

 

壁は斜めに大きく傾き 地下のような場所へ向けられた

 

壁にくっついてた俺は壁が傾いたと同時に 向けられた地下に転がり落ちた

 

哲也「のわぁぁぁぁ!?」

 

一体何が起きるんだ? もしかして俺何かやらかした?

 

 

俺は少しして 転がり終えてなにやら地下の気味が悪い場所にいた

 

哲也「・・・どこなんだ・・・ここ・・・?」

 

とにかく 出口を探すために歩こう 立ったまんまじゃ何も始まらない 俺は暗闇の中 手探りで壁を探しながら歩き始めた

 

 

 

 

哲也「いっつつ・・・腹痛いってのに何なんだよ一体・・・この病院は要塞かっての・・・」

 

地下の部屋の中を手探りで探していると なにやらまた変なスイッチを押したような『ピッ』とゆう感触がした

 

まさかまた?そう思い俺は身構えたがどうやら違ったみたいだ

 

どうや目の前にはドアがあったらしく 白煙と共に ドアが開かれた

どうやらあれはドアを開くためのスイッチだったみたいだ

 

 

 

俺は警戒しながらドアの中に入った するとドアの中には馬鹿でかい機械があり、その中に1人の人間が寝てるように見えた 顔にはまるでナーヴギアのようなものがついていた 一体これはなんだ?

 

 

哲也「・・・ここは・・・?」

 

思わず独り言を話してしまった俺 するとどこからか小さな声が聞こえた

 

 

「誰・・・?そこにいるのは・・・?」どうや声の主は寝ている人らしい 女の子っぽい声質だった

 

哲也「いっ!?す、すいません!!!!!ちょっと手違いでこんな所に来てしまいました!!!!!」

 

「手違い?なぁんだ 病院の人じゃないんだね ・・・・・・ねぇ!ちょっと話し相手になってよ!!」

 

哲也「へ?」

 

「私こんな状態だから暇でね~ 嫌じゃなければ付き合って欲しいな~なんて・・・駄目かな?」

 

 

話し相手か・・・・・・俺も丁度毒を吐ける人が欲しかったとこだ この人には悪いけど俺の話にも付き合ってもらおうかな

 

 

 

 

哲也「まぁいいですよ 俺の名前は哲也って言います よろしくお願いします」

 

「哲也君だね!私の名前は藍子!!!!少しの間よろしくね!!!」

 

藍子さんか 声質的に元気そうな人だな

 

哲也「はい こちらこそお願いします ところでここってどこなんですか?何か病院の壁の変なスイッチみたいなやつを押しちゃってここに来たんですけど・・・それに今あなたが横たわってる機械は何なんですか・・・?」

 

藍子「んー・・・ここは簡単に言うと私を隔離してる場所なの 私ちょっと厄介な病気にかかってて」

 

哲也「隔離って・・・じゃあその機械は一体?」

 

藍子「これは゛メディキュボイド゛って言うの あなたはSAO事件の事知ってる?」

 

哲也「え、えぇ まぁ」

 

藍子「それなら話は早いわ その時発売されたナーヴギアって機械を改良して 目や耳 そして歩けない人達の為に作られた医療用のVR機器なの それに加えナーヴギアより数倍出力がいいからVR世界では他の人の倍思うように動けるのよ」

 

哲也「そんなものができてたのか・・・じゃああなたも歩けないだとかそう言った病気をお持ちなんですか?」

 

藍子「ううん 私の場合はちょっと特殊なの ・・・・・・゛HIV゛って病気 知ってるかな?」

 

哲也「はい 学校の保険でやった程度の知識のみですけど・・・」

 

藍子「それなら話は早いわ ならHIVが身体に侵食していくと何の病気になるかも分かる?」

 

哲也「・・・・・・゛AIDS゛・・・ですよね・・・それって確か酷い感染病で1度感染したら最後・・・・・・」

 

藍子「そう・・・2度と治せない重い病気よ それに実質死も宣告されるね」

 

哲也「そんな・・・」

 

藍子「その病気は私達家族のただ1人を除いて感染しちゃってね 数年前に私のお母さんとお父さんもそれで死んじゃってね 私と妹だけが無事だったんだけど2年前くらいに私の感染も発覚しちゃってね 他の人に感染させるわけにもいかないから私はメディキュボイドと共にここに隔離されたのよ 人が来るのも3日に1度くらい」

 

哲也「じゃあ俺って実はちょっとやばいんじゃ・・・」

 

藍子「心配は御無用!実は最近の医療にちょっと進歩があってね なんと!HIVウイルスの蔓延を防ぐ特効薬が作られたのよ!今私はそれを飲んでるから感染する必要は無いの!凄いでしょ!」

 

哲也「でもそれなら他の人が来てもおかしくないんじゃ・・・」

 

藍子「んーまぁまだこの特効薬自体信じてない人が多いからね 私はが薬を飲んでから来た人はあなたが初めてなのよ でも薬くれた人も大丈夫だって言ってくれたのにな~・・・なんだか悲しいかな」

 

哲也「・・・妹さん・・・いるって言ってませんでしたか?妹さんは来ないんですか?」

 

藍子「妹?あの娘は実はSAO事件の被害者になっちゃってね 私達姉妹は丸2年も会えてないのよ きちんとしてるようでどこか抜けてるからなぁ・・・無事に生還できたのかな・・・」

 

 

SAO事件の被害者か・・・どこか出会ってたかもしれないな その妹さんには

 

 

 

 

・・・・・・・・・待てよ・・・・・・・・・?確かあいつ・・・・・・・・・

 

 

『両親も死んで・・・!!お姉ちゃんもこの先長くない・・・!!!』

って言ってたな・・・

 

 

藍子さんはAIDSに感染し この先は長くない事を2年前に通告されている そしてご両親も同じくAIDSで他界・・・・・・

 

そして藍子さんの妹はSAOプレイヤー・・・・・・SAOは2年に始まったゲーム・・・・・・

 

哲也「・・・・・・あの・・・・・・すみません・・・・・・」

 

藍子「ん?どうしたの?」

 

哲也「・・・・・・もしかして・・・・・・あなたの妹さんって・・・・・・甘えん坊だったりします・・・・・・か・・・・・・?」

 

木綿季は重度の甘えん坊だった・・・そして両親を亡くしていて お姉さんの先は長くないと言っていた

 

しかし、その先は長くないと言うのは2年前までの知識の筈だ・・・もし俺の感が当たってたら・・・・・・

 

藍子「へ?んー・・・まぁ中学生になっても私に引っ付いてきたりしてたからね~・・・甘えん坊なの・・・かな?」

 

哲也「・・・・・・その娘の名前って・・・・・・・・・・・・木綿季って・・・・・・・・・言いますか・・・・・・・・・・・・?」

 

藍子「へ!?なんで哲也君が知ってるの!?まさか木綿季の知り合いなの!?」

 

この反応・・・!!!!!やっぱりだ!!!!!

 

この人は木綿季の実の姉だ!!!!!

 

哲也「・・・木綿季・・・お前の姉さんまだ生きてたぞ・・・?良かったな・・・木綿季・・・!!」

 

何故だろうか 目から涙がボロボロとこぼれ落ちてくる

 

奇跡か何かなのだろうか・・・死んだと思った木綿季は生きていて 木綿季の姉さんも未だ生きていて・・・

 

藍子「どうしたの!?いきなり泣き初めて!!」

 

哲也「・・・へへへ・・・・・・わかんなっいす・・・・・・何故だか泣けてきましてね・・・・・・」

 

 

木綿季の姉さんが生きている・・・木綿季もまだ生きてる・・・

 

不幸に見舞われた姉妹が今 もう1度再開できるチャンスだ

 

なら第三者の俺には何が出来るんだ?・・・そんなの決まってるよな・・・

 

俺が・・・木綿季を助け出す!!!!!!!

 

 

藍子「?変な哲也君・・・・・・それより何で木綿季のことを?」

 

哲也「・・・・・・改めて自己紹介します 俺の名前は荒波哲也 あなたの妹 紺野木綿季さんとSAOでの世界の恋人として共に過ごしてきました」

 

藍子「っ・・・!!!!あなた・・・・・・SAOの!?それに恋人って!?」

 

哲也「俺はあの世界にログインした日に 木綿季に会いました 木綿季はいつも元気で 笑顔でいて 時には怒ったり泣いたりして とても可愛いやつでしたよ」

 

藍子「あなた・・・まさか本当に!?」

 

哲也「あなたが木綿季に引っ付かれてたのと同じで 俺もいつもあいつに甘えられてましたよ あいつの甘えん坊加減には困ったもんですよね へへへ」

 

藍子「そこまで木綿季の事を・・・・・・本当に木綿季があなたを選んだのね・・・全く・・・お姉ちゃんに内緒で・・・」

 

哲也「・・・木綿季は今 とある男の手の平で踊らされてる状況にあります」

 

藍子「へ・・・?」

 

哲也「木綿季は生きています 生きてはいますが木綿季は未だ昏睡状態からは回復せずに なおかつ実権を握られてしまってる状況です」

 

藍子「っ!?木綿季は生きてるの!?」

 

哲也「はい この目で見ました あいつがきちんと呼吸をしているのを」

 

藍子「・・・そっか・・・木綿季は生きてるんだね・・・!!」

 

哲也「・・・俺は絶対に木綿季を救い出してみせます そしてあなた達姉妹を必ずもう1度合わせてみせます!!!!」

 

藍子「・・・・・・あなたのそれは嘘じゃないのね?」

 

哲也「はい 俺は守れない約束はしません」

 

藍子「・・・ふふふ・・・いい人を選んだわね・・・木綿季・・・!!嬉しいわ・・・!!!!あなたがこんないい人と出会ってるなんて・・・!!!」

 

哲也「藍子さん・・・」

 

藍子「哲也君 あなたは木綿季のこと 本当に好き?」

 

哲也「はい!!!!大好きです!!!!!!!」

 

藍子「ふふふ それなら良かったわ 哲也君 私はこんな状態だから木綿季を助け出す事は出来ないわ でも、木綿季を心の底から愛したあなたなら きっと木綿季を助け出す事ができるはずよ いい?木綿季を助けられずにノコノコと私の所に来たら私の病気 あなたに移しちゃうからね

?」

 

哲也「任せてください!!絶対に助け出してみせます!!!!!!!」

 

藍子「うん!頼んだよ!!!!頑張って!!!!」

 

哲也「はい!!!!!!!」

 

待ってろよ木綿季・・・!!!!ぜってぇに助け出す!!!! そしてもう1度お前をこの腕で抱きしめてみせる!!!!

 

 

お前は俺のもんだ・・・誰にも渡さない!!!!!!!お前が嫌と言おうとずっと一緒だ!!!!!!!

 

哲也「って・・・こっからどうやって戻るんですか?」

 

藍子「あ、それはね ここをこうして~」

 

 

 

 

 

 

哲也「すいません お世話になっちゃって」

 

藍子「いいのよいいのよ!!!!木綿季を助けてくれるんなら何でもしちゃうわよ!!!!」

 

哲也「・・・少し時間はかかると思いますが待っててください あなたにご報告する時は俺が木綿季を助け出せた時だけです」

 

藍子「あなたが来ればいいだけの話ね わかったわ あ、それと哲也君 ちょっとこっちまで来てもらえるかな」

 

哲也「はい?なんですか?」

 

藍子「これは私からおまじない ファイト!!!!」そう言って藍子さんは俺の頬にキスをした

 

哲也「っ!?」

 

藍子「私が異性にする初めてのキスよ?それ程あなたには期待してるんだから助け出せないなんてこと 無いようにね?」

 

哲也「藍子さん・・・・・・はい!!!!」

 

藍子「よし!!それじゃあ行ってこい!!!!木綿季が愛した男の子!!!!」

 

哲也「はい!!!!行ってきます!!!!!!!」

 

俺は病室から駆け出して出た 早いとこ木綿季を助けだして 藍子さんを安心させてやらなきゃ・・・!!!!

 

 

須郷・・・お前だけは絶対に許さねぇ!!!!!!!!!!

 

~~~~~~~~~~~~~

 

俺は藍子さんの病室から出た後 ある問題に直面していた

 

哲也「って・・・張り切って助け出すって言ったはいいがどうやって助け出すんだ・・・?」

 

そう、問題はどうやって木綿季を助け出すかだ

 

現状あの野郎はボディーガードとしてゴツい奴を2人連れ歩いてるから強引には行けなさそうだし・・・

 

どうすりゃいいんだ・・・・・・

 

「おや?はっはっはっ!!!!!!!君はさっきの糞餓鬼じゃないか!!!!」

 

哲也「っ!!!!」

 

声のした方へ向くと そこにはあの野郎が立っていた

 

須郷裕「どうしたのかね?そんな途方に暮れたような顔をして えぇ?ま、馬鹿は馬鹿らしく悩んでな 負け犬君」

 

哲也「けっ 抜かしてろカス」

 

須郷裕「・・・・・・おい お前少し調子に乗ってんじゃねぇか?」

 

哲也「あ?てめぇには関係ねぇ話だ 引っ込んでろ その汚ぇツラ見てるとゲロ吐きそうになってくるぜ」

 

須郷裕「ふっ・・・どうやらまた痛みを味わいたい見たいだなお前は・・・」

 

哲也「ならどうするんだ?」

 

須郷裕「こうするんだよ!!!!!」

 

須郷は俺に向け殴りかかってきた 恐らく先程までの俺ならば殴られていたであろう

 

でも今の俺は何故か驚くほど冷静だ まるであの世界にいた時のようにだ あいつの拳がかなり俺には遅く見えた

 

俺は冷静に拳を除けて そのまま近くに来ていた顔面を膝で思い切り蹴った

 

須郷裕「っ!?」

 

哲也「そう簡単に殴られるか バーカ」

 

「須郷様!? 貴様ぁ!!!!!!!」

 

1人の黒服が俺に向かってきた さっき俺の腹に何発かくれたあいつだ

 

哲也「お前にはさっきやられたからな!!!!倍に返してやる!!!!」

 

俺に向かってきた男は驚くほど腹ががら空きだった だからまず腹にストレートを決めた

 

その後 顔を蹴り 男が倒れ込んだ所で 最後にかかと落としを頭に入れた

 

黒服は数秒で気絶をした

 

哲也「ま、こんなもんか でも体が思うように動かねぇな・・・まぁしばらく寝込んでたししゃあないか・・・」

 

俺は顔を抑えてる須郷の元へ足を向けた

 

須郷裕「ぐっ・・・」

 

哲也「なぁ どうだ?お前が糞餓鬼だと思ってる奴に舐められてる気分ってのはよお それに加え俺は左手が使えないハンデ付きだぜ? それでやられちまうなんて雑魚同然だな」

 

須郷裕「こんなことして・・・タダで済むと思ってんじゃねぇだろうなぁ!?あぁ!?」

 

哲也「さぁ知らねぇな ま 大人しくしろって なぁ?須郷君」俺は須郷の頭を踏んずけ 須郷の頭を地面に付けさせた

 

須郷裕「っ!?」

 

哲也「いいか 俺はてめぇと比べて幾つもの修羅場乗り越えてんだよ んなのほほんと生きてたてめぇとはちげぇんだよ」

 

須郷裕「くそ・・・一体何なんだお前は!!!!!」

 

哲也「俺か?俺はその辺にいる男子高校生だよ ただ・・・」

 

哲也「SAO生還者って言う特殊な系列付きだがな!!!!!!!」

 

俺は須郷の頭を蹴り飛ばした

 

須郷は頭を抑え痛そうにしていた

 

哲也「いたそうでちゅね~ ママのおっぱいが恋しくなっちゃいまちたか~?須郷ちゃ~ん?ガラガラで遊びまちゅか~?それとも・・・」

 

 

 

 

 

哲也「俺にここで殺されるか!?」

 

須郷裕「ひっ・・・!!!!」

 

須郷は俺の怖さからか知らないが失禁し始めた 大人のくせにきたねぇやつだ

 

哲也「あらあら オムツが欲しかったんでちゅか!!!!ならお母さんに取替えて貰いなさい? 大人のくせにみっともないでちゅよ?」

 

須郷裕「貴様ぁ・・・!!!!」

 

哲也「・・・・・・あばよ 木綿季は絶対に返してもらうからな」

 

俺は須郷の頭に唾を吐き捨て その場を去った

 

~~~~~~~~~~~~

 

あの後、俺は病院の外のベンチに座っていた

 

哲也「あぁ腹立つ・・・!!!!何であんな野郎に木綿季が捕まってんだよ!!!!!!!斬月があればあんなやつ殺してるのに・・・!!!!」

 

哲也「・・・にしてもどうすっかな・・・とりあえず何か情報が欲しいな・・・」

 

何でもいいから手がかりが欲しい そう思ってた時俺の携帯がバイブした

 

哲也「ったく誰だよこんな時に・・・もしもし?」

 

『あ!!!哲也か!?』声の主は和人だった

 

哲也「んだよお前か どした?」

 

和人『申し訳ないが今から゛あいつ゛の店に来れないか!?どうやら気になる情報が入ったらしい!!』

 

哲也「気になる・・・?・・・・・・わかった 俺も向かう ちょっと遅れるかもしれないけどいいか?」

 

和人『あぁ!!俺とあいつもいくらでも待ってやる!!!!とにかくお前が来てからこの話は成立するらしい!!!!』

 

哲也「了解だ 待ってろよ!!!!」

 

俺は通話を切り、急いで駅まで向かい ある場所に向かった

 

~数時間後~

 

哲也「わりぃ!!遅れた!!!!」

 

和人「来たか!!哲也!!」

 

哲也「おうよ・・・んであの野郎はどこいんだ?」

 

「おいおい あの野郎って事は無いんじゃねぇか?」

 

哲也「まぁいいじゃねぇかよ ゛エギル゛」

 

ここは東京都大東区 御徒町にある ダイシーカフェ

 

そしてこのカフェの店長は何を隠そう 俺らの相棒のエギルだ

 

本名は アンドリュー・ギルバード・ミルズ 俺と和人、そして翔はエギルとはリハビリ期間中には出会っていた

 

エギルの店には1度だけだが行ったことがある リハビリ終了してコーヒーでもと言われここに来たことがある

 

こじんまりとしてるけど雰囲気は結構好きだ あの世界といいエギルはセンスがあるみたいだ 到底俺には出来っこないものだ

 

とにかく今日はどうしたんだ?急に呼び出したりして

 

哲也「んで? 今日はどうしたんだ? こんな3人で集まるなんて珍しい」

 

和人「て言うか勢いでお前のこと呼んじゃったけど大丈夫なのか?もう体の調子は」

 

哲也「バッチシ!!!!・・・・・・・・・とはまだ言えないかな 本調子になるまでには結構かかりそうだ 左手も折れちゃってるしな」

 

エギル「和人から聞いたが本当に大丈夫なのか?」

 

哲也「大丈夫大丈夫!!!!これでもさっきちょっと暴れてきたからよ!!!!」

 

和人「おいおい・・・あんまり無茶するなよな・・・」

 

エギル「まぁ その調子なら大丈夫そうだな ・・・・・・本題に入るぞ 2人共 和人には写真を見せたが哲也にはまだだったな 哲也 印刷した写真だ これをよく見てみろ」

 

哲也「写真?なんか写ってんのか?」

 

写真を手に取りその写真を見た すると そこには見覚えのある1人の少女が座っていた

 

哲也「これってアスナか!?何で今昏睡状態に陥ってるアスナが座っていられるんだ!?」

 

エギル「まぁ落ち着けって それとだ もう1枚写真がある これは別の角度から撮ったもんだ」

 

追加の写真も手に取り 写真を見た 写真の画質は悪いがまた1人の少女がいるのが分かる けど今回はアスナではない

 

ともかく目を凝らし少しでも画質が良くなるように見た するとほんの少しだが特徴がわかった

 

小さくて 髪が長く、そして髪の色は紫色 そう 俺はすぐさまこの少女が誰かがわかった

 

哲也「ユウキ・・・・・・だよなこれって・・・・・・一体どうなってんだよ!?2人とも今病院にいるはずだろ!?」

 

エギル「・・・・・・哲也 和人 これ受け取れ」

 

そう言ってエギルはカウンターのテーブルに何かを滑らした

 

俺と和人はそれを受け取った

 

なにやらDVDのカセットのようなものだ パッケージにはよくわからないローマ字で文字が書かれていて 何やらファンタジーな絵が書かれていた

 

哲也「んだこれ?」

 

和人「・・・・・・新作のゲームソフト・・・・・・みたいだな・・・・・・」

 

エギル「その通りだ そのゲームの名前は《アルヴヘイム・オンライン》SAOの後継ゲームだ 皆はALOと呼んでる」

 

哲也「SAOの・・・死ぬって事はねぇだろうな」

 

エギル「死ぬって事はないさ あのゲームが特殊過ぎたんだよ」

 

哲也「ならいいが・・・んでこのゲームはどんなゲームなんだ?」

 

エギル「このゲームはSAOが発売された数ヶ月後に発売されたもんだ 中身はSAOのエンジンを安全にしたようなものだ まずこのゲームの最大の特徴としては・・・飛べるって事だ」

 

和人「飛べる?」

 

エギル「あぁ このゲームは妖精の世界をイメージして作られていてな 複数の種族から選択して始められる そして種族事に翼がある 翼の形は種族事で違うみたいだ まぁ自由に飛べるようになるには時間がかかるらしいが」

 

哲也「ふーん・・・」

 

エギル「後 ALOにはSAOの様にソードスキルは無い その代わりに魔法が使えるようになっている それとだ ALOではレベルの概念が無く熟練度として扱われてる 速い話 魔法が使えるようになって レベルってもんが無くなったSAOみてぇなもんだ」

 

和人「だいたい理解はできたがこのゲームとアスナとユウキ 何の関係があるんだ?」

 

エギル「おっと、話がえらく脱線しちまったな 実はこのゲーム ステージのど真ん中にどでかい木が立ってるんだ 名前は《世界樹》ALOプレイヤーはこの世界樹の攻略を目指してるんだ」

 

哲也「んで?その木に何があったんだ?」

 

エギル「おう 世界樹はさっきいたように馬鹿でかくてな 誰もその頂上を拝んた事は無いんだ そこで、数人のプレイヤーが肩車しあい、ロケットを飛ばすような要領でプレイヤーを切り離していき、そして一番上にいたプレイヤーが数枚の写真を連写 そこで見つかったのがさっきの写真って訳だ」

 

哲也「って事はさっきの写真の2人はVR世界でのって事か!?」

 

エギル「その通り ユウキとアスナは世界樹の頂上で 今も生きてるみたいだ」

 

和人「って事はこのゲームをプレイすれば・・・」

 

哲也「ユウキとアスナが・・・」

 

エギル「助けられる可能性は充分にある」

 

やっと見つけたぞ・・・!!!!ユウキを助けられる手立てが!!!!

 

哲也「エギル!!こいつ貰ってくぞ!!!!」

 

エギル「おう 持ってけお前ら!! 絶対に2人を助けてこい!!!!」

 

和人「ありがとなエギル!!!!」

 

哲也「よし!!!!行こう和人!!!!」

 

和人「おう!!!!」

 

エギル「次に来る時は4人で来なきゃ入店拒否するからな!!!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

あの後俺と和人は別れた

 

現在時刻は午後6時 俺と和人は8時頃 あっちの世界で会うつもりだ

 

あっちの世界に行ったら 情報収集をして世界樹へ登る方法を探すつもりだ

 

とにかく俺は急いで家に帰るべく 走って家まで向かっていた

 

哲也「木綿季・・・待ってろよ・・・!!!!」

 

近くの公園を通る時 聞き覚えのある声が俺を呼び止めた

 

「ちょーとまった 哲也」

 

哲也「?誰だ?」

 

「俺だ俺 お前の父さんだよ」 そう 俺を呼び止めたのは親父だった 缶コーヒー片手にベンチに座っていた

 

哲也「んだよ親父か どうしたんだ? こんな所で」

 

一輝「まぁまぁ とにかくこっち来いよ」

 

哲也「はぁ・・・急いでるから少しだけだぞ」

 

 

 

 

 

一輝「ほら コーヒー 飲むか?」親父は自販機から買ってきたコーヒーを俺に渡してきた

 

哲也「サンキュー」

 

一輝「どうだ 久しぶりに大暴れした気分は」

 

哲也「え?」

 

一輝「聞いたぞ?お前あの野郎の兄貴をぶっ飛ばしたみたいだな ったく無茶しやがって・・・」

 

哲也「まぁちょっとイラついててさ・・・」

 

一輝「まぁ別にいいけどよ・・・」

 

そう言うと親父は懐からタバコを1本取り出し 吸い出した

 

親父がタバコを吸う事はかなり珍しい よっぽど大事な話をする時か 説教する時だ

 

俺が一人暮らしを決める時も 親父はタバコを吸っていた 恐らく今からする話もかなり大事な話だろう

 

一輝「なぁ哲也 お前 木綿季ちゃん・・・だっけ? 助けるつもりか?」

 

哲也「あん?んなの決まってんだろうが」

 

一輝「そうか・・・・・・まぁ 男が大事な女を助けるなんて当たり前の事だよな」

 

哲也「何が言いたいんだよ?」

 

一輝「・・・・・・実はさ 俺と母さんが出会ったのって 母さんが不審者に集団で詰め寄られてたとこを俺が助けたからなんだよ」

 

哲也「は、はぁ!?んなの初めて聞いたぞ!?」

 

一輝「当たり前だよ 美咲にも言ってなかったもん」

 

哲也「はぁ~・・・親父も武闘派だったんだな~・・・」

 

一輝「まぁ お前がその大切な女の子を助けようとする姿が何だか昔の俺に思えてきてさ」

 

哲也「へぇ~・・・」

 

一輝「なぁ哲也 これ受け取ってくんねぇかな?まぁお守りだと思ってくれりゃあいいさ」

 

哲也「へ?」俺は親父から首飾りのようなものを受け取った

 

一輝「それは俺が母さんを助けた時に貰って以来ずっと付けてきたものなんだ 今まで俺が使ってきたが 今度はお前が使う番だ」

 

哲也「そんな大事なもん貰っていいのかよ?」

 

一輝「たりめぇだ 親が子を大事に思うのは誰だってそうだ」

 

・・・・・・そういや・・・・・・あんときに俺もユキにお守りとして首飾り渡したっけな・・・

 

哲也「ふっ・・・・・・」

 

一輝「何がおかしいんだよ?」

 

哲也「いや・・・やっぱし子は親に似るもんだなって思ってよ ははは」

 

一輝「んだよ気持ちわりぃ・・・」

 

哲也「・・・・・・ありがたく貰ってくぜ 親父」

 

一輝「おう 持ってけ持ってけ 無事に助けてこいよ」

 

哲也「おう 任しとけ」

 

一輝「いいか 男が大事な女助けられずにノコノコと帰って来るなんて許されねぇからな!!」

 

哲也「んな事ぁわかってらぁ!!任しとけ!!!」

 

一輝「よし!!そんじゃあ行ってこい!!!!!絶対に木綿季ちゃん 助け出してこいよ!!!!!」

 

哲也「おう!!!!!!!!!」

 

ありがとな・・・親父・・・すごい勇気貰ったよ・・・俺親父の子供で良かったよ・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

哲也「どこだっけ・・・あれでもねぇこれでもねぇ・・・」

 

物置を漁りながらユウキ奪還のための大切な道具を探す

 

あれがなけりゃ話にならない 確か奥の方にしまったんだが・・・

 

哲也「お!あったあった!!」

 

俺は見つけた道具を手に取った その道具とはナーヴギアだ

 

哲也「懐かしいな・・・あんときぶち壊そうとしたんだっけか・・・」

 

そう 俺はナーヴギアを1度壊そうとした それは俺が木綿季の悪夢に悩まされた時だった

 

辛くて辛くて なんでこんな目に そう思った時ナーヴギアが真っ先に思い浮かんだ

 

こんな物あったから俺はあいつに出会ったんだ こんな物があるから俺はいつまでも悪夢を見るんだ

 

そう思い 俺は粉々になるまで壊そうとした

 

でも、いざ壊すとなると何故か怖気づいて 俺は結局破壊することは出来なく ナーヴギアは押し入れの1番奥に置いた

 

まさかこんな形でまたこいつを使うことになるとは思わなかったな・・・

 

哲也「・・・・・・っし!!行くか!!!!」

 

俺はナーヴギアの中に ALOのカセットをセットして ナーヴギアを被った

 

 

ユウキ 絶対に助けてやる

 

また 君と笑い合うために

 

また 君と愛し合うために

 

 

 

 

───そして何より 大好きな君ともう一度会うために───

 

 

 

 

 

哲也「・・・・・・・・・リンクスタート!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

ソードアートオンライン~死神と呼ばれた剣士~ アルヴヘイム・オンライン編~誓いの言葉~ 遂に始動




以上で ALO編の長い前置きは終わりです

次回からやっとALOに突入します 長らくお待たせしてしまい申し訳ありません

次回からも楽しみにお待ちください

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