ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

146 / 154
今回からいよいよALO復帰となります!

復帰第1話目はシノンの歓迎会です!

それではどうぞ!


第五章 夏休み~深まる愛情編~
Part128 新たな出会い~シノン歓迎会~


デスガン事件も無事に幕を閉じ、俺と和人もALOに復帰を遂げた。

 

そして、それを詩乃に伝えたあの日、詩乃もALOを始めるということを伝えられ 今日は詩乃にALOについてを俺が教える日となっていた。

 

日中は詩乃をみっちりトレーニング。そして夜にはいつものメンバーを交えて詩乃の歓迎会だ。

 

今現在はALOログイン前に電話をしながら俺が詩乃に種族の説明をしていたところだ。

 

哲也「とりあえず種族はこんな感じ。種族説明はこんな感じで平気かな?」

 

詩乃『えぇ。ありがとうね哲也。それじゃあもうログインしていいかしら?』

 

哲也「って種族聞かねぇとお前のこと迎えに行けねぇじゃねぇかよ。どれにするつもりなんだ?」

 

詩乃『どこか待ち合わせになる場所はないの?総督府みたいな。』

 

哲也「一応アルンって場所がGGOで言う総督府になってはいるけど・・・」

 

詩乃『じゃあそこで待ち合わせしましょう。その時に私の種族を当ててみなさい♪』

 

哲也「そういうことなら分かった。一応各領には転移できる場所があるからそこでアルンを選んでくれ 転移してすぐ側に噴水があるから俺はそこで待ってるよ。あ、俺はインプだから噴水前にいるインプに話しかけてくれ。」

 

詩乃『了解。それじゃあまたALOで。』

 

哲也「おう。またな。」

 

俺と詩乃は通話を終わらせ、俺はアミュスフィアを被りALOにログインした。

 

哲也「リンクスタート!!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

~ALO・アルン~

 

テツヤ「さてと、シノンはいつ来るのかな~」

 

俺は噴水の前でシノンが来るのを待った。やはりGGOとは違い女性プレイヤーも多いALOだとシノンを探すのはちょっと難しいかな。それにアイツは今回がALO初ログインだしな アルンにとは言ったがほんとに来れるのか心配になってきたな・・・

 

俺は準備運動をしながらシノンを待っていると、何者かに後ろから腕を掴まれ頭に何かを突きつけられた。

 

「動くな。」

 

テツヤ「っ・・・・・・って、ここはALOなんだからバレバレだっての シノン。」

 

俺はそう言って後ろを向いた そこにはお馴染みのヘアカラーをしたシノンが立っていた。

 

シノン「ふふふ♪慌てふためくと思ったけど流石にALOだとそうはいかないみたいね♪」

 

テツヤ「まぁな。改めてようこそALOに お前は種族をケットシーにしたんだな。」

 

シノンの姿を改めて見てみると、頭部には猫の耳があり、お尻の部分には猫の尻尾があった。これはケットシー特有のキャラクターデザインだ。それに、シリカやアリシャさんもこういったアバターになっていたから直ぐにケットシーだと分かった。

 

シノン「えぇ。どうかしら?似合う?」

 

テツヤ「おう。似合ってるぜシノン。」

 

シノン「そう♪ありがとね♪それじゃあテツヤ 今日は私をみっちりコーチングしてくれるんでしょ?」

 

テツヤ「任せとけ。魔法は苦手だけど教えられる分には教えられるからよ。ところでなんだがお前なんでケットシーに?」

 

シノン「さっき貴方が言ってたでしょ?ケットシーは9種族の中で視力が抜群にいいって。」

 

そう、ケットシーはマジで視力の補助補正が抜群に高い。以前シリカと狩りに出た時も俺には全く見つからなかったがシリカには数キロ先のモンスターの姿がハッキリと視認できたらしい。俺らインプとはまた違った特殊能力だな。

 

テツヤ「あぁ、それが理由に?」

 

シノン「えぇ。元スナイパーの腕を活かすなら 使う武器は弓と思ったから視力の良いケットシーを選んだの。」

 

テツヤ「なるほどな。んじゃ早速弓でも見に行くか。初期装備だと弓が無いからな。」

 

シノン「えぇ。エスコートよろしくね 死神様。」

 

テツヤ「了解 女神様。」

 

そう言ってシノンは手を出してきた。俺はその手を握りアルンの商業エリアに向かった。

 

~アルン・商業エリア~

 

テツヤ「さてと!ここは俺の奢りだ!欲しい装備があればなんでも言ってくれよな!」

 

シノン「ALOでは貴方も金持ちって訳?」

 

テツヤ「まぁね。商業エリア位の防具なら幾らでも買ってやるよ。オーダーメイドとなると俺も流石に全身揃えさせるのは厳しいかもしれないけどな。さて、まずはなんと言っても弓だな。初期アカウントだから熟練度は0だから 最初は初心者用の弓で慣れとこう。」

 

シノン「えぇ。分かったわ。防具はどうすれば?」

 

テツヤ「うーん、弓に適した防具っていうのがまだよく分からないからなぁ。とりあえず前線にいないのは確かだから防御力を少し捨てて移動速度や回避力を上げる感じの装備にしよう。」

 

シノン「さぁ 貴方のエスコート力がどれほどのものか見せてもらうわよテツヤ。」

 

テツヤ「まぁ楽しみにしとけって。」

 

こうして俺はシノンの買い物のエスコートをした。

 

まず 弓は1番安く初心者向けのファーストボウを購入。防具はとにかく軽くて動きやすいものをチョイス。へそ出しに緑基調の動きやすい防具に胸元を金属ガードで防いでいる物にした 普通にシノンに似合ってて安心だ。

 

テツヤ「さて、後は・・・」

 

シノン「ねぇテツヤ 弓なんだけど弓矢がないと駄目なんじゃない?」

 

テツヤ「そっか、それもあるな。んじゃ後は弓矢と回復アイテムやらを俺が買うからそれで買い物は終わりにしよう。」

 

シノン「もっと大雑把なエスコートだと思ってたけど、思ったよりスムーズに行けたわね。ありがとテツヤ♪」

 

テツヤ「ALOは俺の方が慣れてるしね。さぁ。行こうかシノン。」

 

シノン「うん。」

 

再度シノンの手を引いてアイテムショップに向かい、諸々のアイテムも買い終わり無事に買い物終了。

 

テツヤ「よし、買い物も完了だな。シノン ほれ。」

 

俺は買ったアイテムを全てシノンに渡した。

 

シノン「ありがとね 何から何まで。」

 

テツヤ「GGOで同じことやって貰えたんだしその礼だよ。んじゃシノン 買い物の後はこの世界特有の飛行についてのレクチャーだ。弓についても頼りないかもしれないけど俺が戦闘練習を手伝うよ。んじゃあとりあえず・・・」

 

俺はアルンの転移できる場所に向かい、雑魚の敵が出やすい場所に転移しようとしたが、俺とシノンの目の前に2人のケットシーの男プレイヤーが現れた。

 

「よぉよぉ兄ちゃん。飛行レクチャーだって?それなら俺達に任せなよ!」

 

「彼女さんもその方が喜ぶと思うぜぇ?」

 

テツヤ「はぁ・・・いるんだよなぁこういうめんどくせぇの・・・気にするな 行くぞシノン。」

 

シノン「うん。ごめんねお兄さん達 私彼の彼女だから。」

 

そう言ってシノンは俺の腕に抱きついてきた。いや、そんなことよりも今なんて言った?

 

テツヤ「誰が彼女じゃ!!!」

 

シノン「良いじゃない 今は合わせて合わせて。」

 

テツヤ「うっ・・・そ、そういうことさ。なぁシノン。」

 

シノン「うん♪」

 

「嘘つけ!!!今兄ちゃんの方明らかに嘘ついてる顔してたぞ!」

 

シノン「演技力ないのねぇ・・・」

 

テツヤ「あのなぁ・・・急に言われて出来るかよ・・・」

 

「まぁまぁ、なら俺達が彼女を引き取るからさ♪」

 

シノン「じゃあ彼より強いってところ証明して。そしたらなんでも付き合ってあげるわ。」

 

「そういうことなら!」

 

「悪く思うな兄ちゃん!」

 

そう言って2人のプレイヤーは俺に殴りかかろうとしてきた。

 

テツヤ「シノン どいてろ。」

 

俺からシノンを離し、2人の相手をした。

 

2人をまとめて蹴りで薙ぎ払い、転ばした後に蹲ってる2人を踏んづけた。

 

うん。恐ろしく弱いなこの2人。

 

「うぐっ・・・強い・・・」

 

「何もんだ兄ちゃん・・・」

 

テツヤ「そんな弱い奴らにシノンは渡せねぇな。じゃあな。」

 

俺はシノンのいる場所に戻り、改めて移動した。

 

シノン「流石は私の彼氏ね♪」

 

そう言ってシノンは腕に抱きついてきた。

 

テツヤ「その設定やめんか。俺には立派な彼女が既にいるんだから。」

 

シノン「ふふふ♪分かってるわよ♪」

 

あの事件以来 俺と2人で話してる時のシノンは何やら機嫌が良さげだ。俺を目標としてくれたシノンが元気でいてくれるのは凄く嬉しい。

 

とにかく、俺はシノンのレクチャーをする為に改めてフィールドに転移をした。

 

~~~~~~~~~~~~~

 

フィールドに出た俺とシノンはとりあえず飛ぶ練習を行った。

 

飲み込みがよく直ぐに飛べるようにはなったがやはりまだ自由に動くのは難しいようでユウキと同じく練習が必要のようだ。

 

テツヤ「よし、んじゃいよいよ弓の練習といこう。シノン 弓出して。」

 

シノン「うん。」

 

シノンはストレージから弓を取り出し、装備した。

 

シノン「まずはどうすれば・・・」

 

テツヤ「最初は当てることからだろうね。んじゃシノン まずはあの木に向かって矢を放ってくれ。」

 

俺が指さしたのはここから数メートル先の大きな大木だ。

 

シノン「了解。」

 

シノンは早速弓を引くと その矢は見事に木に命中。GGOナンバーワンスナイパーの腕はまだまだ現在のようだ。

 

テツヤ「流石だな 腕は衰えていないみたいだな。」

 

シノン「でもあれは大きいし的は動いてないでしょ これくらい当てなきゃね。」

 

テツヤ「俺は初めてコルトパイソン撃ったときおもいっきり外したけどな・・・」

 

シノン「私は射撃に慣れてたからよ 貴方はあの時が人生初射撃だったんでしょ?」

 

テツヤ「まぁ・・・」

 

シノン「なら外しても仕方ないわよ。じゃあテツヤ 次の目標指定して 今日中にコツを掴むわ。」

 

テツヤ「よっしゃ なら今度はもうちっと遠いあの木を射ってみな。」

 

シノン「えぇ。」

 

こうして 俺はシノンの特訓に付き合った。

 

初めてのログインではあるが持ち前の射撃センスは抜群で俺の示した目標を外しても直ぐに修正して5射未満で当ててみせていた。

 

テツヤ「流石だなシノン 恐れ入った。」

 

シノン「ねぇ そろそろ動く的が欲しいわ モンスターは?」

 

テツヤ「歩いてすぐ側に猪型の雑魚モンスターがいるよ そいつを標的にしてみて。」

 

シノン「分かった 行きましょうテツヤ。」

 

俺とシノンは5分くらい歩いて そのモンスターが出現する場所に。そこには多くのモンスターがいた。

 

テツヤ「よーし シノンの的になるのが楽しみなやつがうじゃうじゃいるぞ。」

 

シノン「じゃあ試しに適当に撃ってみるわね。」

 

テツヤ「うん。やってごらん。」

 

シノンは頷くと、落ち着いて弓矢を放ってみせた。その矢は見事モンスターの眉間部分にヒット、一撃でモンスターを倒した。

 

シノン「た、倒せた・・・」

 

テツヤ「あぁ。じゃあ次は俺がアイツらを挑発して動きを活発にさせるから その状態の敵を狙ってみてくれ。」

 

シノン「じゃあお願い テツヤ。」

 

テツヤ「任せとけって♪」

 

俺はシノンから離れて猪の群れに向かい石ころを投げつけた 猪達は一斉に俺の方に振り向くと突撃してきた。

 

テツヤ「よし!やってみなシノン!」

 

シノン「雑魚敵で死なないでよね!」

 

テツヤ「死んだら引退するさ!ほーらおいでおいで!」

 

俺は手を叩き猪を挑発しながら右に左に動いた。猪は俺に向け突撃してくるがシノンの放つ矢が直撃したりして徐々にその数は減っていた。

 

そして最後の1匹も見事にシノンが仕留め俺の役目も終了。

 

テツヤ「こんだけやれれば充分だろ!よくやったシノン!」

 

シノン「貴方が誘導を引き受けてくれたおかげよ こちらこそありがとう。」

 

テツヤ「まぁ、ここまではシノンなら余裕だと思ってたけどな。さぁこっからは難しくなるぞ?」

 

シノン「一体何をやらせる気?」

 

テツヤ「至ってシンプル 俺を弓矢で当ててみな。」

 

シノン「はぁ!?テツヤを!?そんなの慣れ親しんだへカートでだって苦戦したのに初めての弓で当たる訳・・・!」

 

テツヤ「まぁまぁ、そのくらいやれなきゃALOじゃ通用しないってことさ むしろ俺を当てられたらお前がALOで挫折することは早々無いさ。今度は俺に敗北を告げる弓矢の味を味あわせてくれ シノン。」

 

シノン「それもそうね・・・・・・良いわ やってやろうじゃない!但し後で文句言われても聞かないからね!」

 

テツヤ「おう!俺も本気で避けるからな!当ててみろシノン!卍解!!!」

 

俺は背負ってた斬月に手を当て、卍解をした。本気で行くならばやはり卍解をしないとな。

 

テツヤ「天鎖斬月。」

 

シノン「・・・・・・」

 

テツヤ「ん?シノン?どうした?」

 

シノン「あっ・・・い、いや・・・なんでもないわよ・・・/////」

 

シノンはそう言うとGGOのアバターで付けていたマフラーで口元を隠す動作をした ちなみにALOでは当然マフラーなぞしてはいない 恐らくよくやってた一種の癖だな。

 

テツヤ「はぁ なんでもないやつが癖でマフラーで口元隠す行動をするか?」

 

シノン「はっ!?/////」

 

テツヤ「まぁGGOの癖は抜いとけ「死ね!!!」よ!?」

 

俺は言葉を言い終わる前にシノンに矢を放たれた。急だったけどなんとか矢を避けることに成功した。

 

テツヤ「不意打ちとは卑怯な!?」

 

シノン「うるさい!!!!私に撃ち抜かれなさい!!!」

 

そう言ってシノンは何発も弓矢を連射してくる 俺はその矢をひょいひょいっと避けてみせた。

 

テツヤ「ほーら!俺は早く動けるんだ!先読みしなきゃ当てられねぇぞ!!!」

 

シノン「ムカつく・・・!!!良いわ!!!アンタのその余裕へし折ってあげる!!!」

 

シノン(卑怯なのよ・・・貴方の卍解のカッコ良さ・・・/////)

 

こうして、俺とシノンの追いかけっこがはじまった。

 

始まって1時間程度立つがシノンの弓矢が俺を捉えることは一向になかった。

 

シノン「このっ!いい加減!」

 

テツヤ「あらよっと!」

 

シノン「まだまだ!」

 

テツヤ「力むなよシノン!冷静でないとスナイパーは務まらないぜ!」

 

シノン「うっ・・・・・・それもそうね・・・・・・」

 

テツヤ「そうそう!冷静に冷静に!」

 

シノン「やっぱり戦闘経験じゃテツヤの方が一枚上手か・・・・・・どうすれば・・・・・・・・・」

 

テツヤ「って、もうそろそろ昼時だな。ローテアウトでもするか シノン!そろそろ時間だ!ローテアウトしよう!」

 

俺はシノンに言葉を投げかけるがシノンは考え事をしていたのか反応してくれなかった。

 

俺は考え事をしていたシノンの目の前に立ち、肩に手を置いた。シノンの防具は肩が丸出しだった為直接肌に触れた。

 

テツヤ「シーノーン?」

 

シノン「ひゃぁ!?何すんのよこの変態!!!」

 

シノンは俺に痛烈なビンタをかましてきた。至近距離での一撃だった為流石にそのビンタは避けられなかった。

 

テツヤ「何べっ!?」

 

シノン「あ、あれ?テツヤ?」

 

テツヤ「うぅ・・・女の子のビンタだけは避けれん・・・」

 

シノン「ご、ごめんなさい・・・私作戦考えてて・・・」

 

テツヤ「だろうと思ったよ にしてもいきなりビンタは酷いよ・・・」

 

シノン「だ、だって・・・いきなり肩触られたと思ったから・・・良く見たら貴方で・・・・・・」

 

テツヤ「ま、まぁ不用意に女の子にボディータッチした俺が悪いんだ 気にすんな んでだ もう時間もお昼時だしローテアウトしようぜ。」

 

シノン「ローテアウト?」

 

テツヤ「なんだ、GGOでやったことは無いのか。ローテアウトっつうのは数人のプレイヤーでログインしてる時に例えば今みたいに昼時だから数人はログインしたまま、数人は昼飯を食うためにログアウトをする ログアウトしてたプレイヤーが戻ってきたら今度は逆のことをやる。簡単だろ?」

 

シノン「なるほどね 理解出来たわ。」

 

テツヤ「ログアウト方法はGGOと一緒 先にログアウトしていいよ 俺がお前を見とくから。」

 

シノン「分かった ありがとねテツヤ。」

 

そう言ってシノンはログアウトして行った。

 

テツヤ「さてと、女神様の身体を守りきらなきゃな。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~詩乃 side~

 

詩乃「はぁ・・・何してんのよ私は・・・せっかくレクチャーしてくれてるのに見とれてたなんて・・・馬鹿みたい・・・」

 

私はアミュスフィアを外し、予め用意してあったそうめんを食べ始めた。

 

うーん・・・卍解の時の哲也の素早さは目の前で良く見たから分かるけど・・・あんなの捉えられるのかしら・・・

 

・・・・・・でも・・・・・・哲也ならきっと・・・・・・あの時みたいに『諦めんな!』って言ってくる・・・・・・だから絶対諦めはしない・・・・・・

 

でも実際にどうテツヤを捉えたら良いのか・・・・・・

 

詩乃「・・・・・・哲也のログアウト時間が鍵ね・・・・・・」

 

八分目程度のそうめんを食べ終えた私は その後諸々のことを済ませて改めてログイン。

 

シノン「テツヤ 戻ったわよ。」

 

テツヤ「おかえりシノン んじゃ今度は俺の番だな。」

 

シノン「えぇ。ちゃんと守ったげるからログアウトしてきなさい。」

 

テツヤ「んじゃよろしく♪」

 

テツヤはそう言ってログアウトした。テツヤがいない今が地形を把握するチャンス。

 

私はテツヤを視認できる距離を保ちながら空を飛び、辺りを見渡した。この辺りは木々が生い茂ってるフィールド。荒れた荒野ばかりだったGGOとは比べたら凄く穏やかな雰囲気だ。

 

フィールドの中でも木があまりない場所とありすぎて移動に困りそうな場所があった。ここは比較的に木が小さく少ないので移動しやすい場所だ。移動しにくい場所ならテツヤも・・・・・・

 

シノン「木が沢山ある・・・・・・視力補正・・・・・・よし・・・・・・これにかけよう!後はどうテツヤを誘導できるかが勝負ね・・・・・・」

 

作戦を練り終えた私は改めてテツヤのすぐ側に戻る。

 

あれだけ強く、勇敢な彼も 眠ってるというかログアウトをしている時は可愛らしい寝顔をしているのはどこか卑怯だ。

 

シノン「・・・・・・なんかムカつく・・・・・・」

 

私はログアウトしてるテツヤの顔を引っ張ってみた するとテツヤの顔は変な顔となった。

 

シノン「ふふふ♪楽しいわね♪」

 

私はそのまま頬を持ちながら上にしたり下にしたりもっと引っ張ってみたりと色々と弄った 無抵抗なテツヤをこうして触ってられるのも面白いわね♪

 

10分か20分か、その位ずっとテツヤの頬をいじくっていた。

 

「あ、あにょーしにょんしゃん・・・?」

 

どこからか声がした。私は頬を引っ張ってるテツヤを見るとぱっちりと目を開けていた。

 

シノン「ひゃぁ!?」

 

私は慌ててテツヤの頬を離した するとテツヤは頬を抑えながら起き上がった。

 

テツヤ「な、何してたんだ?やけに頬に違和感が・・・」

 

シノン「い、いやその・・・そう!テツヤの頬に虫が止まってたからつい・・・」

 

テツヤ「そ、そうか?サンキューな。」

 

あ、危ない・・・テツヤの頬で遊んでたなんてバレたら幻滅される・・・・・・

 

テツヤ「よし!んじゃ互いに軽く準備運動したら再戦と行こう!」

 

シノン「えぇ!今度こそ射抜いてみせるわ!」

 

私とテツヤはログアウトした身体を起こすために準備運動をした後に 再び勝負を開始した。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~テツヤ side~

 

何故かシノンに頬を弄られていて困惑しながらローテアウトから開け、準備運動をこなして再戦。

 

まだまだシノンの弓が俺を捉えるのは難しいようで放ってくる矢を俺は簡単に避け続けていた。

 

テツヤ「ほらほら!どうしたシノン!俺はここだぞ!」

 

シノン「分かってるわよ!見てなさい!」

 

そう言ってシノンは再度攻撃してくるがそれも避けた。それにしてもシノンにしては無闇に攻撃を続けてくるな・・・・・・一体何か企んでるのか・・・・・・?

 

俺は一旦シノンから目を離し目の前を向くと数メートル先には大木が大量にあるエリアが。

 

テツヤ「いっ!?ヤバい!」

 

あのエリアじゃ流石に今みたいに自由には動けない。そう思い俺は横に移動しようとしたがそれをシノンの弓矢が許さなかった。

 

テツヤ「ちっ!」

 

シノン「やっぱり貴方もあのエリアに追い込まれたんじゃ厳しいみたいね!でも気づくのが遅かったわね!」

 

左右に避ければ流石にシノンの弓矢が飛んでくるだろうし・・・・・・ここはシノンの罠に乗っかるしかねぇみたいだ・・・!!!

 

俺はそのまま直線し、大木のエリアに入った。

 

テツヤ「くそ・・・やっぱり木が邪魔で思うように・・・って待てよ・・・?俺だって動けないんだしそれはシノンも同じ・・・・・・じゃあなんでシノンはわざわざこんな所に・・・?」

 

そう、条件が同じならばシノンだってこんな所じゃ思うように動けないはず。なら何故シノンは俺をここに・・・・・・

 

そう考えていると俺の脇腹を1本の弓矢が通過した。弓矢は俺のすぐ後ろにある木に直撃した。

 

テツヤ「なっ!?てことはシノンか!!でもどこに!?」

 

目を凝らしてみるがシノンは見つからない でもなら何でシノンは俺を・・・

 

っ!そうか!アイツはケットシーなんだ!だから俺が見えなくともアイツは・・・・・・!

 

テツヤ「えぇい!ならこれだ!」

 

俺はシノンの弓矢を警戒し目の前に風魔法を唱えた 風の魔法ならば撃たれた弓矢を撃ち落としてくれるから俺に当たることは無いはず。

 

「甘いわねテツヤ!!!」

 

テツヤ「っ!?上か!?」

 

俺は声の聞こえた真上を見た するとそこには弓矢を構えながら俺に突撃してくるシノンの姿があった。

 

シノン「貰った!!!」

 

テツヤ「ぐっ!?」

 

流石にこんだけ自由度が低い場所じゃ俺も放つ弓矢全部を避けるのは無理だった。

 

ついに俺の右肩にシノンの放った弓矢が当たってしまった。

 

シノン「やった!当たった!」

 

テツヤ「あーあ。当たったか。お前の作戦勝ち・・・ってお前なんで減速しないんだよ!?」

 

肩に当たった弓矢を見たその直後に真上を見るとシノンは何故か停止せずにそのまま俺に向かってきていた、

 

シノン「止まり方が分からなーい!!!!!!」

 

テツヤ「うそぉん!?」

 

結局、シノンは結構なスピードのまま俺に激突してきた。うーん・・・なんか嫌な予感・・・前にもこんなことがあってその時にはシノンの胸が・・・

 

いやーな予感しかしない状況で俺は慎重に慎重に両手を動かした、すると俺が触れたのは地面に生えてた草。よかった 胸じゃない。

 

そう思って顔をあげた瞬間 なんとも柔らかい感覚が俺の顔を包んだ。

 

シノン「ひゃん!?」

 

さて、この感覚 正直胸では無いと思う でも何か包まれてる感じがある・・・・・・

 

それに何かが顔をくすぐる感覚がある さぁこの柔らかい感覚の正解は・・・

 

シノン「アンタねぇ・・・!!!何どさくさに紛れて私のお、お尻に顔突っ込んでんのよ!!!」

 

そう、俺の顔に当たったのはシノンのお尻だった 俺の顔をくすぐっていたのはシノンの尻尾だった。

 

テツヤ「待て待て待て!!!不可抗力だ!!!」

 

シノン「問答無用!!!」

 

そう言ってシノンは弓矢を構え 俺の眉間に押し付けた。

 

テツヤ「いやぁぁぁぁぁぁ!?」

 

結局 俺はシノンから弓矢の雨を貰い 身体中に弓矢が突き刺さった。

 

テツヤ「うぅ・・・不可抗力だって・・・」

 

シノン「前に胸揉んだ時は私を助けたから不問にしたのであって今回のは完全にアンタが100%悪いわよ!!!バカ!!!」

 

テツヤ「お前が止まってればこんなことには・・・」

 

シノン「・・・・・・それはそうだけども・・・・・・結局!!!彼女でもない女の子の胸触ったりお尻に顔突っ込んだりをタダで許されようなんて甘いのよ!!!」

 

テツヤ「はい・・・・・・私が悪かったです・・・・・・」

 

俺とシノンは一旦その場から抜け出し、俺の転移道具でスプリガン領の自宅に向かった。

 

~スプリガン領内 テツヤ・ユウキ家~

 

テツヤ「しんどかった・・・身体中の弓矢が消え去るまで冷たい目線までもが俺に突き刺さってきた・・・」

 

シノン「そ、その・・・それは悪かったわね・・・で、でもここスプリガンの領地なんでしょ?ケットシーの私が入っていいの?」

 

テツヤ「ここは一応俺の家だ。気にすんな。」

 

シノン「い、家!?家なんて持てるの!?」

 

テツヤ「あぁ。GGOだと家購入システムとかはなかったのか?」

 

シノン「GGOなんて街以外全て戦場と化すゲームよ?そんなゲームで家なんてあっても数時間後には爆発四散よ。」

 

テツヤ「そ、そりゃ末恐ろしいゲームだな・・・」

 

シノン「えぇ。だから家なんて持ってるってことに驚いたのよ。」

 

テツヤ「んじゃこいつなんて見たらド肝抜かすかもな。ユキ。」

 

ユキ「はーい!」

 

シノン「うわっ!?」

 

ユキは俺の装備の襟元から姿を表した ユキが現れる場所は毎度毎度神出鬼没だから俺もたまに驚く。

 

テツヤ「んじゃまずはユキの紹介から。ユキは俺の彼女との娘なんだ。」

 

シノン「む、娘!?ってゲーム内でそういうことが出来るのは聞いた覚えがあるにはあるけどまさか子供まで・・・」

 

テツヤ「コイツはそういう理由で出来たんじゃないんだ。SAOの頃にカウンセリングプログラムとして出会って 1度は消滅しかけたんだが無理やりユキのデータを引っ張り出してね んでALOに来た時にそいつを取り出してみたらあーら不思議 こんな可愛い妖精姿になったって訳。」

 

そう言ってフェアリー姿だったユキのことを指でつんつんとつついた。

 

ユキ「ふふーん♪ユキは凄いんだ♪」

 

シノン「す、凄い子なのね・・・」

 

ユキ「ていうかさ!この人誰さ!また浮気!?」

 

シノン「う、浮気!?わ、私は別にそんな・・・」

 

シノン(・・・・・・よくよく考えてみたら・・・・・・今テツヤと2人きり・・・・・・なのよね・・・・・・あんなことしてくるテツヤなんだし・・・・・・間違いが起こることも・・・・・・/////)

 

シノン「って何考えさせてんのよこのスケベテツヤ!!!!!/////」

 

テツヤ「なして!?」

 

ユキ「ほらやっぱり!フィリアさんの時と反応が似てる!!!」

 

テツヤ「だからフィリアも浮気じゃねぇって!」

 

ユキ「お母さんは知ってるの!?」

 

テツヤ「お、お母さんも知ってはいるが詳しくはまだ知らないんだ これから紹介するんだよ。」

 

ユキ「全く浮気症のお父さんには困っちゃうよ!!!」

 

シノン「・・・・・・浮気症なの・・・・・・?」

 

テツヤ「断じて違う!!!勘違いされてるだけだ!!!」

 

シノン「・・・・・・そう・・・・・・」

 

何故かシノンは俯いてそう言った。

 

テツヤ「と、とにかくねユキ このお姉さんはシノンさん。ユキも見てたと思うけどBOB本戦の時に共闘した俺の仲間なんだよ。仲良くしてあげてね。」

 

ユキ「お母さん次第だね!浮気相手だったらユキの敵だし!」

 

テツヤ「はぁ・・・悪いなシノン・・・」

 

俺はユキを無理やり装備の胸ポケットに押し込んだ。

 

ユキ「こ、こらぁ!ユキは・・・」

 

シノン「さ、最初から警戒されちゃったわね・・・」

 

テツヤ「はぁ・・・母娘揃って浮気に厳しい家族でお父さん下手に女の人と話せませんのよ・・・」

 

シノン「そ、それは大変ね・・・」

 

ユキを紹介したことで一波乱あったが、とりあえず俺はシノンに紅茶を出し、先程のことの振り返りに入った。

 

テツヤ「さてと、シノンは見事俺の肩に弓矢を命中させた訳で 所謂お前に教えることはって状態なんだけど あの時前から弓矢来たのに なんでお前は空から攻めて来ることが出来たんだ?」

 

シノン「まず 貴方をあそこにおびき寄せることから始めたの 何発も何発も粘り強く弓矢を放って やっとの事で貴方をあそこまで追い詰めたのよ。そして、その次は木を上手く利用して貴方よりもっと奥に行ったの それで 貴方が私を見失ってる隙にわざと外すように矢を放った。あの時脇腹辺りを矢が通り過ぎたでしょ?」

 

テツヤ「あぁ。やっぱあの時お前は俺の視認距離にはいなかったんだな。」

 

シノン「それで 今度は飛んで 貴方を見失わないように移動して 最後は突っ込んで貴方に弓矢を当てたって訳。作戦勝ちね♪」

 

テツヤ「にしても割とお前大胆な作戦立てるな。俺が反撃していいルールだったら月牙天衝で対処出来てたぞ?」

 

シノン「それは貴方がそういうルールにしなかったんでしょ。そこを突いただけよ。」

 

テツヤ「まぁそれもそうだな。さてと、あれだけ上手く作戦立てられればお前も充分に戦えるだろう。これからシノンに会わせたい皆も弓を使える奴を欲しがってたんだ。大戦力になるぜ シノンは」

 

シノン「貴方にそう言って貰えると自信も出てくるわね。ねぇテツヤ その会わせたい皆と会う場所と時間は?」

 

テツヤ「場所はアルンの宿屋を貸し切ってる 時間は6時から 美味い料理が・・・・・・ってしまったぁ!?」

 

シノン「ど、どうしたの!?」

 

テツヤ「お前の為に美味い料理を用意しようとしたんだがその予約忘れちまった・・・申し訳ない・・・」

 

シノン「えぇ!?そんなの用意するつもりだったの!?」

 

テツヤ「せっかく新しく仲間が増えるのに何もなしってのも味気ないと思ったんだが・・・・・・しゃあねぇ。今日はお前の為に一肌脱ぐか」

 

シノン「な、何をするつもり?」

 

テツヤ「それはお楽しみに♪さぁてと シノン 1時間ちょっとまだあるから30分だけ家を出るな シノンは家で待っててもらえるか?後で多分色々なやつに話を聞かれると思うからそれまで休憩しとけ♪」

 

シノン「え、えぇ。分かったわ。どこに行くの?」

 

テツヤ「ちょっくら買い物にね♪んじゃ行ってきます!」

 

シノン「行ってらっしゃい・・・」

 

俺はシノンを置いて家を出た。何の買い物に行くかはまだ内緒だ。

 

シノン「・・・・・・そうそう上手くテツヤとゆっくり2人きりだなんて無理か・・・・・・」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

数十分をかけ多くの街で買い物を終えた俺は シノンと合流しに家に向かった。

 

テツヤ「はぁ~思ったより高かったな~まぁ今回は俺のミスだし仕方ねぇか・・・・・・シノン。ただいま」

 

俺はそう言いながら自宅のドアを開いた。しかし、シノンからの返答は無い。

 

テツヤ「あれ?おーい?シノン?いないのか?」

 

俺は家に上がりリビングに向かった。するとシノンはソファーに座りうたた寝をしていた。

 

シノン「すぅ・・・すぅ・・・」

 

テツヤ「寝てたのか。そりゃ悪いことしたな。」

 

俺はゆっくりと歩き、 ソファーの端に座った。

 

テツヤ「まぁ、初めてのゲームで疲れたのかな 流石のシノンも。」

 

シノン「うぅん・・・・・・」

 

シノンは俺のいる方に倒れ、シノンは俺の膝の上に頭を乗せてきた。

 

テツヤ「あ、あらら・・・」

 

シノン「Zzz・・・テツヤ・・・」

 

テツヤ「まぁ、シノンもこんな時があるよな。」

 

俺はシノンの頬にそっと手を触れた。シノンの体温はまるで動物のように温かかった。これもケットシーの持つ能力だったりして。

 

テツヤ「ゆっくりおやすみ シノン。」

 

シノン「・・・・・・♪」

 

俺はその体勢のまま過ごし、シノンが起きるのを待った。

 

シノンは10分程度で起きた。

 

シノン「うぅん・・・寝ちゃったのね・・・」

 

テツヤ「おはよ。シノン。」

 

シノン「おはよ・・・テツヤ・・・・・・ってテツヤ!?」

 

テツヤ「よっ。いや起こさないようにと思っただけど寝てたシノンが俺の方に倒れてきちゃってさ。悪かったかな?」

 

シノン「・・・・・・ううん・・・・・・むしろ起こさないでくれてありがとね・・・・・・疲れが凄く取れた気がする・・・・・・♪」

 

テツヤ「そ、そうか?それなら良かったな。」

 

シノン「ありがと♪テツヤ♪」

 

そう言ってシノンは俺に微笑んできた。この可愛らしい笑顔を守れて本当に良かった。

 

テツヤ「んじゃシノン。そろそろ時間だしアルンに行こっか。」

 

シノン「うん。じゃあ寝起きだからエスコートしてね。」

 

テツヤ「はいはい。行くよシノン。」

 

俺はシノンの手を引いてアルンに向かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

以前レイを皆に紹介した時は予めユウキ達が料理を用意していたが、今回は完全に俺主体のシノンとの交流会。上手くいくかが不安だな・・・

 

さて、今日の会場であるアルンの大きめの宿屋に着いた俺とシノン。俺は皆が来る前にシノンに予定を伝えた。

 

テツヤ「さてシノン。皆が来るまでまだ時間があるからシノンは宿屋の上でスタンバイしといて貰えるかな?」

 

シノン「う、うん。テツヤが呼んだ時に来ればいいのね?」

 

どうやらシノンも緊張してるらしい。顔が結構強ばっていた。

 

テツヤ「そゆこと。んじゃ少しだけ待っててなシノン。リラックスして待ってろよ♪」

 

シノン「そうさせてもらうわ。待ってるね テツヤ。」

 

そう言ってシノンは宿屋の上の階に上がって行った。後は皆待ちだな。

 

~数十分後~

 

1時間もしないうちにいつものメンバーがこの宿屋に集合した。

 

シノンを詳しく知ってるのは俺とキリト 何となく知っているのは事件の調査を手伝ってくれたユウキ フィリア それとダイシーカフェを貸してくれたエギルの3人だからこの中の大半はシノンを知らないことになる。

 

まぁ、以前レイを紹介した時もそんなもんだったけど やっぱりその時と同様に新しい仲間が出来ることに皆ワクワクしていた。

 

クライン「おうおうテツヤ!早いとこあのかわい子ちゃん紹介しやがれい!」

 

テツヤ「レイとタイプが似てるから絶望的にお前とは合わない気がするがな・・・」

 

レイ「僕と?」

 

リナ「という事はクールってことね?」

 

テツヤ「そゆこと。」

 

ユウキ「ねぇねぇ~!皆いるんだし早く詳しい紹介してよ~!」

 

テツヤ「はいはい分かったよ それじゃあ・・・」

 

俺はシノンにメッセージを飛ばした。すると、シノンは上の部屋から降りてきてこの場に来てくれた。

 

シノン「こ、この人数だと流石に緊張するわね・・・」

 

テツヤ「んじゃあ俺が説明を プレイヤーネームはシノン。BOBを見てくれた皆は知ってるとは思うがGGOナンバーワンスナイパーと呼ばれた凄腕のプレイヤーで俺とキリトの手助けをしてくれた恩人だ。今回ALOにログインするにあたって種族はケットシーに 武器は弓を使うことに決めたそうだ。念願の弓使いという訳だ。んじゃシノン 自己紹介よろしく♪」

 

シノン「え、えぇ・・・は、初めまして シノンです。テツヤの紹介してくれた通りで今日からALOを始めました。呼び捨てタメ語で構いませんので今日はよろしく・・・」

 

シノンがそう言い終えると、早速ユウキがシノンの目の前に立ち握手し出した。

 

ユウキ「よろしくねシノン!ボクはユウキって言うんだ♪呼び捨てでいいからね!一度会ってるから勿論知ってるとは思うけどテツヤの"彼女"だからそこの所よろしくね♪」

 

ユウキはわざとらしく彼女の部分を強調して言った。 確実にあの時俺の頬にキスしたことを根に持っているのだろう。

 

シノン「え、えぇ。よろしくね ユウキ。」

 

テツヤ「クールな奴だが可愛げもあるから皆仲良くしてやってくれよな♪さて、この後は恒例のパーティータイムと行きたいが・・・・・・」

 

ユウキ「わーい!」

 

テツヤ「俺の手違いで料理と飲み物予約するのを完全に忘れて今現在何もかもございません!」

 

ユウキ「がーん!」

 

エギル「おいおい、今日の料理は豪華だって皆に言ってたのにらしくないミスだな。」

 

テツヤ「話は最後まで聞け!料理を予約し忘れた俺のケジメとして今から俺が料理を作る!!!!!飲み物も買ってある!!!!!俺の料理が完成するまではシノンのことをもみくしゃにして構わん!!!」

 

シノン「て、テツヤが料理って作れるの?」

 

テツヤ「まぁ任せとけって♪その辺のシェフよりかはマシなものを用意するさ♪んじゃ皆!俺は料理を作るからその間にシノンと話しててくれ!んじゃシノン ちっと待っててくれよな♪」

 

俺はそう言ってシノンの頭に手を置いた後にキッチンへと向かった。

 

さぁて!こっからは腕によりをかけて作らなきゃな!!!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

テツヤがキッチンに向かい数十分。皆はシノンとの会話を楽しみながら親交を深めていた。

 

ユウキ「じゃ、じゃあテツヤとキリトがいなかったらシノンは今頃・・・」

 

シノン「間違いなく死んでいたわ。2人には感謝してもしきれないわ。」

 

アスナ「テツヤ君の無茶癖がキリト君にも移っちゃったみたいだね。」

 

キリト「偶には俺も無茶をしないとな。テツヤにずっとおんぶじゃ申し訳が無い。」

 

リナ「ほんとアイツも相当に無茶するからねぇ・・・それもアイツの良さでもあるけどさ。」

 

シノン「特に テツヤはGGOログイン前からふとしたことで知り合えて 私の悩みを聴いてくれたりしたの。テツヤの言葉のおかげで今ここにいると言っても過言ではないわね。」

 

フィリア「じゃあ私とシノンは一緒だね!」

 

シノン「フィリアと私が?」

 

フィリア「私もね SAOの時にテツヤに助けて貰えたの!昔のことで塞ぎ込んでた心をテツヤが溶かしてくれて 今こうして沢山の友達と仲間に囲まれていられるのは間違いなくテツヤのおかげだよ!」

 

シノン「そうなのね。色々な子の人生を救ってるみたいね テツヤは。」

 

レイ「じゃあ彼のラッキースケベ症はその見返りなのかな・・・」

 

シノン「・・・・・・それは言えてるかも・・・・・・」

 

フィリア「ま、まぁまぁ。私は別に何されても良いし・・・・・・/////」

 

シノン「フィリア・・・?」

 

フィリア「あっ!い、いや!なんでもないよ!?」

 

シノン「そ、そう?」

 

クライン「クソが・・・テツヤばかり美味しい目を・・・!!!」

 

ショウ「昔の女に興味を持っていなかったテツヤはどこに行ったのやら。」

 

キリト「スグ テツヤにはあまり近づくんじゃないぞ・・・」

 

リーファ「う、うん・・・」

 

アスナ「でも私は1度も被害に遭ってないんだよねぇ。」

 

シリカ「私もです。フィリアさんが特に被害に遭ってる気が・・・」

 

エギル「裁判起こされたらアイツに勝ち目は無さそうだな。」

 

ユウキ「ほんとにテツヤの浮気癖には困っちゃうよ・・・」

 

ショウ「互いが互いに依存してるからな2人は。」

 

アスナ「あれだけラブラブなのは羨ましいよ・・・」

 

シノン「そ、そんなにラブラブなのね・・・」

 

フィリア「邪魔する隙がないくらいにね・・・」

 

ユウキ「でもボクはテツヤにボクだけを見て欲しいの~!特におっぱいの大きいフィリアとレイでエッチな事故は起こして欲しくない!」

 

シノン「それはどうして?」

 

ユウキ「だってテツヤってばおっぱいが大好きなんだもん!」

 

キリト「それは男皆がそうと言うか・・・」

 

アスナ「キリトく~ん?」

 

アスナはそう言いながらキリトの頬を強くつねった。

 

キリト「いでででで!?」

 

クライン「はぁ・・・こんな学校で学園生活を送りたかったぜ・・・」

 

エギル「お前の場合下心を見せないことからだなクライン。テツヤのような男が1番モテるんだよ。」

 

キリト「学校でも色々な女子から黄色い声援送られてるからなぁアイツ。」

 

シノン「人気者なのねテツヤは 流石というかやっぱりと言うか。」

 

皆がテツヤの話で盛り上がっていると、噂のテツヤが皆の前に現れた。

 

テツヤ「どうだ?盛り上がってるか?」

 

ユウキ「あ!テツヤ!!!」

 

ユウキはテツヤを見ると同時に飛びついた。テツヤは飛びついたユウキをしっかりと抱きしめた。

 

テツヤ「よしよし♪」

 

ユウキ「えへへ~♪」

 

シノン「こ、これは確かに邪魔する隙は無いわね・・・」

 

アスナ「キリト君もあれくらいしてくれたらな~」

 

キリト「むっ。俺だって甘えられたらあれくらい・・・」

 

アスナ「そ、それは私が恥ずかしいかな・・・」

 

シノン「対照的にこっちは余り皆の前ではいちゃつかないのね。」

 

リズ「ラブラブなのは一緒だけど普段からアホみたいにくっ付いてるのはテツヤユウキね。裏でにゃんにゃんしてるのがキリトアスナの方よ。」

 

テツヤ「アホは余計だ。さて!お待ちかねの料理が完成したぞ!」

 

ユウキ「わーい!待ってました!!!」

 

ユウキがテツヤから離れると テツヤはメニュー画面を開き作った料理をテーブルに並べて行った。

 

和食、洋食、中華等の数々の料理が色とりどりに置かれた。

 

シノン「す・・・凄い・・・美味しそう・・・」

 

テツヤ「飲み物はこっち。ユウキ お前は酒禁止な。」

 

テツヤはそう言いながら飲み物を出した アルコール類からジュースまでALO内の飲み物をほぼ網羅してある。

 

ユウキ「テツヤも飲みすぎはダメだからね!」

 

テツヤ「んじゃあ皆それぞれ好きな飲み物取ってくれ!」

 

テツヤの合図を元に皆はそれぞれ好きな飲み物をグラスに入れ手に取った。

 

テツヤ「皆準備はいいな?んじゃあ!シノンの仲間入りを祝して乾杯!!!!!」

 

一同「乾杯!!!!!」

 

それぞれグラスを軽く合わせ、歓迎会がスタートした。

 

ユウキ「~♡テツヤの手作り料理だいしゅき~♡」

 

ユウキは開幕そうそう口いっぱいに料理を頬張り幸せいっぱいの表情。

 

シノン「す、凄いわね・・・こんなに食べられるなんて・・・」

 

テツヤ「こいつが特殊なんだよ。ユウキ用に沢山作っても気づけば無くなるなんてこともざらだからな。」

 

アスナ「でもでも、作った料理をこんなに美味しそうに食べられるのって凄く嬉しいんだよね♪」

 

テツヤ「まぁね♪ほら、皆も食べて食べて 掃除機に吸い込まれちまうぞ。」

 

ユウキ「誰が掃除機だ!」

 

テツヤ「お前じゃ!!」

 

フィリア「ほら、どんな展開でもイチャイチャできるんだから2人には敵わないよ・・・」

 

シノン「確かにそうね・・・」

 

ショウ「下手に手を出せば互いが黙っちゃいないカップルでもあるからな。特にユウキが浮気関連で怒った時なんかまさに烈火の如く怒るからな・・・」

 

レイ「あの状態になったら最後 テツヤが酷い目に遭わないと治まらないからね・・・・・・」

 

リズ「多分テツヤにとってはどんな敵よりも怒ったユウキが1番怖くて勝てない相手なんでしょうね・・・」

 

シノン「そうね・・・私もあのユウキを見た時は凄く怖かったし・・・」

 

クライン「も、もうあのユウキちゃんを経験してんのか・・・」

 

エギル「そりゃ恐ろしい体験をしたな・・・」

 

ユウキ「なになに?なんの話?」

 

フィリア「今テツヤとユウキの話をしてたんだよ♪」

 

ユウキ「ボクとテツヤ?」

 

テツヤ「大方浮気に怒ったユウキが怖いってことだろう。」

 

ユウキ「えぇ~!?ボクそんな怖い~!?」

 

テツヤ「怖いわ!!!!!!!!!!!!!!」

 

リーファ「自覚無しって言うのが・・・」

 

シリカ「1番の恐怖ですね・・・」

 

ピナ「きゅる・・・」

 

テツヤ「っとんなことよりだ、どうだシノン 皆とは溶け込めそうか?」

 

シノン「うん。ちょっと不安だったけど皆優しくて不安なんて消し飛んだわ。特にフィリアが私と境遇が似てるって話になったの。」

 

テツヤ「フィリアと?」

 

シノン「私も昔の事件で塞ぎ込んでた、フィリアもそんな状況だったのを 貴方は助けてくれた。」

 

フィリア「テツヤには感謝してもしきれないよ・・・本当にありがとね・・・」

 

テツヤ「どういたしまして。2人ももう1人じゃない 俺達がいるんだ。だから寂しい思いはさせないよ。」

 

俺はそう言ってフィリアとシノンの肩に手を置いた。

 

フィリア「うん!私もう寂しくないよ♪」

 

そう言ってフィリアは俺の右腕に抱きついてきた。

 

テツヤ「いぃ!?」

 

シノン「そうね・・・私もう辛くないわ・・・貴方のおかげよ・・・」

 

そう言うとシノンまで俺の左腕に抱きついてきた。

 

テツヤ「なぁ!?」

 

アスナ「あーりゃりゃ・・・」

 

エギル「これは・・・」

 

リナ「浮気ね・・・・・・」

 

2人は抱きついたテツヤの腕にピタリとくっつくととても幸せそうな笑顔をしていた それはどっからどう見ても浮気の決定的瞬間だった。

 

無論 こんな場面をあのユウキが黙ってる訳が無く・・・

 

ユウキ「テーツーヤー・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!」

 

この場にいる皆の予想通り 髪を逆立てアホ毛を尖らせ鬼の形相をしたユウキが現れてしまった。

 

テツヤ「だぁぁぁぁ!?待て待て待ってぇ!?俺なんにも悪く無くない!?」

 

ユウキ「うるさいこの浮気マスター!!!!!!!!」

 

テツヤ「マスター!?」

 

レイ「遂にマスター認定されたね・・・」

 

ユウキ「ログアウトした後覚えておいてよね・・・・・・!!!!!!!!」

 

テツヤ「は・・・はい・・・」

 

クライン「おぉ怖い怖い・・・」

 

リーファ「一番怖いのはこの状況で尚抱きついてる2人じゃ・・・」

 

フィリア・シノン「~♪」

 

ユウキ「いい加減離れろぉ!!!!!!!!」

 

ユウキはフィリアとシノンを無理やりテツヤから引っペがした。

 

フィリア「ご、ごめんなさい・・・」

 

シノン「つい出来心で・・・」

 

ユウキ「世間ではそう言うのを浮気って言うの!!!!シノンは目が離せないよ全く!」

 

テツヤ「はぁ・・・また飯抜きか・・・」

 

クライン「今回はボヤ騒ぎですんだな・・・いつもだったらマジで辺り一帯火の海なのに・・・」

 

キリト「火の海どころか死人が出てる時もあるしな・・・死人の10割テツヤだけど・・・」

 

シノン「でも これだけ楽しく話せるのは本当に久しぶりな気がするわ やっぱりテツヤのおかげかな♪」

 

テツヤ「ここにいればあんな怖い目には会わないさ。これから楽しんでいこうぜシノン!!」

 

シノン「うん!」

 

ユウキ「でも浮気は許さないからね!!!!」

 

アスナ「さっそくユウキの標的になっちゃったね・・・」

 

テツヤ「お前も仲良くすること 分かったか?」

 

ユウキ「それは当たり前だよ!テツヤも浮気しないでよね!」

 

テツヤ「分かってるよ。」

 

クライン「よっしゃ!この後はいつもの恒例の皆でクエストに繰り出すか!!!!」

 

レイ「うん。せっかくなんだし戦いの中でもコミュニケーションを取りたいからね。」

 

ショウ「シノンの腕も見てみたいしな。」

 

テツヤ「なら飯食った後は皆でクエストだな!シノンの実力見せてやれ♪」

 

シノン「え、えぇ。皆に認めてもらえるよう頑張るわ!」

 

ユウキ「それじゃあいっぱいご飯食べて力蓄えなきゃ♪」

 

テツヤ「お前は食いすぎないこと!!!!あくまで主役はシノン!」

 

ユウキ「はーい・・・」

 

こうして、シノンも無事いつものメンバーへと仲間入りを果たし その後は皆でクエストに繰り出した。

 

今までは1人でいる事が多かったシノンだが、このメンバーならばそんなことにはならいだろう。これから先 シノンにとっては輝かしい道が広がっているのだから。




こうして、無事にいつもの皆の仲間入りを果たしたシノン。

これからのシノンは過去に抱いていたトラウマよりも楽しい記憶を数多く作っていくことでしょう。

次回はリアルで詩乃が数人のメンバーと出会うことに!次回もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。