ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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今回はテツヤとシノンのBOB予選決勝戦!そして死神対女神の対決となります!

神の名を冠する2人ですが一体どちらが勝つのか!

それでは本編をどうぞ!




Part114 死神VS女神~夕闇の決闘~

遂にデスガンと遭遇したテツヤとキリト。

 

だが、デスガンの正体に関してはSAOサバイバーであり、元ラフィン・コフィンのメンバーである可能性が非常に高い。言わば危険な人物。

 

2人は本戦出場の条件を満たし、テツヤはいよいよシノンとの直接対決。

 

テツヤは無事にシノンに勝つことは出来るのか?

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

テツヤ「キリトもシノンも無事に勝ったんだな。これで3人それぞれ本戦出場か。」

 

キリト「テツヤ。本戦出場おめでとう。」

 

テツヤ「おぉ、キリト。そっちこそおめでとう!」

 

俺とキリトは腕を合わせ、互いの勝利を祝った。

 

テツヤ「その様子だと吹っ切れたようだな。」

 

キリト「いつまでもビクビクはしてられないさ・・・テツヤこそ 決勝戦はシノンとだ。頑張れよ!」

 

テツヤ「おう!」

 

そのまま数分会話を交わしていると、Fブロックの決勝戦のアナウンスが流れた。

 

テツヤ「よぉし。見てろよ!!絶対勝ってやる!」

 

俺はキリトの目の前で決勝のフィールドへと転送された。

 

キリト「俺も勝つからお前も勝てよ!テツヤ!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~BOB予選・決勝フィールド~

 

今までのフィールドは荒野の中にあるフィールドが多かったが、今回は崩れた高速道路の上が舞台のようだ。頭上にも崩壊した高速道路があり上から道路が落ちてこないか心配だな。

 

予選の第1試合から大分時間も経ち、辺りは夕闇に包まれていた。

 

そして、俺は同じく転送されたシノンがどこにいるかを探していたら 向こうからスナイパーライフルを持って歩いてきたシノンが目の前に現れた。

 

一定の距離近づくと、そこで互いに止まり、顔を見合わせた。

 

テツヤ「よっ シノン。無事に決勝まで上り詰めたぜ。」

 

シノン「結果は見てたんだから知ってるわよ。テツヤ 貴方の戦法は確かに凄いと思う。でも、私は戦い方も貴方の武装も良く知ってる。今までのようにはいかないわ。」

 

テツヤ「俺はシノンの戦闘は運悪く全然見れなかったけども、その最高の腕を誇るスナイパーでも俺を撃ち抜けるかな?」

 

シノン「舐めてかかったら痛い目みるわよテツヤ。このへカートで貴方に教えてあげるわ。敗北を告げる弾丸の味をね。」

 

テツヤ「へカートか。それがお前の相棒なんだな。女神って言われてる所以はその武器の愛称が理由ってとこかな?それともシノンが女神みたいに可愛いとか?」

 

シノン「この武器は女神ヘカテーから名前を取ってるの。だから、そのへカートを使う私が女神って呼ばれてるの。私の柄じゃないけどもね。だから2つ目の理由ではないわ。」

 

テツヤ「なるほどね んじゃシノン。俺も1つ言っておくよ 俺も元のゲームでは異名持ちでな 神の名を貰ってんだ。 俺の付けられた異名は死神だ。」

 

シノン「へぇ。貴方も異名付きのプレイヤーなのね。しかも死神なんて女神とは正反対の神の名ね。」

 

テツヤ「この戦いは死神対女神って訳さ。勝たせてもらうぜシノン。」

 

シノン「こっちも負けないわよ。さて、おしゃべりは終わりにしましょう。」

 

そう言ってシノンはポケットからコインを取り出した。

 

シノン「コインが落ちたらバトルスタート。そこからは何が起きても恨みっこなしよ。無論 私がいきなり狙撃してもね。」

 

テツヤ「へー。流石の自信だな。なら 撃ってみる?俺も味わいたいしな、GGOナンバーワン狙撃手の腕ってやつ。」

 

シノン「う、撃ってみる!?何言ってるの!?幾ら貴方でもこの距離で狙撃されたら避けるなんて不可能よ!?」

 

テツヤ「んじゃあこうしよう。俺が避けれたら無事に無罪放免。撃たれて死んだら俺はドスケベって烙印を押されても構わない。これでどうだ?」

 

シノン「あ、アンタねぇ・・・じゃあいいわ。その賭け乗ったわ。結果は貴方のドスケベ認定で終わるでしょうね。」

 

テツヤ「まぁそこはやってみなきゃってことで。」

 

俺はそう言いながらシノンと距離を取り、シノンが狙撃しやすい位置で止まった。

 

テツヤ「コイントスは俺がする。落ちた瞬間に狙撃してくれ。狙撃後試合開始だ、避けたら俺も遠慮なく攻撃する。避けれなけゃお終い 簡単だろ?」

 

シノン「いいわよ。じゃあいつでもどうぞ!」

 

いよいよ決勝戦が始まる・・・敵はGGOイチのスナイパー 確かに強敵ではあるが・・・・・・負けはしない!!!!

 

テツヤ「んじゃ行くぞ!」

 

そう言いながら俺はコイントスした。コインは空中で何度か回転すると、高い音を響かせながら地面に落ちた。

 

コインが落ちた瞬間に俺達は互いの武器を構えた。シノンはへカートを、俺はスラッシュエッジを。

 

シノンが引き金を引くのと同時に、俺もスラッシュエッジをシノンに向け投擲した。

 

大体は敵の遠くから近づく軌道でブーメランを投擲するが、今回はその逆で真っ直ぐ的に向かうようにブーメランを投擲した。

 

シノンの弾丸と俺のブーメランはぶつかり合うとシノンの弾丸は軌道が逸れ、俺のスラッシュエッジは耐久値が無くなりこわれてしまった。

 

シノン「なっ!?ブーメランで弾丸を!?」

 

テツヤ「よぉし!これで俺は無罪放免だなシノン!」

 

シノン「ちょ、ちょっと待ちなさい!!!!避けたらの約束でしょ!!!!避けたんじゃなくて軌道を逸らしたんじゃない!!!!」

 

テツヤ「悔しいんだったら俺に一撃食らわせてみな!!!!」

 

俺はそう言ってシノンに近づいた。スナイパー相手に遠距離で距離を取るのは愚策だと言うのはさすがに分かる。

 

シノン「私がスナイパーだけの女だと思ったら大間違いよ!!」

 

そう言ってシノンはへカートを背負い、サブアームのハンドガンを取り出した。

 

テツヤ「ならこっちだって!!!!」

 

俺は接近しながらブーメランを投げ、直ぐにコルトパイソンを持った。

 

これはいつもの戦法。シノン相手に通じるとは思えないが・・・!

 

シノン「読み通り!!」

 

シノンは落ち着いて俺の投げたブーメランを撃ち落とすと、今度は目の前に迫った俺に狙いを定めた。

 

テツヤ「流石だな!やっぱこの作戦じゃ倒せないようだな!!!!」

 

シノン「壊されたブーメランが別のブーメランに再度リロードされるまでにかかるのは1分!!さっき壊したのもまだ30秒しか経ってないしこれで終わりよ!」

 

テツヤ「確かにそうだけど詰めが甘いぞシノン!!」

 

俺はそう言って腕にあるポケットを開いた。そこにはスラッシュエッジが入っていた。両腕にポケットがあるから合計4つのブーメランを使えるという訳だ。

 

シノン「なっ!?そんなとこにまで!?」

 

テツヤ「これでどうだ!」

 

俺はブーメランを構えながらシノンに向けコルトパイソンの引き金を引いた。

 

シノン「これくらい!」

 

シノンは身体を反らして弾丸を避けたが、それが俺の狙いだった。

 

俺は引き金を引いたのとほぼ同時にブーメランをシノンの首元に向け投げていた。シノンは弾道予測線から逃れるように避けたがそれはあくまで弾丸の話。ブーメランには弾道予測線は無い!!!!

 

シノン「しまっ!?」

 

テツヤ「勝ちは貰った!!」

 

シノン「この位で!!!!」

 

シノンは反らした身体に捻りを加え、当たるはずだったブーメランは寸前で避けられてしまい、ブーメランは俺の手元に戻ってきた。

 

テツヤ「す、すげぇ身のこなしだな・・・」

 

シノン「こう見えて避ける技術もトップレベルって言われてるのよ!そう簡単に討ち取れる相手だと思わない事ね!!!!」

 

テツヤ「シノン!!!!お前との勝負めちゃくちゃ面白い!!上手くいかないのがこうまで楽しいとはな!!俄然倒したくなってきた!!!!」

 

シノン「私も同感よ!!貴方との勝負簡単には終わらせたくない!!!!」

 

テツヤ「そう簡単にやられないでくれよ!!」

 

シノン「そっちもね!!」

 

そう言ってシノンは再度へカートを構えた。だが、構えるにしては至近距離過ぎるような・・・

 

テツヤ「そんな至近距離でスコープ覗いてたらやられちまうぞ!!」

 

シノン「甘いわねテツヤ!!狙いは別よ!!」

 

そう言ってシノンは俺とは別の方向に弾丸に放った。それと同時に急いで後方に退いて行った。シノンが狙撃のミスをするとは思えないし一体何が・・・

 

シノンの策は何だと考えていると、足元がグラグラと揺れ動き始めた。

 

テツヤ「ぬおっ!?」

 

シノン「今の私達の足元は崩れてるなかでもダメージが酷い部類なのよ!だから耐久値が一気に減る箇所を狙って撃ったって訳!」

 

テツヤ「んな馬鹿な!?そんなあんありかよ!!!!」

 

シノン「どうするの?移動しなきゃこのまま落下して場外でゲームセット。目の前に移動したら私のへカートの餌食。私としてはへカートの餌食になることをオススメするわよ?」

 

テツヤ「ち、ちくしょう・・・!地形を使われるとは・・・!」

 

ど、どうするんだ・・・!?確かにこのままだと俺は落下して場外で負け。この場から離れようと安全な場所に移動すればそこにはシノンがいてシノンに撃たれて・・・・・・

 

テツヤ「こうなったらやけくそだぁ!!!!」

 

俺はその場から走って移動し、安全圏かつシノンの射撃圏内に入った。

 

シノン「貰った!」

 

シノンは走る俺に向けて狙いを定める。俺は俺で逃げることに精一杯でシノンの目なんて全然見れてない。弾道予測線も出てない絶体絶命の状況だった。

 

テツヤ「ど、どうすれば・・・!?」

 

現状打破するには辺りにあるものを使うしかない!何か無いのか!?

 

辺りを見回すと、俺の右斜め上に倒壊しそうなビルが。こうなったら一かバチかだ!!!!!

 

俺は倒壊しそうなビルに向け3発弾丸を放った。するとビルは大きな音を立てて崩れ落ち始めた。

 

シノン「っ!?」

 

テツヤ「上手く出来てくれよ!!!!」

 

俺はその場から飛び、崩壊したビルの破片を足場にして次々と前へと進み、シノンの目の前まで移動した。

 

シノン「う、嘘!?そんな動きそう簡単に!?」

 

テツヤ「窮地脱却!!!!」

 

俺は三度シノンの目の前に立った。シノンは俺の姿を見て唖然としていた。

 

シノン「あ、貴方何者・・・!?崩れたビルの破片を足場にするって手は確かに熟練のプレイヤーはよくやるけど・・・!」

 

テツヤ「言ったろ?死神だって。」

 

俺とシノンは顔を見合わせると、互いにその場で笑みを浮かべた。

 

シノン「確かに貴方は強い。でもこっちにはGGOプレイヤーの矜持があるの。だから負ける訳にはいかない!」

 

テツヤ「俺もここまで強いプレイヤーとやりあえて誇りに思うよ。でもこっちもGGOに来たのには理由があるんだ!そう簡単に負けてたまるか!それに、どっちが教えられるのかな?」

 

シノン「私の敗北を告げる弾丸の味か・・・」

 

テツヤ「俺の死線を越えた先の強さか・・・」

 

俺とシノンは互いに距離を取り、自身のメインアームを手に取った。

 

シノン「いい加減決めさせてもらうわよ!!」

 

テツヤ「俺もさ!この戦い終わらせるのは名残惜しいけど俺の勝ちで決着をつけさせてもらう!」

 

シノン「そうそう上手くいくかしら!何が起こるのか分からないのが戦いよ!」

 

テツヤ「それもそうだ・・・・・・なら・・・・・・こっからは本気で行くぜ・・・!」

 

俺はそう言ってシノンを睨んだ。

 

シノン「っ!?」

 

シノン(な・・・なんなの・・・!?この怖さ・・・・・・殺気・・・・・・!?)

 

テツヤ「行くぞシノン!!!!」

 

俺は小細工無しにシノンに突撃した。狙いを定められないようにジグザグ走ったり時には緩急をつけてシノンへと近づいた。

 

シノン「っ!?気を取られて・・・!この距離でスナイパーじゃ!!」

 

シノンはへカートを背負い、ハンドガンに持ち替えた。

 

テツヤ「これで最後!!!!」

 

シノン「それはこっちのセリフよ!!!!」

 

俺が一定距離近づくと 互いに弾丸を放った。お互いに近くでの銃撃だったがどちらの弾丸も当たらず、俺とシノンは無傷だった。

 

テツヤ「ぐっ!?」

 

シノン「いい加減リロードしなきゃまずいんじゃない!こっちは弾も残ってるしセミオートだけど、そっちはリボルバー方式でしょ!!」

 

テツヤ「言われなくても!!!!」

 

俺は近場にある横たわる壊れた自動車に隠れ、スピードローダーでリロードした。

 

でもこのままじゃ埒が開かないしな・・・ここはいっちょ真正面からぶつかりますか!

 

テツヤ「なぁシノン!いい加減決着つけようぜ!こういうのはどうだ!!互いに10歩の距離を取って一緒のタイミングで撃つ!シノンはへカートを使ってくれて構わない!」

 

シノン「良いのかしら?私の狙撃の腕と貴方の狙撃の腕じゃ天と地ほど差があると思うけど。」

 

テツヤ「何事もやって見なきゃわかんねぇものだよ!」

 

俺はそう言って自動車から離れ、シノンと10歩離れた距離に向かいそこで止まった。

 

テツヤ「合図は俺が3つ数える!0のカウントになったら互いに狙い撃つ!それで決着を付けよう!」

 

シノン「分かったわ!カウント終わる前に撃ったら許さないからね!!」

 

テツヤ「んな事するかよ!んじゃ行くぞ!3!2!1・・・・・・」

 

1のカウントで俺はコルトパイソンを、シノンはへカートを構えた。これで撃たれて倒されようが後悔はない!

 

テツヤ「0!!!!!!」

 

0のカウントでほぼ同時に俺とシノンは引き金を引いた。

 

そして、俺はシノンの放った弾丸が左足に命中してしまった。

 

テツヤ「っ!?」

 

俺の放った弾丸はシノンの左肩を貫いた。

 

シノン「っ!」

 

俺とシノンは撃たれた箇所を抑えた。だが撃たれたのが肩と足じゃ俺の方が不利か・・・

 

シノン「なかなかやるじゃない!でも、足を撃たれちゃ自慢の速さももうお終いね!」

 

テツヤ「くそぉ~!足撃たれたんじゃシノンに対抗する自信も無いし悔しいけど一思いにやってくれ~!!!!」

 

シノン「なら遠慮無く!」

 

俺はその場で座り込み、シノンの弾丸の味を食らう覚悟を持った。

 

なのだが、急にフィールド全体を地震が襲い始めた。しかも結構強めの。

 

シノン「な、なにっ!?」

 

テツヤ「な、なんで地震が!?」

 

地震はそのまま20秒近く続き、ようやく収まった。

 

テツヤ「お、収まったのか・・・」

 

シノン「どうやらフィールドのエフェクトのようね!でももう邪魔は・・・」

 

テツヤ「っ!?シノン!危ねぇ!!!!」

 

俺はシノンの頭上を見ると、頭上は道路の切れ目になっていて 先程の地震の影響か巨大なトラックが今にもシノンに真っ逆さまに落下しそうになっていた。

 

シノン「っ!?」

 

テツヤ「くそっ!間に合えよ!!!!」

 

俺はその場から立ち上がり、シノンの救出に向かった。案の定トラックはその場から落下し、シノン目掛けて真っ逆さま。撃たれた左足のせいでスピードは遅いけど何もしないよりかはマシだ!!!!

 

シノン「しまっ!?」

 

テツヤ「殺らせるか!!!!」

 

俺はシノンを抱き抱えながら目前目掛けて飛び込んだ。無事にシノンは助けられたが、トラックが落下した衝撃で俺とシノンは吹き飛ばされてしまった。

 

テツヤ「のわぁ!?」

 

シノン「きゃぁ!?」

 

俺はそのまま衝撃に身を任せた。するとすぐ様かなりの衝撃が身体全体を襲った。

 

テツヤ「ぐはっ!?」

 

横たわったまま手で地面を触ると触った感じはコンクリート。だから場外には吹き飛ばされてはいないようだけど・・・

 

衝撃のせいで身体が若干麻痺して動かないけど、無理して身体を起こしてシノンを探すと、俺の真上に吹き飛ばされたシノンが。

 

シノン「いやぁぁぁぁ!?」

 

テツヤ「うそぉ!?」

 

シノンはそのまま俺の身体に落下。俺の身体はさっきよりも強い衝撃が襲い、俺のHPがレッドゾーンに入ってしまった。

 

テツヤ「うぅ・・・な、何でこんなことに・・・・・・」

 

現状俺とシノンは重なりあった状態で横たわっていた。落下の衝撃で自分がどんな体勢なのか、シノンがどんな体勢なのかも掴めない状況だった。

 

とりあえず右手を動かすと、今度はコンクリートとは違う凄く柔らかいものを掴み取っていた。いや、掴み取ってしまっていた。と言うか揉んでしまった。

 

シノン「ひゃぁ!?」

 

テツヤ「・・・・・・・・・・・・」

 

さて、俺は今までに何度こういうった経験をした?まずユウキから始まり、アスカやフィリアに姉ちゃん。そしてレイ・・・・・・

 

うん・・・この手の感触・・・絶対胸だ。

 

テツヤ「あ、あのぉ・・・シノンさん・・・?」

 

シノン「こ・・・殺す!!!!!!!!」

 

そう言ってシノンはへカートの銃口を俺の額に押し付けた。

 

テツヤ「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

シノン「ア、アンタもやっぱしドスケベじゃない!!!!どさくさに紛れて胸揉んでくるなんて信じられない!!!!」

 

テツヤ「だ、だってシノンが俺に向かって落ちたからこの惨状になったんじゃんか!!!!いや揉んだ俺も悪いけども!!!!」

 

シノン「遺言はそれだけ!?」

 

テツヤ「待って!!!!胸揉んだせいで死ぬなんていやです!!!!な、何か弁解のチャンスを!」

 

シノン「じゃあせめて聞いてあげるわ。あの時なんで私を助けたの?助けなかったら貴方の勝ちだったのに。」

 

テツヤ「んなの決まってんだろ。俺は目の前で女の子が・・・・・・いや、仲間が傷つくとこを見るのが嫌いなんだよ。決闘や試合として互いに傷つけるのが分かってるなら話は別だが意図しないところで傷つくのを見ると心が痛む。」

 

シノン「そ、それで助けて貴方の不利になろうとも?」

 

テツヤ「もちろん。手の届く範囲の人はこの手で助けたい。それが俺のポリシーさ。」

 

シノン「っ!?そ、その言葉・・・まさか貴方・・・・・・!?」

 

テツヤ「へ?なんか変な事言った?」

 

シノン「・・・・・・・・・考えすぎか・・・・・・同じポリシーを持つ人なんて幾らでもいるしね・・・・・・」

 

シノンはそう言うとへカートを俺から離してくれた。

 

テツヤ「し、シノン?」

 

シノン「・・・・・・今回は私の負けにしといてあげるわ。あの時助けられなかったらどっちにしろ貴方の勝ちだったんだし 拾われた命ならもう負けたも同然よ。」

 

テツヤ「えっ!?いや、だからってシノンが負ける必要は・・・だってその前に俺の足撃たれてるんだし・・・」

 

シノン「じゃあ今回の貴方の勝ちは助けてもらった私からのお礼ってことで。ただし・・・・・・!」

 

そう言ってシノンは再度銃口を額に押し付けてきた。

 

シノン「胸揉んできたことはこれとは別件で片付けるからね!!!!!!!!許されたと思わないこと!!!!!!」

 

テツヤ「は、はい!!!!!!!!」

 

シノンは落ち着くと完全に降伏体勢に入り、へカートもハンドガンも身から離した。

 

シノン「・・・・・・助けてくれてありがとね・・・・・・テツヤ・・・・・・」

 

テツヤ「へ?なんて?」

 

シノン「聞こえなくて結構よこのスケベ!!!!」

 

テツヤ「スケベ・・・・・・」

 

そう言うとシノンはメニュー画面を開き、この勝負を降参という形で降りた。

 

すると、この勝負の決着のファンファーレが流れ Fブロックは俺の優勝という形で幕を閉じた。

 

シノン「本戦は私と戦うまでに死ぬんじゃないわよテツヤ!約束よ!」

 

テツヤ「分かってるよシノン。もう一度戦おう。」

 

シノン「それと、この後選手控え室に来なさい!そこでさっきの件の自己弁護をたっぷり聞かせてもらうからね!」

 

テツヤ「は、はい・・・・・・」

 

こうして、予選Fブロックは俺の優勝 シノンの準優勝という形で幕を閉じた。

 

最も この後のシノンとの裁判は勝てる気がしないが・・・・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

俺達の試合と同時並行に行われてたGブロックの決勝も無事にキリトが勝ち、俺とキリトのダブル優勝を遂げた。

 

優勝の後はMMOストリームの取材やらなんやらで時間を食われたが、そういった事も終わりいよいよ俺の痴漢裁判が開廷されようとしていた。

 

~選手控え室~

 

選手控え室に入った俺達はシノンの前で2人して正座させられていた。

 

シノン「さて・・・まずはキリトの変態の扱いは取りやめるわ。優勝おめでとう。悪かったわね今まで。」

 

キリト「あ、ありがとう・・・」

 

シノン「ただしテツヤ!貴方はそう簡単に話を終わらせないからね!」

 

テツヤ「はい・・・」

 

キリト「お前何やったんだよ!?」

 

テツヤ「シノンの胸揉みました・・・」

 

キリト「はぁ!?お前のラッキースケベ体質のせいで俺まで正座させられてるのか!?」

 

テツヤ「すみません・・・」

 

シノン「まぁ確かにキリトがここにいる必要も無いか・・・・・・悪いのはテツヤなんだし・・・・・・そうね。キリト 貴方はログアウトして構わないわ。本戦は明後日よ!くれぐれも忘れないこと!」

 

テツヤ「んなぁ!?」

 

キリト「良かった・・・じゃあお言葉に甘えて・・・」

 

テツヤ「て、てめぇ!苦楽を共にするのが仲間だろ!?」

 

キリト「それじゃあ本戦で~♪」

 

キリトはそう言って選手控え室から出ていった。

 

テツヤ「あんにゃろぉ・・・!!!!」

 

シノン「さてと・・・・・・それじゃあテツヤ。1つだけ聞かせて。」

 

テツヤ「は、はい!なんでも言わせていただきます!」

 

シノン「貴方・・・・・・彼女いたりする?」

 

テツヤ「へ?」

 

シノン「さっさと答える!」

 

テツヤ「は、はい!います!」

 

シノン「じゃあその彼女の髪色は!?」

 

テツヤ「え!?そ、それは流石に・・・」

 

シノン「じゃあ別のことを聞く。貴方の女の子の振りをしてる時の喋り方 彼女を基にしてる?」

 

テツヤ「そうです!はい!」

 

シノン「・・・・・・そっか・・・・・・」

 

テツヤ「し、シノン?」

 

シノン「・・・・・・やっぱり考えすぎかな・・・・・・そんな偶然起こるわけ・・・・・・」

 

テツヤ「ええっと・・・シノンさん?」

 

シノン「はぁ。なんか馬鹿らしくなっちゃった。良いわテツヤ。もう許す。あれは私を助けた事故ってことで私も理解しといてあげる。」

 

テツヤ「ま、マジっすか!?」

 

シノン「助けてくれたくせに難癖付けるのも変だし 恩人に牙をむいてる私自身が癪に触るわ。」

 

テツヤ「シノンが話が分かる人で良かった~ 今までこう言ったことで何度恐ろしい目にあってきたか・・・」

 

シノン「貴方も苦労人ね・・・」

 

テツヤ「・・・・・・そうさ・・・・・・苦労人と言うか・・・必然的に俺のやることが決まってて・・・でも未だにその過去に引きづられ続ける弱い男さ・・・・・・俺は・・・・・・」

 

シノン「過去?一体何が?」

 

テツヤ「・・・・・・悪いな・・・・・・これだけは言えない・・・・・・」

 

シノン「そ、そうなのね・・・ごめんなさい・・・私も余り他人には言えない過去があるから・・・・・・貴方の気持ち良くわかる・・・・・・」

 

テツヤ「そっか・・・・・・お前もそうなのか・・・・・・辛いよな・・・・・・誰にも相談できなくて・・・・・・仲間にも何も言えず・・・・・・1人でこの苦しみと戦い続けなくちゃいけない・・・・・・」

 

シノン「テツヤ・・・・・・」

 

テツヤ「なぁシノン・・・・・・人間ってのは何で同じ人間を殺すことが出来るのかな・・・・・・」

 

シノン「へ・・・?」

 

テツヤ「同じ空の下で生きてるのに・・・なんで簡単に殺せるんだ・・・何で・・・何で・・・!!!!」

 

俺はその怒りをラフコフの野郎にぶつけるつもりで言ったが、同じことをやった俺に対する怒りも湧いてきて 思わず拳を強く握っていた。

 

テツヤ「・・・・・・悪いなシノン・・・・・・こんなことお前に言ってもなんの意味も無いよな・・・・・・」

 

シノン「い、良いの。さっきも言ったけどテツヤの気持ちはよく分かるから。」

 

テツヤ「・・・・・・辛気臭いのもなんか嫌だしな!シノン!予選突破おめでとう!!!!」

 

俺はそう言ってシノンと肩を組んだ。この重苦しくなっちまった雰囲気をどうにかしたかったからだ。

 

シノン「ひゃぁ!?い、いきなりなんなのよ!?」

 

テツヤ「重苦しいのは止めようぜ!せっかく互いに予選突破したんだし!」

 

シノン「・・・・・・それもそうね・・・・・・おめでとう テツヤ。」

 

シノンはそう言って微笑みを見せた。そうそう。人間笑顔でいなきゃね。

 

テツヤ「よしシノン!折角だし簡単な飯でも行くか!」

 

シノン「ご飯って、貴方お金は?」

 

テツヤ「あっ・・・忘れてた・・・」

 

シノン「はぁ。分かったわ。負けた私が奢ってあげる。」

 

テツヤ「えっ!?いや、勝ち譲ってもらって飯まで奢られるのは・・・」

 

シノン「じゃあ奢らせてください テツヤちゃん?」

 

テツヤ「・・・・・・んじゃあお言葉に甘えようかな・・・てかちゃんはやめい!」

 

シノン「ふふふ♪それじゃあ行くわよテツヤ!」

 

テツヤ「うん!行こうシノン!ボクお腹すいたな~♪」

 

シノン「器用ね貴方は・・・・・・」

 

シノンと食事に行った俺は予定していたログアウト時間を完全に逃してしまった。だけどあのまま重苦しい雰囲気で解散するよかよっぽどマシだ。

 

こうして、俺の激動の一日は終わった。

 

だが、これはほんの予選。明後日に待っている本戦で遭遇するであろうデスガンの野郎がやってることを暴いてみせる!!




BOB予選Fブロックは見事テツヤの優勝で幕を閉じた。

キリトも無事に本戦出場を決め3人とも無事に本戦へとコマを進める。

これはあくまで予選。本戦には一体何が待ち受けているのか。

次回はオリジナルの展開をお送りします!哲也の心情が明かされる!

次回もお楽しみに!

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