ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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Part113 棺桶の悪夢~深い傷跡~

笑う棺桶 通称ラフィン・コフィン。

 

そいつらはSAO時代の大量殺人者であり、現代のジャック・ザ・リッパーを夢見たクズどもの集まりであった。

 

そんなラフィン・コフィンをいよいよ退治するために、SAO時代に攻略組である俺やユウキ キリトにアスナ ショウにクライン率いる風林火山のメンバーと言った腕に覚えのあるプレイヤーが棺桶退治の選抜メンバーに選ばれていた。

 

この作戦は直接アジトに乗り込み、メンバーを全員とっちめると言う作戦だった。

 

なんの策略もないわけではない この作戦決行日はラフィン・コフィン全員の集会。全員の集会に集まらないメンバーなんていない。だからこの日に作戦を決行したんだ。

 

その時はキリトも二刀流スキルを明かしておらず、俺もまだ卍解を完全に使いこなせていない時だった。

 

~SAO時代~

 

「さぁ。いよいよ棺桶を沈める時間が来たぞ。皆。」

 

その時隊長を務めていたのヒースクリフ団長ではなく、他のギルドの隊長だった。

 

今回の作戦は様々な人達の協力の上に成り立った最終決戦にするべき為に行う作戦だ。

 

「特に死神 絶剣 黒の剣士 閃光の4人には大いに期待してるぞ。」

 

ユウキ「頑張ろうねテツヤ!」

 

テツヤ「あぁ。一般プレイヤーをビクビク過ごさせる日常も終わりだ。」

 

ラフィン・コフィンの存在により下の層にいるプレイヤーは日々血盟騎士団本部にラフィン・コフィンを退治してくれとの連絡が数多く来ていた。今日はそんなプレイヤーに安息をもたらす日でもあったんだ。

 

アスナ「でも・・・アジトで集会の割にはプレイヤーが全然いないのはおかしいよね・・・」

 

キリト「確かに・・・・・・」

 

今日の作戦はアジトでの集会が行われると聞いての行動だ。なのにプレイヤーがいないこの状況はどう考えてもおかしい。まさかとは思うがアジトを変えたのか?それとも集会場は別の場所か?

 

ショウ「っ!?皆!!上だ!!!!」

 

テツヤ「何っ!?」

 

ショウの言う通り上を見ると、数十人のラフィン・コフィンの野郎共が俺達目がけ突撃してきた。

 

テツヤ「クソっ!待ち伏せか!!!!」

 

咄嗟だったが斬月を抜刀し攻撃を防ぎ、そのまま1人のプレイヤーと相手になった。

 

俺以外の奴らもそれぞれ応戦し、その場は瞬く間に戦場となった。

 

どうやら敵は全員俺達を奇襲する為にアジトにある空中浮遊している足場に待機していたらしい。

 

「さ、作戦は筒抜けだったというのか・・・!?」

 

テツヤ「今はんな事で嘆いてる場合か!!!!さっさと応戦しやがれ!!!!」

 

クライン「急におっぱじまりやがったな!?気をつけろよテツヤ!」

 

テツヤ「お前もな!!!!!」

 

俺は敵の腹部を蹴って押し倒し、まず1人のメンバーを縄で縛り拘束した。

 

だが、それと同時に一気に3人のプレイヤーが俺に攻撃を仕掛けてきた。

 

テツヤ「しまっ!?」

 

ユウキ「テツヤは!」

 

アスナ「やらせない!」

 

ユウキとアスナが俺のカバーに入ってくれて、3人の内の2人を相手にしてくれた。

 

テツヤ「サンキュー!」

 

俺は残った1人と交戦し、そいつのことも無事に拘束した。

 

戦いは俺達の有利でことは運んではいたが、しばらく経ってくると幹部クラスの連中が出てきたのか途端に敵の動きが変わり始めた。

 

ショウ「クソ!動きが全然違う!」

 

クライン「こりゃちょっとまずいんじゃねぇのか!?」

 

テツヤ「これじゃあこっちが殺られんのも時間の問題だ!卍解して巻き返す!!!!」

 

俺は現状を打破すべく卍解をし、スピード決着を試みた。

 

だが、俺が動き出す前に俺達の味方が次々と敵に囲まれてしまい、部隊長含む10人以上が殺されてしまった。

 

部隊長が死んでしまったことでこちらの命令系統が失われてしまった。難しい戦いの中でこの状況はかなりまずかった。

 

テツヤ「ちっ!皆!1人で戦おうとするな!2人1組で応戦しろ!」

 

アスナ「テツヤ君の言う通りに動いて!これ以上の被害は抑えて!!!!」

 

キリト「テツヤ!巻き返すどころか押されてるぞ!早く幹部連中を!」

 

テツヤ「んなの分かってる!お前らも探せ!」

 

俺は敵の幹部らしき奴らを探した きっと幹部と言うだけあって武装が他の奴らより違うはず・・・!

 

敵を捌きながら幹部を探すと ユウキがそれらしき奴と交戦していた。

しかし、ユウキは幹部に加え取り巻きの雑魚にも囲まれHPバーがレットゾーンに陥っていた。

 

テツヤ「っ!?ユウキ!!!!」

 

嫌だ。これ以上の被害も ユウキを殺させもしない・・・!!殺られる位なら・・・・・・殺ってやる!!!!

 

俺はすぐ様ユウキの元へ向かい、ユウキにトドメを誘うとしている奴の首を斬り裂いた。

 

ユウキ「て、テツヤ!」

 

テツヤ「ヒール!」

 

俺は回復結晶でユウキを回復させ、ユウキは何とかセーフティーゾーンに入った。

 

ユウキ「あ、ありがとう・・・」

 

テツヤ「てめぇら・・・俺のユウキに手ぇ出して・・・生きて帰れると思うんじゃねぇ!!!!」

 

本来の目標は全員の生け捕り、だが 場合によっては生死を問わないのが今回の作戦。もう俺の頭の中にはユウキを傷つけた奴らを生け捕りするという選択肢は無かった。

 

テツヤ「オラァ!!!!」

 

1人のプレイヤーを斬り裂くと HPバーが尽きてなくなり、死んでいった。

 

敵もやられた間まで終わる訳なく俺に襲いかかるが、それを難なく捌きそのまま2人、3人、4人と次々とこの手で殺めて行き、最後に残ったのは幹部の奴だった。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

テツヤ「黙ってねぇで・・・・・・死んどけこの野郎!!!!」

 

ユウキ「テツヤ!!!!もう止めて!!!!」

 

俺は幹部の奴に振り下ろした天鎖斬月を既のところで止めた。

 

テツヤ「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

ユウキ「もういい!!テツヤがそんなに殺す必要ないよ!それじゃあこいつらとやってる事が一緒になっちゃう!!!!」

 

テツヤ「・・・・・・確かにな・・・・・・」

 

俺は敵を捉え 縄で腕を縛り拘束した。

 

ショウ「テツヤ。こっちも幹部を捉えたぞ。」

 

クライン「俺も捉えたぜ!」

 

テツヤ「そうか・・・・・・アスナ・・・・・・こいつの連行は頼んだ・・・・・・」

 

アスナ「う、うん!任せて!」

 

テツヤ「・・・・・・遂に俺も殺っちまったか・・・・・・」

 

幹部候補全員を拘束すると、敵の動きは一気に低迷。闘いは俺達の勝利という形で幕を閉じた。

 

しかし、この戦いで俺達の陣営の10人以上は殺されてしまった。だがそれと同時に俺達も多くのラフィン・コフィンのメンバーを殺してしまった。 その内俺は5人のプレイヤーを殺し、キリトも2人のプレイヤーを殺した。

 

この作戦は過去最大級に多くのプレイヤーが死んでしまった闘いとなってしまったことから、《血の惨劇》と呼ばれる闘いになった。

 

それと同時に、この闘いにおいて一番敵を殺めたのが俺であることが何者かにリークされてしまい、 死神の名を更にSAO全土に響き渡らせてしまった。

 

そう、俺はここで5人を殺し その後残党である30人も殺し 合計35人もの人間をこの手で殺した。相手がラフィン・コフィンだろうが関係無い。これは紛れもない事実だ。

 

それから少し時は流れ、それは俺が血盟騎士団に入団した直後 アスナやキリトには内緒でヒースクリフ団長に呼び出されていた。

 

~血盟騎士団本部~

 

テツヤ「あ、あの・・・何の用ですか?アスナに今日は初任務があるから早く来いって言われてるんすけど・・・」

 

ヒースクリフ「テツヤ君。君の血の惨劇における活躍は聞いたよ。良くやってくれた。」

 

テツヤ「っ・・・・・・」

 

ヒースクリフ「それと、ラフィン・コフィン復活を掲げるプレイヤーを全員君の手で殺したそうじゃないか。素晴らしい活躍だよ。テツヤ君。」

 

テツヤ「ふざけんな・・・素晴らしくなんかねぇ!!!!」

 

俺はこの時、団長のデスクを思い切り掌で叩いてしまった。SAO最強ギルドの団長にやる行動じゃないってのは分かってた。それでも俺は団長の発言が気に食わなかった。

 

テツヤ「俺のやった事は殺しだ!!!!要はラフィン・コフィンの野郎共と一緒なんだ!!!!それを何が素晴らしい活躍だ!!!!それに!俺は30人の戦闘で1人のプレイヤーを見殺しも同然に殺させてしまった・・・・・・!!!!もう俺は・・・正義の為に剣を握る資格はねぇ・・・!!!!」

 

ヒースクリフ「・・・・・・確かに君は計35人のプレイヤーを殺めた。しかしだ。私の個人的感想になるが君の殺しは正義の為にある殺しではないか?」

 

テツヤ「ど、どういうことだよ!?」

 

ヒースクリフ「我々が常に追っていたラフィン・コフィンは君の知っての通り、罪のないプレイヤーをありとあらゆる手で殺害してきたレッドギルドだ。君の殺めた35人は全てその罪のないプレイヤーを殺してきたプレイヤーだ。君は自分のやったことを単なる殺しと思うかもしれないが、私は君の殺しはこの世界を平和に導く1つの正義だと思っているよ。」

 

テツヤ「こ、殺しが正義・・・!?」

 

ヒースクリフ「もし君が残存メンバーを殺さずにいたら、今頃もしかしたらまた新たな犠牲者が出ていたのかもしれない。君が見殺しにしてしまったプレイヤーのように。それを君は未然に防いだんだ。新たな犠牲を産むことなく終わらせたんだ。何も自分自身を責める必要はない。寧ろ これからも我々と共に正義の為に その剣を握ってくれ。」

 

そう言って団長は俺の肩を叩き、笑みをみせた。

 

ヒースクリフ「頼んだよ。゛正義の死神゛君。」

 

テツヤ「正義の・・・・・・死神・・・・・・」

 

正義の死神。それは俺が団長に付けられ、定着はしなかった俺の2つ目の異名だった。

 

ヒースクリフ「テツヤ君。ラフィン・コフィンの完全壊滅は君のおかげだ。これからも間違ったプレイヤーを見つけたら君の剣でその間違いを潰してくれ。」

 

テツヤ「団長・・・」

 

ヒースクリフ「それに、君が見殺しにしてしまったプレイヤーも君の活躍を見れば報われるんじゃないかな。」

 

テツヤ「・・・・・・わかりました・・・・・・俺はこれからも戦います!もう二度とあんな奴らをこの世界に生み出さない為に!」

 

ヒースクリフ「その意義だ。よろしく頼んだよテツヤ君。」

 

こうして、多くの殺人を犯し気が滅入っていた俺だったが、団長には正義の為の殺人と言われ、少しは気が楽になった。

 

正義の殺人とは分かってる。だが、それでも殺して行ったプレイヤーの夢を見るのは一体何故なんだ?

 

俺は・・・・・・未だ殺してしまったことを悩んでるのかな・・・・・・・・・

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

そう、俺とキリトは言わば《人殺し》だ。例え団長に言われた正義の為の殺しだろうが人殺しは人殺し。

 

恐らく、キリトも俺と同じような夢を何度か見ているはずだ。殺した相手が出てくる夢を。

 

~GGO・BOB予選会場~

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

テツヤ「キリト 落ち着け。怯えたところで何も始まらない。寧ろこれから先に支障をきたすだけだ。」

 

キリト「でも・・・!俺は・・・俺はあの男と恐らく血の惨劇の時に出会ってるんだ・・・!」

 

テツヤ「何?」

 

キリト「そうだ・・・きっとアイツは俺達に復讐を・・・!!!!」

 

テツヤ「キリト!!!!しっかりしろ!!!!良いか!!!!今更あんな野郎どもが1人現れて何が出来る!?集団殺人は出来やしないしここはSAOじゃねぇ!!!!GGOだ!!!!殺されやしない!!!!」

 

キリト「気づいてないのかテツヤ・・・!アイツは・・・俺たちの追ってる"デスガン"と同じ声をしていた・・・!!!!」

 

テツヤ「っ!?んな馬鹿な・・・・・・」

 

俺はログイン前一応家で録音されたデスガンのボイスを聴いていた。確かにあの時は声なんて全然気にしてなかったけども今考えたら声の質は全く同じだ。

 

てなると、あの野郎がデスガンって可能性がかなり高い。そうなると一応接触は出来たわけではあるが・・・こりゃちょっと久しぶりに事をSAO時代並みに死ぬ気でやらなきゃ乗り越えられないっぽいな・・・

 

テツヤ「確かにそうだ・・・・・・てなると復讐も・・・・・・」

 

キリト「出来るってわけだよ・・・!!テツヤ・・・俺達はどうしたら・・・!」

 

テツヤ「ったく。何ビビってやがるんだよキリト俺達はあんな野郎に簡単に殺られるヤワなコンビじゃねぇだろ?今回もあの時も同じように潰すだけだ!」

 

キリト「だけど・・・!」

 

震える身体を抑えながら珍しく弱音を吐くキリト。そこに丁度シノンが現れた。

 

シノン「2人共!ここにいるなら勝ったってことね。それなら良く・・・無さそうね・・・・・・」

 

テツヤ「シノン・・・・・・」

 

キリト「し、シノンか・・・良かった・・・」

 

シノン「い、一体何があったの?キリトの顔色酷いわよ?」

 

テツヤ「・・・・・・ちっとな。」

 

シノン「1回戦そんなに緊張した?それともかなりギリギリの勝利?でもその割には早く戻ってきてるし・・・まぁ何はともあれ、アンタも頑張んなさいよ。」

 

そう言ってシノンはキリトにエールを送るように肩を軽く叩いた。するとキリトはシノンの手を取り、心を落ち着かせるためか目でじっとシノンの手を見つめていた。

 

シノン「・・・・・・どうしたの・・・・・・?」

 

シノンはキリトに心配そうにそう言ったが、キリトは次の試合の為にフィールドに転送されてしまった。

 

シノン「あっ・・・・・・」

 

テツヤ「・・・・・・斬月無しでやれるのか・・・・・・アイツ相手に俺は・・・・・・」

 

シノン「ざん・・・げつ?貴方の別のゲームで使ってる武器のこと?」

 

テツヤ「あ、聞こえてたか。悪いな。今のことは忘れて・・・」

 

俺はそう言ってその場から離れようとしたが、シノンが俺の肩を掴み逃さないようにした。

 

シノン「待ちなさい!」

 

テツヤ「し、シノン?」

 

シノン「私に何があったか教えろとは言わない・・・・・・ただ、何かに気を取られて腑抜けた試合したらBOBじゃなくともアンタの額に風穴開けるからね!!!!私との勝負忘れたら許さないからね!!!!」

 

テツヤ「・・・・・・わぁってるよ。サンキューなシノン。」

 

俺はそう言ってシノンの頭に手を置くと、俺の身体が次の試合の為に転送され始めた。

 

テツヤ「んじゃシノン!次もサクッと勝ってくるな!」

 

俺はそう言い残して、次の試合のフィールドへと向かった。

 

シノン「・・・・・・勝ちなさいよ・・・・・・ホントに・・・・・・」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

俺は何を言ってるんだ・・・!!!!ここはソードアート・オンラインでもなければアルヴヘイム・オンラインでも無い!ガンゲイル・オンラインなんだ!!!!そんな世界で斬月なんかに頼ろうとした時点で俺はまだ甘えてるんだ!過去の栄光に!!!!

 

過去の栄光なんざ捨てろ!!!!今は・・・・・・目の前の敵に全神経を集中させるんだ!!!!

 

過去の栄光には縋らない・・・でも、過去にやってきた戦い方を思い出せばきっと勝てるはずだ!!!!

 

2回戦はもう始まっている。既に俺に数発の弾丸が当たってるが、これも良い教材だと思えば安いもんだ。

 

テツヤ「そうだ・・・・・・俺は・・・・・・負けない!!!!」

 

スラッシュエッジを両手で投げ、それと同時に敵に向かって走る。

 

敵は左右両方から迫るビームブーメランの対処に追われるが、それと同時に目の前に俺が現れると言う三面楚歌の状態。後ろに下がろうとも弾丸の前には無力だ。

 

「んな馬鹿な!?」

 

テツヤ「これで終いだ!!!!」

 

俺は1発の弾丸と2つのスラッシュエッジによる攻撃で敵を一撃で倒した。そして俺に戻ってくるブーメランをしっかりとキャッチして2回戦目も突破だ。

 

テツヤ「負けない・・・・・・どんな相手だろうが俺は戦う!!!!」

 

俺はこの勢いに乗り、3、4回戦目も難なく突破。そして続く5回戦。

 

~5回戦~

 

「これだけ弾幕を張れば近寄れないだろ!」

 

敵は俺の戦法と相性が少し悪い弾が普通より多いマシンガンを使ってる。それにより弾切れと同時に近づくということがなかなか出来ない。

 

テツヤ「・・・でも・・・こっちの武器をお忘れなくってね!!!!」

 

俺と敵の距離はそこまで離れてはいない、俺はスラッシュエッジを投擲し敵ではなく、敵の銃口目がけて投げた。

 

すると、見事にビームブーメランの刃先が銃口に当たり、そのまま銃口を斬り裂いた。

 

「じゅ、銃口が!?」

 

これはSAOやALOでも使われていた武器破壊だ。まだサブアームがあるが見たところハンドガンだし弾道予測が一辺倒になるハンドガンならば突っ込もうが当たりはしない。

 

「ひ、ひぃ!?」

 

テツヤ「本戦出場は貰ったぁ!!!!」

 

そう言いながら敵の後ろに回り込み、左腕で首を締めながらコルトパイソンの銃口を頭に押し付けた。

 

「ま、まて!?」

 

テツヤ「待たねぇよ。」

 

俺はそのまま有無を言わさずに撃ち抜き、見事に5回戦も勝利。これで無事にBOB本戦出場決定だな。

 

それに、この予選で大分戻ってきた・・・・・・相手を殺す気で戦うってスタイルが。

 

この戦い方はユウキを守るために常に相手を殺す気で行けって言うもう1人の俺の教えてくれた戦闘スタイルだが、流石にアップデート後のALOでそこまでする必要も無いと思い、その戦い方は封印してきた。

 

だけど、相手がSAOサバイバーでありしかも、ラフィン・コフィンって言うなら容赦はしない・・・!!!!

 

テツヤ「俺がこの手で叩き潰す!!!!」

 

俺はそう言って5回戦の勝利ファンファーレと共に、拳を握った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

場所は変わり、シノンの5回戦会場に。

 

シノン「車で移動してるのね・・・・・・確かにそれなら上手く狙いは定まら無いかもしれない。でも・・・・・・相手が悪かったわね。」

 

そう言ってシノンは、敵の乗る車の前方数メートルに1発の弾丸を放つ、するとその弾丸は見事に車を運転する敵のプレイヤーの頭を撃ち抜き、シノンが5回戦目を突破。

 

シノン「車から降りてればまだ勝機はあったのに・・・でも、これで私も本戦出場決定ね。」

 

こうして、Fブロックからはテツヤとシノンが本戦出場することに決まったのだった。

 

シノンはバトルフィールドから戻り、テツヤとキリトの戦闘結果をみた。

 

シノン「よし。無事に勝ったわね。テツヤ。キリト。」

 

テツヤも本戦出場を決めたが。キリトも無事にGブロックからの本戦出場を決めた。これで3人は本戦で戦えるというわけだ。

 

シノン「でも、テツヤの戦い方は一体どうだったのかな・・・」

 

シュピーゲル「その辺はじっくり見てたよ。彼女の戦いっぷり。」

 

シノン「シュピーゲル。それで?どうだった?」

 

シュピーゲル「彼女は凄いよ。アジリティの特性を最大限に活かして殆ど一撃決殺。方法はまずブーメランを2つ敵に目がけて投げて、敵がそれに目を取られてるうちに高速で接近して 相手が慌てふためいてる時に自身の攻撃と投げてたブーメランが当たりゲームセット。華麗に決める姿を見て既にメロメロになってるプレイヤーもいるみたいだね。」

 

シノン「そ、そうなのね・・・キリトは?」

 

シュピーゲル「彼は剣で相手の弾丸を切りながら突き進んで、銃で牽制しながら接近して最後には剣でトドメ!数発の弾丸は気にしないタイプだね。強引だけど勝ててるのが凄いよ。」

 

シノン「なるほどね・・・・・・」

 

シュピーゲル「シノン。気をつけて 彼女は強い。きっと自分なんかより遥かに。でも信じてるよ。君の勝利を。」

 

シノン「うん。ありがとう。やるからには勝つわよ。貴方の今までの戦法がスナイパーに通用するかしらね テツヤ。」

 

シノン(強いなら・・・・・・余計に勝たせてもらうわよ・・・・・・テツヤに勝って・・・・・・自分に自信を持たせることで私はトラウマを克服してみせる!!!!)

 

シノン「・・・・・・次に会えた時に・・・・・・変われた私を貴方に見せたいから・・・・・・」

 

シュピーゲル「?シノン?どうしたんだ?」

 

シノン「ううん。なんでもない。さて、そろそろ決勝ね!本気で来なさいよテツヤ!!!!」

 

『 Fブロック決勝戦がまもなく始まります。モニターにご注目ください。』




血の惨劇による悲劇でテツヤとキリトは互いに深い傷跡が残り、両者共にその傷跡は癒えていない。

そんな中で2人はデスガンを追い詰めることは出来るのか?

次回はいよいよテツヤとシノン 死神と女神の直接対決!お楽しみに!

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