ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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今回は大分前のユウキとアスナがメインだったドラマCDを元に話を作ってます!これを見てクスッと笑って頂けたら幸いです!

ではどうぞ!


Part105 初夏~水着とユウキの嫌いな食べ物~

7月も中旬に差し掛かり、いよいよ夏本番。

 

ユウキとアスナは、ALO内でも熱い場所にいた。

 

ユウキ「うぅーん!熱いね~!」

 

アスナ「ここは春夏秋冬いつでも気温30度超のエリアだからね~」

 

ユウキ「冬でも夏を感じるならここだね!」

 

アスナ「太陽もずっと動かないで定位置にいるから、動かないでも汗が出ちゃうね。」

 

ユウキ「これで蝉の大合唱と風鈴の音が聞こえればザ・日本の夏って感じだよね!」

 

アスナ「ふふふ♪そうだね♪あっ、ユウキは今年の夏は何したい?」

 

ユウキ「今年?今年はやりたいこといーっぱいあるんだ!皆でBBQしたり~川で冷やしたスイカ食べたり!あっ、食べる前に目隠ししてスイカ割りしたいな!後はテツヤと一緒に冷やし中華始めましたって貼ってあるお店で冷やし中華食べたり、この日は値段が上がって高いって分かってるけど!テツヤと一緒に土用の丑の日に鰻を食べて!海の家で勢いよくかき氷を食べてこめかみがツーンってなってる感じのところをテツヤと一緒に感じたいな!今まではアインクラッド攻略に追われてたけど、今年はたっくさん遊ぶんだ!」

 

アスナ「ユウキのしたいことって食べ物の話とテツヤ君と一緒にいることばかりだね♪ユウキらしいって言えばユウキらしいけどもね♪」

 

ユウキ「ありゃ?でもでも!それ以外にもしたいことはあるよ!白いワンピース着て沢山のひまわりを見に行ったり、赤い浴衣を着て花火大会に行ったり、盆踊りを踊って蚊に刺されたり青い浴衣を着て短冊に願い事を書いて七夕もしたい!あ、後キャンプに行って釣りもしたい!皆で流しそうめんも!あっ!ところてん作ってみたいな~!水羊羹も食べたいしわらび餅も捨てがたいな~♪」

 

アスナ「ふふふ♪やっぱり最後には食べ物の話になってるね♪」

 

ユウキ「はりゃ?」

 

ユウキとアスナは互いに笑いあった。平凡なことをこんなに存分に話せるのも、2人にとってはとても大事な時間。

 

アスナ「私も、夏!って感じのことをしたいな~せっかくだし、今年は皆で沢山のことをして想い出を作ろうね!」

 

ユウキ「うん!皆で楽しもうね!」

 

アスナ「あっ、夏らしいって言えば今度キリト君達がテツヤ君やショウ君達を誘って肝試しをしよう!って言ってたけど、ユウキは行く?私は肝試し苦手なんだよね~・・・」

 

ユウキ「うぇ・・・肝試しはボクも・・・怖いの嫌いだし・・・」

 

ユウキ(あれ?テツヤも誘う?って言うことは・・・・・・)

 

ユウキ『あぅぅ・・・・・・怖いよぉ・・・・・・』ギュッ

 

テツヤ『ったく、怖がりなんだから。俺と一緒にいれば怖くないよ♪』

 

ユウキ『えへへ・・・テツヤ・・・♡』

 

テツヤ『ユウキ・・・・・・』

 

ユウキ『テツヤ・・・・・・』

 

ユウキ「なんてねなんてねなんてね~!!!きゃー!!!!!」

 

アスナ「ゆ、ユウキ?どうしたの?いきなり腕をぶんぶん回し始めて。」

 

ユウキ「えっ!?いや!その・・・実はテツヤのことを・・・・・・」

 

アスナ「あらあら♪付き合う前からテツヤ君のことを考えると感情が昂るのは変わらないね♪」

 

ユウキ「えへへ♪」

 

アスナ「あ、そう言えば、水着とかどうなの?テツヤ君のことを落とす為の水着用意しなくちゃね~♪」

 

ユウキ「み、水着!?水着なんて考えたこと無かったよ~・・・」

 

アスナ「きっと可愛い水着を着ていつも通り過ごしてればテツヤ君もユウキの事襲っちゃうかもね~♪」

 

ユウキ「あぅぅ・・・/////」

 

アスナ「よぉし!そうと決まったら早速水着を買いに行こ!」

 

ユウキ「えぇ!?だってALOの中で買っても現実だと・・・」

 

アスナ「ALOで色々見ておけば、現実世界でその教訓が生かせると思うよ!」

 

ユウキ「それもそうだね!うん!分かった!一緒に水着を買いに行こアスナ!」

 

アスナ「うん!」

 

こうして、ユウキとアスナの2人は水着を買いに行くことに。果たして2人はどんな水着を買いに行くのだろうか。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

ユウキ「な、なんだったの・・・今のお店・・・」

 

アスナ「危うく水泳の世界に行くところだった・・・」

 

2人はALOの中心にあるアルンで水着を買おうとしていたが、一店舗目は、競泳水着専門店に入ってしまっていた。一応試着はしたが当然そんなものを買う訳はなく、たった今出てきた訳である。

 

ユウキ「でも、競泳水着って着る機会そこまで無いし、良い経験には慣れたのかな?」

 

アスナ「確かに、なかなかああいった機会は無いし、それに、こんな水着もあるんだってことも学べたし間違った場所では無かったのかもね。」

 

ユウキ「間違ってもテツヤには見せれないけどね!」

 

アスナ「私もキリト君には見せれない!」

 

ユウキ「でも・・・アスナってやっぱりおっぱい大きくて羨ましいなぁ~・・・」

 

アスナ「ゆ、ユウキ?いきなりどうしたの?」

 

ユウキ「だって・・・テツヤってばおっぱい星人だから・・・ボクも大きくなりたいな~って・・・」

 

アスナ「ユウキの気持ちは分からない訳ではないけども、テツヤ君ならこう言ってくれるんじゃない?『ユウキのおっぱいならどんな大きさでも大好きだよ♪』って!」

 

ユウキ「アスナ・・・よぉし!こうなったら水着でテツヤを惚れ直させてやる!ボク以外を見せないようにしてやるんだから!」

 

アスナ「うんうん!その意気だよ!あ、この先にアルン最大規模の水着屋さんがあるんだって!24時間営業らしいよ!行ってみようよ!」

 

ユウキ「水着で24時間営業って言うのも珍しいね。よぉし!頑張って可愛いの選ぶぞ~!」

 

2人は早速その店を目指し歩き、5分もしない内にその水着店に着いた。

 

扉を開くと2人の目には早速様々な種類の水着が入った

 

ユウキ「色々な水着が沢山あるね!ワクワクしちゃうな~!」

 

アスナ「だね!これだけ沢山あったら選べないよ~!」

 

2人が歓喜の声を上げてるその時、1人の店内にいる女性NPCが声をかけてきた。

 

「へぇ~い!いらっしゃいまへ~!」

 

アスナ「あ、こんにちは!」

 

ユウキ「どうも!」

 

2人は戦慄した。実は先程の競泳水着専門の店主も相当に癖のあるNPCだったのだ。

 

ユウキ「アスナ・・・またおかしな人引いちゃったね・・・」

 

アスナ「うん・・・でも、お客さんは結構いるし大丈夫じゃないかな・・・?」

 

ユウキ「そだね・・・」

 

2人はお客さんの多さを信頼して、水着を選ぶことにした。

 

ユウキ「あっ!このレースのやつ可愛い~!」

 

アスナ「ほんとだ!可愛いね!」

 

ユウキ「水着はツーピースにしたいんだけど、アスナみたいにグラマーじゃないから胸元はレースっぽい感じでボリュームを出したいなって思ってるんだ!」

 

アスナ「ユウキなら何でも似合うよ!私はこっちの方かな~?」

 

ユウキ「それじゃあ試着してみよ!すいませーん。」

 

「へいへーい!なんでガスか?」

 

ユウキ「・・・?・・・・・・えぇっと!この水着試着したいんですけどぉ・・・」

 

「あぁぁー!!!試着でガスねぇ!水着は試着から始まり、試着は水着から始まる~ってね!良く言いますもんねぇ?」

 

ユウキ「はぁ?いや、あんまり聞いた事無いんですけど・・・」

 

「あらっ!?お客さん!卵が先かニワトリが先かって、聞いたことないでガスか?それと同じ感じでガスよ!」

 

ユウキ「聞いたことありますけど!意味が違うんじゃないですかねぇ?」

 

アスナ「ユウキごめんね・・・またなんか変なお店に入っちゃったね・・・」

 

ユウキ「あ、いいよいいよ!沢山水着があってジャンルは偏ってないし!」

 

「何かあったでガスか!?」

 

ユウキ「いや、水着屋さんで24時間営業って珍しいな~って。」

 

「あっりがっとうござっいます!よく褒められるでガス!」

 

ユウキ「褒めたんじゃないけどなぁ・・・」

 

ユウキは呆れながらそう言った。

 

「えぇ~私のお店とかけまして~壊れたカメラと解きます~」

 

ユウキ「えっ!?突然!?なんですか!?」

 

「壊れたカメラと解きます~!はいそちらのお嬢さん名前は?」

 

アスナ「アスナ・・・ですけど・・・」

 

「はいアスナさん!!『その心は?』って言って!」

 

アスナ「へっ!?あ、あぁ・・・はい・・・その心は?」

 

「シャッターが締まりません!!うっしっしっし!!24時間営業してるからね!!うっしっしっし!!カメラ壊れてるからね!!うっしっしっし!!」

 

店員は不気味な笑いをあげて自身のなぞかけの種を喋っていた。

 

ユウキ「上手いけど怖いよぉ!!」

 

アスナ「謎かけ・・・でしょうか?」

 

「そうでガス!365日。水着か謎かけのことだけを考えてるでガス!水着?謎かけ?謎かけ?水着?どっちでガショ?」

 

ユウキ「何言ってんのかなこの人・・・試着しても・・・...」

 

「おぉっと!失礼したでガス!えぇっと、貴方のネーム!プリーズ!」

 

ユウキ「ユウキですけど・・・」

 

「ありがとうこざいます!お二人様。思うぞんっぶん!試着してください!」

 

アスナ「は、はい・・・」

 

ユウキ「良し!それじゃあアスナ!着てみよ着てみよ!」

 

アスナ「そうだね!着てみよっか!」

 

2人は試着室に入り、それぞれ着替え始めた。

 

ユウキ「どう?出来た?」

 

アスナ「うん!せーので開けよ!」

 

ユウキ「うん!」

 

2人は『せーの』の合図で互いに試着室のドアを開けた。

 

ユウキ「うわ~!アスナ可愛い~!ドレスパレオが似合ってるよ!」

 

アスナ「ユウキもとっても似合ってるよ!胸が~って言ってたけど、心配する程の大きさじゃないじゃん~♪」

 

ユウキ「えへへ~♪そ、そうかな~♪」

 

互いの水着を褒め合う一方で、店員の方はまたもや謎かけの準備をしていた。

 

「えぇ~アスナさんの胸とかけまして~ホールインワンと解きます~」

 

アスナ「ま、また謎かけ・・・ですか?」

 

「アスナさんの胸とかけまして~!!」

 

アスナ「うぅ・・・そ、その心は・・・?」

 

「どちらも!パッドが必要ないでしょー!!はい勿体ない!ドレスパレオもいらないでしょー!」

 

アスナ「はぁ・・・」

 

「さて!アスナさんの胸とかけまして~あいうえおと解きます!」

 

アスナ「あ、あのぉ・・・」

 

ユウキ「うーん、なんだろ?その心は?」

 

「どちらも!ボインですぅ~!うっしっしっし!!」

 

ユウキ「あ~なるほど!上手い!面白いね!ボクもやってボクも!」

 

「はいお任せあれ!ユウキさんの胸とかけまして~料理の小鉢と解きます。」

 

ユウキ「その心は?」

 

「どちらも器が小さいでしょう!!」

 

ユウキ「問題の時点で直ぐにわかったよ!ちょっと!失礼だなぁ!」

 

アスナ「店員さん凄いですね・・・楽しめてるユウキも尊敬するけど・・・」

 

「おぉぅ!アスナさん!置いていってしまって失礼したでガス!二人共。その水着のチョイス素晴らしゅうございます!ガスが、もっとお似合いなものを着てみませんか?この水着マスターである私にお任せするでガスよ!」

 

ユウキ「ふむ・・・それじゃあ・・・」

 

アスナ「お願いしようかな・・・?」

 

「合点承知之助!アスナさんはこっち!ユウキさんはこっち!お二人のアイテムストレージに追加されたでガス!どうぞどうぞ!フィッティングルームへGO!!」

 

ユウキ「それじゃあ着てみよっか!」

 

アスナ「ちょっと心配だな~・・・」

 

2人は試着室に向かい、それぞれのアイテムストレージに入った水着を開いた。

 

ユウキ「えぇ!?何これ!?」

 

アスナ「こ、これ着るの!?」

 

「つべこべ言わず着るでガス!準備はよろしいでごザンスか?フィッティングルームOPEN!!」

 

店員がそう言うと、2人は同時に試着室から出てきた。互いに着てるものに違和感を感じながら。

 

「二人ともと~~~ってもお似合いですよ!」

 

アスナ「め、面積が少なすぎる気が・・・・・・」

 

アスナが渡されたのは際ど目のビキニ。アスナのナイスバディにとても合っている白ビキニだった。

 

「いやいや!そんなことないでガスよ!」

 

ユウキ「ぼ、ボクなんてスク水だよ・・・」

 

ユウキに渡されたのはユウキの言う通りスク水。一体これでテツヤを釘付けには出来るのだろうか?

 

「いやいや・・・素晴らしいでガス・・・二人共勘違いしてるでガス!貴女達の価値は貴女達が決めるのではありません!見ている第三者の方々が決めるのでガス!水着マスターである私の選んだ水着を着ることで貴女達の価値は2倍にも3倍にも膨れ上がるでガスよ!!!さぁ!誇りを持ってこの水着を選ぶでガス!」

 

店員の自己理論を聞き、違和感を感じてた2人は若干今来てる水着を認めつつあった。

 

ユウキ「な、なんか店員さんの自信が凄い・・・!」

 

アスナ「だね・・・」

 

ユウキ「ボク・・・・・・これにする!!これください!」

 

アスナ「じゃあ私も・・・」

 

「はい!ありがとうございます!ではいざ!アスナさんとユウキさんの水着姿とかけまして~私の貯金と解きます!」

 

ユウキ・アスナ「「その心は?」」

 

「けっっこう・・・・・・たまりませんな~♪うっしっしっし!!!」

 

こうして、2人のALO内での水着選びは終了した。その後、丁度ALOにログインしてたテツヤとキリトが同じ場所にいたので合流し、その事を互いに話したのだった。

 

ユウキ「あの店員さん不気味だったけど面白かったんだ!」

 

アスナ「2人にも合わせたいね♪」

 

キリト「謎かけをする店主か。俺も是非会ってみたいな。」

 

テツヤ「よっし。なら僭越ながら俺も謎掛けを1つ。」

 

ユウキ「え?テツヤに出来るの?」

 

アスナ「面白そう!テツヤ君なりの謎かけを聞かせてよ!」

 

キリト「高度な謎かけを期待してるぞ。」

 

テツヤ「まぁそこまで期待しないでよ~では!ユウキの胸のカップ数とかけまして~アルファベットの最初の文字と解きます!」

 

ユウキ「・・・・・・・・・その心は・・・・・・・・・・・・?」

 

テツヤ「どちらもAでしょう!」

 

ユウキ「バカぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ユウキはアホ毛をドリルのように鋭利な形にし、回転しながらテツヤの腹に突撃した。

 

テツヤ「ゴッ!?」

 

アスナ「いくら彼氏でも言っていい事と悪いことがあると思うな~私・・・」

 

キリト「見損なったぞテツヤ・・・お前が女心が分からないやつだったなんて・・・」

 

ユウキ「今日一番失礼だよ!!大体!ボクのカップ数はB!!!!!いつも揉んでる癖に!!」

 

テツヤ「ぐふっ・・・ごめん・・・あ、後でスク水見せて・・・・・・」

 

テツヤはそう言い残して倒れた。

 

ユウキ「・・・・・・馬鹿・・・・・・言われなくても見せるつもりだったよ・・・・・・/////」

 

こうして、水着選びは幕を閉じた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時はテツヤがアホ毛ドリルの餌食になった数日後。あの場に居合わせていた4人はテツヤのALO内の料理を食べる為アルンのとある宿にいた。

 

~アルン・宿内~

 

ユウキ「はーむ!~♪美味しい!全部美味しいよ!ぱくぱく♪」

 

ユウキは口に含んだ料理を幸せいっぱいに感じ、何度も何度も噛むことで料理の深みを味わい、口に含んだ料理を飲み込み、感想を述べた。

 

ユウキ「全部美味しいけどこの牛肉料理は最高!なんて言えば良いのかな?見た目はステーキなんだけど口に含んだら全然予想できなかった味が広がって今まで味わったことの無い感覚が喉の奥で染み込んでくる感じ!と思ってたら、なんだか懐かしい感覚に変わっていて、身体は覚えてるけど感覚が覚えてないって言うかそんな感じがする!切なくて甘酸っぱいあの初恋の頃をする思い出す感覚!なんと言ってもお肉は噛み締めるほどに味が出てきて程よい甘さがある!凄いのはすっごい柔らかいのにしっかりとしたのお肉の感覚が味わえる!想像できるんだ・・・♪このお肉の元となった牛が広大な牧場で自由にゆったりと過し、ご飯である草を食む姿が・・・!しっかり発育したのを舌で感じ取ることが出来るんだ!美味しいでは表せないこの感覚!なんていえば良いかわからないけどテツヤ大好き!!」

 

ユウキは目を輝かせながらそう言った。

 

テツヤ「お、お前の食への感想記述欄は終点が見つからないな・・・」

 

ユウキ「いつの間にALOでもこんなに美味く料理を作れるようになったのさ!凄いけどなんか悔しい~!」

 

アスナ「でも本当に美味しいね♪毎日このレベルのご飯を食べられるユウキが羨ましいな~♪」

 

テツヤ「いやいや、あくまでここまで味を引き出せるのは食材のおかげでもあるわけで、毎日このレベルは出せないよ。」

 

キリト「アスナにも引けを取らないこの味・・・悔しいが認めざるを得ない・・・!」

 

テツヤ「サンキュー。アスナと比べてもらえて俺も嬉しいよ。」

 

アスナ「どうやってこんな短期間に料理スキルを?」

 

テツヤ「あぁ、今はお昼寝の時間だけど、ユキが偶におやつ~って言ってくるからそん時にホットケーキだとかを作ってたら全然上手くいかなくてさ。それが癪に触ったらからとりあえずホットケーキを完璧に仕上げられるレベルまで上げようって思ってたらいつの間にか当の目標は達成してて、それ以後も色々と作ってたらここまで仕上がってたってわけさ。」

 

ユウキ「むぅ~SAOでは料理スキルをほぼMAXまで上げるのに2年かかったのに~」

 

テツヤ「お前の場合最初の段階が酷すぎたんだよ。今となっちゃいい思い出ではあるがね。」

 

俺はそう言ってユウキの頭を撫でた。

 

アスナ「ユウキの最初の料理ってどんな感じだったの?」

 

テツヤ「そりゃもう酷かった。ほぼ全ての食材は生。野菜は硬いわ肉は生焼け出しで今考えると何故あれを完食できたのかは謎だ。」

 

キリト「まぁ、どんな達人も最初はそんなレベルだってことだな。」

 

ユウキ「そーだそーだ!その後美味くなったから良いんですぅ!」

 

テツヤ「そうだな。美味くなったねユウキ。あっ、そういやデザートもあったんだ。今持ってくるね。」

 

ユウキ「わーい!」

 

こうして、デザートも食べ終え食事会は終了となった。

 

ユウキ「ふぇ~食べた食べた~♪」

 

アスナ「お腹いっぱいだね~♪」

 

キリト「テツヤ。ごちそうさま。」

 

テツヤ「お粗末さま。さて、ユウキ?なんか今日話したいことがあるんじゃなかったか?」

 

ユウキ「あっ・・・う、うん・・・実は・・・とっても大事なことなんだ・・・ボク達のこれからに関わってくるような・・・」

 

テツヤ「ユウキ・・・」

 

そう言ったユウキの口取りをとても重かった。場の空気を悟ったキリトとアスナの2人はその場から出ようとしていた。

 

アスナ「あ!あの!私達予定があるからここで・・・」

 

キリト「先に失礼するな!」

 

ユウキ「あっ!待って!2人もここにいて欲しいの・・・ていうか、2人がいなきゃこんなことテツヤの前で話せないし・・・」

 

キリト「そ、そうなのか?」

 

アスナ「そ、それじゃあ・・・」

 

テツヤ「・・・・・・何があったんだ?」

 

テツヤがそう聞くと、ユウキは重い口を開いた。

 

ユウキ「実は・・・・・・ボク・・・・・・゛椎茸゛が嫌いなんだ!!!!!」

 

キリト・アスナ「「えぇっ!?」」

 

アスナ「あ、アレルギー?」

 

ユウキ「ううん。そんなことじゃないの・・・見た目、食感。後匂いが・・・」

 

テツヤ「やっぱりか。」

 

ユウキ「えぇっ!?気づいてたの!?」

 

テツヤ「当たり前だろうが。俺が料理担当の時に椎茸が入った料理作ると必ず俺の皿に毎度毎度入れてくるじゃねぇか。それで気づけない方がアホだっての。」

 

ユウキ「あはは・・・バレちゃってたんだ・・・そう、今日は椎茸の克服を目指して3人の知恵を借りたいんだ!」

 

キリト「な、なんだ・・・てっきり凄く重い話かと・・・」

 

ユウキ「ボクにとっては重い話なの!」

 

キリト「ご、ごめん!」

 

テツヤ「事の発端はなんで椎茸が嫌いになったんだ?」

 

ユウキ「実は夢が原因で・・・」

 

アスナ「夢?」

 

ユウキ「うん。小学校3年生の時の夢でね?二学期初の授業!ってことで意気込んで学校に行ったらね?ボクの隣の豪郎(たけろう)君って子がね、夏休みの図画工作の宿題で変なのを作って来ててね?学校に持ってきてたのに提出をしなかったの。」

 

キリト「椎茸と関係あるのかそれ・・・」

 

テツヤ「豪郎が持ってきたのが椎茸の形をしたアレだったとか!」

 

ユウキ「小学校3年生でそんな夢見るか!」

 

テツヤ「ごめん・・・」

 

ユウキ「工作事態は豪郎君の父さんが履き古した下着で作って来てたんだ。なんだっけな~?覚えてない無いな~?変なもの!って言うのは確かだけど・・・」

 

アスナ「お、お父さんの履き古した下着!?」

 

テツヤ「親父の下着が出てきてる時点で似たようなもんじゃねぇかよ。」

 

ユウキ「それとこれとは話が別!あ、話の続きはね?教室に先生が来て出席番号順に工作を提出してたんだ。豪郎君の番が来たんだ・・・工作を人前で絶対見せたくなかった豪郎君は、その場しのぎの嘘を付いたんだ。『工作は家に忘れてきました。』ってね。そしたらね!?豪郎君の鼻の形が変わって行ったの!先生が『放課後家に取りに行きなさい!』と言ったら豪郎君は『今日は親戚の家に泊まりに行くので家に取りに行けません。』って答えたんだ。豪郎君の鼻がみるみる内に濃い茶色になって、50センチくらい伸びたの!その形こそ・・・ボクの天敵である椎茸にそっくりだったんだ・・・」

 

アスナ「ま、まるでピノキオだね・・・」

 

ユウキ「そして先生が『(しい)君。嘘を付いてるね!』って怒ったんだ!あ、椎君って言うのは豪郎君の苗字ね!」

 

テツヤ「椎豪郎ね・・・」

 

アスナ「いかにも夢!って感じの名前だね!それでそれで!?」

 

ユウキ「豪郎君が『嘘なんて付いてません!』って言ったもんだからグングングングン鼻が伸びていって教室の端まで到達!ボクの友達が『豪郎君の鼻、椎茸だ!』って言うと優しい先生がまるで悪魔のような顔でこう言ったの!『貴様らァ!!!!!椎を捕まえろぉ!!!!!高く売れるぞぉ!!!!!』ってね!」

 

アスナ「夢とはいえ酷い話だね・・・」

 

ユウキ「うん・・・豹変っぷりがそれはもう怖くて・・・豪郎君は皆に捕まえられそうになったんだけど、嘘つきまくって椎茸を伸ばしに伸ばして学校の外へ上手く逃げたの。そして、豪郎君の逃亡物語が幕を開けた・・・!」

 

アスナ「それからどうなったの?」

 

テツヤ「おい待て。ユウキ。お前まさかその夢1本で椎茸が嫌いに?」

 

ユウキ「うん!いやだって気持ち悪いし・・・」

 

キリト「豪郎君の逃亡物語は気になる・・・長そうな夢だけど・・・」

 

ユウキ「ここから豪郎君は街で指名手配。上手い具合に逃亡生活を続けるの。その逃亡生活が映画みたいで面白くって!最後にあっと驚く展開が!ここから語ると1時間はあるね!」

 

テツヤ「豪郎君の結末は気になるとこだが、長ぇなそりゃ・・・」

 

ユウキ「しかも豪郎君の子供も活躍する続編付き!」

 

アスナ「子供も活躍するんだね!うぅ~!気になる~!!一体どれだけそのシリーズの夢見てるの!?」

 

ユウキ「いやぁ~2回しか見てないけど豪郎君の人生はボクの手の中だよ♪」

 

テツヤ「むっ・・・」

 

ユウキ「あれれ~?テツヤまさか嫉妬~?」

 

テツヤ「るせぇ。」

 

テツヤはなんだか悔しそうにユウキにデコピンをした。

 

ユウキ「いてっ!」

 

キリト「でも話は気になるな・・・」

 

アスナ「うんうん!是非今度続きを聞きたい!」

 

テツヤ「とにかく!!今はユウキの椎茸嫌い克服だろ?」

 

ユウキ「あ、そうだった。とりあえずボクの椎茸嫌いは豪郎君のせいってことで!」

 

キリト「とばっちりだな・・・豪郎君も・・・」

 

テツヤ「まっ。とりあえず克服するには食べてみなくちゃ始まらん。アスナ。手伝ってくれるか?」

 

アスナ「勿論!」

 

ユウキ「お、お手柔らかに・・・」

 

こうして、ユウキの椎茸嫌い克服大作戦が始まったのであった。

 

まず最初に、テツヤとアスナの協力して作った椎茸料理を食べてみることに。

 

テツヤ「とりあえず満腹だろうし小腹に収まる感じの料理にしてみたよ。椎茸ハンバーグと、椎茸のバター焼き。どっちも小さいから食べられるだろ?」

 

ユウキ「う、うん・・・」

 

アスナ「私達2人で作った自信作だから食べてみて!」

 

ユウキ「そ、それじゃあ・・・はむ・・・うぇっ!?ふぇぇぇ~!久しぶりに口にしたけどやっぱダメ~!」

 

ユウキは水を一気に飲み干し、水と共に椎茸を飲み込んだ。

 

キリト「うーん・・・以前は苦手ながらも食べられてはいたんだろ?」

 

ユウキ「うん・・・豪郎君の夢を振り返らなきゃ駄目かなぁ・・・」

 

テツヤ「まぁ焦ることも無いさ。とりあえず日を改めて、また新しくいい案が出たらそれを試してみるってことで。」

 

アスナ「そうね、無理に進めるのが1番良くないしね。」

 

ユウキ「ごめんね・・・無理言って・・・」

 

テツヤ「良いんだよ。他でも無いお前の頼みだしね。」

 

アスナ「そうそう♪いつでも頼ってね♪」

 

キリト「力になれるならなんでも手伝うぞ!」

 

ユウキ「皆・・・ありがとう・・・!」

 

こうして、このメンバーでのユウキの椎茸克服作戦が始まった。

 

テツヤ「にしてもな~今まで食えなかったのが急に豪郎君のせいで食えなくなったってのも、ユウキっぽいとこだよな~」

 

アスナ「うーん、アレルギーでもないとすれば克服できる可能性は高いと思うけどなぁ・・・」

 

キリト「なら、いっそ逆に近づいてみるのはどうだ?」

 

アスナ「と言うと?」

 

キリト「確かアルンの農業地域で色々な食材を育てられる場所があったんだ。その場所で椎茸を育てればユウキもまた椎茸が食べられるようになるんじゃないかな?」

 

テツヤ「ふむ。なるほどな。確かにその手はあるな。」

 

アスナ「でも、それって逆にもっと嫌いになる可能性もある諸刃の剣じゃ・・・」

 

キリト「その可能性もある。だからこの作戦は慎重に動かなきゃいけない。」

 

テツヤ「だったらその付き添いは俺に任せてもらう。任せとけ。」

 

アスナ「うん!頼んだよテツヤ君!」

 

キリト「ユウキの椎茸嫌いの鍵はお前だテツヤ!」

 

テツヤ「おう!んじゃその事ユウキに伝えてみるな!」

 

こうして、テツヤとユウキの椎茸栽培が始まろうとしていた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ユウキ「う~ん♪いい風が通る山道だね~♪」

 

テツヤ「あぁ、ここならいい食材が育てられそうだ。」

 

テツヤとユウキは椎茸栽培の為、アルンの農業地域の山奥に来ていた。

 

ユウキ「でもさ?椎茸ってこの季節に育てるの?」

 

テツヤ「調べた限りだと、春先から育てるんだけども、今から行くとこに行けば年がら年中いつでも椎茸栽培が体験できるらしい。」

 

ユウキ「なるほど!年中育て始められるなんて流石はVRだね♪」

 

テツヤ「普通なら何ヶ月とかかるけども、スピーディー体験の日程もあるらしいよ。今回やるのはそのスピーディー体験だね。」

 

ユウキ「あっ!煙突から煙が出てる小屋があるよ!あそこじゃない!?」

 

テツヤ「おっ、そうみたいだな。到着だな。」

 

テツヤ達は小屋に着くと、小屋のドアを開けた。

 

テツヤ「すんませーん。」

 

「へーい!!いらっしゃいまっへー!!」

 

ユウキ「あぁー!!!この間の水着屋さん!!」

 

「おぉっと!覚えてるでガスよ!素晴らしい!ビューティフォーな水着を着用なさったユウキさんですね!!」

 

テツヤ「水着屋さんってことは噂の謎かけ店主?でも水着屋の人がなんでこんな椎茸栽培を?」

 

「噂で耳にしてくれたでガスね!ありがとうございます!私、ここの農家の経営者でゴワス!年中椎茸のことを考えてるでガス!はい!いざ!」

 

ユウキ「よっ!待ってました!」

 

「椎茸とかけまして~お祭りと解きます!」

 

ユウキ「えぇ~!なんだろ~!楽しみ~!」

 

「はい!そこのユウキさんの彼氏さん!貴方お名前は?」

 

テツヤ「テツヤです。」

 

「はいテツヤさん!『その心は?』って言ってcome on!」

 

ユウキ「早く早く!」

 

テツヤ「そ、その心は?」

 

「どちらも!ダシが決め手です!!」

 

ユウキ「うわぁ~!相変わらず面白い!」

 

ユウキは拍手をして褒め称えた。

 

「ありがとうございます!ではご期待に添えてもういっちょ!」

 

ユウキ「わーい!」

 

テツヤ「す、凄いな。そんな早く思い浮かぶもんなのか。」

 

「椎茸とかけまして~」

 

ユウキ「椎茸とかけて!?」

 

「オリンピックと解きます!」

 

ユウキ「わぁ!オリンピック!その心は!?」

 

「どちらも!゛キン゛が重要となるでしょう!」

 

ユウキ「相変わらずキレッキレだね!ちょっと憂鬱だったけど店員さんが教えてくれるならボク楽しく出来そうで良かったよ♪」

 

テツヤ「まっ、ユウキがやる気になってくれりゃなんでも良いさ。」

 

そう言ってテツヤはユウキのことを撫でた。

 

「それではお二人やる気になられたらところで!原木となる木を斬りに行くでガス!」

 

ユウキ「わぁ!そこから始めるんだね!楽しそう!」

 

テツヤ「んじゃ、頑張って行くか!」

 

ユウキ「うん!」

 

「あっ、お二人さん。ここは年柄年中人があまり来ないでガスが、だからといってあんなことやそんなことはNGでガスよ!うっしっしっし!」

 

テツヤ・ユウキ「「やるかぁ!!」」

 

こうして、2人の短い期間での椎茸栽培が始まった。

 

原木を斬り、菌を植えたり。ユウキも最初は乗り気では無かったがテツヤと店員のおかげでとっても楽しく椎茸を栽培することが出来たのであった。

 

そして、椎茸も完成し。遂にユウキの椎茸克服の日が・・・!

 

テツヤ「ユウキ。今回もこの前と同じ料理を作って見たよ。」

 

アスナ「それと、肉詰め椎茸も!」

 

ユウキ「う、うん・・・じゃあ椎茸ハンバーグから・・・はむ!・・・・・・っ!?大丈夫だよ!味は分かんないけど食べれる!」

 

テツヤ「おっ!作戦成功だな!!」

 

アスナ「やったねユウキ!」

 

ユウキ「うん!次は肉詰め椎茸も!はむ・・・うわぁ~!食べれる~!ありがとうテツヤ!アスナ!」

 

アスナ「どういたしまして♪」

 

テツヤ「でも、これで食べれるレパートリーが増えたなユウキ。」

 

ユウキ「う、うん・・・まぁね・・・」

 

テツヤ「?なんだ?無理して食うなよ?」

 

ユウキ「いや・・・椎茸育ててたら愛着が湧いてきてね・・・椎茸に抵抗が亡くなったと思ったら・・・最近ね?豪郎君の夢の続きを見たの。」

 

アスナ「へ?そうなの?どんな夢だったの?」

 

ユウキ「・・・豪郎君に孫ができててね・・・その孫が、ホントのことを言うと鼻が長ネギになって伸びるって内容なの・・・・・・」

 

テツヤ「お、お前まさかとは思うが・・・・・・長ネギ食えなく・・・・・・」

 

ユウキ「・・・・・・ぅん・・・・・・」

 

テツヤ・アスナ「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」」

 

テツヤ「ま、また一緒に育てるか?」

 

ユウキ「嫌・・・もう良いかな・・・・・・」

 

ユウキは若干涙目でそう言い、テツヤとアスナは落胆した。




結局、3歩進んで3歩下がってしまったユウキ。

ユウキが完全に食べ物を克服できる日は来るのか?

次回はリアルの話がメインです!お楽しみに!

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