神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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参上!!バカルテット

浄夜「……ハァ」

ミスチー「お客さん、どうしたんですか?」

浄夜「ん、いやな?俺の友人がさ、新聞を作っているんだが、全然売れないんだ。内容だって面白いのに。すべて真実だし」

 

俺は今、屋台で一人寂しく呑んでいる。実は、色々と女将さんのミスチーに愚痴を聞いてもらっているのがここ最近の習慣である。週3のペースで来ている。

 

ミスチー「え~と、どの新聞です?」

浄夜「んー確か『文々。新聞』だったはず」

ミスチー「文々。新聞って文さんの?」

浄夜「そう、文の。見たことある?」

ミスチー「えぇ、何度か拝見しましたよ。でも、その新聞も町を歩けば、道端に……」

 

やはり、棄てられているのか。

なんでだ?どうして捨てられるのか。分からない……

 

??「まだやってる?」

ミスチー「えぇ、やってま…あぁ、なんだ」

??「なんだとはなんだ」

浄夜「ん、おや、チルノじゃあないか」

 

久しぶりに見た気がする。

が、また前を向いて八ツ目鰻を喰らう。そして、チルノが俺の隣に座る。

 

浄夜「大妖精は一緒じゃあないのか」

チルノ「うん、他の妖精を統べる者だからね、妖精の住処から離れるのは少ないの」

浄夜「大妖精ティターニア説」

チルノ「んー強ち間違いじゃあないけどね。ティターニアの娘だし」

 

へぇ、シェイクスピアは実話を書いていたのか、分からないが、とりあえずは納得した。

 

浄夜「あ、そうだ。なぁ、チルノ。文々。新聞って知ってるか?」

チルノ「知らん」

浄夜「アッハイ」

 

即答でございますか。

 

チルノ「う~ん、新聞についてはあの子が……」

??「大将やってる?」

ミスチー「誰が大将じゃ」

チルノ「撮れてる撮れてるどうも《自主規制》です」

浄夜「いや、それだと《自主規制》が名前みたいになるだろ」

 

今来た客がチルノの隣に座った。

 

チルノ「噂をすれば、だね」

ミスチー「ねぇ、リグル。文々。新聞って知ってる?」

リグル「知ってるよ。全部嘘で有名な」

浄夜「………」

 

女将さんがアタフタしている。まぁ、俺の前で全部嘘と言ったからだろう。

しかし、彼女を咎めるほど俺は小さくないよ女将さん。とか思ってたら、意外な言葉が続いた。

 

リグル「でも、実際にはそれが嘘。あの新聞は正しいよ。内容も面白いし」

浄夜「それはよかった」

リグル「え、貴方は……あの新聞に書かれていたスタンド使い?その、記者をお姫様抱っこして布団まで運んで口説いてそのまま……で、有名なスタンド使い?」

浄夜「ごめんやっぱ嘘かも。全部じゃないけど後半全部嘘だぞ」

リグル「ハッハッハ、冗談だよ。布団まで運んだことまでが真実だ」

 

女将さんからの冷たい視線がイタイ。止めてくれ女将さん、そんな冷たい目で見ないでくれ。

俺はグイッと日本酒を呑んで気持ちを誤魔化す。

 

浄夜「なんで、こんな噂がたったかわかるか?」

リグル「えーと、昔は結構人気な新聞だったんだけど、誰かがこの新聞はデマだ!!と偽造工作した証拠で、人々はその新聞から離れてった」

浄夜「……誰か、分かるか?」

リグル「いや、分からない。もしかしたらライバルかもしれないし、踏み込み過ぎて消されたか、だね」

 

……どっちもありそうだ。

偽の証拠を作るぐらいだし、そこそこの力が必要だ。

 

リグル「とは言ったものの、後者はないと思う」

浄夜「どうして?」

リグル「当時に販売されたのは事件とか犯罪とかマイナスなことは書かれてなかった」

浄夜「じゃあ、前者か。今人気な新聞はなんだ?」

 

もしかしたら、天狗同士で争っているわけか。

 

リグル「『藻部之新聞』っていう新聞。藻部政義って人が作っている新聞」

浄夜「あの藻部さんが?」

リグル「なんだ、知り合い?そっか、妖怪の山に住んでんだもんね」

 

リグルは納得したように頷き、生を注文した。

しかし、あの藻部さんがそんなことをするだろうか。いや、分かってるように言っているが、実は裏の顔だって、あるかもしれない。

 

??「Fu○k you大将」

ミスチー「出禁にするわよ、ルーミア」

ルーミア「そーなのかー……このフレーズ飽きたわ」

 

君の持ちネタだろう。気をしっかりと持て!!とか言いつつ初対面。

ルーミアはチルノとは反対側の俺の隣に座った。

 

ルーミア「ねぇミスティア、最近行方不明者が多数出てきているのよ」

ミスチー「へぇ」

ルーミア「しかもさ、『文々。新聞』が載せた名前の人が消えてるの」

浄夜「ッ!?」

 

ルーミアの話を聞いた者、全員が驚いた。

これはもう、確定だ。ライバルの仕業である。

 

浄夜「女将さん、今日はご馳走さま。お勘定は?」

ミスチー「え、あ。16文……」

浄夜「はい、置いとく。それじゃあ、また来るよ」

ミスチー「えぇ……」

 

浄夜は、妖怪の山へと向かった。鬼のような殺気を放ちながら。

 

ルーミア「何だろうね、すごく怖かったけど」

ミスチー「うん……えッ!?10銭……」

リグル「………呑もう。彼の幸運を祈って」

 

乾杯と、四人は日本酒を呑んだ。


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