神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
彼女は気絶した。それは、浄夜のスタンドによって。
しかし、彼は何故か憤りを隠していた。
浄夜「この、異変の真実が分かった」
小傘「真実?」
よく分からない。真実もなにも、この異変の真実は星が話した。
その疑問を感じ取ったかのように、浄夜は言った。
浄夜「遺体と灰の異変だよ」
小傘「ッ!?」
彼が気絶している間に何が?
小傘「教えて…」
浄夜「無理だ、少なくとも今は」
小傘「え!?」
何故だ?彼は目線を反らしたままだ。
少なくとも今は?
そんな新たな疑問が出てきたのに、彼の行動で更に疑問が増えた。
浄夜「『ヘブンズドア』ッ!!」
小傘「何を?」
彼は自分の腕を本にして、ページを捲った。そして、私の質問に答えた。
浄夜「真実がかかれたページを破る」
小傘「な、なんでッ!?」
浄夜「俺は成長しなければならない」
浄夜はどこからか鉛筆を取り出し、『すべての遺体に出会ったら破ったページを戻す』と、腕に書いた。
浄夜「今の俺は弱い。アイツがいるから俺は闘える」
アイツ……『ビートル』のことか?確かにそうだが、何故今それを?
浄夜「今、俺達が真実を知っていたら多分……死ぬ」
小傘「そ、そんな……」
浄夜「破るぞ…」
浄夜は勢いよく紙を引っ張り、そしてそれを忘れた。
浄夜「あー、完全に忘れた。その忘れたものがどの様な事か、なんで忘れないといけないのか、とかな。まあ、覚えてる部分もあるが」
小傘「………」
浄夜「さて、『クレイジーダイアモンド』」
星「ありがとうございました」
浄夜「いやいや、とんでもない」
無事にぬえを助けることが浄夜。しかし、この異変中そばにいた小傘は何か引っ掛かっていた。
『聖なる遺体』と『漆黒の灰』の真実。それが、ただただ気になっていた。
霊夢「まさか、浄夜もこの船に乗っていたとはねぇ」
魔理沙「驚きだぜ」
早苗「散歩じゃあなかったの?」
浄夜「してたぜ、船の上をな」
補足だが、霊夢達も船に乗っていたらしい。
浄夜「それで、その封印された恩人を救い出すことは出来たのか?」
星「えぇ、おかげさまで」
浄夜「そうか、それはよかった」
星「是非、貴方を聖に紹介したいです。多分、もうすぐ来るはずですが……」
と言った瞬間、後ろの扉が開いた。
反射的に音をした方向を見る。そこにいるのは一人の女性。
聖「初めまして、聖白蓮です。貴方のことは星から聞いています」
浄夜「そうか」
聖は自己紹介をした直後、浄夜の制服の内ポケットを見た。瞬間、眉間を寄せて聞いてきた。
聖「その懐に入った人間……じゃない、妖怪?の左耳はなんですか?」
浄夜「あぁ、これか」
浄夜は左耳を取り出した。アレは、DIOの左耳。
浄夜「別に妖怪と人間の差別をして、俺が残虐に殺したんじゃあない。まず、俺が今まで経験した事を聞け」
浄夜はDIOのこと、ジョースター家のこと、その子孫のこと……全てを話し、全ての奇妙な冒険を話した。
全ての人達は驚きを隠せなかった。
魔理沙「まさか、前に見せてもらった『漫画』は……お前の先祖の話だったのかッ!?」
浄夜「そっか…魔理沙や霊夢達には見せてたな」
初めての宴会の時に見せたのを思い出す。
早苗「えー!?知らなかったの!!ダッサーイ!!」
浄夜「うるせえ」
スタープラチナで早苗を殴り、気絶させた。
魔理沙「おいおい、余計なことするなよ」
浄夜「お前の場合、マスパで船ぶっ壊れる」
俺は、やれやれとため息を吐きながら頭を掻いた。
聖「その……DIOという人とは、話し合いでどうにかならなかったのですか?」
浄夜「奴には魅力がある。話し合いじゃあどうにもならない。それに近い魅力を持った奴に会ったから分かる」
聖「……」
彼女の言いたいことは分かる。しかし、奴は話し合いだとか諦めさせるだとか、そんな考えじゃあダメだったと思う。
まあ、俺はDIOとは闘ったことはないが。
浄夜「話を戻すが、これはそのDIOの左耳だ。これが、スタンド発現の原因だ」
ナズ「それが、スタンド発現の原因なら、浄夜も漆黒の灰が埋め込まれてたのか?」
浄夜「俺は……」
…………
浄夜「スタンド使いの能力開花は幾つかの原因がある。それだけが原因じゃあない」
ナズ「ならば、小傘がいきなりスタンド使いになったのも、なんらかの原因があってのことか?」
浄夜「そうだ」
ナズ「なるほど、理解した」
なんとか、みんな理解したらしい。
浄夜「さて、俺は帰る」
聖「え!?せ、せめてお礼を……」
浄夜「別に感謝されたくてやった訳じゃない。飽くまで、俺の目的を果たしただけだ」
そういって、俺と小傘は船を降りた。
本当はお礼が欲しいです、はい。
船がそら豆程の小ささになって俺は振りかえる。
浄夜「早苗、忘れてた」
小傘「おい」