神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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ピンク・レディー その2

さぁ、どうするか。

あんなかっこよくキメたは良いが、どう倒すかは決めていない。

考える、どうすればあの幻覚少女を倒せるかを。

 

ぬえ「……ふぅ。その、貴女のスタンド……それこそ、遺体の力よね」

小傘「えぇ、そうよ」

ぬえ「なら、まず貴女から殺すことにしたわ」

小傘「わちきぃ?殺せるの?」

 

小傘はそんな信じられなーいと言っているかのような表情をし、ぬえを挑発した。そんな行動に彼女は簡単に引っ掛かる。

 

ぬえ「笑っていられるのも今の内よ。これから貴女は地獄を見るのだからね」

小傘「地獄?」

ぬえ「そう、地獄よ。予言しているのに笑っている貴女を見るのは、私は辛いわ。すぐに絶望に塗り潰してやるッ!!」

 

ぬえはスタンドを出し、小傘に指差して宣言した。

 

ぬえ「『ピンク・レディー』ッ!!彼女を困惑させなさいッ!!」

小傘「………」

 

小傘は、彼女のスタンドが幻覚を見せる能力だと知っている。つまり、彼女は幻覚で混乱させようとしているのが分かった。いや、彼女は自身のスタンドの能力を理解していない。

なのに、スタンドは幻覚を見せる。つまり、だ。彼女のスタンドは、『自我』があるということだ。

まぁ、そんなこと、どうでもいいのだが……

 

小傘「『ソフト&ウェット』……」

 

小傘は首元の星形のアザに人差し指と中指を当て、そこからシャボン玉が出てきた。

いつでも殴りかかっても良いように、指にそれを潜ませる。とは言え、彼女のスタンド能力は『幻覚』。幻覚に対応していたらキリがない。

 

ぬえ「……」

 

ぬえは小傘の周りを歩き始めた。どんどんと空間が歪んでゆき、どんどんと距離感が掴めなくなる。

なるほど、そう言う『幻覚』も見せるのか。

その歪んだ空間からぬえは向かってきた。

 

ぬえ「ウラァッ!!」

小傘「うッ」

 

小傘を殴って、また周りを歩く。それを三回、繰り返されていた。

……彼女に恐怖心を与えると、これは収まるだろうか。小傘はぬえに向けて傘を開いた。

傘は以外に大きく、小傘の足は見えるが顔が見えなかった。

 

ぬえ「え?」

 

ピタッと動きが止まり、何をしているのかと怪しく思った。その時、小傘の傘が地面についた。

普通、手を離したんだなと、そう思える。しかし、その理論だと小傘の顔を見ることができるが、そこに小傘は居なかった。

向こうの壁しか見えない。

 

ぬえ「なッ!?」

 

ぬえは、その傘に恐る恐る近付く。重心を低くしていつでも逃げれる体勢に。しかし、その体勢の所為でそのトリックを見破ることが出来なかったと言って良いだろう。

ぬえはその傘をどけた、瞬間ッ!!

 

小傘「オラァッ!!」

ぬえ「ぐッ!?」

 

小傘の『ソフト&ウェット』がぬえを殴り抜けた。

 

小傘「ふふ、私が小さいことをる利用したトリックよ。それなりに人を脅かす修行をしといてよかったわ」

 

そう、小傘が傘を離した瞬間、しゃがんだだけなのだ。たったそれだけの簡単なトリックでも、ぬえから見たら小傘が消えたように見えたのだ。

そして、ぬえは逃げの体勢として、しゃがんだ。もしその体勢をとっていなければ上から見えたかもしれなかった。しかし、誰でもこの状況でこんなことをされると、怪しく思って重心を低くするだろう。

そこも利用したトリック。

 

小傘「マジなめないでね。わちきは今、貴女を倒す勇気が湧いている。たっぷりとねッ!!」

ぬえ「クッソォォォォォ」

 

ぬえは小傘に殴りかかる………がッ!!

 

ぬえ「ッ!?」

小傘「『視力を奪える』……貴女の視力をッ!!」

 

先程、いつ攻撃されても良いようにとっておいたシャボン玉で視力を奪った。

この勝負、決まった。

 

小傘「オラァッ!!」

 

そう確信して、小傘は殴り抜け……

 

ぬえ「これで貴女が勝ったと思ったら大間違いよ」

小傘「ッ!?」

 

視力を奪った筈だが……彼女のスタンドに殴られた。

何故!?どうしてだ!?

 

小傘「……う…あぁ……」

 

腹にモロにくらって、呼吸がしづらい。ダメだ……

 

ぬえ「おぉ、視力が戻った。あのね、真っ正面に立っているのに、真っ正面から殴り抜けたら、そりゃ殴られるわよ」

小傘「………」

ぬえ「フゥーッ……単純バカ女ね。そう言うことも考えられないの?」

 

悔しい。小傘は考えて、こんなに苦労しながら戦っていたのに、彼女は何も考えず、ただ殴っただけ。

この差が悔しい……

 

ぬえ「とは言え、ここまで追い詰めたのは貴女が初めてよ。尊敬に値する」

小傘「………」

ぬえ「それじゃあ、死になさい」

 

そうして、彼女のスタンドは拳を握り、振りかざそうとする。

終わった。最後にわちきに持ち主ができて良かったなぁ……

……?なかなか来ない?ゆっくりと目を開く。

 

ぬえ「くッ!!浄夜ァァァァァッ!!」

浄夜「小傘、よく頑張ったな」

 

そこには、拳を止める樹条浄夜の姿があった。

 

浄夜「よくも、小傘を痛め付けてくれたな!!」

ぬえ「死ねッ!!」

 

幻覚。まるで白い空間にいるよう。小傘や浄夜はそれを見ていた。

だがッ!!浄夜はッ!!逆に目を瞑ったッ!!

 

ぬえ「ウラァァァァァァァッ!!」

 

エコーズッ!!3FREEZEッ!!

 

ぬえ「ッ!?」

 

浄夜は意思のあるスタンドにはなれない、そこを利用した。それと同時にある理由があった。

浄夜が、この行動をした理由が。


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