神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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悲しき救えぬ過去

星「……じゃあいいわね」

浄夜「はい?」

 

何が?

 

星「浄夜さん。私達は貴方の強さを知っている。だから、別に試すようなことはしない」

浄夜「うん」

星「私は最初から貴方に敵対していたわけではありません」

浄夜「……うん?」

 

何で?

 

ナズ「君には戦ってもらいたい」

 

だから……何で!?

色々な謎が取り巻いて、もう頭の中が混沌としている。

大迷惑。いきなり戦えだと?アホかよ。

 

ナズ「お願いだ…いや、お願いします」

浄夜「………」

 

別に上から言っていたわけではないらしい。

頭を深々と下げられ、俺は考える。そして……

 

浄夜「この船の正体について聞きたい」

星「……良いでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は、ある人に助けられたのです。

妖怪である、私達を助けたのです。妖怪は、人を喰らう者と恐れられているが…別に全員が全員、人を喰らうわけではない。

そんな事を理解しようとせずに人間共は私達の日常を蝕んだ。そんな中、その人は……『聖白蓮』は私達に手を伸べました。人間も妖怪も理解し合える世界を望んだ彼女は人間も妖怪も救い続けたのです。

 

ですが、私は悟りました。人間は、聖を退治しようとするだろうと。人間はやはり思い込む生き物。自身に不利な事を抹消する生き物なのです。

そんな人間共に、幾ら聖の善意を……善心を話しても、理解をしようとしない。理解しても「理想に過ぎない」と聞く耳も持たない。

奴等の眼は殺す眼だった。

だから……私は眠りに浸かなかった。奴等が襲いにかからぬよう。

 

それは半年続き、いつものように起きていました。そして、いつものように奴等はやって来た。

私は立ち上がり、直ぐに外へと出た。そして、驚愕した。

奴等は妖怪を連れてきたのです。最早、目的を忘れ、ただ聖を殺すためだけに毎日来ているのだ。その妖怪は人間たちの奴隷妖怪。そんな悲しい目で襲ってこられたら……私達は攻撃を出来なかった。

流石に聖もその騒動に起き、真っ先に奴隷妖怪を……抱き締めた。

自身がこれから殺されると言うのを知っていて尚、彼らを抱き締めた。

そんな中、人間共はうっすら笑いながら出てきて聖の首をとろうとした。が、奴隷妖怪が対に反抗した。彼らも、自身の死を覚悟して。

しかし、それを聖が止めた。

 

聖「私の為に死ぬ必要はありません。貴方達は私の意思を継いでください」

 

聖は、ゆっくりと人間の目の前に正座した。

そこに、地位の高い陰陽師が「殺しはせむ。汝を封印したり」と言った。きっと……これは私のただの推測ですが、奴隷妖怪の反抗を見て、聖を殺したら全妖怪と全人間の大戦争が起こるのではないかと思い、封印と言う形にしたのだと、私は思いました。しかし、その封印は強力で私達ではどうしようも無かった。

 

そして、その陰陽師の死が何百年と経った今、聖の封印が弱まっていたのを知った。その封印は魔界にある。この船は魔界に行く為の船。『聖蓮船』なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「分かりましたか?」

浄夜「あぁ…人間がどれ程愚かで胸くそ悪い害悪の塊かが分かったよ」

ナズ「まぁ、全ての人間がそうとは限らないからな。実際、聖を殺す、若しくは封印することに反抗した人間も居たよ」

 

罪悪感。それ以外は最早ない、同情なんて身の程知らずだ。

 

浄夜「分かった。あんた等のお願い、承る」

星「ありがとうございます」

浄夜「あーそれで……誰と戦えばいいんだ?」

 

まず、それが優先だ。

 

星「『鵺』です」

浄夜「鵺って……あの妖怪の?」

星「はい。私達の仲間である……彼女と」

浄夜「仲間?何でまた……」

 

星やナズーリン、村紗は揃って苦虫を噛むような表情を浮かべた。

 

星「彼女は……いきなり暴れ始めたのです」

浄夜「……暴れ始めた?その……スタンド名は?」

星「『ピンク・レディー』です。能力は…解りません」

浄夜「どういう事だ?」

星「彼女のスタンドは……正体不明なのです。姿が見えないので……確かにそこにいるのですが…見えないのです」

 

そうだった。俺のスタンドが特殊なだけで、本来スタンドは見えないものなのだ。

世間は勘違いしていると居ておきながら、スタンド使い自身がそれを忘れてちゃあ、勘違いするのも当たり前だ。

 

浄夜「分かった。ソイツはどこにいるんだ?」

星「ナズーリン、案内してあげてください」

ナズ「わかった」

 

浄夜はナズーリンに付いていく。多分…『漆黒の灰』に侵された者だ。救ってあげなければ。

そして、チャッカリ小傘も付いていってたり。




スタンド 『ピンク・レディー』

能力 ??? ※次回、能力を記載

1976年、活動開始した二人組のアイドル

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