神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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第2話 invader & getekeeper

嫌な気配。それが俺らを襲った。

それは恐怖、不安、殺気……そして安らぎ。

この入り混じった気配が、俺らを徐々に蝕んでゆく。

 

雛「呑気なものね…里の人は」

 

そう、すれ違う人々はそれに気が付いていない。否、その気配に襲われていない。

俺らにだけ向けた殺気なのだ。つまり、目的の『五十嵐 京谷』も俺らの存在に気付いている。

悪の心か……はたまた、正義の心を持ってるか、どちらにせよ、この殺気の量は普通じゃあない。

 

浄夜「気を引き締めよう」

 

二人は静かに頷いた。

 

畦道を通り湖に出て、またその湖を越えた。

そして見える紅い建物。

 

浄夜「紅魔館……」

 

前回、フランのスタンドを確認する為に来たのだ。次来るときは客人としてだと思っていた。

俺は目を瞑り、俯いた。それは謝罪であり、感謝である。

何故か?紅魔館に対して「もう一度、暴れさせてください」という、意思を伝えるため。

 

浄夜「行こう」

 

俺は門の方を見た。しかし、『それ』を見て平常にはいられなかった。

 

浄夜「美鈴ッ!?」

 

門の一部にめり込んだ美鈴の姿。

彼女は気絶している。

 

浄夜「『クレイジーダイアモンド』」

 

俺は直ぐ様彼女の傷を治した。

酷だ。よくこんなことが出来る。だんだん、怒りが増してきた。

 

いや、待てよ?

何故、殺さなかった?もし、美鈴を敵として見ているなら、殺すのが一番だろう?

だが彼女は死んでいない。もし、目を覚ましたら助けを呼ぶかもしれない。なのに……

それで『良い』のか?俺らを誘き寄せる為の『罠』の役割だとしたら?

 

鈴仙「危ない!!」

 

うどんげが俺を抱えて、なにかを避けた。

その『なにか』は……人並みの大きさをしている氷。あれなら、人を殺せる。

 

浄夜「な、なんじゃこりゃあああ!?」

雛「五月蝿い!!」

 

あ、ゴメン……

いや、これはないだろ!?不意討ちにも程がある!!

 

?「アホー」

三人「!?」

 

それは奇妙な光景であった。

俺らは呆気にとられた。何故?簡単な理由さ。

 

烏「………貴様ラガ『スタンド使イ』カ?」

 

烏が喋っていたからである。

俺は、一時思考を停止していた。そして、口を開く。

 

浄夜「アイエエエエエエ!?烏!?何で!?」

二人&烏「黙れ(レ)」

 

そんなこと言ったってしょうがないじゃないか(えなり風)

烏が喋ったんだぜ?お燐が猫の姿から人間の姿に変化した時以上の驚きだぜ!!

声帯はどうなっている……

色々な驚きのせいで、さっきまでの怒りがどこかに消えた。

 

鈴仙「それで!?アンタは何者!?」

 

珍しく、うどんげが怒鳴っている。

なんだ、お前も五月蝿いじゃあないか!!ハッハッハ!!さぁ、誰かにツッコまれろ!!

 

烏「喧シイ、女ノ言ウコトヲ誰ガ聞クカ」

鈴仙「んなッ!?」

烏「俺ハナ、女ガコノ世デ一番嫌イナンダヨ!!失セロ!!」

二人「烏には言われたく無いわよ!!」

烏「餌ト巻キ髪ニ言ワレタクナイワ!!」

 

う~む、望んだ結果じゃないが喧嘩してるし、良いか。

このまま楽しんでいようかな~?(ゲス顔)

 

鈴仙「誰が餌ですって!?浄夜!!コイツは私がが引き受けるわ!!さっさと行っt「サセルトデモ?」!?」

 

烏は水色の色をした烏型のスタンドを出し、レーザーを放ち、門を氷付けにさせた。

 

雛「クッ!!爪弾で氷をッ!!」

烏「サセルカ!!」

 

なんとッ!!なんとッ!!先程とは違う『茶色』のスタンドが出たのだッ!!

そのスタンドはレーザーを雛に向け、放った。なんなく避けた雛だが、当たった場所に違和感。

妙に思ったが、直ぐに分かる。そこから『土柱』が出たのだッ!!

 

雛「なッ!?クソッ!!」

 

彼女は爪を発射し、それを破壊する。

 

烏「ホォ、中々ノスタンドパワーダナ」

雛「それはどうも。敵に言われても嬉しくないけどね」

烏「ダガ、アイツト『アノオ方』ニハ全テ無意味。ソノ力ハ通用センナ」

雛「…………何ですって?」

 

『あのお方』……まさかッ!?

 

浄夜「『五十嵐 京谷』のことか!?」

 

途端、烏から溢れる殺気。例えるなら、家族全員殺されたような憎しみの殺気。

俺らは戦闘態勢を強め、様子を観る。

 

烏「………貴様、今何ト言ッタ?」

浄夜「………何?」

 

「アノオ方ノ名前ヲ口ニ出スデナイ!!コノ無礼者!!」

 

浄夜「なッ!?」

 

意外だ。名を口にするのも図々しいと言うのか?『五十嵐 京谷』何者だ?

 

ブロウ「貴様ノ様ナ下濺ナ猿ガ!!アノオ方ノ名ヲ汚スデナイ!!貴様ハ、コノ『ブロウ』ガ直々ニ……!?」

 

気付く。辺りに浮かぶ『シャボン玉』の数々。ブロウと言う烏はまた色の違った『赤色』のスタンドを出し、シャボンを破裂させ、レーザーでうどんげを攻撃した。

炎。うどんげは回避したが、その場所には炎が立っていた。

 

鈴仙「炎、氷、土………一体幾つのスタンドを持ってるのよ?」

ブロウ「フンッ。先ズハソノ餌ソノモノカラ始末サレニ来タトハナ。良イダロウ、纏メテ始末シテヤル!!」

鈴仙「誰が餌よ!!」

 

そして始まるッ!!この、奇妙な戦いがッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「………シャーベット、この大図書館の通路の守護を頼めるか?」

シャ「御安い御用でございます」

?「………期待しているぞ、シャーベット」

シャ「貴方の期待に答えましょう………」

 

「 DIO様 」




シャーベットと呼ばれた人は、長いので『シャ』と表記させます。

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