神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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さあ、今週が入試です。合格できるといいなぁ。


Let's 特訓!!

浄夜「じゃあ、取り合えず……皆はどんな楽器をやっているんだい?」

わかさぎ「ベースかしら」

影狼「ドラムよ」

赤蛮奇「キーボード」

 

ふむ、バランスは良い。

逆になぜここまで揃えてギターを入れなかった。

 

浄夜「んじゃあ、曲はどうするんだ?」

影狼「フッフ~それはねぇ……赤蛮奇ちゃんが作曲しているのだ!!」

赤蛮奇「……ま、まだ未完成よ…」

浄夜「なるほど…見せてくれ。出来るならアドバイスをするよ」

 

すると赤蛮奇はポケットから紙を取りだし、浄夜に渡した。

紙を広げ、確認する。

 

浄夜「これ……アコギよりエレキの方がいいな。うむ、曲としては申し分ない」

赤蛮奇「ホントッ!?」

 

嬉しかったのか、一気に顔を近付ける。

それに戸惑いながらも肯定。

 

浄夜「お、おう。後は……技術だな。一人一人の演奏を聴かせてくれ。まず、わかさぎ姫」

わかさぎ「ほい!!」

 

~♪~♪~♪

 

手が綺麗だなぁ……ハッ!?

いかんいかん、弦を弾く綺麗な手に、つい見てれてしまった。

う~む。何か引っ掛かる。

それは本人も同じ反応だった。

 

わかさぎ「……どう?」

浄夜「いや、よく練習したと思う。ただ、ベースって言うのは音楽の中の『ベース』なんだ。まるで、血液が刻むビートのように、リズムを創ってくれる」

 

わかさぎ姫は真剣に聞いている。

 

浄夜「だから、少しのズレも許されない。君の場合は、そのズレは無いのだが、その代わり抑揚がない」

わかさぎ「べ、ベースに抑揚?」

浄夜「俺はな、『全ての楽器には感情を乗せれる』と思っている。君の場合、ズレを気にしすぎて感情がない。そのベースは、言ってしまえば、ただ音がなっているだけだ」

 

ストレートな言い方。きっと傷つくだろう。

だが、そんなことを気にしてちゃあ、優勝はない。その事は、きっと三人ともわかっているはず。

 

浄夜「一緒に頑張ろう。独学なんだろう?それでここまで上達したのなら俺より才能があるよ」

わかさぎ「うん!!頑張る!!」

浄夜「次は影狼」

影狼「ホイヤッサ!!」

 

~♪~♪~♪

 

靡く髪が綺麗だなぁ……ハッ!?

いかんいかん、ドラムを叩くたびに靡く髪の毛に、つい見てれてしまった。

楽しそうにドラムを叩いている。

わかさぎ姫とは違って逆にズレを気にしていない。たまに「ん?」ってなるときがある。

 

影狼「……ど、どうかな?」

浄夜「ズレているな。間の感覚が少し違う。この楽譜を見ると、コンマの単位で遅れてる」

影狼「うー……やっぱり?才能無いのかな…」

浄夜「ただ、楽しそうに叩いてた。それは良い。演奏者が楽しまないと、客は楽しめない」

 

感情は伝染する。

俺はそう思う。

 

浄夜「次は、赤蛮奇」

赤蛮奇「う、うん」

 

~♪~♪~♪

 

脚が綺麗だな……ハッ!?

いかんいかん、ピアノのペダルを踏む脚に、つい見とれてしまった。

うむ、音の質は問題ない。

ただし、ペダルがあまり踏めてない。

 

浄夜「……」

赤蛮奇「う……どう、ですか?」

浄夜「ズレもないし、抑揚もバッチリさ。しかしだ、長音がしっかりしていない」

赤蛮奇「……」

 

食い入るように聞く。

少し緊張しているようにも見える。

 

浄夜「少し、ペダルを離すのが早い。ただ、綺麗な音だったよ。つい見とれ……聞き入ってたよ」

赤蛮奇「うん、ありがとう」

 

あっぶね、見とれてたって言うとこだった。

さて、皆の演奏は聞いた。

うむ、一人一人違う課題を持っている。これはこれで面白い。

 

浄夜「んじゃあ練習だ。そうだ、蛮奇っき」

赤蛮奇「なに?」

浄夜「曲の名前って何?」

 

聞いていなかったなぁ。良い曲っぽいし。

 

赤蛮奇「曲名は『柳の下のデュラハン』よ」


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