神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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紅い月誘われて

さて、咲夜さんの時止めは厄介だ。

…昨日、咲夜さんが止めた時の中を認知出来なかった。

だが、この前は出来た。

 

何か条件がある。

 

仮説を立てよう。

一、『世界(ザ・ワールド)』を使っている途中に止まると、認知できる。その状態でスタンドを解いても時を認知できる。

 

二、『感情に左右される』。今の状態は警戒。この前は楽しさだった。

 

三、彼女を全く意識しない。

 

とりあえずの仮説だ。

ここから探り探りで、倒す。

 

美鈴「セイヤッ!!」

 

美鈴が回転蹴りを魅せる。

とっさに避けるが、そこには咲夜さんのトラップ。

天井からナイフの雨。

いつの間にか出来ていたトラップ。多分時を止めたのだろう。

まんまと引っ掛かった俺を見て、咲夜さんはニヤリと笑う。

 

浄夜「時よ止まれ!!」

 

すぐさま時を止める。

ナイフが落ちるであろう位置から避ける。

 

浄夜「ハァ……辛いぜ」

 

咲夜さんが動いている。俺の止めた時を、移動している。認知しているのだ。

何故、俺は動けなくて彼女は動けた?

 

咲夜「フフ、困っているようね。何故私が動けて貴方が動けないかが分からなくて」

浄夜「あぁ、困ってるよ。教えてくれ、何故咲夜さんが動けるかを」

咲夜「教えてほしいの?えぇ、どうしようかな~」

浄夜「………」

 

ニヤリと笑う彼女。

俺の方を見て、口パクで何かを言っている。

 

浄夜「……?」

咲夜「知らない☆」

浄夜「……ン?」

咲夜「知らないわよ。私も何で動けるか。ただ分かるのは、貴方が時を止められるのは、約九秒だってこと」

 

彼女の言葉で気付いた。すっかり話し込んでいて忘れていた。

時が動いている。

直ぐに後ろを振り向くッ!!

 

美鈴「遅いッ!!」

浄夜「うぐッ!?」

 

重い一撃を腹に食らった。

 

浄夜「時よ止まれッ!!」

 

時を止め、軽くラッシュを与える。

そして、咲夜さんは……動いていない。

真剣に戦闘に取り組む表情のまま止まっている。

 

どういうことだろう。

そうだ、仮説だ。

 

浄夜「まず、一つ」

 

一つ目の仮説は違った。咲夜さんが仕掛けたトラップに気付けなかった。

次は二つ目と三つ目か。検証しよう。

 

浄夜「時は動き出す」

 

ラッシュを加えた美鈴は後方へ飛んで行く。

楽しい気持ちになろう。そうだな……そう言えば、ペルソナ4の主人公ってサイボーグ004に似てるよなぁ。

 

浄夜「フフ……」

美鈴「何を…笑っているのですか」

浄夜「あぁ、いや、気にするな」

 

良し。楽しい気持ちになった。

 

浄夜「よおし、行くぜッ!!」

 

次の瞬間、いきなり目の前にナイフが現れた。

 

浄夜「あぶねぇぇぇぇぇぇッ!!??」

 

仮説その二は違った。

一瞬で違うと分かった。

次は、咲夜さんを意識しない。

 

美鈴「ハッ!!」

浄夜「ホッ!!」

美鈴「テイヤッ!!」

浄夜「オラァ!!」

 

美鈴の攻撃をガードする。

美鈴だけに集中。

と言うか、痛い。ガードはしているが、そのガードしている腕が痛い。いてててて、骨まで響いている。ん、今ポキッっと音が聞こえたような…き、気のせいだ!!

 

そう思ったら、いきなり美鈴が後退した。

不思議に思って、俺も後退した。

すると…

 

ズドドドドドドドドッ!!

 

ナイフが降ってきた。

時を止めた……のか?咲夜さんに集中してなかったから分かんねぇや。

 

咲夜「何回止めても貴方は動かないのね。今のもそう」

 

教えてくれてありがとうございます。

さて、すべての仮説が見事に間違った。違う条件があるはず……

ん?待てよ……?

 

すると浄夜は、ニヤリと笑った。

 

浄夜「フッフッフッフ……」

咲夜「何を笑っているの?」

浄夜「美鈴ってさ、メタルギア知ってる?」

美鈴「いや、メイ・リンじゃないですよ」

浄夜「ゴージャス☆」

美鈴「アイリンじゃないです」

浄夜「それで笑っただけ」

咲夜「………」

 

あ、多分怒った。

 

咲夜「時よ止まれ」

 

静止する時間。

ケラケラ笑っている浄夜も……

 

浄夜「止まってませ~んッ!!」

咲夜「えッ!?」

 

その衝撃に驚くッ!!

 

浄夜「共通点に気付いちゃったのさ!!」

咲夜「そんなッ!?」

浄夜「行くぜッ!!ずっと俺のターンッ!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

咲夜「ウッ!?」

 

後ろに吹っ飛び、壁にぶち当たる。

そして、美鈴にもッ!!

 

浄夜「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!無駄ァァッ!!」

 

そして、時は動きだした。

レミリアが見た光景は、壁にめり込んだ二人と、ポケットに手を突っ込んだ男。

 

レミリア「何故、止まった時を動けた?」

浄夜「動くには、ある条件が必要だった。()()()()

レミリア「笑うこと?」

浄夜「宴会の時。止まった時間を確認できた。咲夜さんがニヤリと笑ったとき、動いてた」

レミリア「それだけの情報だけで?末恐ろしいわね。貴方」

浄夜「よく言われるよ」

 

浄夜は構えて、睨む。

 

浄夜「さぁ、来いッ!!」

レミリア「良いだろう。吸血鬼の恐怖を与えよう」

 

レミリアは翼を広げ、飛び立った。

 


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