神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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ワンオクロック その1

あれから、二時間。

全く竹林を出れる気配がない。

 

浄夜「ハァ……せめて、人に会いたいな……」

咲夜「そうですね……」

 

そう、妖怪にすら会っていないのだ。

その点は少しおかしいが、今はそんなこと考えている暇がない。

 

浄夜「あ!!咲夜さん!!家を見つけたぜ!!」

咲夜「え!?」

 

振り替える。そこには……

 

咲夜「永遠亭……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『永遠亭』それは、月人の住まう場所。

幻想郷では薬売りとして、人里に薬を売りに来ていたりする。

 

浄夜「誰か居ませんかー!?」

 

戸を叩く音が響く。

それに連なって、誰かが戸を開ける音も聞こえた。

 

女性「どうかされまし……咲夜さんじゃないですか?どうかしました?」

咲夜「竹林で迷ってしまって……」

女性「ありゃ、それは大変ですね。そちらの方は?」

浄夜「樹条浄夜だ」

鈴仙「私は『鈴仙・優曇華院・イナバ』よ。よろしくね」

浄夜「よろしく」

 

握手を交わす。

 

鈴仙「さ、中に入って」

咲夜「ありが…」

鈴仙「と、言いたいところだけど…条件があるわ」

咲夜「え?」

浄夜「条件だと?」

 

鈴仙は、不気味な笑みを浮かべている。

 

鈴仙「『遺体』を、渡しなさい」

浄夜「なんだと?」

咲夜「え………」

 

『遺体』……そう言ったのだ。

鈴仙は、確かに『遺体』と言ったのだ。

 

~現在~

 

レミリア「『遺体』って……!?」

咲夜「はい、その『遺体』です」

パチュリー「……何の話?」

 

あの事を知っているのは、お嬢様と私。そして……

 

レミリア「あとで話すわ。樹条浄夜が『遺体』を持っている?」

咲夜「いいえ、持っていません。ですが、『遺体』を持っている人と何度も会っているそうです」

レミリア「……取り合えず、続きを話しなさい」

咲夜「分かりました」

 

~昨日~

 

鈴仙「先手必勝ッ!!『ワンオクロック』ッ!!」

浄夜「残念ながら、『遺体』は持ってねぇぜ」

鈴仙「じゃあ背中のアザは?」

浄夜「生まれつきさ」

鈴仙「嘘つけ」

 

その瞬間ッ!!鈴仙のスタンドから大量のシャボン玉が出てきたのだッ!!

 

浄夜「囲まれた……」

 

鈴仙は、人指し指を前に出し、弾幕を撃つ。

 

浄夜「……?流石に避けれるぞ?」

咲夜「…?」

 

シャボン玉に囲まれてはいたが、避けれない程ではなかった。

だから、難なく避けた。避けたのだ。が…

 

パァンッ!!

 

破裂音。シャボンの割れる音。

それと同時に……

 

浄夜「うッ!?」

咲夜「浄夜さん!?」

 

背中から弾幕が来たのだッ!!

無輪、後ろには誰も居ない。では何故?それは、鈴仙の撃った弾幕がシャボンに跳ね返り、浄夜に被弾したからである。そして、弾幕の勢いは止まらない。

 

パァン!!パァン!!

 

次々に押そう一つの弾幕。

私も危ない。これは、私も戦いざるを得ない。

 

咲夜「時よ止まれ」

 

懐中時計を出す。時が止まり、弾幕も動かない。

 

咲夜「あれ?」

 

浄夜さんが、動いていないのだ。

前は、止まったときの中でも動いていたなのに、動かないのだ。

取り合えず、浄夜さんを動かして、シャボンから遠ざける。

 

咲夜「そして、時は動き出す」

 

二人が急に動いた。それは、時が動いたから。

 

浄夜「ッ!?」

鈴仙「…ッチ」

浄夜「もしかして……時が止まった?」

 

浄夜さんは、ただただ驚いていた。

何故なら、自分で感知できなかったのだから。




スタンド 『ワンオクロック』

能力 波紋を帯びたシャボンを出す能力

元ネタ…2005年に結成されたロックバンド『ONE OK ROCK』より。

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