神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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妖怪の山

天魔「私達の中にそんな悪党がいるのか?」

浄夜「あぁ、そう言うことだ」

 

天狗の頂点である天魔にすべてを話し、警戒させておくように言っておいた。

天魔もなんとも言えない顔をして、座布団に座っていた。

その隣の射命丸も。

 

文「『聖なる遺体』……ですか…」

浄夜「『ジョースター家』と『ツェペリ家』の遺体が、この幻想郷に散らばっているんだ」

天魔「そして、『DIO』とか言う男の灰か……」

 

理解力のある天魔は、流石と言えるだろう。

 

浄夜「フーッ……なんとか、見付け出さなきゃ幻想郷が危ないかもだなァァ」

 

俺の言葉に眉間にシワを寄せ、悩む天魔と文。

そんな空気の中、「失礼します」との声が聞こえた。

 

天魔「入れ」

藻部「失礼します……あ…」

浄夜「あ、藻部さん!!お久しぶりです」

藻部「あぁ、そうだな畜生が」

浄夜「え、いきなりなにッ!?」

 

皆、忘れちゃあ居ないよな。俺は忘れてた。名前の通りのモブなんだろう。

幻想郷で初めて出会った天狗、藻部さんだ。名前は忘れたな。

確か……そう、『藻部政義』だ。

 

藻部「ハァ…男天狗の中では取り合えず、ぶっ殺したいランキングで一位だぞ」

浄夜「えぇ?理不尽やないかい」

文「女性天狗の中で、デートしたいランキングも一位ですよ」

浄夜「やったぜ」

藻部「浄夜の順位がさらに上昇」

浄夜「一位の限界を超えたッ!?」

 

ただ素直に喜んだだけなのにこの始末。

苦笑いしている天魔が、会話を句切らせた。

 

天魔「で、どうしたんだ?」

藻部「あ、そうでした。妖怪の山付近で何者からの脅しの手紙を手に入れたとのこと」

天魔「なに?」

藻部「手紙は持ってきました」

 

そう言い、藻部さんは手紙を天魔に渡した。

黒く暗い手紙。それを開けると汚れた色の白い紙が入っていた。

天魔が内容を読む。

 

天魔「内容は…『遺体ハ俺ガ貰ウ 貴様ハ動クナ サモナイト、大事ナ人ヲ殺ス』…だ」

浄夜「なるほど…きっと俺達への手紙だろう」

天魔「達?お前の他に居るのか?」

浄夜「『遺体を持ち、遺体を集める者』俺は例外だがそっちの味方をして居る。詳しくは言えないが、遺体を持っている人は三人見付けて一人は奪われた」

天魔「『遺体を持たず、遺体を集める者』も居るのか?」

浄夜「さっき言った『漆黒の灰』がある者さ。そいつらが集まってではなく、使命のようなものを感じ、遺体を集めるらしい」

 

『遺体』と『灰』……ジョースター家とDIOとの決闘がまだ有るとは…ジョジョファンもビックリだ。

つまり、俺もビックリって訳だ。

 

藻部「…何の話を……」

天魔「あぁー気にしなくていい。じゃあ、浄夜。私から伝えておくよ。わざわざ有難う」

浄夜「幻想郷のためさ。感謝は紫にさせるよ」

天魔「お、おぉ?」

 

紫も、一応妖怪の賢者と称された妖怪だから、少し微妙な反応。

 

浄夜「それじゃ、帰らさせていただくよ」

文「あ、浄夜さん!!」

浄夜「ん?」

文「今度、団子屋にでも行きましょう」

浄夜「良いぜ。今から行くか?」

文「いいんですかッ!?」

天魔「仕事はどうした」

 

と、チョップを食らう。

どうやら、仕事があるらしい。じゃあ仕方がないな。

 

浄夜「じゃあ基本的に暇だから、休みの日にでも声を掛けてくれ」

文「はい!!」

 

俺は戸を開け、屋敷を出た。

その帰り……

 

浄夜「ン?あれは……椛か…」

 

白い耳をピンと立てて、尻尾をフリフリ振っているのを見ると、明らかに俺を誘ってるだろう。モフッていいですよ、とな。

いやしかし待て、実際俺はそんな変態じゃあない。

犬…じゃなくて狼とは言え、人型の女の子だ。そんなの、あっちの世界じゃあセクハラだ。

いや、アッチが誘っているようにも見えるし、もしかしたらそうなのかもしれない。

モフッてやっても良いのだが、別にモフんなくても良いしな。

いや、アッチが期待してるなら、仕方なくやってあげるのが男の務めだよな。

仕方ないな、そう思いいつの間にか準備されてあるクラウチングスタートで地面を蹴った。

そして……

 

浄夜「もォォォみィィィじィィィッ!!」

椛「ン……?あ、浄…」

 

吉田沙○里もビックリの飛び込みタックルッ!!

 

椛「へぶしッ!?」

 

俺は全力で椛の尻尾をモフる。

 

浄夜「久しぶりだぜこのフワフワッ!!会いたかったぜ椛よッ!!」

椛「う、うぎゃああああああッ!?」

浄夜「最高だぜェェェェェッ!!」

椛「止めてェェェェェェッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

椛「反省してますか?」

浄夜「結構な反省具合です」

 

現在説教中。そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。

 

椛「何故あんなことをしたんですか」

浄夜「理由はあるさ」

椛「なんですか」

浄夜「椛が尻尾を振ってたのが可愛かった」

 

普通に殴られた。

擦ってみるとボコボコした感じ。たんこぶだ。

 

浄夜「なんでや!?可愛いは正義やぞ!?」

 

もひとつ殴られた。

 

椛「良いですかッ!?許可もなしに私の尻尾を触ったらたんこぶと自分の顔の大きさが同じになると思ってくださいねッ!?」

浄夜「許可とったらいいんだ」

椛「拳が欲しいですか?」

浄夜「ノーサンキュー」

 

あれ?これって浪速のシュ○マッハでは……

 

椛「もう、帰ってくださいよ」

浄夜「ん、そうする。サラバ」

椛「さようなら」

 

手を振り、夕焼けを背景にしてかっこよく帰ってみた。

途中で転んだから台無しだが。

 


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