神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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漆黒の灰

浄夜「俺、理数科が得意でよかったなぁ…」

 

俺が吹っ飛ばしたパルスィは『クレイジー・D(ダイアモンド)』で治した。

流石にそのままは可哀想だからね。ただ問題…と言うより気になる点が一つ。

 

浄夜「『聖なる遺体』を持っていない……ねぇ…」

 

彼女は聖なる遺体を持っていないにも関わらず『スタンド』を使えた。

生まれつき…か?

 

ザー…ザザー…

 

浄夜「ン?なんだ?…今…壊れているはずの通信機が…『クレイジー・D』で、治した訳じゃあないしな…おかしいな」

 

『ザー…ザザー……あーあーマイクテスッマイクテスッ』

 

浄夜「……は?」

 

もしかして…この声は…

 

神様『ハァーイ!!浄夜君ッ!!聴こえるかな?』

浄夜「聴こえません」

神様『聴こえてるじゃん!!』

浄夜「何の用だ」

神様『彼女がスタンドを持っていた理由についてだよ』

浄夜「よかろう…言ってみろ」

神様『ブッ飛ばすよ?』

 

神がそれ言ったら洒落にならん。

怖ぇよ。

 

神様『これは…幻想郷の人々に『聖なる遺体を渡した理由』でもあるんだよね』

浄夜「…どういうことだ?」

神様『DIOは…知ってるよね?』

浄夜「あぁ…勿論だ」

神様『DIOの最期ってどんな感じか覚えてる?』

浄夜「…さっきからなにを…」

神様『いいから!!』

 

分からん奴だ。

DIOの最期なんて…ジョジョ好きなら誰でも知ってるだろうが。

 

浄夜「朝日を浴びせられて灰になった…だろ?」

神様『そう…そうだね。それで、一件落着…ではなかったんだ』

浄夜「は?なにを言っている?DIOはもうそれで消滅しただろ」

神様『いいや…してないよ』

浄夜「さっきからなにが言いてぇんだッ!!」

神様『DIOは灰になった…つまりッ!!DIOはッ!!灰として生きているんだッ!!』

 

灰として生きている?どういう意味だ?

 

神様『サンタナが石化しても生きていたように…DIOも、細胞一つ一つが石化して生きているんだよッ!!』

浄夜「な、なにィィィ!?」

神様『ハァ…ま、またテンションが上がっちゃった…。つまりね、何者かが灰を集めてこの『幻想郷にバラ撒いた』のよ』

浄夜「そんな…ありえねぇ…」

神様『DIOの灰…『漆黒の灰』は、人を選ぶの。闇を抱えた人に住み着く』

 

俺はパルスィを見た。

闇を抱えている…のか。この子が…。

 

神様『彼女が『ジョースターやツェペリの遺体』を使命と言って集めていたのは、DIOの灰が無意識の内にジョースター家やツェペリ家を滅ぼそうと思っていたからなの』

浄夜「そう言うことだったのか…彼女の中にある『漆黒の灰』はどうすりゃあ良い?」

神様『そ、それは……殺すしか…ない』

浄夜「…は?殺す…だと?」

神様『灰は脳を操るため、脳に存在する。脳を破壊するしかないのよ』

浄夜「……ふざけんなよ?」

神様『……』

浄夜「いや、テメェが悪くないのは分かる。だがッ!!心に闇を負った少女が、何故ッ!!何故こんな目に遭わなくちゃあならねぇんだッ!?」

神様『……そんなこと…言っても』

浄夜「諦めねえよ」

神様『え?』

浄夜「俺は今、『クレイジー・ダイアモンド』だぜ?」

神様『ま、待ってよ!!生きていられる確信はできないわよ!?』

浄夜「やらず後悔するよりも、やって後悔するべし。俺の哲学な」

 

分かってる。脳死するかもしれない。

見たところ、彼女は妖怪だ。そんなすぐには死なないはず。そう思うしかないだろう?

 

浄夜「クッ!!おい、脳のどの部分に灰があるんだ?」

神様『松果体って部分…』

 

結構内側じゃあねぇか……

指で松果体を触れてDIOの灰を『クレイジー・D』を集めて、脳を治せば良いか…

かける時間は全力で短く…だッ!!

 

浄夜「フゥ~…ドラァ!!」

 

『ドラァ』のドの部分で全ては完了していた。

浄夜の手には…

 

浄夜「これは…『目玉』か…」

 

DIOの右目があった。

だが、浄夜にはそんなことどうでもよく、すぐにパルスィの脈があるかを確かめる。

 

浄夜「…ッ!!」

神様『ど、どう?』

浄夜「……ヤッタァァァァッ!!」

 

どうやら、生きていたようだ。

 

神様『…フ…フフ…フハハハハハ!!素晴らしいよッ!!実に、素晴らしいッ!!』

浄夜「おいおい…どうしたよ?」

神様『いやね、君が想像以上にスゴい人間だったからさぁ…ちょっと興奮しちゃって』

浄夜「ハハ…なんだそれ?」

パルスィ「ン…」

浄夜「ッ!!パルスィッ!?」

パルスィ「なに…ああ、負けたんだっけ?ふぅ…悔しいけど…なんか頭がスッキリした感じがするわね。なにかした?」

浄夜「……いや、なんもしてねえよ。とりあえず無事でよかった…」

パルスィ「あれ…傷がない?あなたの能力?」

浄夜「まあな」

パルスィ「そう…とんだお人好しね。妬ましいわ」

浄夜「お前が生きてただけでも嬉しいよ。立てるか?手、貸すぞ?」

パルスィ「ありがと」

 

浄夜は、パルスィをおこした。

彼女の手は暖かく、生きていると改めて実感した。

 

パルスィ「なんか…すまなかったわね」

浄夜「いや良いよ。気を付けろよ?じゃあな!!」

パルスィ「ああ、ちょっと待ちなさい」

浄夜「ン?」

パルスィ「貴方のような人間は、ここの妖怪は大歓迎するわ。異変解決後にでも、また来なさい。その時に、この仮を返すわ」

浄夜「………楽しみにしてるぜ」

 

言い残し、通信機を直しながらその場を去った。


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