ハクノン紅茶とIS世界で頑張るのん!   作:是・射殺す百頭

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今回は、前回頑張った白野ちゃんにご褒美展開を用意しました。羨ましい………


一息ついて

暗く体が沈んでく感覚。その闇は無限に広がっていて、どこまで堕ちても果てはない。

沈んでいけばそれに伴うように体を焼くような熱さが体を冒す。

 

その闇の中に私たちはいる。

 

「今回のことは少しばかり、僕も詰めが甘かった。すまない」

 

私が正義の味方にするといった男は私に向かい、頭を下げている。

 

「ううん。気にしないで。調子に乗っちゃって警戒を疎かにしちゃってたから」

 

そう。私は、私たちはIS学園最強の座に立つ更識楯無に敗北した。甘かった。少し有利になったからといって、あの霧を全く警戒してなかったのが敗因だろう。

 

完全な敗北。アーチャーがあの様子を見ていれば鼻で笑うレベルだっただろう。それほどまでの敗北をしてしまったのだ。

 

「アンタが、僕を正義の味方にすると言ったのに僕はその期待に応えられなかった。依頼人の信頼を裏切るなんて、僕も大分落ちぶれたな」

 

「でも、貴方はちゃんと応えようと努力してくれた。それだけで私にとっては充分だよ。それに、力を貸してくれた。それはもう可能性も残ってなかった私のことを救ってくれたって事だよ。だから、貴方は私にとっての正義の味方だよ」

 

「そうか………そう言ってもらえると僕としても気が楽になる」

 

少しの間沈黙が流れる。こうして話してみると見えてくる。この男の人間味が。

「意外と不器用な人なんだな」と

 

「…………………1つ聞かせてほしい」

 

「なに?」

 

「アンタの記憶を見た。そこにはもちろん、あの男の記憶もあった」

 

「うん。そうだね」

 

「あの男は……………『士郎』は、僕のことを憎んでいるだろうか?」

 

衛宮士郎が彼を憎んでいるか?わからない。何故なら私が共に歩んできた男は、よく似た別人なのだから。だが、これだけは言える。

 

「私にはわからないよ。でもね、私はアイツが例え貴方を憎んでいたとしてもそれと同時に貴方に感謝してると思う」

 

「感謝……?」

 

「うん。あの地獄から、自分を救ってくれたって。そして、自分が前に進むきっかけを与えてくれたって。だから、アイツはどんなに辛くても前に進み続けて正義の味方を張り続けた。その結末が、例えあの剣の丘だったとしても」

 

真っ直ぐに、彼の目を見つめる。

 

「………士郎に伝言を頼んでもいいか?」

 

「うん。なにを言えばいい?」

 

「『今まで、いろんな物を押し付けてしまってすまなかった。それでも、僕の理想を叶えてくれて嬉しかった』と」

 

「わかった。必ずアイツに伝える」

 

「っと、迎えが来たみたいだ。彼女に礼を言っておくといい。僕と契約してたって言うのもあって、彼女が爆破の衝撃を少し和らげてくれた。恐らくアンタはそろそろ目を覚ませるはずだ。それじゃあ」

 

そう言うと闇に一筋の光が降り注ぎ、彼の背後に白い髪の女性が降りて来た。

 

「貴女が私を?」

 

そう尋ねると、その女性は

「ええ」と頷く。

 

「そっか、ありがとう。助けてくれて」

 

「いいのよ。彼を信じてくれたこと、貴女に感謝してるわ。それじゃあ私たちは行くわね」

 

女性は再び彼を支えながら宙へと上がり始める。

 

「うん、それじゃあ」

 

それだけ言うと、私は目を瞑る。

 

 

 

 

 

再び目を開けると、そこには保健室の天井が広がっていた。だが、私はベッドには寝ていなかった。目前には、楯無会長の顔があり後頭部には柔らかく程よい弾力が伝わってくる。

 

膝枕だ。王道でありながら至上のシチュエーションであり、男たちのロマン。

 

「あら、目が覚めたようね。どうかしら?お姉さんの膝枕は?」

 

「正直、気持ち良くてもう死んでもいいとも思ってます」

 

いかん!頬が勝手に緩んでしまう!

 

「そう?なら良かったわ!一応、お詫びも兼ねてるからね」

 

「お詫び?どういうことですか?」

 

「ええ、その事なんだけど。本当にごめんなさい。私ったらつい本気出しちゃって、意識が飛ぶような威力の攻撃しちゃってね。ちょっと大人気なかったわよね」

 

あっ、そういうこと?まあ、別になんとも思ってないから私としてはただ膝枕して貰えてるだけだからどう考えても完全ににご褒美です。本当にありがとうございました。

 

「気にしてないんで全然大丈夫ですよ。それよりも、会長と戦えて貴重な経験が出来ました。ありがとうございました」

 

そう言って、後頭部の感触を名残惜しく思いながらも体を起こそうと思った瞬間だった。

 

「あっ、白野ちゃん!あんまり動いたら!」

 

ピキィッ!

 

「あ、え、う……ん?〜〜〜〜〜ッ!」

 

一瞬、なにがあったのかわからなかった。全身に激痛が走り、再び会長の太ももの上に頭を落とさざるを得なくなる。

 

「あ〜あ、だから言ったのよ?貴女、全身酷い筋肉痛であと2、3日はまともに食事すら取れないわよ?」

 

き、筋肉痛?なんでそんなことに…………?

 

ふと、ある言葉を思い出す。

 

『これが、『固有時制御』だ。体内を結界化し、その内部の時間を急速に早めることによって筋肉などの動きを早めることが出来る』

 

「あれが原因かぁ!?」

 

「これから少し大変かもしれないけど頑張って、お詫びってことで私これから普通に動けるようになるまでしっかりと貴女のお世話してあげるから」

 

「す、すみません……お願いします」

 

確かに尋常じゃない動きしてたもんなぁ……そりゃそうか………

 

(マスター聞こえるな?)

 

(あっ、アーチャー。彼から伝言だよ。『今まで、いろんな物を押し付けてしまってすまなかった。それでも、僕の理想を叶えてくれて嬉しかった』だってさ)

 

(……………そうか、爺さんはまたいつもみたいにオレには何も言わずに行ったのか………)

 

(え?なんかいった?)

 

(いや、なんでもない。それよりも気になることがある)

 

気になること?もしかして機体のことか?

 

(そう。機体のことだ。実は、彼女との戦闘後に莫大な量の機体への経験値蓄積があった。それによることで、一時的な物ではなく正規の3次以降が行えるようになったらしい。恐らくは彼女との戦闘と、あの男の記憶共有による獲得だろう)

 

(本当?じゃあ動けるようになったら試してみようか)

 

(ああ、そうだな。だから今はしばし休むといい。あれほどの激戦の後だ。織斑千冬以外の誰も文句は言うまい)

 

うわぁ、そうだった。あの人のこと完全に忘れてた…………明日からどうしよう…………




さーて、次からの展開どうしようかなー。ん?そろそろ転校生組2人のことを触れなきゃマズいかも?

それはそれとして、現在放送中のアニメのApocryphaでとうとう師弟が揃いましたね。両者ともfgoでの実装をお待ちしてます。特に先生の方。
以上、『ケイローン先生に甘え隊』の願望でした。

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