ハクノン紅茶とIS世界で頑張るのん!   作:是・射殺す百頭

23 / 29
すみません、今回だけで終わらせようとしたら区切りがあまりにも多すぎたので、恐らく次回まではこの話の続きです。


時のある間に薔薇を摘め

[データ深層域への意識ダイブ完了です]

 

どうやらデータの中に意識を入れることが出来たようだ。さて、ここからが重要だな。

 

「まずはこの世界の事を理解しないと」

 

見渡すとそこは海が広がっていた。といっても、ムーンセルのアリーナとかサクラ迷宮とかとは違う本物の海だ。それにしてもリアルだ。

 

「どこなんだろ?ここ」

 

私はIS学園の制服を来ているようだ。その状態だと日差しや湿気なんかも相まって、とても暑い。蒸し暑い。

 

「なんか、南国って感じのイメージだな」

 

そう独りごちたときだった。背後から何かの気配がしたのだ。

 

「…………!誰かいるの!?」

 

振り返ってみてもそこには誰もいない。

 

「なんだったんだろ…………まあいいや。とりあえず、ここにいてもしょうがないよね」

 

さっきの気配はやはり気になるが、ここに突っ立っていてもなにも始まらない。人の気配はありそうだし、島の中心の方へ歩いて行ってみよう。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いてみると、明らかに整備された道が出て来た。コンクリートで固められた訳でもないが、しっかりと整地されて看板も立てられている。

 

「んー、でもこの字なんて読むんだろ?」

 

もちろん日本語では無いし、少なくとも英語でも無いんだけども。

なんとなくだけど、文字の形的にアジア圏だと思うんだよね。ヨーロッパとは違う感じ。

 

すると、何かのエンジン音が聞こえてくる。恐らくは、軽自動車か小型のトラックかな?

 

「んー、ビンゴ」

 

軽トラックで当たりだった。少し声をかけてこの島の事を聞いてみよう。

 

「すみませーん。少し話を………ってあれ?」

 

手を振りながら声をかけて見たものの、止まるどころか見向きもされなかった。

 

「おっかしいなぁ…………海外じゃ普通なのかな?」

 

乗っていたのは褐色でポニーテールの少女とタンクトップの少年だった。あの年でそこまで目が悪いなんてありえない。だいたい、そんなに目が悪いなら運転出来ないし。

 

「ていうか、あの男の子日本人じゃなかった?」

 

そう呟いてまた歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷った…………完全に迷った。

 

結局看板も読めず終いだし、足踏み外して急勾配な坂を転げ落ちるし。あー、もうめちゃくちゃだよ。

 

「いやーん!まぢで制服がめちゃくちゃなんですけど〜!サゲポヨ〜!」

 

なんちゃって、まあふざけてる場合じゃないよね。いつのまにか日も暮れてるし。

 

次の瞬間だった。どこからともなく、何かが崩れ落ちるような音とともに悲鳴が聞こえてきた。

 

「な、なに!?どこから!?」

 

すると、立ち所に煙が少し離れたところから上がり始めた。

 

「い、急がなきゃ!」

 

全速力で息を切らしながら走る。悲鳴が上がったってことは人がいるってことだ。

 

「そろそろ…………!よし!ッ!?」

 

ようやく、煙の出どころであろう場所に到着した。

そこで見たものは、地獄だった。

人が人を殺し、貪り、そこにあったであろう民家はあちこちから火の手が上がっていた。

そして、何よりも奇異なのは殺された人間が再び動き出して、生きた人間を喰らっているのだ。

 

「なに…………これ」

 

その中に1人、見覚えのある顔を見つける。

先ほど、軽トラックに乗っていた少年だ。

まだ、ちゃんとした人間のままの用ではあるが、その顔は恐怖とショックによって硬直していた。

 

「あぁ………………」

 

声を出したくてもそうはいかないだろう。恐怖とはそれほどまでに人の行動を制限できる感情なのだから。

 

少年の周りを無数に死者達が囲む。もう彼は助からないだろう。そう思ったときだった。

 

彼の横にあった柵を突き破り、ロングコート姿の女性が飛び込んで来たのだ。

その女性を追うようにして駆けてきた死者がショットガンで吹き飛ばされる。

 

「チィッ!」

 

一度だけ舌打ちをすると、あっという間にその場を制圧してみせたのだ。

 

「すごい…………もしかして、あの人がアーチャーの言ってた人なの………?」

 

「いいや、彼女じゃない。誰かを探しに来たなら、それはきっと僕のことだ」

 

なっ!?いつの間に背後を取られていた!?

 

「貴方は…………何者………?」

 

振り返ることなく、そう問うと男は

「まあ見ていろ」と言うと気配を消してどこかに去って行った。

 

「今の男は一体…………」

 

ふと、先ほどの少年のことを思い出してハッとなる。あの子はどこに行った?

 

「………………見つけた。ついて行ってみよう」

 

私は彼の少し後ろを歩いてついていった。

 

 

 

 

 

 

「ここは、あの子の家?」

 

少年はその木造の家の中に入っていく。私は窓から中の様子を見る。中には、彼の父親と目ぼしき男性が本や何かの資料を燃やしていた。

 

「〜〜〜」

 

「〜〜〜死徒の〜〜〜〜?」

 

何を言っているのかよく聞き取れない。

本当ならば中に入って聞きたいところだったが、何があるともわからない。

 

「〜〜〜〜〜衛宮の〜〜」

 

待て、今あの男性はなんと言った?衛宮だって?と、とりあえず続きを…………

 

ガンッ!

 

部屋の中からそんな音が聞こえてくる。

よく見ると、少年がナイフで父親を刺したのだ。

 

「な、何して…………」

 

すると、彼は近くにあった棚から拳銃を取り出して父親を撃ち始めた。

動かなくなるまで、何度も何度も。

動かなくなっても、何度も何度も。

 

弾が切れたのか、少年はマガジンを捨てようと拳銃を振るがそんなのはもう少し慣れてからやるものだ。どう考えてもこの少年は素人。そんな子にそこまで器用なことが出来るとは思えない。

 

そこに、先ほどの女性が来て少年の振り払うようにする手を止める。

私の視界はそこで暗転した。




最近、アニメの『ダンガンロンパ』を見てて久しぶりにワクワクしたのです。まあ、友人は誰も見てないから語り合ったりは出来ないんですけどね。あとは、新しく出来た友人がカードゲーム『遊戯王』をやっていて誘われたのでまた改めて始めようかなぁと思ってます。
以上どうでもいい私情でした。(遊戯王に関してはやってた方に前マスタールールでの安く作れる中でもそれなりに強めなデッキがあれば是非、教えてください)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。