それと、『SERIO』様、『シヤタ』様、誤字報告と設定の御指摘、ありがとうございました!まだまだご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いできればと思います!本当にありがとうございました!
放課後になったので、約束通りに第1アリーナへと向かう。
(ねえ、アーチャー。私勝てると思う?)
なんて質問をペンダントに投げかけてみる。
(いいや、今回ばかりはどう足掻いても無理だと私は思っている。今のままの私たちでは彼女に勝てる未来が見えない)
やっぱりそうか。まああんなレベルのものを相手にしろなんて言われても勝てるわけがない。
例えるなら、レベル1で昼間にガウェインに喧嘩を売るようなものだ。そんなことをしたら、その先にあるのは敗北の道ただ一つだろう。
(いや、その例えですら生温いな。日中のガウェイン卿はランスロットに防戦をされて日没まで耐えられたそうだ。現状ではそこにすら到達は出来まい。一方的に翻弄されて終わりだ)
と、心眼(真)持ちの男が言うからにはその通りなのかもしれない。
「っと、着いた。先輩は中かな?」
アリーナに入ると予想通り、会長が待っていた。
「すみません。お待たせしました」
「いいのよ♪そんなに待ってないもの。それじゃ、早速始めましょうか!」
そう言って、私たちは自分たちのピットへ向かう。
お互いの準備が整い、あとはピットから射出されるのを待つだけだ。
(さて、お手並み拝見だ。生徒会長さん)
などとアーチャーが呟く。その声の様子には、まだいつもの飄々とした感じが残っている。
(ちょっと?全力で行くからね?)
(ああ、わかっている。だが、最初からそんなに気張っていても仕方あるまい?)
(そうだけど……………)
と、射出の準備も終了したようだ。
行くとしよう。この戦いから何かを学べるような気もする。
「よし!岸波白野、アーチャー!行きます!」
カタパルトによって機体が高速で前方に押し出される。
フィールドに出るとそこには水色を基調とした機体を身に纏った会長がいた。
背中から突き出ているパーツからは、流体の膜のようなものが出ている。
手には西洋の騎乗槍のような武装を握っている。
(見た限りだと、遠距離に特化した機体とは思い難いな。どうする?敵の懐に飛び込むか?それとも距離をとって戦うか?)
アーチャーの問いかけに意味があるようには思えない。恐らく意味などないのだろう。何故なら、どんな武器を使う人間だろうが場合によっては全く別の武器を使って戦うというのはこの男が最もよくわかっているはずだからだ。『弓兵だとしても場合によっては、剣だろうが盾だろうが使う』と。
ならば、
(近接戦で行く。まずは相手の十八番を見てから次の手は決める)
(了解した。できる限りの援護はしよう)
その返答を聞くや、私は機体のスラスターを噴かせて距離を詰める。
「やあっ!」
「なるほどね。その剣が主武装なのかしら?」
ガギンッ!!
という激しい金属音と共に、私の手に握られていた干将・莫耶の刀身がいとも容易く砕け散る。
「なっ!?」
この人は何をした?どうして刀身がこうも簡単に砕け散っている?
「でも、これでその剣は使えなくなったわね」
ニコッという笑みを浮かべる会長。しかし、その笑みで私の背筋は凍りついた。
(なるほどな。マスター。その面構えを見るに彼女が何をしたか見ていなかった…………いや、
(どういうこと…………?)
本当だったら聞きたくもない。それだけで、どれほどの差があるのかを思い知らされることになる。
(彼女は手に持った槍の穂先に近い部分を持って槍のリーチと引き換えに、攻撃のスピードを上げた。その槍で君が剣を振り下ろした瞬間に、その振り下ろす勢いを利用して干将と莫耶を目にも留まらぬ速さで、かつ一撃ずつで破壊したのだ。まさか、同じISの武装なのにここまで強力な一撃を瞬時に繰り出せるとはな)
(そんな…………ことが……?)
違いすぎる。あまりにも実力が。
決定的すぎる。その差が。
それでも、まだ負けたわけではない。まだだ。干将・莫耶は主武装であるが故に1セットではない。全ての武器を失った訳でもない。諦めるには早すぎる!
一旦距離をとって、黒塗りの弓を展開する。
「どうすれば破れる?同時に同じ方向から攻撃するから防がれた。だったら2方向から同時に攻撃をすればいい?」
長く考えてる時間はない。早く行動に移さなければ。
「
「へぇ〜銃じゃなくて、弓なんて面白いわね。さて、どんな攻撃を見せてくれるのかしら?」
再び干将と莫耶を展開すると、それを目一杯の力で反対方向に投げる。
(何処を狙って………?)
そして新たに一振りの黒い剣を展開させる。
手に握られた剣の形状を変質させ、風による抵抗を限りなく減らす。
それによって造られた矢を弓につがえる。
チャージ時間0では間違いなく防がれる。それでは全く足りていない。
弓を引き、そこにエネルギーを溜め続けて5秒ほどの時間が経つ。まだだ。まだ足りない。
「来ないの?ならこっちから行こうかしら?」
会長がこちらに猛烈な勢いで突っ込んでくる。この距離ではあと1秒ほどだろう。チャージ時間は7秒。あと数秒。
「ッ!背後から!?」
先程投げた干将・莫耶の互いを引き寄せあう性質を利用して敵の背後から襲いかかる。
ISはその機能で、視界が360°になっている。
所詮は時間稼ぎだ。当たるなど最初から思っていない。
これでもう2秒稼げた。あとは………
「やってくれたわね!でもそういうの、嫌いじゃないわ!」
それでもなお、こちらへと突っ込んでくる。
時間は充分に稼いだ。ジャスト10秒だ。
手に携えるは、緋の猟犬。放たれれば魔弾と化して、射手が健在である限り狙った獲物を追い続ける。その魔剣の名はーーー、
「
「速ッ!?」
そう言いつつも、会長は私の一射を躱してみせる。
「避けられた!?」
音速とまでは言わないが、下手な銃弾よりは速いはずだ。それすら避けられるなんて………
しかし、
「また裏から!?しかも、さっきの矢!?」
今だ!あの矢のスピードならば会長に完全に追いつき、直撃するに至れるだろう。しかし、それは彼女を繋ぎ止める方法があればの話だ。今の彼女にそんな物は無い。ならば簡単なことだ。一瞬ではあるが、気を引けることが干将・莫耶1セットを犠牲にしてわかった。
たったの一瞬、それでも充分だろう。先程と同じように私は、会長に向かって全速力で突っ込む。その途中で、会長の周囲を無数の剣で囲んだ。これで完全な『檻』が完成した。全方位、逃げ場はない!
「これは……………!!」
「獲った!!はぁ!」
完全に仕留めた。そう確信した瞬間だった。
剣の動きが止まり
「なっ!?」
(不味い!
アーチャーが干将・莫耶を爆破した爆風で私の体は後方に吹き飛ばされ、体制を整えられずに堕ちていく。
次の瞬間、つい一瞬前まで会長を囲っていたはずの剣が私のいた位置に飛んでいく。
「けほっ!けほっ!うう、助かったよアーチャー」
(礼など不要だ。それよりも彼女に集中したまえ)
そう言われて、会長に目を向けるとそこには数本の剣で円陣を作り、こちらに刀身を向けながらそれを回転させている彼女の姿があった。
(まさか、こちらの武器を盗まれるとはな。贋作を盗むとは彼女も物好きらしいな)
いつも通りのアーチャーの皮肉をスルーしてアーチャーに尋ねる。焦りからか、動揺して声を口に出してしまった。
「一体何が………!?」
(あの水だ。あの水が彼女の秘密兵器のようだな。なんとも強力なことだ。あの剣を動かそうとしても硬く掴まれているようで全く動かん。それにあの槍だ。気づかなかったが、あの槍にはどうやらガトリングガンが装備されているようだ。
よく見ると、剣の両端に10cmほどの水で出来た球が付いていた。
あれが、秘密兵器………………?
「驚いたかな?これが私の
「水を操れる………………ってことですか?」
その答えに対して、会長は首を横に振る。
「これは、この機体に搭載されている『アクア・クリスタル』っていう機構が生み出している、アクア・ナノマシンっていう物なの」
「ナノマシンですか…………」
ナノマシンとは、0.1〜100nm(ナノメートル)サイズの機械装置のことだ。それを液体の中に入れて、水を操っているのだろうか?
「それにしてもさっきの攻撃はなかなかに良かったわ!ちょっと感心しちゃったもの!」
子供のように無邪気に目を輝かせながらそう投げかけてくる言葉には嘘は含まれていないように感じる。本心からそう思っているのかもしれないし、そう思わせる技術があるのかもしれない。
「お褒めに預かり光栄ですよ…………」
軽口を叩けつつも、次の手を考える。何をするべきかではない、
そうでなければ、きっと活路なんて見出せないから。
(ふむ、多数ある選択肢の中からほんの一握りしかない解答を見つけ出すのは至難の技だぞ?それでもやるか?)
当然だ。そんなのは一考の価値もない。
根性ありすぎる系の力を見せつけてやる。
「おっ、その顔…………まだやる気だね?うんうん、良いね〜!最高だよ君!」
「その余裕、すぐにでも覆してみせます!」
まだ、戦いは始まったばかりだ!
うーん、投稿が早すぎてちょっと話すことが見当たりませんね。
そういえば、皆さんは今まで好きだったものが億劫になっちゃったことってありますか?僕は最近、あまりにもスマホのアプリが楽しすぎて今まで結構やってたFPSが凄く面倒になっちゃったんですよね〜上手くはなかったんですけど、結構やってたんで少し驚いてます。スマホゲーって怖い…………