お昼休みになり、私は食堂で昼食を摂っていた。今日のランチは鯖の味噌煮ランチだ。
今日はなんか嫌な予感がしたので学食だ。屋上に行けば、なんか取り残されそうな気がしたから…………
まあ、クラスの友達とは違う席で食べてるために見事なまでのボッチ感を出している。
(聖杯戦争の時とは全く逆だな。あの時はいつも誰かに話しかけたり話しかけられたりしていたものだが)
なんてアーチャーが皮肉ったらしく言ってくるものなので、さらに惨めさが増すというものだ。
(やかましい。私だってちょっとは寂しいよ。でも、仲間内の輪の中に勝手に入っていくのも無神経だと思わない?)
(まあ…………一理あるが………学園生活は楽しんでおいた方がいいぞ。三年間なんていうのはあっという間だ。気づいたら、人の手伝いなんぞに明け暮れた挙句、ロンドンに留学してたなんて洒落にならん)
ああ、遠坂凛とのことか。そういえばこの男は生前に、彼女と同姓同名で瓜二つの女性と交流があったな。
あの世話焼きな彼女との暮らしなんて結構面白そうな気もするけど。彼女、あれでトラブルメーカーなところあるし。万年うっかりだし。
「ねえねえ、ハクノン?」
(そもそもさ、彼女とはどういう馴れ初めでどういう関係になったのさ?)
(いや、君は既に見ているではないか。私は学校でアイドル的な人気の彼女とは平々凡々な赤の他人のところから始まったんだよ。どうやら向こうはこっちを知っていたようだったが)
そりゃあ頼まれれば雑用や力仕事までなんでも引き受けてくれる便利屋を知らないわけないでしょうよ。
(で?どういう関係までいったの?)
(どういうと言われてもな…………どういう関係だったんだろうか……………?)
え?嘘でしょ?自分が共同生活してた人との関係知らなかったの?本気?
(オレとしては仲は良好だったと思うぞ?ただ、自分と他人では評価が違ってしまうだろう?それで勘違いを引き起こしてしまうなんてナンセンスだ)
うわぁ、ありえないよコイツ。一緒に暮らしてる時点で向こうが自分をどう思ってるかくらい気づけよ。
「ねえってば〜ハクノ〜ン」
「え?あ、うん?ごめん、ボーっとしてた。ど、どうしたの?えーと」
「私、
ちょっと驚いた。ていうかアーチャーは気づけてたでしょ?何故言ってくれなかったんだ?
(いや、わかってて無視しているのかと)
んなわけないでしょ。
オタク馬鹿なの?
(む、なぜかその言い方には腹が立つな。やり口が陰湿な緑マントを思い出す)
「おーい、大丈夫〜?」
「ああ、ごめんごめん。大丈夫だよ。それで、どうしたの?」
「いや〜、ハクノン1人で食べてるから寂しそうだな〜って思って。一緒に座っていい?」
「ハ、ハクノン?」
「うん!岸波白野だから、ハクノン!」
所謂、あだ名というヤツだね。同年代の女子とはあまり話さなかったし、凛やラニは真面目な感じであだ名なんてつけるタイプじゃなかったから新鮮だ。
「そっか、ハクノンね。なんかいいね。そういうの。じゃあ一緒に食べようか」
「やったー!あれ?そのペンダントって」
「これ?これは私のISだよ。 アーチャーっていうの」
そういいながら私はペンダントを掲げる。
「あっ、この中に描かれてるのってハクノンが使ってる剣でしょ?」
「うん。干将と莫耶っていうんだ」
まあ有名な剣じゃないし知ってるわけが………
「ヘぇ〜中国の伝承にある剣と同じ名前なんだ〜」
知ってる!?この娘、こんななりで割と博識だ!
「知ってるの?」
「うん、刀鍛冶の夫婦が鍛えた剣だよね」
まさかそこまで知ってるとは思わなかった。彼女一体なにもの?
「そうそう。互いを引っ張り合う力を持ってるんだ。あとは同時に持ってるとビーム兵装に対する防御力が上がるの」
「ほぇ〜不思議な武装だね〜あっ、私そろそろ行くね〜」
「うん、それじゃあ」
布仏さんと別れて、私も次の授業のために席を立ち食器を返却しに行く。
(それにしても不思議な雰囲気な子だなぁ。のほほんとしてるっていうか)
(ああいうタイプの女性は、いるだけで周りを和ませられるタイプだからな。なかなかいないぞ。そういうのは)
ふと、食堂の入り口に目をやるとそこには水色の髪の少女が立っていた。
その少女は、見るからに上品そうな出で立ちで優雅に口元を扇子で隠していた。
(彼女…………)
(ああ、強いぞアレは。とてもではないが、あの優雅さからはイメージがつかないほどにはな)
何者だろう?そんなことを思った瞬間のことだった。
その少女は気づかないうちに私の目前にまで迫っていた。
「うわわっ!?」
そんなマヌケな私の声になど興味も示さずに私の全身を品定めするように見ている。
(ほう…………なるほど、ここまでとは)
などとアーチャーは感嘆の声を漏らすが、私からすればそんな場合じゃない。
「あ、あの………………どちら様ですか………?」
「ん?ああ、いきなりごめんなさいね。私はこの学園の生徒会長の
生徒会長!?そんな人が一体私になんの用があるというのだろうか?
「生徒会長さん?私になにか御用でしょうか………?」
「そんなに畏まらなくてもいいわよ。それで、貴女がイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットちゃんを倒した岸波白野ちゃんでいいのよね?」
え?たまたま目に付いたとかそういうのじゃなくて、もとから私を探してたの?
「はあ…………確かに私ですけど」
「うん、うん、よし!白野ちゃん!私とISで勝負しましょう!」
はい?なんですって?勝負?ISで?
「す、すみません!私なにかしちゃいましたか!?」
これはあれかな?「ちょっと調子乗ってるから後で体育館裏な」的なアレなのか!?
「ーーーーーーーー」
ヤバい………無言だ……………これはガチでヤバいやつだ…………!
これはなんとしてでも許してもらわなければ!生徒会長っていうことはきっと実力的にもかなり上のはず!そんな人に目をつけられちゃ今後の学園生活に支障が出る!
「ーーーーっぷ!アハハ!違うわよ!別にそんなんじゃないわ!フフフフ!あー!おっかしい!」
「え?」
あ、あれ?違うの?〆あげるとかそういうわけじゃないの?
「ただ、興味があるだけ!貴女がどれほどの実力者なのかを見ておきたいの。ロシアの国家代表としてね」
「そ、そうだったんですか。あ、アハハハハ………………」
よかったぁ。普通の人で。本当に1年目から酷い目にあう所だった。
(おいマスター。君は話を聞いていたか?彼女は一国家の代表だそうだ。君はそんな人物に戦いを挑まれているんだぞ?セシリア嬢は1年生で、君の実力を知らずに慢心しきっていたが彼女は違う。代表候補を倒したということを知っていて、その上にこの学園の生徒会長という役職ときた。さっきの身のこなしといい、現段階で彼女と同格と言える人物は恐らく少ないだろう)
長い解説付きのアーチャーの警告は最もだろう。しかし、そんなものは百も承知だ。だが彼女には、抗い難いナニカがある。カリスマ性、まるでそれは呪いのように何かを惹きつける感覚がある。
「わかりました。やりましょう。いつにしましょうか?」
「うーん!いいね!ノリがいいのはお姉さん大好きよ!日時は……………今日の放課後でいいかしら?アリーナの手続きとかは済ませておくから、とりあえず第1アリーナに来て頂戴」
今日の放課後はなにもなく、暇なので好都合だ。
「それじゃあまた後でね〜♪」
「なんか奔放な感じの人だったな…………」
とりあえずは、今日の予定が決まった。放課後に生徒会長の更識楯無との勝負………!
燃えてきたぞ……………!
(君、そういうキャラだったか?)
やかましいわ。いろんなことがありすぎて錯乱状態なんじゃ。
これ、最初は屋上でワンサマーと愉快な仲間たちと一緒に食べる話だったんですけど、いざ書いてみると見事に白野さんが置いてけぼりになったので現状態になりました。次回はvs生徒会長です。
はあ…………1万5千円の課金は軽くはないですね。金欠学生の身からすればこれ以上は………って感じで。
ちなみに結果は、メルトキアラ×1のリップ×3です。副産物でクリミアの天使も来ました。
最近なんかガチャの女神が微笑んでくれてますね…………
あれ?これ不夜城のキャスター当たらないフラグなんじゃ………?