我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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電子獣と新たな仲間

 

「リアス、やつは!?」

 

「任せて!」

 

リアスはすぐさま『探索(サーチ)』の水晶を出す。

 

「させるか!トループモン部隊、放て!」

 

『『『『デスマーチ!!!』』』』

 

マッドレオモンが号令すると、黒いゴムの体にガスマスクを着けたデジモン、トループモンたちが一斉に銃を放つ。

 

「ッ!?みんな防げ!」

 

「っ、みんな私の後ろへ!『ルイン・シールドアーケロン』!!!」

リアスは水晶を消し消滅の魔力によって形成された盾を造り、銃弾を防ぐ。見ると、上空のタンニーンとヴァーリも防御壁を張って防いでいた。

 

「くっ、消滅の魔力を形成するのに両手がふさがって『探索』が使えないっ!」

 

そう、造形魔法は魔力に形を持たせ、なおかつその状態を保つために高い集中力が必要とされ、同様に意識を集中させる『探索』は同時に使えないのだ。

 

「っ!?アニキ後ろ!」

「「「『切り捨て御免』!!!」」」

 

後ろから斬りかかって来たムシャモンを雷速で回避する。

「「「「「『カースクリムゾン』!!!」」」」」

 

するとゴーレモンたちが一斉に毒ガスのブレスを放つ。見るとブレスに当たった木々が灰になって行く。

 

「ちっ、ダハーカ!」

 

『『『おう!!!』』』

 

「『空気結界呪(ウインディ・シールド)』!!!」

俺は『魔源の三つ首甲』を纏い、風の結界を発生させてブレスを防ぐ。

 

(ちっ、今さらながら場所が悪いっ!成熟期程度一掃するのは容易いが、下手に大技を使うとみんなも巻き込んじまう)

 

見ると、どうやらみんなもそのような様子でなかなか手が出せないでいた。

 

「グハハハハ!!!どうしたぁ!さっきから防戦一方ではないか!もっと歯応えのあるやつはおらんのか!?」

 

マッドレオモンは笑いながら言う。ちっ、下手に出てりゃ付け上がりやがって……どうしてくれようか

 

「ケハハーー!ならこんなのはいかがかなぁ!」

 

するとトループモンの一体の影からフリードが飛び出した。

 

「なっ!あいついつの間に!?」

 

「にゃはっ!私もいるにゃん!」

 

「何!?」

 

すると今度は地面から石の爪を装備した黒歌が現れた。

 

「ケハハハ!『八つ影(オロチシャドウ)』!!!」

 

「シャッ!『ボールダークロー』!!!」

 

フリードは八本の蛇を模した影を放ちトループモンたちをなぎ払い、黒歌は石の爪でゴーレモンたちを引き裂いた。それと同時に弾幕の雨と毒ガスも止む。

 

「ッ!今なら!」

 

リアスは直ぐ様水晶を出して『探索』を発動する。

 

「っ……ダメだわ、もう有効範囲にはいない」

 

リアスは悔しそうに歯噛みする。

 

「マッドレオモン様、どうやら信長様も無事御戻りになられた様子、我々も撤退致しましょう。」

 

ムシャモンの一人がマッドレオモンに言う。

 

「いや成らん!このままこやつらの首を持ち帰り信長様へと献上するのだ!」

 

…………は?何を言っとるのだこいつは?

 

「………なあ兄さん、俺今物凄くイラッと来たんだが」

 

「ん?ヴァーリもか?俺も」

 

「あら奇遇ね、私もよ」

 

「あ、俺もっす」

 

「マジで?俺っちも」

 

「私もだにゃん」

 

俺はリアスたちのもとに飛び、横一列になるように並ぶ。

 

「あ、あの…み、皆さん……?」

 

アーサーが後ろでなんか言ってるが相手をしてやる暇はない。

 

「グハハハハ!!!何をしようと同じ事よ!全員かかれ!」

 

『『『『『ハラショーアタック!!!』』』』』

 

「「「「「『カースクリムゾン』!!!」」」」」

 

「「「『切り捨て御免』!!!」」」

 

「『覇王堕拳』!!!」

 

マッドレオモンの号令と共に奴らは一斉に技を放った。

 

「グハハハハ!!!これできさまらも終わーーー」

 

「『ツンドラブレス』!!!」

 

「『ルイン・ブラスタードレイク』!!!」

「『紅蓮赤龍波』ぁぁぁ!!!」

 

「『角刀影(角トカゲ)』ぇ!!!」

 

「『にゃん にゃん 波』ぁぁぁ!!!」

 

「『龍破斬(ドラグスレイブ)』ぅぅぅぅ!!!」

 

ドカァァァァァン!!!ズドォォォォォォン!!!ボカァァァァァァン!!!

 

『『『『『ギャアアアアアアアアァァァァァァァアアアアアア!!!!!』』』』』

 

爆風と衝撃波により土煙が吹き上がる。感情のままに放った俺たちの攻撃は奴らの攻撃を容易く飲み込み消し飛ばした。

 

「「「・・・・・・・・・・・・・」」」

 

アーサー兄妹とタンニーンは呆然と立ち尽くしていた。

 

「あ~~~スッキリした」

「久しぶりにぶっぱなしたぜ」

 

「私としたことが…つい」

 

「でも、スッキリしただろ?」

 

「………うん」

 

「しかし、この様子じゃ一匹残らず消し炭に……ん?」

 

そこまで言ったところで土煙が晴れる。見ると案の定デジモンたちは皆跡形もなく消し飛んでいたが、その中でマッドレオモンだけが生き残っていた。しかし、紫の皮膚は黒く焼け焦げており、立つのもやっとの状態だった。

 

「が…ごあ…ま、まさか、こんな…」

 

「あら?まだ生き残りがいたのね」

 

「さすがに指揮を任されるだけはある…か」

 

「ぐ…がはっ、きさまらぁ……」

 

『マッドレオモン』

 

「!!!?のっ信長様!」

 

すると突然信長の声が聞こえる。恐らく通信機か何かだろう。

『慢心が過ぎたな、マッドレオモンよ。俺はもう本部に着いた。お前も戻るがいい』

 

「は、はは!きさまら、覚えていろ!」

 

そう言い残してマッドレオモンは消えた。

 

「とりあえず、終わった、かな」

 

「そうね、とりあえず戻りましょうか」

 

「だな」

 

こうして俺たちは会場へと向かった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「…………と、いうわけで、新しく仲間に加わるアーサーとルフェイだ。」

 

「はじめまして、この度『龍の紡ぐ絆』に加わるアーサー・ペンドラゴンです。階級は騎兵団長、至らぬところもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

「同じく、この度新たに皆さんのお仲間に加わるルフェイ・ペンドラゴンです!階級は魔法士官です!よろしくお願いします!」

 

アーサーとルフェイが会場にいた皆に挨拶をする。

 

「あらあら、ということは、あなた方が竜也君の言っていた優秀な『騎士』と『僧侶』ですか」

 

「騎兵団長ということは私たちの上官か、よろしく頼む。」

 

「不満はないのか?ゼノヴィア」

 

「陛下のお選びになったことだ、十分に信用に値するだろう」

 

「相変わらず見上げた忠誠心だことで」

 

「当然だ」

 

「ははは、精一杯勤めさせて頂きます。」

 

「魔法士官…てことはあの魔法使いどもの上官に当たるのか……」

 

「え?」

 

「ま、頑張れ」

「え?え?」

 

「何かあったら相談して下さい。心を強く持ってくださいね」

 

「え?え?ええぇ!?な、何があるんですか!?」

 

「アハハハハ……しかし、織田信長か…」

 

俺の呟きに、皆の空気が変わる。

 

「それほどの使い手だったのですか?」

 

ゼノヴィアが尋ねる。

 

「ああ、断片的だが、今まで戦ってきた奴らとは別格の強さだった」

「俺たちの攻撃もことごとくかき消された」

 

「それに、奴の従えていたあのデジモンという魔物……あれは一体」

 

「デジタルモンスター、略してデジモン。デジタルワールドという世界に住むデータが具現化した存在。」

 

俺の言葉に全員が反応する。

 

「兄さん、やはり知っているのか」

 

「ああ、俺の世界にも携帯育成ゲームとして存在していた。」

 

「アニキの世界……?てことはあいつは…!?」

 

「ああ、恐らく俺と同じ転生者だ」

 

『『『『『!!!!?』』』』』

 

俺の言葉に全員が驚愕する。

 

「マジかよ……アニキの他に転生者が…」

 

「やつはまた会おうと言った。恐らくやつはまた俺たちの前に現れるだろう。そうなった時は俺が相手をする。みんなも十分に警戒しておいてくれ。」

 

俺がそう言うと、皆は無言で頷いた。

 

「ま、何はともあれ、会場が無事で何よりだ。今は明日のゲームに集中しよう。」

 

「……そうね、そうしましょう」

 

「警備は俺たちに任せろ。お前たちは全力でゲームに当たれ。」

「タツヤ……ええ!」

 

「よし、その調子だ」

 

これにより、それまで針積めた空気が和らいだ。

 

「……あれ、そういえばアザゼル先生は?」

 

『『『『『あ』』』』』

 

「そういえば……」

 

「姿が見えませんね」

 

ちょうどそこにソーナが歩いて来た。

「あ、ソーナ。アザゼル知らない」

 

「あら竜也君、アザゼル先生ならーーー」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ここはパーティー会場に設けられたカジノ。

 

「よし来い!来い!来いぃ!!こ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"また外したぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

現在そこでアザゼルはスロットマシンに釘付けになっていた。

 

「ちくしょう、今度こ……そ?」

 

『『『『・・・・・・・・・・・・・』』』』

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

「な、なんだよお前ら……揃いも揃って」

 

「お前ら」

 

「ん?」

 

「やるぞ」

 

『『『『『了解』』』』』

 

「え?ちょっ!?何す…お、落ち着けって!まっあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」

 

 

◆◆~~しばらくお待ち下さい~~◆◆

 

ギャアアアァァァァァァァァァ!!!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「ったく、人が戦ってる時にカジノで遊んでただぁ?このボンクラ親父が」

 

現在アザゼルは全員に袋叩きにされて縄で縛られていた。

 

「まあまあ皆、それくらいにしておいてやろうや」

 

「た、竜也ぁ……」

 

「あ、それはそうとアザゼル大根好き?」

 

俺はわりと太めの大根を取り出して聞く。

 

「だ、大根?まあ嫌いではないが……」

 

「鼻から食べるとおいしいよね♪」

 

「は?」

 

「鼻から食べるとおいしいよね♪」

 

「いや、そんなの絶対ムリ……」

 

「鼻から食べるとおいしいよね♪」

「ムリに決まって……」

 

「お・い・し・いよねぇ~~♥」

 

「………マジで?」

 

 

◆◆~~しばらくお待ち下さい~~◆◆

 

エッ!?チョッ!?チョッマッ!!

 

ドスッ!!

 

グアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「まつんだ、兄さん!」

 

「ヴァーリ?」

 

「ヴァ、ヴァーリィィィィィィィ(泣)!!」

俺がアザゼルにオシオキをしていると、ヴァーリが止めに入った。

 

「これくらいはしないと、ほれ、父さんプレゼントだ」

 

そう言ってヴァーリはアザゼルの前に時計を置く。

 

「ん?なんだこれ?時計?」

 

カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、

 

「おい、何か音大きくないか?え?何でお前ら離れてくの?え、ま、まさか……………」

 

ドカァアアアアアアアアアアアン!!!!

 

「あっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

戻ってくると、黒焦げになったアザゼルが倒れ付していた。

 

「……で、みんなに言うことは?」

 

「す、すいませんでした……」

 

「わかればいい」

 

その後、パーティーでは何のトラブルもなく、1日が終了したのだった。

 

((早くもやっていけるか不安になってきた……))

 

一方その頃、

 

(結局タツヤ様たちと会えませんでした)

 

と、しょぼくれてる金髪ドリルの姿があったとか。

 

 

そして翌日、ついにレーティングゲーム当日となった。


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