我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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すみません、しばらくぶりだったので調子が出なくて遅くなりました。
《》は小声での会話と思ってください


温泉と男の性

立ち込める湯気の中、カポーンと小気味よい音が鳴る。現在俺たちはグレモリー家所有の温泉にいた。

 

「漆黒~翼~靡かせて~♪」

 

アザゼルが湯に浸かりながら自作演歌、『漆黒堕天節』を歌っている。

「……相変わらず無駄に上手いなこのヒト…」

 

「てかなんなんすかその歌?」

 

「ん?俺の自作演歌『漆黒堕天節』、もうすぐリリース予定だぜ」

 

アザゼルが自慢気に言う

 

「んなもん誰が買うんだよ」

 

「せいぜいアザゼルのシンパか部下からの接待目的だろ」

 

「需要がないのは間違いないな」

「おいお前ら、ヒソヒソ話してるつもりだろうが音が反響して全部聞こえてんだよ」

こめかみをヒクヒクさせながらアザゼルが睨んでくる。

 

「まあまあ落ち着けっての、ほれおひとつ」

桶に入れて湯船に浮かべていたお猪口と土瓶を取り出してアザゼルにお酌する。

 

「ったくこんなとこは用意いいな……グビッ…ブッ!?おま!これ牛乳じゃねぇか!」

 

飲んだものを吹き出すアザゼル

 

「ノンノン、牛乳にあらず山羊乳。健康に良いんだぜこれ」

「女子かお前はぁ!?」

 

「ははは……しっかしおせぇなぁ、ギャスパーとヴァーリ」

 

「ほら、早く行けって」

 

「で、でもぉ……」

 

すると遅れてヴァーリとギャスパーが入って来た。

 

「ずいぶん遅かったなヴァーリ」

 

「ああ、兄さん。いやギャスパーのやつがな、皆が入った後で入るなんて言うから引っ張って来たんだ。さっきもタオル胸まで巻こうとしてるし」

 

「だ、だってぇ…恥ずかしいんだもん!」

 

ギャスパーは顔を赤くして両手で胸部を隠しながらモジモジして言う。

「だもんじゃねぇよ、お前男だろうが。モジモジすんな胸を隠すな気色悪い」

 

ヴァーリはそう言って後ろからギャスパーの両手をつかみ上に上げる。

 

「やぁぁぁぁぁ!!ヴァーリ兄様のエッチーーーー!!襲われるぅーーーー!!!」

 

「誤解を生むような叫び声を上げるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

すると女湯の方から石鹸が飛んで来た。俺はそれをキャッチする。

 

「……………ヴァーリ、ほれ」

 

俺はそれをヴァーリに投げ渡す。

 

「何だよ兄さ………ッ!!!?」

 

石鹸にはこう彫られていた。

 

『ヴァーリさん、後でお話があります。by白音』

ダラダラダラダラ「……………………」

 

ヴァーリはダラダラと冷や汗を流しながら震える手で持った石鹸を凝視していた。

 

《止めときなってフリード君》

 

《大丈夫だってイケるイケる》

ふとそんな声が聞こえてきた方を見ると、カメラや双眼鏡のような物を傍らに置いたフリードと、それを止めようとする裕斗の姿があった。

《何してんのお前ら》

 

《あっ!竜也君たちも止めてよ!フリード君女湯覗こうとしてるんだよ!》

《お、何だよもう始めてたのか》

 

《後でちゃんと焼き回ししろよ?》

 

《ほーん、面白いことやってんじゃねぇか。おじさんも混ぜたまえよ♪》

 

裕斗の懇願に反し、嬉々としてそこに加わろうとするバカとマダオ。

 

《ちょっ!?何皆悪のりしてんの!?て言うかアザゼルさん!あんた仮にも先生でしょ!?》

 

《ふっ、だからこそ先生として生徒が不祥事を起こさない為にバレないよう協力するんだろうが》

 

《覗きを行おうとしてる時点で既に不祥事でしょうが!ちょっ、本当止めなって皆!バレたら事だよ!?殺されるよ!?》

《心配するな、この俺特製のステルスカメラだ。撮影時音は一切鳴らず撮影した映像は直ぐ様アジトの俺のパソコンに移転されさらに内部に脚と羽が内臓されており自立稼働と遠隔操作が可能だ》

 

《何でこういう時ばっかに本気だすんだよ君は!?てか犯罪だよ!?》

 

《俺ら人外なんて皆生まれた時から犯罪者みたいなもんだろ?》

 

《失礼な事を言うんじゃないよ!?人外の人たちに八つ裂きにされるよ君!?てかイッセー君!君には夕麻さんとイリナさんがいるでしょうが!》

 

《心配しなくても俺は夕麻ちゃんとイリナの完全に無防備なあられもない姿にしか興味ねぇよ。てか木場ぁ、そう言うお前だってカーラマインのそんな姿に興味あるだろ?》

 

《ッッ!!!?》

 

イッセーのその言葉に裕斗は沈黙する

 

《……っは!い、いや べ、別にき、興味ないって言ったら嘘になるけど、でも……》

 

《あれれぇ~?どしたの木場ちぃ~ん?》

 

《はぁ、やれやれ、しょうがねぇなぁお前ら》

 

《あ、アニキ》

 

《良いか裕斗?お前らもよく聞けよ?ある人がこんな言葉を残した……『エロいのは男の罪、………それを認めぬは女の罪ぃぃぃ!!』》

 

『『ッッッッッ!!!!??』』

 

その瞬間、イッセーやアザゼルたちは雷が落ちたような顔をした。

 

《…………………ふ、負けたよ》

 

裕斗は何処か吹っ切れたような顔になる。

 

《ははっ、まさかこの年になって教えられることになるとはなぁ》

 

《流石はダンナぁ!》

 

《言う事が違うぜ!》

 

《よし!やるぞお前ら!》

 

『『おう!』』

 

バカが団結した瞬間であった。

 

《よし!それじゃさっそく》

 

ドン!ボカン!

 

すると突然上空から魔力の弾丸が飛んで来てヴァーリのカメラを破壊した。イッセーたちが上を向くと、タオルを巻いたリアスが羽を出して覗き込んでいた。

 

「聞こえてるのよ、あなたたち」

 

そう言ってリアスは女湯に戻って行った。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

「………………ゴミムシを見る目だったね」

 

「………………うん」

 

「あれ?てかアニキは?」

 

「あ、そういえばいつの間にかいない……」

 

イッセーたちがあたりを見渡すと、竜也はギャスパーと共に湯船に浸かっていた。

 

「へぇ、山羊乳ってけっこう美味しいんですね」

 

「だろ?」

 

(((((ず、ずりぃ………)))))

 

その後、温泉から上がってからイッセーたちはしばらく女性陣から口を聞いて貰えなかった。

 




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