我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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出迎えと甥っ子

アザゼルを除いたメンバーで駅のホームに降りると、

 

『リアスお嬢様、お帰りなさいませ!!!』

 

耳をつんざくような大衆の声を皮切りに、打ち上がる花火や祝砲、鳴り響くファンファーレ、圧倒され唖然とする俺たち……これどう考えても出迎えの規模じゃねぇだろ……

 

『リアスお嬢様、お帰りなさいませ』

 

「ありがとう、皆。ただいま、帰ってきたわ」

 

整列する執事やメイドに笑顔でそう返すリアスに、同じように笑顔を浮かべる彼らを見て、やはりリアスは皆に愛されているのだと思った。すると、そこに、グレイフィアさんが一歩出てきた。

 

「リアスお嬢様、お帰りなさいませ。そして雷門竜也様とそのチームの方々、いらっしゃいませ。お早いお着きでしたね。道中ご無事で何よりです。皆様、馬車にお乗りください。本邸にはこれで移動しますので」

 

グレイフィアさんに誘導され、見えたのはまさに豪華絢爛といった馬車。しかも1台だけでなく複数

 

「申し訳ない、こんな立派なものまで用意してもらって」

 

「いえ、どうかお気になさらず、グレモリー卿も竜也様をお待ちになっていますので」

 

「あぁ……そう…ですか……」

 

や、やべぇ……なんか今から緊張してきた

 

「? どうしたのタツヤ、顔色が優れないけど…私と一緒に乗る?」

 

「い、いや、大丈夫だリアス。お前は自分の眷属と一緒に乗る方がいいだろう。俺は俺の直属の配下と乗るよ。」

 

その後、馬車に乗る組分けをじゃんけんで決め、俺と一緒に乗るのはヴァーリ、アーシア、カラワーナ、フリード、黒歌の五人だ。俺たちが乗り込むと馬たちはパカパカと蹄の音をたてながら動き出す。

 

「…………はぁ」

 

「どうした兄さん、体調が優れないのか?兄さんの癖に」

 

「おい、どういう意味だヴァーリコラ………なに、柄にもなく緊張しちまってよ…それよりお前こそどうした?さっきからよそよそしかったが」

 

先ほどの馬車に乗るまでの間、ヴァーリは何かそわそわしていた。

「いや、それは、その……グレイフィアさんがな…なんか言い難い表情で俺を見るんだよね、あのヒト」

 

「あぁ…」

 

グレイフィアさんのいたルキフグス家は旧魔王派のルシファーに支えていた一族だもんな……こいつの名は明かしてないが、十中八九バレてるなありゃ…

 

「お、おい、ダンナ…あれ……」

 

「ん?どしたフリード?」

 

なにやらフリードのやつが窓の外を指差している。見ると、きれいに舗装された道の先になにやら巨大な建造物が…て言うか城が…

 

「…………なにあれ?」

 

「おそらく、あれがグレモリーの本邸だろうな」

 

「邸って言うか……城じゃね?」

 

「凄まじいな……」

 

「わ、わたしたち入っても大丈夫何でしょうか……」

 

「大丈夫にゃアーシア、たぶん皆そう思ってるにゃ」

 

「いや、たぶん俺の元いた家はあれよりでかかった気がする」

 

「「「「「え!!!?」」」」」

 

ヴァーリのカミングアウトに驚愕する一同。そういやこいつルシファーだもんな。

そんなこんなでしばらくすると、庭と思われる場所を進んで行き、馬車が止まるとドアが開き、降りるとリアスたちと合流してドデカイ門が開いて行く様を眺めていた。

 

「リアスお嬢様、そして眷属の皆様、雷門竜也様とその配下の方々。どうぞお進みください。」

 

グレイフィアさんが解釈して俺たちを促す。

 

「さあ、行くわよ」

リアスが歩き出そうとした時、メイドの列の方から小さな人影が飛び出し、リアスに飛び込む。

 

「リアスお姉様、お帰りなさい!」

 

「ミリキャス!ただいま、大きくなったわね」

 

リアスは愛しそうに少年を抱き締める。

 

「あ、あの、部長、その子は?」

 

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄様、サーゼクス・ルシファー様の子供なの。私の甥ね」

 

「「「「「え!!!?」」」」」

 

メンバーの内何名か(特にイッセー)は驚いていた。すると、ミリキャス君が俺の前に歩いて来た。

 

「はじめまして、ミリキャス・グレモリーです!あなたがお姉様のお婿さんの雷門竜也さんですか?」

 

「も、もう!ミリキャスったら/////」

 

「お、よくあいさつできたな。偉いぞ。」ナデナテ

 

「えへへ///」

 

頭を撫でてやると、ミリキャス君は嬉しそうに頬を緩ます。

 

「知っての通り、俺の名は雷門竜也。ちょっと規格外な一応人間の人外だ。よろしくな?」

 

『『『『『タツヤ/竜也(様)(さん)/アニキ/兄さん/ダンナは少しじゃ済まないだろ(でしょう)!!!』』』』』』

 

『龍の紡ぐ絆』のメンバー全員につっこまれた。

 

「うっせ、これが俺の挨拶の形式なの」

 

「うふふ、お父様の言ってた通りの人ですね」

 

ミリキャス君は笑いながら言う。

 

「ん?サーゼクスさんは俺のことをなんて言ってたんだ?」

 

「はい!とっても愉快で見ていて飽きない人だと言っていました。……あの、お兄様って呼んでいいですか?」

 

「ん?ああいいぞ。リアスと俺が結婚したら俺と君は身内同士ということになる。何かあったら俺に頼りな。力になってやる。」

 

パアァ「はい!お兄様!」

 

「うん、よろしい。」

 

ヒソヒソ(流石は兄さん。魔王の子供でも平常運転だ。)

 

ヒソヒソ(竜也君は昔から子供に優しいお方でしたから)

 

ヒソヒソ(フェミニストだな)

 

ヒソヒソ(てかロリコ《ヒュン!!》)

 

フリードの頬を投げた手裏剣がかすめる

 

「何か言ったか?」

 

「いえ!なんでもありません!」ビシッ!

 

グレイフィアから見ても、それはそれは見事な敬礼だったと言う。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

リアスの家、もとい城に入った俺たち。

 

「お嬢様、早速皆様をお部屋にお通ししたいと思うのですが」

 

「そうね、私もお父様とお母様に挨拶をしないといけないし」

 

「旦那様は現在外出中です、夕刻までにはお帰りになる予定です。夕食の席で皆様と会話しながらお顔合わせしたいとおっしゃっていました。」

 

「わかったわ、グレイフィア。それじゃあ皆には一度それぞれの部屋で休んでもらおうかしら。荷物はもう運んであるわね?」

 

「はい、お部屋の方も今からお使いいただいて構いません。」

休めるのか、列車の中ではしゃぎ過ぎたし、ここらで一服するとしようか。

 

「竜也様、ヴァーリ様」

 

「はい?」

 

「……何でしょうか?」

 

部屋に向かおうとしたらグレイフィアさんに呼び止められた。何故かヴァーリまで。

 

「誠に申し訳ございません。お二人にはこれから魔王様方のもとに下って頂きたいのです」

 

「「は?」」

 


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