我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

8 / 133
神社と姫

新たな力、俺専用の神器『魔源の三つ首甲』の能力に慣れるため今日もヴァーリと裏山で修行をいそしんでその帰り道。

修練の門は使わないのかって?あの後わかったことなのだか、修練の門は1日単位でしか使えないようで、さらに一度使うとしばらく使えなくなってしまう。

忘れがちだが俺は9歳でヴァーリは8歳。この年で1日行方をくらませたらえらいことになる。なので、少なくともこれを使うのは中学か高校に上がってからになりそうだ。

前回の一件、オオクニヌシ様にお叱りを受けている間、俺は意識を失っていたらしく、目を覚ました時ヴァーリに泣かれてしまった。こいつにとって、俺たちはやっと手に入れた心許せる家族。こいつもなんだかんだでやっぱり子どもなんだということを再確認させられた。(俺が言うのも何だが)そして、なし崩しに俺が転生者だとゆうことを話してしまった。これに関してヴァーリは…

 

「前々から規格外だと思ってたけどやっとその理由がわかった気がする。」

「たとえ兄さんが何だろうと俺の兄さんにはかわりないよ」

と言ってくれた。我ながらなんといい弟を持ったのだろうか。

そして、俺たちは今空を飛んでいる。ヴァーリは『白龍皇の光翼』で、俺は『魔源の三つ首甲』で造った魔法、鳥の翼を生やす『翼』(エーラ)で飛んでいる。ちなみに、周りに感知されなくなる魔法『インビシブル』を二人にかけてあるので見つかる心配はない。

 

「…おや、兄さんここ…」

ヴァーリが何か気がついたようだ。見ると下の神社一帯に結界が張られている。

 

「キャアアアアアア!!!!!」

 

「!!!?兄さん!!!」

 

「言われずとも!やるぞダハーカ!!!」

 

「「「おう!!!」」」

俺は『魔源の三つ首甲』を出現させ、結界を解除にかかる。千の魔法を司るダハーカ(長いからつけたアダ名)の知識を使うことができる今の俺にかかればこんな結界……

 

「解けた!いくぞ!」

俺たちは中へと突撃する。するとそこには刀を抜いた男たちに囲まれた俺たちぐらいの年の女の子とその母親と思わしき女性がいた。

 

「その子どもを渡せ!!その汚れた血を我が家に入れる訳にはいかんのだ!!!」

 

「嫌です!!!この子は私とあの人の大切な娘なんです!!!絶対に渡しません!!!!」

 

「そうか、ならせめて親子共々あの世へ送ってやろう!!!」チャキッ

 

「お母さま!!」

 

「朱乃!!!逃げてぇ!!!」

 

「死ねぇ!!!」

ガキィィィン

「なっ!!?」

「…え?」

「「させねぇよ!!!!」」

朱乃said

私のお父様は堕天使。私にはお父様の血が流れている。だけど、お母様の家の人たちはこの血を汚れた血、生きていてはいけない血だという。この人たちはお父様がいない時を見計らって私たちの家に乗り込んできた。私とお母様を殺す気だ。

お母様に刀が降り下ろされたと思ったそのとき、何処からか颯爽とやって来た白髪の男の子が青白い翼で、黒髪の男の子が竜のような籠手でそれを受け止めていた。

「こんなか弱い女の人によってたかって刀を向けるなんて、おじさんたちサイテーだね。」

黒髪の男の子が言う。

「なっなんだ貴様らは!!?」

「「通りすがりのドラゴンだ!!!」」

二人が口をそろえて言う。……打ち合わせしてたの?

「ドッドラゴンだとぉ?ふざけたことを…それにその白髪の子どもには悪魔の気配がするぞ!!不浄の輩め!!汚れた者同士共に死ね!!!」

そう言うと大人たちは一斉に二人に斬りかかる、あんな数が相手じゃ……すると黒髪の男の子はにっこりと笑い

 

「大丈夫だよお嬢さん。あなたたちは俺たちが絶対守って見せる。ヴァーリ!!!」

 

「了解!!トルネードカッター!!!!」ギュオオオオオ!!!!!

『グアァァァァ!!!!!』

白髪の男の子が高速回転すると巨大な竜巻が発生して大人たちを切り刻みながら空へと吹き上げる

「落ちろや!!!グラビドンプレッシャー!!!!!」ズドドドドド!!!!!

『ホゲァァァァ!!!!!』

黒髪の男の子が手をかざすとうち上がった大人たちが次々と地面に頭から突き刺さっていく。

 

「終わったな兄さん。」

 

「ああ、案外呆気なかったな。大丈夫ですか?お嬢さん。」

そう言って黒髪の男の子は私に近づき、そしてさっきみたいに優しく微笑んでくれた。

 

「はっはい、ありがとうございます////」

 

「ありがとう、あなたたちは私たちの命の恩人だわ。」

 

「いえいえそんな、俺たちはただ「朱乃ぉぉぉおまえぇぇぇ無事かぁぁぁぁ!!!!!」…うん?」

声のした方を見ると、お父様が猛スピードで迫ってきた。

 

「おや、この子の父親ですか?ちょうどよかっ「貴様らぁぁぁぁ二人から離れろぉぉぉああああ」ドわあぁぁぁぁ!!!!!」

お父様は聞く耳もたず二人に光の槍を雨のように投げる。……ナニヲシテイルノ……

 

「にっ兄さんヤバいよ!!!俺半分悪魔だから光の槍は不味いよぉ!!!」

 

「だな、お嬢さん、名残惜しいけどお別れです、また何処かで会いましょう。」

そう言い残して二人は消えていく……

 

「朱乃!おまえ!怪我はな「このバカァァ!!!!!」バキッ ブベラッ!!!?」

 

「お父様だいっ嫌い」ドスッ「グパァァァァ!!!!!」

Saidout

 

「………なんだこの状況?」

急いでバラキエルのあとを追ったが、犬神家状態の姫島家のものたちと、血へドを吐き真っ白になって地面に倒れ伏し妻と娘にボコボコにされるバラキエルを見て困惑するアザゼルであった。

 

 

「あれ、兄さんその刀は?」

 

「ああ、せっかくだから何本かくすねてきた。ほら見ろよ!これ妖刀だせ!!!」

 

「兄さん…あんたって人は……」

 




今回の魔法
『翼』背中に翼を生やす
『インビシブル』周りに感知されなくなる
『グラビドンプレッシャー』自分の一定範囲内の相手に超重力をかけ押し潰す
『トルネードカッター』真空の刃を纏った竜巻を発生させる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。