我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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広報活動と歌

ヴァーリside

 

現在俺たちは兄さんに呼ばれて地下秘密基地の放送室に向かっていた。

 

「急に呼び出して、何のようなんだアニキは?」

 

「さぁ、俺はただ『龍の紡ぐ絆』の主要メンバーを集めて放送室に来いとしか 聞いていない。」

 

「まぁ十中八九いつもの突然の思いつきでしょうね。」

 

そんなことを言ってるうちに放送室に到着した。

 

「兄さん来たぞ。」

 

放送室の扉を開けると、中は真っ暗だった。

 

「ありゃ?いないのか?おーいアニ《カッ!!》おわっ!!!?」

 

すると急にフラッシュがたかれ、シルクハットをかぶりギターを抱えた兄さんが現れた。

 

「諸君、今回は集まってくれてどうもありがとう。」

 

「……兄さん、今回は何を思い付いたんだ?」

 

「よくぞ聞いてくれた弟よ」ジャジャーン

 

ギターを鳴らして、回転椅子を回してこちらを向く兄さん……何このキャラ着け

 

「今回みんなに集まってもらったのは他でもない。実はだ、俺たち『龍の紡ぐ絆』が旗揚げしてかれこれ2週間になるが、一向に依頼が来ない。」

 

「そりゃまぁ設立2週間じゃそんなもんだろ」

 

「だぁらっしゃいこの白餡野郎!!!」ギュイ~~ン!!

 

「白餡野郎!!!?」

 

どんな罵倒だよ!?てか俺はどっちかと言うとこし餡派だ!

 

「この状況を由々しく思った俺は考えた。……そして思いついたのが《ギュインギュインギュインギュギュギュ~~ン!!!》音楽だ!!!俺たちのライブをネットで配信し知名度アップを計り依頼を呼び込む。さらにやがてはライブやCD、プロモーションビデオなども売り出して我らの資金源に!!!」

 

「要するに芸能プロダクションみたいなことをするってことか?」

 

て言うかむしろそっちの方が本命になってないか?

 

「その通り!!!スポンサーにはセラたんとアザゼルに着いてもらったぁ!!!幸いみんなルックスは大変いい!!!これを利用しない手はない!!!」

 

「なるほど、なかなか面白そうね♪」

 

「はぅぅ、けどわたしダンスなんてしたことありません」

 

「俺もまともに楽器引いたことないしな。」

 

「心配するな!こんなこともあろうかとインストラクターを呼んである。セラたんカモン!!!」

 

「はーいセラたんでーす☆私が来たからにはみんな超一流のアイドルにしちゃうよー☆」

 

スポットライトを浴びて登場したのは兄さんの新たな婚約者にして現魔王のセラフォルー・レヴィアタンであった。

 

「セラフォルー様……また魔王業をほっぽって来たんですか?」

 

リアスが半ば呆れてセラフォルーに尋ねる。

 

「ダイジョブよー、サーゼクスちゃんには『龍の紡ぐ絆』との外交って名目で許可はもらって来たから。それにサーゼクスちゃんもこの企画には乗り気みたいだからね☆」

 

「てな訳でさっそく行ってみようか『修練の門』」

 

バカン!!!ヒューーーーーーン

 

『『『『『『またこれかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?』』』』』』

 

「わーーーい☆これやって見たかったのーー!」

 

「……さてと、んじゃあとは頼むは分身」ポイッ

 

「あいよ」パシッ

 

「よっと」

 

全員が落ちたのを確認した後、竜也は分身に修練の門を渡して自身も中に入っていった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「という訳で、現在絶賛レッスン中の我が本体たちのパートナーを探すためにオーディションを開催したいと思う。この俺自らがじきじきに見定めてやるから心してかかりたまえ。」

 

((((((いきなり上から目線で何を言っとるんだコイツは………))))))

 

竜也(分身)によって呼び出された生徒会メンバーと元ライザー眷属は思った。

 

「……て言うか呼んだ覚えのない奴らもいるんだけど」

そこにはなぜかアザゼル、さらにジーク、ライザー、ディオドラのストーカー三人衆の姿があった。

 

「こんな面白そうなことに呼ばねぇとかあり得ねぇだろ。せっかくスポンサーになってやったってのに」

 

「俺の名声を取り戻すチャンスと見た!」

 

「アーシアたんがアイドルデビューすると聞いて黙ってられないよ!是非とも僕がアーシアたんのプロデューサーに!!!」

 

「僕は白にゃんやミッテルトたん、双子たんのプロデューサーに是非!!!」

 

ポチ、バカン!!!ヒュン!

 

「「あれぇ~~~~~~~~~~!!!?」」

 

『『『『ええっ!?』』』』

 

竜也(分身)がスタジオのボタンを押すと、ジークとディオドラの足元の床に穴が空き、二人はまっ逆さまに落ちて行った。

 

「とりあえず最初に……そこの女子、スタジオに入って歌ってみろ。」

 

「は、はい!?わ私か!?」

 

指名されたのは元ライザー眷属の『騎士』のシーリスだった。

 

「よし行けシーリス!お前の美声を芸能界に轟かすのだ!」

 

「黙っててくださいストーカーお兄様」

 

「ぐほっ!!!?」

 

ちなみにライザーがストーカーをやってることは残りの元ライザー眷属にも伝えてある。レイヴェルはゴミを見るような目でライザーを切り捨てた。それでも『女王』他数名はまだ気にかけてくれてるみたいだが。

 

「それじゃ始め」

『は、はい!~~~~♪』

 

「オーケーオーケーもういい」

 

『は?』

「荷物まとめて帰りなお嬢ちゃん。せいぜいパパの家業でも手伝って暮らすんだな」

 

ガーン!!∑『ヒーン!!』

 

シーリスは泣きながらスタジオをかけ出た。

 

「ひでぇ!自分で歌わせといて!」

 

匙のツッコミがスタジオに響くが竜也(分身)はどこ吹く風である。

 

「しゃあねぇ、ここは大人の魅力ってやつを教えてやろう」

 

「!!!アザゼル先生!!!?」

 

次にスタジオに入ったのはアザゼルであった。

 

「行くぞ!ミュージックスタート!」

 

漆黒堕天節

作詞;作曲 アザゼル

 

『『『『自作!!!?てか演歌ぁ!!?』』』』

 

『漆黒~翼~なびかっせ~て~♪』

 

『『『『しかもけっこう上手い!!?』』』』

 

すると、竜也(分身)は音量調整の部分を下にスライドさせる。

(音量調整か?)

 

『あ~あ~♪漆黒~堕天節ぃ~~んぁ』

 

プシューーー!

 

『うぐっ!!!?』

 

「ガスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

録音スタジオ内にガスが充満した。

 

『あ……かはっ………《カリッ》はぁはぁ……か』ドサッ

 

血文字で“たすけ”と書いたところでアザゼルは崩れ落ちた。

 

「次、用意しとけ」

 

「ヒド過ぎるだろ!!!てか大丈夫なのかこれぇ!?」

 

「心配するな、ただの睡眠ガスだ。ほれ、次」

 

「ふん、俺が行こう」

 

『『『ライザー様!?』』』

 

「ゴミぃ様!?」

 

「レイヴェル?ちょっと酷くない?……まあいい(本当は良くない)メインのお前を喰ってやるわ!」

 

ライザーは竜也(分身)に指差し宣言し、スタジオに上がる。

 

『我が美声に酔いしれるがいい!行くぞ!ミュージックスターツッ!!!』

 

ポチ、バコーン!!!

 

『ハーーン♡!!!?』

 

『『『『『ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?』』』』』

 

ライザーの言葉とともに竜也(分身)がスイッチを押すとスタジオの天井が高速で落下しライザーを押し潰した。天井が元に戻るとペラペラにのされたライザーの姿があった。

 

「消えろヘタクソが」

 

「まだ歌ってすらないのにぃ!!!?」

 

そんなこんなでオーディションは進んでいき、結果、ソーナとレイヴェル、そしてソーナ眷属の『女王』である真羅椿姫の三人であった。

 

「三人ともよく頑張ってくれた。君たちは俺の本体とセラたんが全力でプロデュースしよう。」

 

((失敗したら命が危なかったからですよ))

(あぁ、これにさらにお姉様が加わるのですか……)

 

「はい、それでは、追加三名ご案内」

 

バカン!!!

 

「「「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ結局ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」」」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

~~~~翌日~~~~

 

「よう、お帰り本体。」

 

「ただいま分身、もう帰っていいぞ」

 

「じゃあ俺消えるわ」ドロン

 

分身が元の髪に戻り俺の頭に戻るとともに俺に分身の記憶が入ってくる。これはグルメ細胞と髪の毛分身を合わせたオリジナル技である。

 

「さて、それじゃさっそく行ってみようか!」

 

『『『『『おお~~~~~~!!!』』』』』

 

ここ60日で俺とセラたん(主にセラたん)によって歌や踊り、演奏などのパフォーマンスを叩き込まれた一同はかなりノリノリである(やけくそとも言う)。

 

「……………はぁ」

 

「うふふ~~♪」

 

「シャアァァァァ!!!」

 

そんな中、一人憔悴した様子のヴァーリと笑顔でその右腕に腕を絡めるソーナ眷属の真羅椿姫とその反対側に腕をからめ椿姫を威嚇する白音。中で何があったのかはまた後程ということで。そしてついにネットライブを配信したのだが

 

「兄さん、アップロード数が百万回を越えたぞ!」

 

「たっくん冥界から凄い数のファンレターが届いてるよ!」

 

「CD出すって書いたら俺たちのブログが大炎上してるぞ!」

 

なんか思った以上に大反響となりました。




感想等お待ちしております。次回もお楽しみに

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