我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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テロと初陣

「………ちっ!これからって時に来やがって」

 

突然鳴り響いた爆音に周囲が騒然とする

 

「これって……」

 

「テロだな」

 

イッセーの呟きにアザゼルが答える。窓の外に光が見え、若干校舎が揺れている気がする。

 

「攻撃を受けているのさ、どこで嗅ぎ付けたか魔法使いまでいやがる。大体中級悪魔クラスってところか。ま、俺たちの張った結界があるから何をしようと無駄だけどな。」

 

「んで、ギャスパーの神器を強制的に禁手化させて、全員停止したところをフルボッコ……とでも考えたんだろうな」

 

俺が言うや否や、イッセー、フリード、ヴァーリから凄まじい殺気が立ち上がった。

 

「なぁアニキ、とりあえずあいつら全員ぶちのめしていいよな?」

 

「ダンナァ、あいつら皆殺しでいい?いいよね?ねぇ!?」

「クズどもが………生きて帰れると思うなよ…」

 

「おい!竜也!この物騒なこと言ってる奴らを止めろ!」

 

「待て待てお前ら」

 

「そうそうそれで…」

 

「ただ殺したんじゃそいつらを楽にしちまうじゃないか。やるなら殺すギリギリのところで生かしておいて生き地獄を味会わせてやれ。」

 

「「「了解」」」

 

「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

 

俺の仲間を利用しようとしたこと、生まれて来たことまで後悔させてくれるわ

 

「ダハーカ」

 

『『『おう!』』』

 

『魔源の三首甲』を出現させて非殺傷結界を発動する。これで連中は誰一人として()()()()()()()()()

 

「…………あ、」

 

「…?ゼノヴィア?」

 

「ああぁ…あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

何か急にゼノヴィアが絶叫し始めた。

 

「お、おい!?どうしたゼノヴィア!?」

 

「部室には作ったばかりのMGドムがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ズデェェェェェェェェェェェ!!!

 

その場にいた全員がずっこけた。

 

「陛下!私はこれから旧校舎(のMGドム)に向かいますので!では!」

 

ズバビュンッ!!と、陸上選手も真っ青のスピードでゼノヴィアは会場から出ていった。

「…………き、気を取り直して、ギャスパーに連絡を取ろう」

 

俺はすぐにギャスパーに念話を飛ばす。

 

「ギャスパー聞こえるか!?」

 

『はい!聞こえます!』

 

「ギャスパー!無事なのね!?」

 

リアスがギャスパーに安否を尋ねる。

 

『はい!なんか魔法使いの人たちがいきなり襲って来たので全員停止させた後ベルちゃんが吹っ飛ばしました!』

 

「上出来!カラワーナ!イザベラ!ベル!そしてギャスパー!俺たちの旗揚げの景気付けだ!派手に暴れてこい!」

 

『『『了解!!!』』』『ガウ!』

 

「よっしゃ!……さて、こんなときに何だが、俺たちの勢力の名前を言っておこう。ドーナシーク」

 

「はっ、こちらに」

 

ドーナシークが丸めた旗を取り出し俺に手渡す。俺がそれを勢いよく広げれば、旗に描かれた龍の頭部を模した紋章が露になった。

 

「龍の紡ぐ絆、『ドラゴン・トライブ』!!!それが俺たちの勢力の名だ!」

 

俺は紋章をはためかせ、高らかに宣言する。

 

「ドラゴン・トライブ……」

 

「龍の紡ぐ絆…まさにあなたちにふさわしい名前ですね。」

 

「それじゃあ、俺たちの旗揚げの初仕事だ。外にいるボケナスどもをサーチ&デストロイ!!!」

 

『『『『『了解!!!』』』』』

 

「「禁手化!!!」」

イッセーとヴァーリが禁手を発動し、イッセーが『赤龍帝の太陽神鎧』、ヴァーリが『白龍皇の月光神鎧』を身に纏う。

 

「リアスとフリードはギャスパーたちと合流!アーシアは回復のオーラを飛ばしてみんなを援護!悠斗とカーラマインはその護衛!朱乃ちゃんと夕麻たち堕天使組は上空から空爆!残りはイッセーとヴァーリに続け!一人たりとも逃がすなぁ!!!」

『『『『『了解!!!』』』』』

 

「……………あ、そうだ、リアス」

 

「?何、タツヤ…《ガバッ》…へ!?」

 

俺はリアスを抱き締める

 

「た、タツヤ!?いきなり何を!?」

 

「………ごめんな、ひどい事言っちまった。」

 

これだけは謝りたかった。どんな理由であれ、俺はリアスを傷つけた。

 

「タツヤ………いいのよ、私が未熟なのは本当のことだもの。……それより、今は敵の殲滅よ。」

 

「リアス……行ってこい。お前の力を見せつけてやりな。」

「ええ、おもいっきりやってやるわ♪」

 

リアスは羽を出して飛んで行った。会場に残ったのは俺たち各陣営のトップとグレイフィアさんと生徒会のみ。

 

「あ、そういや竜也、お前俺がやった神器の力を抑えるリングは結局どうなったんだ?」

 

アザゼルがふと思い出したように俺に尋ねた。

 

「ああ、あれ?ありがたくギャスパーに使わせてもらったよ。おかげで神器の制御がだいぶスムーズになった。ぶっちゃけ匙いらなかったな。」

 

「……匙、あなたが報われる日は来るのでしょうか…」

 

さぁ、本人次第じゃないですかね、ソーナ嬢

 

「アザゼル、そのような物まで作れるほど神器の研究は進んでいるのですか?あなたはその研究の先に何を求めているのですか? 」

 

「神器を作り出した神はもういない。少しでも神器を理解出来るやつがいた方がお前にとってもいいんじゃねえのか?あとは、息子とのスキンシップと……備えていたっていうのもあるがな」

 

「備えていた?」

 

「俺は戦争を仕掛けるつもりはねえが、ただ自衛の手段は必要だろう?つってもお前らにじゃねえぞ?」

 

「『禍の団(カオス・ブリゲート)』」

アザゼルの代わりに俺が答える。

 

「なんだ竜也、知ってたのか?」

 

「ああ、俺たちにとってそいつらはとある理由で邪魔でね。近々潰してやろうかと考えてたんだが、まさか向こうからやって来てくれるとはね………クハハハ」

 

「…………おい、お前今ものすげぇ悪人面してるぞ」

 

アザゼルがなんか言ってるけどしらない

 

「……それで、『禍の団』とは何の組織なんだ?」

 

「名前と背景が判明したのはつい最近さ。最も、それ以前からうちの副総統であるシェムハザ目をつけてたんだがな。連中の目的は破壊と混乱。その為に三大勢力の危険分子を集めているだ。簡単に言えばテロリストだな。しかも最大級にたちが悪い」

 

「では、今回のテロも」

 

「『禍の団』によるものだろうさ。さらに悪いことにそいつらの頭が危険過ぎる。あの強大にして凶悪なドラゴンだよ。」

 

その言葉に、つい反応してしまいそうになる。

「ッ!………そうか、彼が、『無限の龍神』であるオーフィスが、神すら恐れた最強の存在が、ついに動いたのか……」

 

怒りが沸き上がるのを必死に抑える。落ち着け、サーゼクスさんたちは何も悪くない。だが……やっぱり家族を悪く言われるとつい怒りが込み上げてしまう。くそっ!

 

『……そう、オーフィスが『禍の団』のトップです。』

 

「ッ!?なるほど、そういうことか!今回の黒幕はーーー」

 

サーゼクスさんは舌打ちする。そして女の声と同時に、会場の床に覚えのない魔方陣が浮かび上がる。………とりあえず、この怒りはここで発散するとしようか。この新しい()()()でな。

 

 




『ドラゴン・トライブ』の紋章のイメージはトランスフォーマープライムのプレダコンのエンブレムです。

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