我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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今回はちょっと長めです


魔王少女と撮影会

授業参観も終わって現在は昼休み

 

「ハハハハハ!なかなかの力作だったな竜也!流石は我が息子!」

 

「お母さんとっても嬉しいわ竜也ちゃん♪」

 

「あ、父さん、母さん」

 

「ようヴァーリ、ちゃんと学生やってるみたいだな?」

 

「ぶっ!?とう…アザゼル!!!?」

 

アザゼルの訪問に飲んでいたカフェオレを吹き出すヴァーリ

 

「お!今なんて言いかけた?言うてみ?ほら言うてみ?」

 

「なっ何でもねぇよ!?てか何であんたここにいるの!?」

 

「何でって授業参観に決まってるだろ?ちなみにバラキエルのやつもいるぜ?」

 

するとヴァーリが何か察したようにこちらを睨む

 

「…………兄さんか?教えたの」

 

「うん正解☆」グッ

 

笑顔でサムズアップしてやった

 

「いや何やってくれてんの!?…はっ!まさか授業中感じた視線は!?」

 

「おうとも俺だ、いやぁ気配消して見てたが流石は俺が息子同然に育ててやっただけはあるぜ。ハッハッハッハッハッ♪」

 

「ぐううううううう!!兄さん!!!余計なことを !」

 

「クハハハハハハハ!よく言うぜ!嬉しい癖に」

「ッ!!!!?////////」カァァァァ

 

「あらあらこの子ったら顔真っ赤にしちゃって」

 

「おいアザゼル、言っておくがヴァーリの父親は俺だからな?」

 

「ハン!言ってろ、一緒に過ごした時間は俺の方が長いからな」

「父親らしいことは俺の方がしてやれてる。お前は毎日研究三昧だったのだろう?」

 

「うぐっ!」

 

クフフフフフ……ここらで助け船でも出してやるか

 

「ヴァーリ、確かグリゴリに行ってしばらくした時だったかな?『アザゼルにもよくしてもらってるし、まるで二人目の父さん見たいで……これって浮気かなぁ?』だったか?」

「!!!!!!?」

 

俺のカミングアウトにヴァーリはさらに顔を真っ赤にする

「ッ!!!?……ハハハ!嬉しいこと言ってくれるじゃねぇかヴァーリ!」ガシッ

 

「うおっ!?父さ…じゃなくてアザゼル!!!?やめっやめろって!!!」

 

アザゼルは一瞬驚いたと思ったらヴァーリを抱き抱え、笑顔でガシガシとヴァーリの頭をかきむしる。一瞬瞳から落ちた何かは見なかったことにしておいてやるよ。

 

「なるほど、ならヴァーリに免じてお前が『お父さん』と呼ばれることを認めてやろう。だが!孫を先に抱くのは俺だ!」

 

「バカ言え!俺が先だ!」

「ッッッッッ!!!?ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

兄さぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

「ハッハッハッ、去らばっ!」

 

俺はその場を後にした

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「やぁイリナ、久しぶりだね」

 

「!!?お父さん…なんで……」

 

ヴァーリたちが騒いでいる時、一足遅れてヴァーリたちのもとにイリナとイッセーたちの前に現れたのは、イリナの父だった。

 

「私も竜也君に呼ばれてね、ちなみにお母さんも来ているよ?今イッセー君や竜也君のお母さんたちといっしょだ」

「だ…だけど私は追放……」

 

「イリナ」

 

するとイリナの父はイリナを抱き締める

 

「イリナ、君が追放された時言えなかったが今言わせてくれ。例えおまえがどんな立場になったとしても、おまえは私たちの大切な娘だよ。」

 

「っ!!!?……お父……さん……」

 

「紫藤さん……」

 

「イッセー君、話は竜也君から聞いたよ。…イリナを幸せにしてくれると約束して欲しい」

 

「ッ!!!?…はい!!!俺、絶対にイリナを幸せにして見せます!!!」

 

「うん、その言葉、信じさせてもらうよ。……さて、それじゃあ私も同行させてもらえるかな?」

 

「はい!」

 

「こっち!こっちよお父さん!」

 

「ははは、わかったわかった」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ところ変わって中庭、ミックスジュースで一服しようと思ったのだが、なぜか魔法少女がいた。

 

「あれ?セラさんじゃん」

 

「あっ!たっくんだー☆」

 

俺をたっくんと呼ぶこの魔法少女、もとい魔王少女は、四大魔王の一人、セラフォルー・レヴィアタンである。昔、黒歌のはぐれ指定解除の時お会いしてえらく気に入られてしまったのだ。

「わーい!たっくーん☆」

 

セラさんはいきなり俺に抱きついて来た。

 

「お久しぶりですセラさん、今回はどうしてここに?」

 

「えっとね☆ソーナちゃんの授業参観と、ついでに会談会場の下見かな?」

 

「ああ、そう言えばソーナ嬢はセラさんの妹さんでしたね。」

 

てかセラさん、会談の方はついでですか……その時俺はあることを思いついた。

 

「……セラさん、実は俺セラさんにお願いがあるんですよ。」

 

「え!ナニナニ!?たっくんのお願いならレヴィアたん何でも聞いちゃうよ☆」

 

「本当ですか!?良かったぁ、お礼にセラさんのことこれからは『セラたん』って呼んじゃいます♪」

 

「え!?本当!?やったぁ!じゃあじゃあ、ついでに私とは普通に話して!そしたらもっとがんばっちゃう☆」

 

「わかったよセラたん、だから俺のお願い聞いてくれる?」

 

恐れ多い気がするがこの人だから大丈夫だろう

 

「やっふー☆セラたんがんばっちゃうぞーー!!!」

 

「で、お願いなんですけど………」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

その頃ヴァーリたちは

 

「……はぁ、かんべんしてくれよ父さん…」

 

「本当ですわ、お父様ったら何も言わずに来るんですもの。自分の立場を考えて欲しいですわ」

「悪魔の巣窟だもんなここ」

 

「「はぁ……」」

 

「おーい、ヴァーリって何で凹んでるの?」

 

「察してくれ、んで、何だイッセー?」

 

「ああ、何でも体育館で魔法少女が撮影会してるって元浜たちが……」

 

それを聞いた瞬間、その場にいた幼なじみ組と悪魔が固まった。

 

「…………まさか」

 

「他に誰がいると?」

 

『『『…………はぁぁ』』』

 

『?』

 

よくわかっていないアーシアたち元教会組と堕天使たちだった

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ところ変わって、体育館は熱気に包まれていた

 

「…………なんだこの熱気」

 

「おっ、おいヴァーリあれ!!」

 

「うん?」

 

そこでヴァーリが見たのは

 

『くっ、まさかここまでの力なんて!?』

 

『クハハハハハハハ!!!残念だったなレヴィアたん!きさまではこの魔源覇王には勝てない!』

 

竜也とセラフォルーが体育館の舞台で演劇をしていた

『まだよ!まだ諦めたりしないんだから!!』

 

『ふん!きさまごとき我が相手をするまでもない、出でよ!狂乱怪人フリード!MS怪人ゼノヴィア!』

 

『ヒャッハー!俺っちの名前を言ってみろーー!!』

 

『べあー』

 

すると今度は世紀末のような格好をしたフリードとベアッガイのキグルミを着たゼノヴィアが出てきた。

 

「「「「何してんのあいつら!!!?」」」」

 

イッセー、ヴァーリ、リアス、イリナがツッコむ

 

『ヒャッハー!魂までキザんでやるぜーー!!』

 

『べあー』

 

するとフリードは禍々しいオーラを放つ2mはあろうかという巨大な鋏を取りだし、ゼノヴィアの手首から肘にかけて魚のヒレのような刃が現れた。

 

「……おいヴァーリあれって」

 

「ああ、ゼノヴィアのあれはウェポンARM『フィンエッジ』、フリードの鋏は間違いなく妖刀の類いだな。」

 

『ヒャッハー!ちねーー!!』

 

『べあー』

 

言ってる間にフリードとゼノヴィアがセラフォルーに飛び掛かる。

 

「だっ、駄目だゼノヴィア、フリード!その飛びかたとセリフは…死ぬ感じだッ!!!」

 

イッセーが叫ぶがもう遅い

 

『あなたたちに恨みはないけどごめんなさい!『マジカルレヴィアたんフラッシュ』!!!』

 

セラフォルーの放った光線にフリードとゼノヴィアはなすすべなく飲み込まれる。

 

『ひでぶーー!!』

 

『ぜのべあー!』

 

「何こんなとこで魔法ぶっぱなしてるんだーー!!」

 

無情にも、ヴァーリの叫びは歓声に飲み込まれる。

 

『はぁはぁ…次はあなたよ!魔源覇王サンダーゲート!』

 

『クハハハハ!面白い!いいだろう、我自らがこの世から葬ってくれるわ!』

 

『負けられない!世界の平和を願うみんなのためにも!』

 

『死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

 

『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

「ストォォォォォォォォォォップ!!!」

 

すると二人の間に匙が止めに入る

 

「なんだよ生徒会!今いいとこだったのに!」

 

「そーだ!そーだ!」

 

「引っ込めタワシー!!!」

 

「やかましい!今日は授業参観であってアクションショーじゃないんだぞ!とっとと解散しろ!ってか誰だぁ!!!今タワシつった奴!!!?出てこいやゴルァ!!!」

 

生徒と父兄たちは渋々解散する

 

「んだよ匙、せっかくセラたんとの最終決戦に向かおうって時に邪魔しやがって」

 

プンプン「そーだよ!今いいとこだったのにぃ!」

 

「「んねー♪」」

 

相手の両手のひらと自分の両手のひらを合わせて左足を上げてポーズをとる竜也とセラフォルー

 

「んねー♪じゃねぇよ!?あと、あんたも学舎でそんな格好しないでくれ!」

 

「えーー、だってこれが私の正装だもん☆」

 

「そうだ!そうだ!人の格好にケチつけんな!そんなだからお前は匙なんだよ」

 

「「んねー♪」」

 

「もういいわ!!!ってかどういう意味だそれ!?悪口なんか!?匙って悪口なんかぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

匙のツッコミが体育館に響き渡る

 

「てか匙、お前立場的にセラたんにその物言いは不味いぞ」

「は?それってどういう……」

 

「何事ですか匙!?先ほど体育館から凄まじい魔力が…」

 

「ソーナちゃん見つけた☆」

セラフォルーがソーナのもとに一瞬で移動する

 

「な?言ったろセラたん。ここで騒いでたらソーナ嬢の方からやってくるって」

 

「本当だね♪たっくんやるぅ~☆」

 

「やあレヴィアタン、君も来てたんだね」

 

するとそこにサーゼクスが現れる

 

「レ…レヴィアタンってまさか……」

 

「いかにも!何を隠そうこのセラたんこそ、4大魔王が一人『セラフォルー・レヴィアタン』なのだ!」ドンドンパフパフー

竜也がどこからともなく取り出した扇子を両手に持ちセラフォルーを扇ぐ

 

「え…えぇぇぇぇええぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」

 

匙が驚愕のあまり絶叫する。それはそうだ、こんな魔法少女が魔王だとは夢にも思うまい

 

「お久しぶりですセラフォルー様」

 

リアスがセラフォルーに挨拶する

 

「あっリアスちゃんおひさー!元気だった?」

 

「え、ええ、今日は授業参観に?」

 

「そうなの!ソーナちゃんったらひどいんだよ!授業参観のことお姉ちゃんに黙ってて、お姉ちゃんショックで天界に攻め込むところだったんだから」

 

「おいおいセラたん、この時期に天界とドンパチは不味いぜ」

 

「う~ん、たっくんがそう言うなら止めとくよ☆」

 

「てか竜也!お前こそ魔王様になんて口聞いてるんだよ!!!?」

 

「ん?ああ、いいのよ俺は、本人がいいって言ってるし」

 

「うん☆私とたっくんの仲だもん」

 

「「んねー♪」」

 

「……………なぁ、何でこの二人こんなに仲いいわけ?」

 

匙がヴァーリに尋ねる

 

「色々あったんだよ、色々な……」

 

「もう限界ですっ!!!」

 

とうとうソーナが羞恥に耐えられず逃走する

 

「あーん!待ってよソーたん!お姉ちゃんを置いてかなんでーー!!」

「たんをつけて呼ばないでください!!!」

 

「まぁお待ちよセラたん」

 

竜也がセラフォルーを引き留め、ソーナはそのうちに体育館からから逃げ出す

 

「もー!何するのよたっくん!ソーたん行っちゃたじゃない!」プンプン

 

「まぁ待てよレヴィアタン。ああいう年頃の子供ってのは人の手前つい恥ずかしがっちまうが、内心は喜んでるもんなのさ。こういう時はそっとして置いてやんな」

 

するとそこにアザゼルが入ってくる

 

「あれ?なんで悪魔の巣窟に堕天使総督がいるの~?」

 

「悪いが今の俺は堕天使総督ではなく、ただのヴァーリの父親…そう、お父さんなんだ!!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!止めてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

ドーンと胸をはり高らかに宣言するアザゼルと羞恥に悶えるヴァーリ

 

「ああ、そうだセラフォルー、このあと私たち父兄で妹息子たちの成長を記録した映像の鑑賞会を行うんだが、良ければ君もどうだい?」

「うん行く行くー☆」

 

「「「「「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇてぇぇぇぇぇぇぇぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」




ちなみに、竜也が体育館に非殺傷結界を張っていたためゼノヴィアとフリードは無事でした。

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