我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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どうも、期末テストやら研修旅行の準備やらで遅くなりました。ちなみにまだテスト期間中です。三角関数とかわっけわかんねぇ………


月夜と再戦

オカルト研究部、料理部、生徒会メンバーが探索に行った後のオカルト研究部部室

 

「ーーーああ、ああ………なるほど、そういうことか……よし、お前は△公園に向かえ、確かそっちに木場たちが向かったはずだ。例え戦闘になっても深追いはするな、それとなーくヒントを与えてから逃げろ。なーに、これもあいつらにはいい試練だ。……ああ、ああ、そういうわけでよろしく。」《ピッ》

 

携帯電話を切り、試練の門の前で鎮座する竜也は窓から夜空を眺める。空には満月が青白く輝いていた。

 

「………団子食べたい。」

 

緊張感もへったくれもない男であった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

木場、カーラマイン、白音、ついでに匙の四人は△公園近くを散策していた。

 

「うぅ……グスッ木場ぁ…、お前の過去にそんなことが……透かしたいけすかない野郎だと思っていた俺を許してくれ!」

 

散策中、木場自信から彼の聖剣との因縁を聞かされた匙は左手で涙をぬぐいながら走っていた。そんな彼を木場はやや困ったように、カーラマインと白音はアホを見るような目で見ていた。

 

「……それにしても見つかりませんね……」

 

「ああ、聖剣のオーラすら感じられない。」

 

「気をつけて、彼は油断ならない。」

 

「わ~りと近くにいるかもよん♪」

「そうそう、わりと近くに…って!!!?」

 

突然の第5の声に木場たちはすかさず臨戦体制に入る。しかし、相手は影も形も見えず、木場たちは互いに背中合わせになって周囲を警戒する。

 

「後ろの正面だ~あれ、ってか!」

 

「「「「!!!?」」」」

 

後ろからの声に全員が振り替える。そこにはフリードが聖剣を振りかぶって今まさに降り下ろした。

 

《ガキィィィィィン!!!》

 

「やらせないよ。」

 

「ケハハハハ!!!また会ったなぁエセナイト!!!」

 

フリードは一旦飛び退いて距離を取ってから助走をつけて再び木場に斬りかかりそのまま打ち合いになる。しかし、前回とは違い 木場の魔剣は数度打ち合っても折れることはなかった。

 

「ふーん、どうやら今度はちゃんと(・・)の通った剣見たいだなぁ。」

 

斬り合いの最中、フリードは余裕そうにニヤリと口を吊り上げ木場に言う。

 

「まあね、色々と吹っ切れたよ!」

 

「ふーんそっか、ならもうちょい本気出してもいいかな!」

 

するとフリードのスピードがさらに増し、木場に凄まじいラッシュを叩き込む。

 

「速いね、それが君のエクスカリバーの力かい?」

 

「イカにもタコにもサンマにも!その名を『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピットリィ)』!!!俺っちの素早さ大アップ!ってか!!!」

 

フリードはさらにスピードを上げて木場に猛攻を叩き込む。

 

「なるほどね、所有者の素早さを向上させるのか……だけど、《剣山》!!!」

 

「うおっ!?」

 

フリードの足元から大量の魔剣が出現し、フリードは後ろに飛び退いて回避する。

 

「僕は別に斬り合いだけしか芸がないわけじゃないよ!《ソーディアンショット》!!!」

 

「うわっ!?ちょっ!?危なっ!?」

 

木場は空中に何本もの魔剣を浮遊させてフリードに打ち出す。フリードはそれを『天閃の聖剣』で強化されたスピードでヒラリヒラリと回避する。

 

「《疾風突き》!!!」

「おわっ!?」

 

そこへカーラマインが乱入してフリードに高速の突きを放つがそれもかわされてしまう。

 

「皆さん、他の方々に連絡をしました。」

 

そこへ白音がフリードに殴りかかりながら木場たちに言う。

 

「ゲッ!?ヤバい!」

 

「逃がすかよ!伸びろラインよ!」

 

応援が来ることを聞き逃げようとするフリードだが匙の放った黒いラインを足に巻き付けられ引き留められる。

 

「うわっなんだこりゃ!?ウザッ!?キモッ!?」

 

「やかましいわ!?そのラインはお前の力を吸収し続ける。お前がぶっ倒れるまで離さないぜ!」

 

「げぇ!?切実にやっべぇ!!!」

 

「今だよ!《ソーディアンショット》!!!」

 

「《火炎切り》!!!」

 

「《烈鋼拳》」

 

木場が魔剣を打ち出し、カーラマインが炎を纏った剣で斬りかかり、白音は鉄をも砕く拳の一撃をフリードへ向ける。

 

「はぁ、しゃあねぇ………」

 

フリードはため息をついた後聖剣を帯刀する。

 

「ーーーーーオーガハンド!!!」

 

「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」」」

 

するとフリードの両腕が巨大な異形のものとなり木場たちを攻撃ごと振り払う。

 

「ほーらお前も飛びな!」

 

「ぐがっ!?」

 

フリードは今度は匙を殴り飛ばし、それと同時に拘束から解除される。

 

「ガハッ………君のその腕は……」

 

「種明かしはまた今度だ、じゃ、また会おうぜナイト君。」

 

フリードは閃光弾を放ち、光が収まると、そこにはもうフリードの姿はなかった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

木場side

 

油断した。フリードにあんなかくし球があったなんて……それにしてもあの腕……まさか……いや、でもそんな………

 

「くっ遅かったか!」

 

声のした方を見るとゼノヴィアさんとイリナさんが駆けつけていた。

 

「みんな遅れてごめん!」

 

「まだ近くにいるかも知れない。行くぞイリナ!」

 

「あっ待ってよゼノヴィアぁ!」

二人はそのまま走り去って行った。

 

「……竜也君に…知らせないと……」

 

僕は懐から携帯を取り出した。

 

『どうした木場?』

 

「すまない竜也君、フリードに逃げられた。今イリナさんとゼノヴィアさんが追いかけて行ったよ。」

 

『はぁ!?ったくあいつら……わかった、一旦部室に戻って来い。他の探索に出たみんなにも一旦集まってもらう。二人は最悪黒歌たちに回収させる。』

 

「わ、わかったよ。」《ピッ》

 

「カーラマイン!みんな!無事か!?」

「元ちゃーーん!」

 

携帯を切ると、イザベラさんと生徒会のヒトたちが駆けつけてくれた。僕たちはイザベラさんたちに担がれて部室まで運んでもらった。

 

sideend




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